この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)の記載例を公開しています。
今回は領域9「コーピング/ストレス耐性」です。
看護記録の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!
看護記録(SOAP)の書き方に関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】)を参考にしてください!
【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】
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他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!
*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*できるだけ多くの患者に適応できるよう、あえて抽象的な内容を含めている部分がございます。こちらもご活用いただく際はご注意ください。
【NANDA-I看護診断】領域9「コーピング/ストレス耐性」の看護計画の記載例まとめ【コピペ可】
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NANDA-I領域9「コーピング/ストレス耐性」の看護診断名一覧
NANDA-I領域9「コーピング/ストレス耐性」は、類①〜③に分けられます。
それぞれの診断名一覧は以下の通りです。
- 類① トラウマ後反応
- ・移住トランジション複雑化リスク状態
・心的外傷後シンドローム
・心的外傷後シンドロームリスク状態
・レイプ-心的外傷シンドローム
・移転ストレスシンドローム
・移転ストレスシンドロームリスク状態
- 類② コーピング反応
- ・非効果的行動計画
・非効果的行動計画リスク状態
・不安
・防衛的コーピング
・非効果的コーピング
・コーピング促進準備状態
・非効果的コミュニティコーピング
・コミュニティコーピング促進準備状態
・家族コーピング機能低下
・家族コーピング機能停止
・家族コーピング促進準備状態
・死の不安
・非効果的否認
・恐怖
・悲嘆不適応
・悲嘆不適応リスク状態
・悲嘆促進準備状態
・気分調整障害
・無力感
・無力感リスク状態
・パワー促進準備状態
・レジリエンス障害
・レジリエンス障害リスク状態
・レジリエンス促進準備状態
・慢性悲哀
・ストレス過剰負荷
- 類③ 神経行動学的ストレス
- ・急性離脱シンドローム
・急性離脱シンドロームリスク状態
・自律神経過反射
・自律神経過反射リスク状態
・新生児離脱シンドローム
・乳児行動結合障害
・乳児行動結合障害リスク状態
・乳児行動結合促進準備状態
類①-移住トランジション複雑化リスク状態
コード:00260
- 定義
- 移民としてのトランジションにおける、不満足な結果や文化的障壁に対して、否定的な気持ち(孤独感、恐怖、不安)を経験しやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 移住トランジション複雑化リスク状態 |
S(主観的情報) | 「新しい環境にうまく馴染めるか不安がある。」「言葉や文化の違いが大きくて、うまくやれるか心配。」 |
O(客観的情報) | 移住先の環境や文化に関する情報不足が確認され、適応への困難さが予想される。 言語や文化的背景の違いにより、社会的孤立やコミュニケーションの困難が見られる可能性がある。 家族や地域からのサポートが不足している、または移住の準備が不十分な様子がある。 ストレスや心理的な負担が増加しており、日常生活の適応能力が低下するリスクがある。 |
A(評価) | 移住に伴う環境や文化の変化、サポート不足、言語的・文化的障壁により、移住トランジションが複雑化するリス |
P(計画) | 移住先の文化や言語に関する情報を収集し、必要に応じて語学や文化適応のためのトレーニングを提供する。 地域の支援団体や移住者コミュニティを紹介し、社会的つながりを構築できる環境を整える。 移住の準備段階で、家族や友人の協力を得る方法を提案し、移住後も連絡を取りやすい体制を整える。 移住先の医療や福祉サービス、教育機関などのリソースに関する情報を提供し、日常生活をスムーズに進められるよう支援する。 心理的ストレスを軽減するためのリラクゼーション法やストレス管理の方法を指導し、適応能力を向上させる。 必要に応じて、心理カウンセリングや移住に特化した支援プログラムを提案し、心理的・社会的適応をサポートする。 |
類①-心的外傷後シンドローム
コード:00141
- 定義
- 忘れられないほど衝撃的で圧倒的な出来事に対する、持続的な不適応反応の状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 心的外傷後シンドローム |
S(主観的情報) | 「あの時のことが何度も思い出されて、忘れようとしても消えない。」「些細なことでも怖くなって、普通に生活できない気がする。」 |
O(客観的情報) | 過去の外傷的な出来事に関連したフラッシュバックや悪夢を頻繁に訴えている。 音や光などの些細な刺激に対して過剰に反応し、強い不安や恐怖を示す。 避けたい記憶や感情に関連する状況や場所を避ける行動が観察される。 持続的な不安、過覚醒(例:過度の警戒心や集中困難)、感情の平坦化が確認される。 |
A(評価) | 過去の心的外傷により、心理的・身体的な症状が続いている心的外傷後シンドローム(PTSD)の状態が見られる。この状態が日常生活や社会的機能に深刻な影響を及ぼしている。 |
P(計画) | 心的外傷に関連する症状を軽減するため、専門的な心理カウンセリングや認知行動療法(CBT)を紹介する。 ストレス管理やリラクゼーション技法(例:深呼吸、瞑想)を導入し、不安や過覚醒を軽減する。 必要に応じて精神科医と連携し、症状に応じた薬物療法(例:抗不安薬、抗うつ薬)の利用を検討する。 安心して話せる環境を提供し、外傷体験についての語りをサポートし、感情の整理を促進する。 家族や支援者に心的外傷後シンドロームに対する正しい理解を促し、患者に対する適切な接し方を指導する。 トラウマに関連した場所や状況への段階的な暴露療法を取り入れ、少しずつ適応力を高める支援を行う。 社会的サポートの重要性を説明し、患者が孤立しないように、グループセラピーや支援団体への参加を促す。 |
類①-心的外傷後シンドロームリスク状態
コード:00145
- 定義
- 忘れられないほど衝撃的で圧倒的な出来事に対して、不適応反応が持続しやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 心的外傷後シンドロームリスク状態 |
S(主観的情報) | 「あの出来事を思い出すと怖くなる。」「同じような状況にまたなるんじゃないかと不安でたまらない。」 |
O(客観的情報) | 外傷的出来事(例:事故、暴力、災害)を経験しており、その影響で不安や過覚醒が見られる。 トラウマ体験を連想させる場所や状況を避ける行動が増加している。 睡眠障害(例:入眠困難、悪夢)が観察され、日常生活に影響を及ぼしている可能性がある。 過去の外傷体験に関連したフラッシュバックや強い情緒反応が発生するリスクが高い状態にある。 |
A(評価) | 過去の外傷体験により、心理的・身体的な影響が蓄積し、心的外傷後シンドローム(PTSD)の発症リスクが高い状態にある。この状態が進行すると、生活や社会的機能に深刻な支障をきたす可能性がある。 |
P(計画) | 早期の心理支援を受けるため、トラウマ専門のカウンセリングや認知行動療法(CBT)を紹介する。 リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想、ヨガ)を教え、心理的な安定を保つ方法を実践する。 ストレスの軽減を図るため、家族や友人などの社会的サポートを積極的に活用するよう提案する。 精神科医と連携し、不安症状や睡眠障害に対処するための薬物療法を検討する。 トラウマ体験に関連した感情を整理するため、語りの場や安全な環境での表現活動を奨励する。 外傷体験に関連する場所や状況に少しずつ慣れるため、段階的な暴露療法を必要に応じて取り入れる。 心的外傷後シンドロームの兆候に対して家族や周囲の支援者に注意を促し、適切なサポート体制を構築する。 |
類①-レイプ-心的外傷シンドローム
コード:00142
- 定義
- 被害者の意思や同意を無視した、強制的で暴力的な性行為に対する持続的な不適応反応の状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | レイプ-心的外傷シンドローム |
S(主観的情報) | 「あの出来事を思い出すと、どうしても怖くなって息が苦しくなる。」「普通の生活に戻りたいのに、何をしても気持ちが落ち着かない。」 |
O(客観的情報) | レイプ被害後、フラッシュバックや悪夢に頻繁に悩まされている。 被害の記憶や関連する状況を避ける行動(例:外出の回避、人との接触を避ける)が見られる。 過覚醒(例:過度の警戒心、睡眠障害、イライラ)が確認され、日常生活に影響を及ぼしている。 強い罪悪感や自己否定的な発言が増え、精神的負担が顕著に現れている。 |
A(評価) | レイプによる外傷的経験により、心理的・身体的な症状が持続しており、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の一形態であるレイプ-心的外傷シンドロームが見られる。この状態は被害者の心理的安定や生活の質に深刻な影響を及ぼしている。 |
