看護記録 NANDA-Iに基づく記載例 領域6

【NANDA-I看護診断】領域6「自己知覚」の看護記録(SOAP)の記載例まとめ【コピペ可】

この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)の記載例を公開しています。

今回は領域6「自己知覚」です。

看護記録の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!

トコル
トコル

看護記録(SOAP)の書き方に関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】)を参考にしてください!

【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】

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新人看護師
新人看護師

他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!

*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*できるだけ多くの患者に適応できるよう、あえて抽象的な内容を含めている部分がございます。こちらもご活用いただく際はご注意ください。

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NANDA-I領域6「自己知覚」の看護診断名一覧

NANDA-I領域6「自己知覚」は、類①〜③に分けられます。

それぞれの看護診断名一覧は以下の通りです。

類① 自己概念
・自己概念促進準備状態
・パーソナルアイデンティティ混乱
・家族アイデンティティ混乱シンドローム
・家族アイデンティティ混乱シンドロームリスク状態
・人間の尊厳毀損リスク状態
・トランスジェンダー社会的アイデンティティ促進準備状態

類② 自尊感情
・自尊感情慢性的低下
・自尊感情慢性的低下リスク状態
・自尊感情状況的低下
・自尊感情状況的低下リスク状態
・健康自己効力感不足

類③ ボディイメージ
・ボディイメージ混乱

類①-絶望感(2024-削除)

コード:00124

定義
自分は肯定的感情を持つことも、病気が改善することもないと感じている状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
絶望感
S(主観的情報)「何をしても無駄な気がして、何もやる気が起きない。」「先のことを考えると、不安と絶望しかない。」
O(客観的情報)日常生活での活動量が著しく低下し、意欲の欠如が見られる。
表情が沈みがちで、話すトーンが低く、会話への反応も鈍い。
自分や周囲の状況について、悲観的な発言や否定的な表現が増加している。
睡眠や食欲に異常が確認され、健康状態の悪化が進行している可能性がある。
A(評価)精神的苦痛と無力感が重なり、絶望感が強く現れている状態にある。このままでは心身の健康がさらに悪化するリスクが高いため、心理的支援と生活リズムの回復が必要である。
P(計画)信頼関係を構築し、焦らずゆっくりと本人の気持ちを受け止めることで、安心感を提供する。
本人の生活の中で小さな目標(例:毎日10分散歩する、好きな音楽を聴く)を設定し、達成感を感じられる機会を増やす。
活動量を無理のない範囲で徐々に増やし、生活リズムを整えるためのサポートを行う。
家族や介護者に、絶望感に対する理解を深めてもらい、支えとなる関わり方を指導する。
心理カウンセリングやサポートグループの利用を提案し、本人が孤立感から解放される環境を整える。
医師と相談し、必要であれば抗うつ薬や抗不安薬の処方を検討し、心