P(計画) | 専門的なトラウマカウンセリングを受けるため、心理士や精神科医と連携し、被害者が安全で安心できる環境でケアを受けられるよう支援する。 リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)やストレス軽減技法を指導し、緊張や過覚醒の軽減を図る。 フラッシュバックや悪夢の頻度を減らすため、認知行動療法(CBT)や眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)などのトラウマ治療を提案する。 必要に応じて精神科医と連携し、不安やうつ症状に対処するための薬物療法を検討する。 被害者が孤立しないよう、信頼できる家族や友人とのサポート体制を構築し、社会的つながりを維持する。 安全性を最優先に考え、被害者が安心して生活できる環境を整えるため、必要なら法的支援や保護サービスの利用を支援する。 グループセラピーや支援団体への参加を促し、同じ体験を共有する仲間とのつながりを提供する。 |
類①-移転ストレスシンドローム
コード:00114
- 定義
- ある環境から別の環境に移動した後に起こる、生理的及び心理社会的な混乱状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 移転ストレスシンドローム |
S(主観的情報) | 「新しい環境に馴染めなくて、以前の生活が恋しい。」「どこにいても落ち着かず、何をするにも疲れてしまう。」 |
O(客観的情報) | 新しい環境に適応できず、不安感や孤独感が増加している。 生活リズムの乱れや睡眠障害、食欲不振が観察される。 社会的孤立が進み、他者との交流が減少している。 以前の生活に戻りたいという強い思いがあり、適応への努力が停滞している。 |
A(評価) | 移転による環境変化に適応できず、心理的・身体的ストレスが蓄積している移転ストレスシンドロームの状態にある。この状態が継続すると、健康や生活の質に悪影響を及ぼすリスクがある。 |
P(計画) | 新しい環境への適応を支援するため、地域の情報やリソース(例:コミュニティセンター、支援グループ)を紹介し、社会的つながりを構築する。 ストレス軽減のため、リラクゼーション法やストレス管理スキル(例:深呼吸、タイムマネジメント)を指導する。 日常生活のリズムを整えるため、規則的なスケジュールを作成し、実行可能な目標を設定する。 移転先の環境や文化を理解するための情報収集や学習機会を提供し、心理的な安心感を高める。 家族や友人との連絡を保ち、感情的なサポートを受けるよう促す。 必要に応じて、心理カウンセリングやメンタルヘルスサポートを紹介し、不安や孤独感を軽減する支援を行う。 ポジティブな体験を増やすため、新しい環境での趣味や活動を提案し、成功体験を通じて自信を育む。 |
類①-移転ストレスシンドロームリスク状態
コード:00149
- 定義
- ある環境から別の環境に移動した後に、生理的及び心理社会的な混乱状態が起こりやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 移転ストレスシンドロームリスク状態 |
S(主観的情報) | 「新しい環境にちゃんと馴染めるか心配。」「知らない場所や人が多くて不安になることがある。」 |
O(客観的情報) | 移転先の情報や環境に対する準備が不十分で、適応への不安が強い。 移転による生活習慣の変化が予想され、ストレスが蓄積する可能性がある。 社会的サポートが十分でないため、孤立感を抱くリスクがある。 過去の移転経験において適応に困難を示した経緯がある場合、心理的ストレスが再燃する可能性がある。 |
A(評価) | 移転に伴う環境の変化や準備不足、社会的サポートの欠如により、移転ストレスシンドロームを発症するリスクが高い状態にある。このままでは心理的・身体的ストレスが増加し、生活の質に影響を及ぼす可能性がある。 |
P(計画) | 移転先の環境に関する情報を提供し、必要な準備(例:交通、医療機関、生活必需品の場所)の確認を支援する。 移転後のスムーズな適応を促進するため、地域コミュニティや支援団体の利用を勧める。 移転後の生活習慣が整うよう、具体的なスケジュールや目標を一緒に計画する。 心理的な負担を軽減するため、リラクゼーション法やストレス管理のスキル(例:瞑想、深呼吸)を指導する。 家族や友人との連絡を保つ方法を提案し、感情的なサポートを受けられる体制を整える。 必要に応じて心理カウンセリングを紹介し、移転に伴う不安やストレスを早期にケアする。 移転後のポジティブな体験(例:新しい趣味、興味を持てる活動)を増やす機会を提供し、成功体験を通じて自信を高める。 |
類②-非効果的行動計画
コード:00199
- 定義
- 特定の条件下で時間内に、一連の活動への準備ができない状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 非効果的行動計画 |
S(主観的情報) | 「目標は立てるけれど、途中で何をすればいいか分からなくなる。」「やりたいことが多すぎて、どれから始めていいのか分からない。」 |
O(客観的情報) | 行動計画が具体性に欠け、実行に移す際の手順や優先順位が曖昧である。 計画の変更や中断が頻発し、目標達成に至らない状況が続いている。 過度に楽観的な計画や、現実的でない目標設定が観察される。 ストレスや混乱により、計画に対するモチベーションや集中力が低下している。 |
A(評価) | 目標達成のための行動計画が非効果的であり、具体性の不足や優先順位の曖昧さが原因となっている。この状態が継続すると、目標未達成や自己効力感の低下につながる可能性がある。 |
P(計画) | 目標を具体化し、達成可能な小さなステップに分解するよう支援する。 計画を優先順位付けし、重要度と実行可能性を考慮したスケジュールを作成する。 進捗を定期的に確認し、達成した部分を振り返りながら、計画の柔軟な見直しを行う。 タスクの実行に向けて、タイムマネジメントや実行支援ツール(例:チェックリスト、タイマー)の活用を指導する。 行動計画に対するモチベーションを維持するため、小さな成功体験を積み重ね、達成感を得られる場を提供する。 ストレスが計画の妨げとなっている場合、リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)を導入し、心理的な負担を軽減する。 必要に応じて、計画の策定に家族や友人、専門家の支援を受ける方法を提案し、実行のサポート体制を構築する。 |
類②-非効果的行動計画リスク状態
コード:00226
- 定義
- 特定の条件下で時間内に、一連の活動への準備が困難になりやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 非効果的行動計画リスク状態 |
S(主観的情報) | 「何から始めればいいのか分からないことが多い。」「計画を立てても途中でやめてしまいそうで不安。」 |
O(客観的情報) | 目標設定が曖昧で、具体的な行動計画が立てられていない。 優先順位を決めることに苦労している様子が見られ、実行に移す前に迷いが生じている。 過去に計画を立てたものの実行できなかった経験があり、自己効力感が低下している可能性がある。 ストレスや外部要因により、行動計画を継続する自信や集中力が不足している。 |
A(評価) | 具体性や現実性のある行動計画を立てる能力やサポートが不足しており、非効果的行動計画を取るリスクが高い状態にある。このリスクが放置されると、目標達成が困難となり、自己効力感やモチベーションの低下につながる可能性がある。 |
P(計画) | 目標を現実的かつ具体的な内容に分解し、小さなステップから始められるよう支援する。 優先順位付けの方法(例:緊急度と重要度のマトリックス)を指導し、効果的に計画を整理する手法を提供する。 スケジュールを可視化し、タスクを実行するためのタイムラインやチェックリストを作成する。 進捗を確認する定期的なフィードバックの場を設け、達成した部分を評価してモチベーションを維持する。 ストレス管理や集中力を高める方法(例:短時間集中のポモドーロ・テクニック)を教え、実行力を向上させる。 必要に応じて、計画策定や実行のサポートを行う家族や専門家(例:コーチ、カウンセラー)との連携を提案する。 計画の実行に成功した体験を共有し、達成感や自信を積み重ねる場を提供する。 |
類②-不安
コード:00146
- 定義
- 漠然とした差し迫った危険・大惨事・不運を予期するような、広範な脅威に対する情動反応
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 不安 |
S(主観的情報) | 「何か悪いことが起きるんじゃないかと、いつも心配してしまう。」「頭の中で不安がぐるぐる回って、落ち着かない。」 |
O(客観的情報) | 表情や態度に緊張感が見られ、落ち着きがない様子。 睡眠障害(例:入眠困難、夜中に目が覚める)が観察され、不安が影響している可能性がある。 集中力が低下し、簡単な作業にもミスが増える傾向がある。 心拍数の上昇や発汗など、不安に伴う身体的症状が認められる。 |
A(評価) | 心理的・身体的な症状として不安が強く現れており、日常生活や社会的機能に影響を及ぼしている状態である。適切な支援を通じて、不安感を軽減し、心理的安定を図る必要がある。 |
P(計画) | 不安の原因を明確化するため、本人と話し合い、具体的なトリガー(引き金)を特定する。 リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想、ヨガ)を指導し、不安感を軽減するためのスキルを習得させる。 日常生活の中で、安心感を得られる活動(例:運動、趣味)を提案し、リフレッシュする時間を確保する。 不安が続く場合には、認知行動療法(CBT)やマインドフルネスを活用し、否定的な思考パターンを見直す支援を行う。 必要に応じて精神科医と連携し、薬物療法(例:抗不安薬、抗うつ薬)を検討する。 家族や友人に不安についての理解を深めてもらい、本人を支える環境を整える。 不安の程度や影響を定期的に評価し、支援計画を柔軟に見直す。 |
類②-防衛的コーピング
コード:00071
- 定義
- 自己防衛パターンに基づき、偽りの肯定的自己評価を繰り返し投影することで、潜在的な脅威から肯定的な自尊心を守っている状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 防衛的コーピング |
S(主観的情報) | 「周りに責められているような気がして、どうしても反発してしまう。」「自分のせいじゃないのに、なぜこんなことを言われるのか納得できない。」 |
O(客観的情報) | ストレスに直面した際に、責任転嫁や否認といった防衛的な態度が観察される。 他者からの指摘や批判に対し、過剰に反応し、感情的になりやすい。 問題解決に向き合う代わりに、回避行動や言い訳をする場面が増えている。 他者とのコミュニケーションが難しくなり、関係性が悪化するリスクが見られる。 |
A(評価) | ストレスや困難に対する対処方法が防衛的であり、問題解決や適応を妨げている。このため、心理的負担や対人関係の悪化が進行する可能性がある。 |
P(計画) | 防衛的なコーピングの背景にあるストレスや不安を明確化し、それに適切に対処できるよう支援する。 ストレス管理のスキル(例:リラクゼーション法、深呼吸、認知の再構成)を指導し、感情をコントロールする方法を学ぶ機会を提供する。 問題解決志向のアプローチ(例:具体的な課題を整理し、小さな目標を立てる)を採用し、現実的な解決策を一緒に考える。 自己認識を深めるため、過去の成功体験や強みを振り返り、自己肯定感を高めるサポートを行う。 コミュニケーションスキル(例:アサーティブな対話方法)を指導し、他者との関係性を改善する機会を提供する。 必要に応じて心理カウンセリングを提案し、防衛的な思考パターンを整理し、より適応的なコーピングスキルを身につけられるよう支援する。 進捗を定期的に確認し、防衛的コーピングの頻度や影響をモニタリングしながら計画を調整する。 |
類②-非効果的コーピング
コード:00069
- 定義
- 認知面や行動面の努力を伴う、ストレッサー評価が無効なパターンで、ウェルビーイングに関する要求を管理できない状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 非効果的コーピング |
S(主観的情報) | 「ストレスが溜まって、何をしても気持ちが楽にならない。」「どう対処していいのか分からず、逃げたくなってしまう。」 |
O(客観的情報) | ストレスや困難に直面した際、適切な対処方法を見つけられず、感情的になったり回避行動を取る場面が多い。 ストレス解消として不健康な行動(例:過度の飲酒、暴飲暴食)を取る傾向が観察される。 問題解決を試みず、否認や先延ばしといった回避的な態度が目立つ。 ストレスの影響で身体的症状(例:頭痛、胃痛)や社会的な機能低下が確認される。 |
A(評価) | ストレスや困難に対する対処が非効果的であり、問題の解決を妨げるだけでなく、心理的・身体的な負担を増加させている。この状態が継続すると、健康や生活の質にさらなる悪影響を及ぼす可能性がある。 |
P(計画) | ストレスの原因を明確化し、それに適切に対処するための具体的な方法(例:問題解決スキル)を指導する。 健全なストレス解消法(例:運動、趣味、リラクゼーション法)を提案し、実践のサポートを行う。 不適切なコーピング行動(例:飲酒、過食)を減らすための代替行動を一緒に考える。 認知行動療法(CBT)を導入し、否定的な思考パターンを認識し、より建設的な考え方に変える支援を行う。 家族や友人とのサポートネットワークを活用する方法を提案し、孤立を防ぎながら問題に取り組む環境を整える。 必要に応じて心理カウンセリングを受けるよう勧め、感情の整理やストレス対処スキルを習得する機会を提供する。 進捗状況を定期的に確認し、非効果的コーピングの頻度や影響を評価しながら支援計画を調整する。 |
類②-コーピング促進準備状態
コード:00158
- 定義
- 認知面や行動面の努力を伴う、ストレッサー評価が無効なパターンで、ウェルビーイングに関する要求の管理が、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | コーピング促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「ストレスへの対処方法をもっと知りたいと思っている。」「これからは前向きに困難に向き合えるようになりたい。」 |
O(客観的情報) | ストレスに対処しようとする積極的な姿勢が見られ、新しいコーピングスキルを学びたい意欲が確認される。 ストレスの原因や影響について冷静に分析し、自分で改善する方法を模索する姿勢がある。 過去に成功したストレス対処法について話すなど、前向きな行動が観察される。 家族や友人とのサポートを求めるなど、社会的支援を活用しようとする姿勢がある。 |
A(評価) | ストレスへの対処スキルを向上させる準備が整っており、適切なコーピングスキルを学び、実践することで生活の質を向上させる可能性が高い状態にある。 |
P(計画) | ストレスの具体的なトリガーを特定し、それに適したコーピングスキルを一緒に計画する。 リラクゼーション技法(例:深呼吸、瞑想、筋弛緩法)を教え、日常生活で活用できるスキルを実践する。 ストレス解消に効果的な活動(例:趣味、軽い運動)を提案し、ポジティブな体験を増やす。 問題解決スキル(例:優先順位の整理、タスク分解)を学び、ストレス原因に具体的に対処する方法を支援する。 社会的サポートの活用を促し、家族や友人と協力して困難に対処する方法を提案する。 成功体験を振り返り、小さな達成を積み重ねて自己効力感を高める。 心理教育を提供し、ストレスに対する理解を深め、建設的な対処法を選択する力を養う。 |
類②-非効果的コミュニティコーピング
コード:00077
- 定義
- コミュニティの適応のための活動と問題解決パターンが、コミュニティの需要や必要性を満たしていない状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 非効果的コミュニティコーピング |
S(主観的情報) | 「地域のことに関わるのが面倒で、相談もできない。」「困っているけど、どこに助けを求めればいいか分からない。」 |
O(客観的情報) | 地域社会との関わりが少なく、助けを求めたり支援を受けたりする行動が見られない。 地域のリソース(例:相談窓口、福祉サービス)についての情報不足が確認される。 社会的孤立が進行しており、コミュニティ内でのサポートを得られない状況が続いている。 コミュニティ内の交流やイベントへの参加が少なく、孤独感や疎外感が増加している。 |
A(評価) | 地域社会やコミュニティとのつながりが弱く、ストレスや困難への適切な対処ができていない非効果的コミュニティコーピングの状態にある。このままでは心理的ストレスや孤立がさらに悪化するリスクが高い。 |
P(計画) | 地域の支援リソース(例:地域包括支援センター、福祉サービス)を紹介し、必要なサポートを受けられるよう情報提供する。 コミュニティ活動(例:地元イベント、趣味サークル)への参加を促し、地域とのつながりを構築する機会を提供する。 社会的サポートを活用する方法を教え、家族や友人、近隣住民と協力して問題に対処する方法を支援する。 孤立感や疎外感を軽減するため、心理的サポート(例:カウンセリング)を提案し、感情の整理と適応力向上を図る。 コミュニティ内での自己効力感を高めるため、小さな役割や貢献の機会を提案し、達成感を積み重ねる。 進捗状況を定期的に確認し、コミュニティとの関わりが増えるように支援計画を柔軟に調整する。 |
類②-コミュニティコーピング促進準備状態
コード:00076
- 定義
- コミュニティの適応のための活動と問題解決パターンが、コミュニティの需要や必要性を満たすために、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | コミュニティコーピング促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「もっと地域の活動に参加してみたいと思っている。」「困ったときに、地域のサポートをうまく利用できるようになりたい。」 |
O(客観的情報) | 地域社会やコミュニティ活動に興味を示し、積極的に関わる意欲が確認される。 地域リソース(例:自治体の福祉サービス、地元のイベント)について調べたり、問い合わせたりする行動が見られる。 他者との交流に前向きで、コミュニティ内での役割を担いたいという姿勢が表れている。 地域社会のサポートや活動を活用し、生活の質を向上させる準備が整っている様子がある。 |
A(評価) | 地域社会とのつながりを構築・強化し、コミュニティコーピングを促進する準備が整っている状態である。適切な支援や情報を提供することで、地域社会との関わりを深め、心理的および社会的な適応をさらに向上させる可能性が高い。 |
P(計画) | 地域で利用可能な支援リソースやサービス(例:自治体の相談窓口、福祉施設、地元のコミュニティセンター)の情報を提供する。 地域のイベントやボランティア活動に参加する機会を提案し、他者との交流を促進する。 コミュニティ内での役割を見つけるためのサポートを行い、自己効力感や達成感を得られるように支援する。 地域の支援ネットワークを活用し、困難やストレスに対処する方法を学ぶ機会を提供する。 成功体験を共有する場を設け、地域活動への参加がもたらすポジティブな影響を本人と一緒に振り返る。 進捗を定期的に確認し、コミュニティとの関わりを広げていけるよう柔軟に計画を調整する。 |
類②-家族コーピング機能低下
コード:00074
- 定義
- 患者が健康課題に関連する適応課題を管理・習得する上で必要な、普段は支援的なプライマリパーソン(家族メンバー、大切な人、親しい友人)からの、サポート・慰め・援助・励ましが、足りない、役に立たない、低下した状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 家族コーピング機能低下 |
S(主観的情報) | 「家族で話し合っても意見がまとまらない。」「みんながバラバラで、どう対応していいか分からない。」 |
O(客観的情報) | 家族内でのコミュニケーションが不足し、意思決定や問題解決が滞っている。 ストレスが増加し、家族メンバー間の緊張や対立が頻繁に観察される。 家族の役割分担が曖昧で、特定のメンバーに負担が集中している。 外部からのサポート(例:親族、地域コミュニティ)を活用しておらず、孤立している状況が見られる。 |
A(評価) | ストレスや役割分担の不明確さ、コミュニケーション不足が原因で、家族全体のコーピング機能が低下している状態にある。この状態が続くと、家族関係の悪化や心理的健康の悪影響が懸念される。 |
P(計画) | 家族全員が参加する話し合いの場を設け、課題や目標を共有し、家族としての一体感を高める。 家族内での役割や責任を明確にし、負担を公平に分担する方法を提案する。 ストレス管理法(例:リラクゼーション、運動)を家族全員で学び、心理的負担を軽減する。 外部の支援(例:地域コミュニティ、カウンセリング、福祉サービス)を利用する方法を紹介し、家族の孤立を防ぐ。 ポジティブな家族活動(例:一緒に食事をする、趣味を共有する)を計画し、家族の絆を強化する機会を提供する。 問題が複雑化している場合には、家族療法や専門家の介入を提案し、専門的な支援を受けられるようにする。 進捗を定期的に評価し、家族の状況や支援計画を柔軟に見直すことで、コーピング機能の改善を図る。 |
類②-家族コーピング機能停止
コード:00073
- 定義
- プライマリパーソン(家族メンバー、大切な人、親しい友人)の行動が、健康課題に不可欠な適応課題に、自分や患者が効果的に対処する能力を無効にしている状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 家族コーピング機能停止 |
S(主観的情報) | 「家族でどうすればいいのか全く分からない。」「みんながそれぞれ疲れていて、誰も状況を改善しようとしない。」 |
O(客観的情報) | 家族内でのコミュニケーションが完全に途絶えているか、非常に少ない。 家族メンバー間の相互サポートが機能しておらず、孤立や無関心が目立つ。 家庭内の役割分担や責任が放棄されているか、特定のメンバーに過度な負担が集中している。 心理的ストレスが非常に高く、家族全体が問題解決や意思決定に向き合えていない状態。 外部からの支援が得られておらず、家庭外とのつながりも希薄。 |
A(評価) | 家族のコーピング機能が完全に停止しており、ストレスや問題に適応する能力を失っている。この状態が続くと、家族全体の健康や生活の維持が困難になる可能性が高い。 |
P(計画) | 家族間の基本的なコミュニケーションを回復するため、第三者(例:カウンセラー、ソーシャルワーカー)の支援を得て話し合いの場を設ける。 家族の役割や責任を再構築し、具体的なタスクを小さな目標に分けて達成を支援する。 外部の支援リソース(例:地域福祉サービス、医療機関、サポートグループ)を積極的に活用する方法を提案する。 ストレス管理の基本スキル(例:深呼吸、マインドフルネス)を家族全員で学び、心理的負担を軽減する。 家族の中で最も困難を抱えているメンバーに重点的なサポートを提供し、過度な負担を分散する計画を立てる。 ポジティブな家族体験を増やす活動(例:短時間の楽しい交流、趣味の共有)を提案し、少しずつ家族の絆を取り戻す。 定期的に専門家と連携し、家族の状態を評価しながら、状況に応じた支援計画を柔軟に見直していく。 |
類②-家族コーピング促進準備状態
コード:00075
- 定義
- 患者の健康課題に深く関わっているプライマリパーソン(家族メンバー、大切な人、親しい友人)の適応課題を管理するパターンが、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 家族コーピング促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「家族で一緒に問題を解決していきたいと思っている。」「これからもっと家族で話し合って協力できるようになりたい。」 |
O(客観的情報) | 家族メンバーが前向きにコミュニケーションを取り、課題解決に取り組もうとする意欲を示している。 家庭内での役割や責任について見直し、協力体制を整えたいという話し合いが始まっている。 家族全員がストレスや課題を共有し、それに対して積極的な姿勢を見せている。 地域社会や支援機関とのつながりを築こうとする行動が見られる。 |
A(評価) | 家族のコーピング機能を高める準備が整いつつあり、協力して問題に取り組む意欲が見られる。この状態を活かし、家族全体の絆と適応能力をさらに向上させる支援が効果的である。 |
P(計画) | 家族全員が意見を共有できる話し合いの場を設け、家族としての目標や優先事項を明確化する。 家族内の役割分担を見直し、負担が公平になるよう調整し、協力体制を整える。 ポジティブな家族体験を増やすため、一緒に楽しめる活動(例:家族ゲーム、共同のプロジェクト)を計画する。 ストレス管理のスキル(例:リラクゼーション法、深呼吸)を家族全員で学び、実践する機会を提供する。 地域や専門機関の支援リソース(例:家族療法、カウンセリング、福祉サービス)を紹介し、困難を乗り越えるための外部サポートを活用する。 小さな成功体験を積み重ね、家族のコーピング能力に対する自己効力感を高める。 定期的に状況を振り返り、家族全体の進捗を確認しながら支援計画を柔軟に調整する。 |
類②-死の不安
コード:00147
- 定義
- 自分や大切な人たちの死や、死のプロセスの予感によって起こる、情動的な苦痛と不安定さが、生活の質(QOL)に悪影響を及ぼしている状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 死の不安 |
S(主観的情報) | 「死ぬことを考えると怖くて仕方がない。」「いつか自分もいなくなると思うと、不安で夜も眠れない。」 |
O(客観的情報) | 死や死後に関連する話題を避けたり、過度に反応したりする傾向が見られる。 不安の影響で睡眠障害(例:入眠困難、早朝覚醒)が観察される。 集中力の低下や日常生活への関心の減少が確認される。 心拍数の上昇や発汗など、不安に伴う身体的症状が見られる。 |
A(評価) | 死に対する強い不安感が日常生活や心理的安定に影響を及ぼしている。この状態が続くと、さらに生活の質や精神的健康が損なわれるリスクが高い。 |
P(計画) | 死に対する不安のトリガー(引き金)や背景を明確化し、不安の具体的な原因を特定する。 リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想、筋弛緩法)を指導し、死への不安感を和らげるスキルを提供する。 認知行動療法(CBT)を取り入れ、不安を引き起こす思考パターンを認識し、現実的かつ肯定的な考え方を形成する支援を行う。 死について安心して話せる環境を提供し、感情を共有しながら、不安を少しずつ整理する。 スピリチュアルケア(例:宗教的信念や価値観を重視する)や意味を見出す活動を提案し、死に対する恐怖を和らげる。 必要に応じて精神科医と連携し、不安症状に対する薬物療法を検討する。 家族や支援者と連携し、患者が孤立感を感じず、不安を共有できる環境を整える。 |
類②-非効果的否認
コード:00072
- 定義
- 不安や恐怖を軽減するために、ある出来事についての知識やその意味を、意識的または無意識的に否定しようとする試みが、健康を損ねる原因になっている状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 非効果的否認 |
S(主観的情報) | 「自分には何の問題もない。」「大丈夫だと思っているので、特に何もしなくてもいいと思う。」 |
O(客観的情報) | 現実の問題や状況を受け入れず、行動や対応を回避している様子が見られる。 健康状態や生活環境に明らかな課題があるにもかかわらず、それに対する改善行動を取らない。 他者の助言や支援を拒否する傾向があり、問題に向き合うことを避けている。 不安やストレスを抱えている兆候が観察されるものの、それを否定する発言が多い。 |
A(評価) | 現実の問題や課題に対し、否認による回避行動が取られており、適応的な対処が妨げられている。この状態が続くと、問題がさらに悪化し、本人や周囲に悪影響を及ぼす可能性がある。 |
P(計画) | 本人が問題を自覚できるよう、否認がどのように生活や健康に影響しているかを冷静かつ共感的に説明する。 否認の背景にある感情(例:不安、恐怖)を理解し、それに対処するための安全な場を提供する。 問題解決の第一歩として、簡単かつ達成可能な短期目標を設定し、成功体験を積み重ねる。 心理的支援(例:カウンセリング、認知行動療法)を提案し、否認の原因や関連する思考パターンを整理する機会を提供する。 家族や友人に対して否認の特性を理解してもらい、本人への支援を適切に行えるよう指導する。 必要に応じて、医師や専門家と連携し、否認が進行することで健康や安全に重大なリスクが生じないよう介入する。 本人が現実に向き合えるよう、進捗を定期的に確認し、柔軟に支援計画を調整する。 |
類②-恐怖
コード:00148
- 定義
- 差し迫る脅威の発見によって喚起され、即時の警告反応を伴う、基本的で激しい情動反応
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 恐怖 |
S(主観的情報) | 「怖くて体が動かない。」「何が起きるのか分からなくて、心臓がバクバクする。」 |
O(客観的情報) | 特定の状況や物事に対して過剰な反応を示し、回避行動を取る様子が観察される。 心拍数や呼吸の増加、発汗、震えなど、恐怖に伴う身体的症状が見られる。 冷静な判断や行動ができず、感情が高ぶりやすい。 日常生活に支障をきたすほどの強い恐怖心が続いている場合がある。 |
A(評価) | 特定の状況や物事に対する恐怖が心理的および身体的な反応を引き起こしており、生活の質に悪影響を及ぼしている。この状態が長期化すると、社会的孤立や健康問題に発展する可能性がある。 |
P(計画) | 恐怖のトリガー(引き金)を特定し、状況や物事に対する理解を深めるための話し合いを行う。 リラクゼーション法(例:深呼吸、筋弛緩法)を指導し、恐怖に直面した際の身体的反応を軽減するスキルを習得する。 段階的暴露療法を提案し、少しずつ恐怖の対象に慣れる機会を作る。 認知行動療法(CBT)を通じて、恐怖を引き起こす思考パターンを認識し、現実的で肯定的な考え方を形成する。 必要に応じて、精神科医と連携し、強い恐怖反応に対する薬物療法(例:抗不安薬)の使用を検討する。 恐怖を共有できる安全な環境を提供し、家族や友人のサポートを得られるようにする。 進捗を定期的に評価し、恐怖の程度や日常生活への影響をモニタリングしながら、支援計画を調整する。 |
類②-悲嘆不適応
コード:00301
- 定義
- 大切な人の死後に起こる障害で、死別に伴う苦悩の経験が、社会文化的な期待どおりには進まない状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 悲嘆不適応 |
S(主観的情報) | 「どうしても立ち直れない。」「ずっと悲しくて、前に進む気力が湧かない。」 |
O(客観的情報) | 愛する人の喪失や重大な出来事の後、悲嘆が長期化し、日常生活に支障をきたしている。 感情表現が抑制されている、または過度に強い悲しみを訴えている。 喪失や出来事に関連する状況を避ける行動が観察される。 社会的孤立が進み、家族や友人との交流が減少している。 睡眠障害や食欲不振、集中力の低下が見られる。 |
A(評価) | 喪失や重大な出来事に適応できず、悲嘆が生活の質や心理的安定に深刻な影響を及ぼしている状態である。このままでは、精神的および身体的健康にさらなる悪影響を及ぼす可能性がある。 |
P(計画) | 悲嘆の感情を整理するため、心理カウンセリングを提案し、安全で共感的な環境で話せる場を提供する。 グリーフサポートグループへの参加を促し、同じ体験を持つ人々と交流しながら悲嘆を共有する機会を作る。 悲嘆に伴う身体的な症状(例:睡眠障害、食欲不振)に対処するため、健康的な生活習慣(例:規則正しい食事、軽い運動)をサポートする。 悲嘆のプロセスを肯定的に受け止めるため、記録や表現(例:日記を書く、絵を描く)を通じて感情を解放する方法を提案する。 必要に応じて、精神科医と連携し、悲嘆に関連したうつ症状や不安への薬物療法を検討する。 進捗を定期的に確認し、感情や生活の変化をモニタリングしながら支援計画を調整する。 ポジティブな未来を見据える目標(例:趣味の再開、社会活動への参加)を一緒に考え、希望を取り戻す支援を行う。 |
類②-悲嘆不適応リスク状態
コード:00302
- 定義
- 大切な人の死後に起こる障害が起こりやすく、死別に伴う苦悩の経験が、社会文化的な期待どおりには進まず、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 悲嘆不適応リスク状態 |
S(主観的情報) | 「大切な人がいなくなったらどうしたらいいか分からない。」「将来のことを考えると、不安と悲しみでいっぱいになる。」 |
O(客観的情報) | 愛する人の喪失や重大な出来事が予想され、本人がその影響について深い不安や悲しみを表現している。 ストレス耐性が低下しており、現状に適応する力が弱まっている様子がある。 社会的サポートが不足しており、孤立しやすい環境にある。 感情の表現や共有が抑制され、心理的なサポートを求める行動が少ない。 |
A(評価) | 予想される喪失や出来事に対して、適応困難となるリスクが高い状態にある。この状態が進行すると、悲嘆が長期化し、心理的および身体的な健康に悪影響を及ぼす可能性がある。 |
P(計画) | 悲嘆に備えるため、本人が感じている不安や悲しみについて話し合い、感情を表現する機会を提供する。 喪失や出来事に向き合うための心理教育を行い、悲嘆の正常なプロセスを理解してもらう。 家族や友人とのつながりを強化し、社会的サポートの活用方法を提案する。 リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)やストレス管理スキルを教え、心理的安定を保つための手段を提供する。 グリーフカウンセリングやサポートグループへの参加を促し、同じ経験を共有する仲間との交流を支援する。 必要に応じて精神科医や心理カウンセラーと連携し、悲嘆や不安に対処するための専門的支援を提案する。 進捗状況を定期的に確認し、感情の変化や適応状況をモニタリングしながら支援計画を調整する。 |
類②-悲嘆促進準備状態
コード:00285
- 定義
- 実際の、予期され、認識された重大な喪失の後に起こる、新たな機能的現実を結合するパターンで、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 悲嘆促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「大切な人を失った悲しみを乗り越えて、前に進みたいと思っている。」「今はつらいけれど、自分なりに受け入れられるようになりたい。」 |
O(客観的情報) | 喪失の痛みを感じながらも、自分の感情に向き合おうとする姿勢が見られる。 家族や友人、支援者との関係を維持し、サポートを受け入れる意欲が確認される。 悲嘆の過程を理解し、適応的な方法で感情を表現する行動(例:話す、書く)が見られる。 前向きな目標や生活の再構築に関心を持ち、将来について考え始めている。 |
A(評価) | 悲嘆を適応的に受け入れる準備が整いつつあり、サポートを通じて回復し、前向きな変化を遂げる可能性が高い状態である。 |
P(計画) | 悲嘆に対する感情を整理し、表現するための安全な環境を提供する(例:カウンセリング、グリーフサポートグループ)。 喪失のプロセスを肯定的に受け入れるため、心理教育を行い、悲嘆が自然な過程であることを理解してもらう。 趣味や社会的活動を提案し、新しい目標や生活の喜びを見つける支援を行う。 家族や友人と話し合い、思い出を共有することで悲しみを分かち合い、孤立感を軽減する。 リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)やストレス管理法を指導し、心理的安定を保つ方法を提供する。 進捗を定期的に確認し、悲嘆の過程を支えながら、新しい生活への適応を促進するための支援計画を柔軟に調整する。 本人が希望する場合、喪失した大切な人への思いを記録や創作活動を通じて形に残すことを提案する。 |
類②-気分調整障害
コード:00241
- 定義
- 気分や感情の変動を特徴とする、軽度から重度までさまざまな一連の感情・認知・身体・生理的症状からなる精神状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 気分調整障害 |
S(主観的情報) | 「気分がずっと沈んでいて、何をやっても楽しく感じられない。」「イライラすることが多くて、自分でもコントロールできない気がする。」 |
O(客観的情報) | 長期間にわたって、気分の低下やイライラが継続しており、日常生活や対人関係に影響を与えている。 情緒不安定な状態が頻繁に見られ、ストレスに対して過剰に反応する傾向がある。 活動量の減少や集中力の低下、睡眠障害が観察される。 身体症状(例:倦怠感、食欲の変化)が見られる場合がある。 |
A(評価) | 気分調整障害の状態が確認され、心理的および身体的な負担が日常生活に影響を及ぼしている。感情のコントロールが難しい状況が継続しているため、支援が必要である。 |
P(計画) | 気分の低下や情緒不安定の背景にある要因(例:ストレス、身体的疾患)を明確化するため、専門家による評価を提案する。 リラクゼーション法(例:深呼吸、マインドフルネス)やストレス管理スキルを指導し、感情をコントロールする力を高める。 認知行動療法(CBT)を活用し、気分の変動を引き起こす思考パターンを整理し、適応的な考え方を学ぶ機会を提供する。 身体的症状がある場合には、医師の診察を受け、必要な治療を受けるよう勧める。 日常生活でのポジティブな経験(例:趣味、運動)を増やすための計画を立て、活動量を少しずつ増やす。 必要に応じて、精神科医と連携し、気分調整をサポートするための薬物療法を検討する。 家族や友人に本人の状態を理解してもらい、支援や励ましが得られる環境を整える。 気分の変動をモニタリングし、進捗を定期的に評価して、支援計画を調整する。 |
類②-無力感
コード:00125
- 定義
- ウェルビーイング・私生活・社会に影響を及ぼす要因や出来事に対して、実際のまたは認識しているコントロール力や影響力の喪失感がある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 無力感 |
S(主観的情報) | 「何をやってもうまくいかない気がする。」「頑張っても意味がないと思えて、何もする気が起きない。」 |
O(客観的情報) | 目標達成や問題解決に対する意欲が低下しており、行動や発言に自信のなさが見られる。 ストレスや困難な状況に対して、無気力や回避的な態度が観察される。 日常生活の中で、達成感や喜びを感じる活動が減少している。 抑うつ的な症状(例:疲労感、睡眠障害、集中力低下)が認められる場合がある。 |
A(評価) | 無力感が心理的な負担を増大させ、問題解決や日常生活への適応を妨げている。この状態が継続すると、さらなる自己効力感の低下や抑うつ状態の進行が懸念される。 |
P(計画) | 本人が達成感を得られる小さな目標を設定し、成功体験を積み重ねる支援を行う。 無力感の背景にある思考パターンを整理し、認知行動療法(CBT)を通じて前向きな考え方を形成する。 ストレス管理スキル(例:リラクゼーション法、タイムマネジメント)を指導し、日常生活の負担を軽減する。 ポジティブな活動(例:趣味、軽い運動)を提案し、喜びや充実感を感じる機会を増やす。 必要に応じて医師や心理カウンセラーと連携し、抑うつ症状のケアや心理的支援を受けられるようにする。 社会的サポートを活用するため、家族や友人と話し合い、本人が孤立しないよう支援体制を整える。 無力感を定期的にモニタリングし、状態の改善に応じて計画を柔軟に調整する。 |
類②-無力感リスク状態
コード:00152
- 定義
- ウェルビーイング・私生活・社会に影響を及ぼす要因や出来事に対して、実際のまたは認識しているコントロール力や影響力の喪失感が起こりやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 無力感リスク状態 |
S(主観的情報) | 「何をしても結果が出る気がしない。」「自分に自信が持てなくて、不安が大きい。」 |
O(客観的情報) | ストレスや困難な状況が続いており、問題解決への意欲が低下する兆候が見られる。 失敗や挫折の経験が重なり、自己評価が低下している様子が確認される。 周囲のサポートや成功体験が不足しており、孤立感が強い環境にある。 感情の表現が抑制され、内向的な態度が目立つ。 |
A(評価) | 持続的なストレスやサポート不足、自己評価の低下により、無力感に陥るリスクが高い状態にある。この状態が進行すると、意欲のさらなる低下や心理的健康への悪影響が懸念される。 |
P(計画) | 無力感の原因となるストレス要因を特定し、本人が抱える問題を整理して取り組みやすくする。 成功体験を重ねるため、小さく達成可能な目標を設定し、段階的に進める支援を行う。 本人が安心して感情を表現できる場を提供し、心理的負担を軽減する。 リラクゼーション法やストレス管理のスキルを指導し、心身の安定を促進する。 社会的サポートネットワークを活用する方法を提案し、孤立を防ぐための環境を整える(例:家族や友人との交流促進)。 必要に応じて心理カウンセリングを提案し、自己効力感を高めるための専門的支援を提供する。 定期的に状況をモニタリングし、無力感の兆候や進捗に応じて支援計画を調整する。 |
類②-パワー促進準備状態
コード:00187
- 定義
- ウェルビーイングのために意図的に変化に参加するパターンが、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | パワー促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「もっと自分に自信を持ちたいと思っている。」「今の状況を変えられるよう、前向きに行動していきたい。」 |
O(客観的情報) | 自己効力感や自尊感情を高めようとする積極的な態度が観察される。 具体的な目標を設定し、それに向けて努力しようとする行動が見られる。 新しいスキルや知識を学ぶ意欲があり、成長への関心が高い。 社会的支援を求めたり、他者と協力して問題解決に取り組む姿勢が確認される。 |
A(評価) | 自己効力感や達成感を得るための準備が整っており、パワー(内的な力)を発揮する可能性が高い状態である。適切な支援を通じて、このポジティブな状態をさらに促進できる。 |
P(計画) | 本人の目標を具体的に明確化し、達成可能な小さなステップに分けて行動計画を作成する。 成功体験を積み重ねられる機会を提供し、自己効力感を向上させる。 ポジティブな自己認識を促すため、過去の成功や強みを振り返る時間を設ける。 新しいスキルや知識を学ぶための機会(例:セミナー、研修)を紹介し、成長を支援する。 社会的サポートを活用できるよう、信頼できる家族や友人、地域のリソースと連携する。 ストレス管理のスキル(例:深呼吸、マインドフルネス)を指導し、行動する際の心理的安定を保つ方法を提供する。 進捗を定期的に確認し、本人の努力を肯定的に評価しながら、支援計画を柔軟に調整する。 |
類②-レジリエンス障害
コード:00210
- 定義
- 困難だと認識している状況や変化する状況から、ダイナミックな適応プロセスによって回復する力が低下した状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | レジリエンス障害 |
S(主観的情報) | 「一度つまずくと、どうしても立ち直れなくなる。」「何をしても状況が改善しないように思えて、やる気が出ない。」 |
O(客観的情報) | ストレスや困難な状況に直面した際、適応的な対処ができず、持続的な落ち込みや回避行動が見られる。 失敗や挫折からの回復が遅く、日常生活や対人関係に支障をきたしている。 自己評価が低下し、問題解決能力への信頼が失われている様子が観察される。 ストレスに伴う身体的症状(例:疲労感、睡眠障害)が見られる場合がある。 |
A(評価) | ストレスや困難に適応し、回復する力(レジリエンス)が低下しており、心理的健康や生活の質に悪影響を及ぼしている。この状態が続くと、さらなる心理的負担や社会的孤立につながる可能性がある。 |
P(計画) | レジリエンスを高めるため、ストレス管理スキル(例:リラクゼーション法、マインドフルネス)を指導し、心理的安定を促進する。 失敗や困難を乗り越えるための具体的な行動計画を作成し、小さな成功体験を積み重ねる支援を行う。 本人の強みや過去の成功体験を振り返り、自己効力感を高める方法を提案する。 支援的な社会的つながりを構築するため、家族や友人、コミュニティとの交流を促進する。 必要に応じて心理カウンセリングや認知行動療法(CBT)を提案し、否定的な思考パターンを前向きに変化させる支援を提供する。 規則正しい生活習慣や運動を推奨し、身体的健康を整えることで精神的な回復力をサポートする。 進捗を定期的に確認し、本人の努力を肯定的に評価しながら、支援計画を柔軟に調整する。 |
類②-レジリエンス障害リスク状態
コード:00211
- 定義
- 困難だと認識している状況や変化する状況から、ダイナミックな適応プロセスによって回復する力が低下しやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | レジリエンス障害リスク状態 |
S(主観的情報) | 「大きな問題が起きたら、自分には乗り越えられる自信がない。」「失敗したらどうしていいか分からなくなる気がする。」 |
O(客観的情報) | ストレスや困難な状況に直面した際に対処するスキルや経験が不足している様子がある。 社会的サポートが不十分で、孤立しやすい環境にある。 自己効力感が低下しており、困難に直面した際の回復力が弱い可能性がある。 過去に失敗や挫折からの回復に時間がかかった経験があり、同じような状況への不安が観察される。 |
A(評価) | ストレスや困難な状況に対する適応力(レジリエンス)が弱く、困難に直面した際に心理的・社会的な悪影響が生じるリスクが高い状態である。 |
P(計画) | レジリエンスを高めるため、日常生活の中で小さな成功体験を積み重ねられる目標を設定する。 ストレス管理スキル(例:深呼吸、リラクゼーション、マインドフルネス)を教え、心理的安定を保つ方法を提供する。 社会的サポートを強化するため、家族や友人とのつながりを深め、信頼できる人々との交流を促進する。 問題解決スキル(例:タスクを分割して取り組む)を学ぶ機会を提供し、困難への対処力を養う。 心理カウンセリングや認知行動療法(CBT)を提案し、前向きな思考パターンを形成する支援を行う。 規則正しい生活習慣や運動を取り入れることで、身体的健康をサポートし、精神的回復力を向上させる。 進捗を定期的に確認し、本人の努力を評価しながら、支援計画を調整して適応力の向上を図る。 |
類②-レジリエンス促進準備状態
コード:00212
- 定義
- 困難だと認識している状況や変化する状況から、ダイナミックな適応プロセスによって回復する力のパターンが、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | レジリエンス促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「困難な状況でももっと冷静に対応できるようになりたい。」「何があっても乗り越えられる力をつけたいと思っている。」 |
O(客観的情報) | 自己効力感を高めようとする意欲があり、困難に対処する方法を学びたい姿勢が見られる。 ストレスや問題解決に向けた積極的な行動(例:相談、情報収集)が確認される。 社会的サポートを求める姿勢があり、家族や友人と連携しようとする行動が見られる。 新しいスキルや知識を学ぶ意欲を持ち、前向きに成長しようとする態度がある。 |
A(評価) | 困難に適応し、乗り越える力(レジリエンス)を高める準備が整っている状態であり、適切な支援や学習機会を提供することで、心理的・社会的な回復力をさらに強化できる。 |
P(計画) | レジリエンスを強化するため、具体的で現実的な目標を設定し、達成感を得られる機会を提供する。 ストレス管理スキル(例:リラクゼーション法、マインドフルネス)を指導し、困難な状況でも冷静に対応できる力を養う。 問題解決能力を向上させるため、小さな課題を分割して取り組む方法を一緒に計画する。 ポジティブな思考を育むため、認知行動療法(CBT)を活用し、前向きな考え方を形成する。 社会的つながりを強化するため、家族や友人、地域コミュニティと連携し、支援ネットワークを構築する。 新しい挑戦(例:趣味や学習活動)を提案し、自己成長を感じられる機会を増やす。 進捗を定期的に確認し、本人の努力を認めながら、計画を柔軟に調整し、さらなる適応力向上を支援する。 |
類②-慢性悲哀
コード:00137
- 定義
- 周期的に繰り返し起こり、進行する可能性のある広範囲にわたる悲しみのパターン。疾患や障害の経過を通じた、絶え間ない喪失を受けて(親、介護者、慢性疾患や障害を持つ人が)経験する
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 慢性悲哀 |
S(主観的情報) | 「ずっと心にぽっかり穴が空いたような感じがする。」「時間が経っても、あのときの悲しみが消えない。」 |
O(客観的情報) | 喪失や重大な出来事から長期間が経過しているにもかかわらず、深い悲しみや絶望感が持続している。 日常生活への意欲が低下し、活動範囲が縮小している。 過去の出来事に強くとらわれ、思い出すたびに感情が高ぶる様子が観察される。 社会的孤立が進行し、家族や友人との関係が希薄になっている。 睡眠障害や食欲不振、身体的症状(例:倦怠感)が見られる場合がある。 |
A(評価) | 喪失に伴う悲しみが適応的な範囲を超え、慢性化している状態である。この状態が続くと、心理的・身体的健康や社会的機能に重大な影響を及ぼす可能性がある。 |
P(計画) | 悲しみを受け入れ、少しずつ適応していくための心理カウンセリングを提案する。 感情を整理するための安全な場を提供し、悲しみを言葉や行動で表現できるよう支援する。 グリーフサポートグループへの参加を促し、同じ経験を持つ人々との交流を通じて孤独感を軽減する。 過去の喪失と現在の生活のバランスを見つけるため、日常生活にポジティブな活動(例:趣味、軽い運動)を取り入れる計画を立てる。 必要に応じて、精神科医と連携し、うつ症状や不安に対処するための薬物療法を検討する。 本人が感情を記録や創作活動(例:日記、アート)で表現する機会を提供する。 進捗を定期的に確認し、悲しみと向き合うペースに合わせて柔軟に支援計画を調整する。 |
類②-ストレス過剰負荷
コード:00177
- 定義
- 行動を必要とする、過剰な量と種類の要求がある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | ストレス過剰負荷 |
S(主観的情報) | 「やるべきことが多すぎて、頭がいっぱいになる。」「もうどうにもならない感じがして、息苦しい。」 |
O(客観的情報) | 複数のストレス要因(例:仕事、家庭、健康問題)が重なり、明らかに過剰な負担を抱えている。 不安定な感情やイライラが頻繁に観察され、対人関係に悪影響を及ぼしている。 睡眠不足や疲労感、身体的症状(例:頭痛、胃痛)が確認される。 集中力の低下や意思決定の困難さが見られ、日常生活のパフォーマンスが著しく低下している。 |
A(評価) | ストレスが過剰に蓄積し、心理的・身体的負担が限界に達している。この状態が続くと、健康障害やバーンアウトのリスクが高まる可能性がある。 |
P(計画) | ストレスの要因を明確化し、最も負担が大きいものに優先的に対処する計画を立てる。 ストレスを軽減するための時間管理スキル(例:タスクの整理と優先順位付け)を指導する。 リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想、ヨガ)を提案し、身体的・心理的なリフレッシュを促す。 家族や同僚、友人に協力を求め、ストレスの軽減に向けた支援体制を整える。 必要に応じて心理カウンセリングを提案し、感情の整理やストレス対処スキルを強化する。 身体的症状が続く場合は、医療機関への受診を勧め、ストレス関連疾患の予防・治療を図る。 日常生活に楽しみやリフレッシュの時間を取り入れることで、心身の回復を支援する。 進捗を定期的にモニタリングし、状況の変化に応じて支援計画を柔軟に調整する。 |
類③-急性離脱シンドローム
コード:00258
- 定義
- 依存性のある化合物の急激な中断に続く、重篤で多因子性の続発症
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 急性離脱シンドローム |
S(主観的情報) | 「体が震えるし、気持ちも落ち着かない。」「薬やお酒をやめたら、こんなにつらくなるなんて思わなかった。」 |
O(客観的情報) | 特定の物質(例:アルコール、薬物、ニコチン)を中断または減量した後、身体的・心理的な離脱症状が確認される。 身体症状(例:発汗、震え、吐き気、頭痛)や心理症状(例:不安、興奮、集中力低下)が観察される。 状況によっては重篤な症状(例:けいれん、錯乱、幻覚)が発生するリスクがある。 日常生活への影響が顕著で、通常の活動が困難な状態にある。 |
A(評価) | 物質依存からの急性離脱により、身体的・心理的な症状が現れている状態。このまま放置すると、重篤な健康障害や再使用のリスクが高まる可能性がある。 |
P(計画) | 緊急性が高い場合は、医療機関での迅速な評価と治療を推奨する。必要に応じて入院治療を提案する。 離脱症状を緩和するため、医師と連携して適切な薬物療法(例:ベンゾジアゼピン、補助薬)を導入する。 水分補給や栄養サポートを行い、身体の回復を促進する。 患者が孤立しないよう、家族や支援者に状況を共有し、サポート体制を整える。 心理的サポートを提供し、不安やストレスを軽減するためのカウンセリングやリラクゼーション法を導入する。 回復期の支援として、依存症治療プログラムやリハビリテーション施設への参加を提案する。 離脱症状が改善した後も、再使用のリスクを防ぐための長期的な計画を立てる(例:自助グループへの参加、トリガーの回避)。 症状の進行や改善をモニタリングし、支援計画を適宜調整する。 |
類③-急性離脱シンドロームリスク状態
コード:00259
- 定義
- 依存性のある化合物の急激な中断に続く、重篤で多因子性の続発症が起こりやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 急性離脱シンドロームリスク状態 |
S(主観的情報) | 「薬をやめたいけど、どうなるのかが不安。」「以前にお酒を減らしたとき、すごくつらい思いをした。」 |
O(客観的情報) | 特定の物質(例:アルコール、薬物、ニコチン)の長期使用歴があり、使用の中断や減量を検討している。 離脱症状が過去に発生した経験がある、または現在使用量が高く、離脱症状が出るリスクが高い。 不安や落ち着きのなさが観察され、中断に対する恐怖心が強い。 医師や専門家の支援なしに物質使用を中止しようとする意図が確認される場合がある。 |
A(評価) | 長期使用している物質の中断または減量により、急性離脱シンドロームが発生するリスクが高い状態にある。このリスクが進行すると、重篤な離脱症状や再使用の可能性が懸念される。 |
P(計画) | 離脱の可能性とそのリスクについて十分な説明を行い、安全な中断計画を立てるため、医師や依存症専門家への相談を促す。 離脱症状を管理するための計画(例:段階的な減量、適切な薬物療法の使用)を医療機関と連携して作成する。 離脱中の身体的・心理的サポートを提供するため、家族や支援者との協力体制を構築する。 リラクゼーション法やストレス管理スキルを指導し、離脱中の不安や身体症状を軽減する方法を提供する。 依存症のトリガー(例:ストレス、不安)を特定し、それを回避するための環境整備を支援する。 回復期の長期的な支援として、自助グループやカウンセリングの利用を提案し、再使用のリスクを軽減する。 離脱プロセス中および後の身体的・心理的状態をモニタリングし、必要に応じて計画を調整する。 |
類③-自律神経過反射
コード:00009
- 定義
- 第7胸髄(T7)か、それより上部の脊髄損傷後に起こる、命に関わる抑制できない有害刺激に対する交感神経系の反応がみられる状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 自律神経過反射 |
S(主観的情報) | 「突然、すごく汗をかいたり、心臓がドキドキすることがある。」「体が勝手に反応している感じがして怖い。」 |
O(客観的情報) | 発作的な高血圧、発汗、顔面紅潮、頻脈または徐脈などの症状が観察される。 脊髄損傷(特にT6以上)の既往歴があり、刺激(例:膀胱の過伸展、便秘、皮膚刺激)に対する異常な自律神経反応が確認される。 症状が急性で、明確な誘因(例:排尿困難、便秘、衣類の締め付け)が存在する場合が多い。 頭痛や視覚障害(例:視界のぼやけ、閃輝暗点)が伴うことがある。 |
A(評価) | 脊髄損傷に起因する自律神経過反射が疑われる状態であり、刺激による異常な自律神経反応が身体的負担を引き起こしている。この状態が続くと、重篤な合併症(例:脳出血、心不全)を引き起こす可能性がある。 |
P(計画) | 緊急性の高い症状(例:著しい高血圧、意識障害)が見られる場合、速やかに医療機関に連絡し、緊急対応を行う。 可能な限り原因となる刺激を特定し、除去または軽減する(例:排尿困難がある場合は導尿、便秘がある場合は排便管理)。 患者の頭を高くする姿勢を取り、血圧の低下を促す。 血圧の変化を定期的にモニタリングし、医師の指示に従い降圧薬を使用する。 患者や家族に対し、自律神経過反射の兆候や原因について教育を行い、予防策を指導する(例:定期的な膀胱や腸の管理、衣類の調整)。 再発を防ぐため、患者が適切なフォローアップを受けられるよう、医療チームと連携して管理計画を作成する。 ストレス管理やリラクゼーション法を取り入れ、日常生活での心理的負担を軽減する。 |
類③-自律神経過反射リスク状態
コード:00010
- 定義
- 第6胸髄(T6)、またはそれより上部の胸髄に損傷や病変を有する人で、脊髄性ショックからは回復しているが、命に関わる抑制できない有害刺激に対する交感神経系の反応が起こりやすく(第7(T7)と第8胸髄(T8)損傷の患者にみられる)、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 自律神経過反射リスク状態 |
S(主観的情報) | 「お腹が張っていても気づきにくいことがある。」「前に突然血圧が上がって大変だったことがあって、不安がある。」 |
O(客観的情報) | 脊髄損傷(特にT6以上)の既往歴があり、過去に自律神経過反射を起こした経験がある。 膀胱や腸の管理が不十分であり、尿の貯留や便秘などの誘因が発生するリスクが高い。 緊張性や摩擦による皮膚刺激、衣類の締め付けなどが見られる場合がある。 医療や日常ケアにおいて、自律神経過反射の予防策についての知識が不足している。 |
A(評価) | 脊髄損傷に伴い、自律神経過反射を引き起こす要因(例:膀胱過伸展、便秘、皮膚刺激)が存在するため、発症リスクが高い状態にある。この状態を放置すると、重篤な高血圧や合併症(例:脳出血)のリスクが増加する。 |
P(計画) | 膀胱や腸の管理を徹底し、定期的な導尿や適切な排便ケアを実施する。 締め付けのない衣類を選び、皮膚の摩擦や圧迫を避けるよう指導する。 自律神経過反射の兆候(例:急激な頭痛、発汗、顔面紅潮)が現れた際の対応方法を患者および家族に教育する。 血圧の変化を定期的にモニタリングし、リスク要因が早期に発見されるよう支援する。 定期的に医療チームのフォローアップを受け、予防策の実施状況や体調の変化を確認する。 日常生活でストレスを軽減するため、リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)を取り入れるよう提案する。 予防計画を定期的に見直し、患者の状態や生活状況に応じて支援内容を調整する。 |
類③-新生児離脱シンドローム
コード:00264
- 定義
- 依存性のある物質への体内曝露または生後の薬物疼痛管理の結果として、新生児に一連の離脱症状がみられる状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 新生児離脱シンドローム |
S(主観的情報) | ※新生児は主観的情報を直接訴えられないため、母親や家族の発言を記載 「赤ちゃんが生まれてからずっと泣いていて、落ち着かない。」「ミルクを飲んでも吐いてしまうことが多い。」 |
O(客観的情報) | 出生後に、以下のような離脱症状が観察される: 過剰な泣き声や興奮状態 振戦(震え)やけいれん 吐き戻し、下痢、摂食困難 発汗、発熱、皮膚の紅潮 睡眠障害や過剰な吸啜行動 母体における薬物使用(例:オピオイド、アルコール、ベンゾジアゼピン)や依存症の既往が確認されている場合が多い。 |
A(評価) | 母体が使用した薬物や物質が胎盤を通じて胎児に移行した影響で、新生児離脱シンドローム(NAS)が発症している。この状態が放置されると、栄養不良や発達遅延などの合併症が生じるリスクが高い。 |
P(計画) | 出生直後から専門的な評価を行い、新生児離脱スコア(例:フィネガン・スコア)を用いて症状の重症度をモニタリングする。 症状が軽度の場合、環境調整(例:静かな環境、抱っこ、スキンシップ)や母乳栄養のサポートを行う。 症状が中等度以上の場合、医師の指示のもと、薬物療法(例:モルヒネ、メタドン)を検討し、離脱症状を緩和する。 体重や栄養状態を維持するため、小まめな授乳や適切な栄養補給を支援する。 家族に対し、NASの原因や症状、ケア方法について説明し、安心感を提供する。 母体の依存症や薬物使用の治療が進められるよう、地域の支援サービスやプログラムへの参加を提案する。 新生児が安定した後も、発達や成長の状況を定期的にフォローアップし、長期的なサポートを提供する。 |
類③-乳児行動結合障害
コード:00116
- 定義
- 機能する生理学的システムと神経行動学的システムが崩壊した状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 乳児行動結合障害 |
S(主観的情報) | ※乳児は主観的情報を直接訴えられないため、母親や家族の発言を記載 「赤ちゃんが泣いてばかりで、何をしても落ち着かない。」「抱っこしても反応が薄くて、どう接していいか分からない。」 |
O(客観的情報) | 乳児に以下の行動が観察される: 抱かれることや触れられることへの抵抗または過剰な反応 視線を合わせない、笑顔や泣き声の頻度が極端に少ない 過度の興奮や無反応状態の繰り返し 親や養育者への愛着形成の遅れが確認される 家庭環境における不安定さ(例:養育者のストレス、虐待やネグレクトの既往)が報告される場合がある。 |
A(評価) | 乳児行動結合障害の可能性があり、親や養育者との相互作用が不適切または困難な状態にある。この状態が続くと、愛着形成や心理的発達に影響を及ぼすリスクがある。 |
P(計画) | 乳児の行動や感情のニーズを適切に理解するため、専門家による評価(例:発達スクリーニング、心理評価)を実施する。 乳児と養育者の相互作用を改善するための育児指導を行い、感情の交流やスキンシップを増やすサポートを提供する。 養育者のストレスを軽減するため、心理的支援や地域の子育て支援サービスへの参加を勧める。 家庭環境が不安定な場合、社会福祉サービスや地域のサポート機関と連携し、育児環境を整える支援を行う。 長期的なフォローアップを計画し、乳児の発達や親子関係の改善状況を定期的に確認する。 必要に応じて、専門的な介入(例:愛着療法、発達支援プログラム)を提供し、親子間の信頼関係を構築する。 親や家族に対し、乳児の行動結合障害の特徴や対応方法について教育を行い、不安を軽減する。 |
類③-乳児行動結合障害リスク状態
コード:00115
- 定義
- 機能する生理学的システムと神経行動学的システムの調整パターンが崩壊しやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 乳児行動結合障害リスク状態 |
S(主観的情報) | ※乳児は主観的情報を直接訴えられないため、母親や家族の発言を記載 「赤ちゃんとどう接すればいいか分からなくなることがある。」「自分がちゃんとした親になれているのか不安。」 |
O(客観的情報) | 親や養育者が乳児とのスキンシップやアイコンタクトを避ける傾向がある。 養育者のストレスや疲労感が強く、育児に対する自信の低下が見られる。 家庭環境の不安定さ(例:経済的問題、養育者の心理的問題)が報告される。 乳児が親や養育者に対して一貫した反応を示さない(例:視線を合わせない、泣いても落ち着きにくい)。 |
A(評価) | 親や養育者との適切な相互作用が形成されにくい状況にあり、乳児行動結合障害を発症するリスクが高い状態である。このまま放置すると、乳児の愛着形成や心理的発達に悪影響を及ぼす可能性がある。 |
P(計画) | 乳児と養育者の相互作用を改善するため、育児に関する具体的な指導(例:スキンシップ、アイコンタクトの重要性)を行う。 養育者のストレスを軽減するため、心理カウンセリングや地域の子育て支援サービスの利用を提案する。 親子の愛着形成を促進するため、スキンシップを増やす活動(例:ベビーマッサージ、読み聞かせ)を推奨する。 家庭環境が不安定な場合、社会的リソース(例:福祉サービス、地域支援団体)を活用し、育児をサポートする仕組みを整える。 必要に応じて、発達支援専門家や心理士の介入を提案し、乳児と養育者の関係性を深めるための支援を提供する。 乳児の発達や親子関係の状況を定期的に評価し、進捗に応じて支援計画を調整する。 養育者に対し、乳児行動結合障害リスクの兆候と予防策について教育を行い、早期対応を促す。 |
類③-乳児行動結合促進準備状態
コード:00117
- 定義
- 機能する生理学的システムと神経行動学的システムの結合された調整パターンが、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 乳児行動結合促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「赤ちゃんともっと上手に向き合いたいと思っている。」「どんな風に接したら赤ちゃんが安心できるのかを知りたい。」 |
O(客観的情報) | 養育者が乳児との相互作用を積極的に改善したいという意欲を示している。 乳児とのスキンシップや関わり方についての質問や関心を抱いている様子が確認される。 養育者が専門家や育児支援者からの助言を受け入れる姿勢を持っている。 乳児の反応に対して注意深く観察し、関心を持とうとする行動が見られる。 |
A(評価) | 養育者が乳児との相互作用を促進する準備が整っており、適切な支援を通じて愛着形成や行動結合がさらに強化される可能性が高い。 |
P(計画) | 乳児とのポジティブな相互作用を増やすため、具体的な育児スキル(例:スキンシップ、アイコンタクト、語りかけ)を指導する。 養育者が自信を持てるよう、乳児の反応や行動に対する解釈をサポートし、成功体験を積み重ねる支援を行う。 親子の絆を深めるため、ベビーマッサージや遊びを取り入れる時間を提案する。 育児に関する情報や教育プログラム(例:母親・父親教室、地域の育児サポートグループ)を紹介し、知識を深めてもらう。 養育者のストレスや不安を軽減するため、リラクゼーション法やストレス管理のスキルを提案する。 家族や周囲の支援体制を強化し、親子が安心して相互作用を深められる環境を整える。 乳児の成長や相互作用の状況を定期的にフォローアップし、支援計画を柔軟に調整する。 |
NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)&看護計画の記載例まとめ
当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)&看護計画の記載例を多数まとめています。
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看護記録(SOAP)の記載例
看護計画の記載例
引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2020-2023.医学書院.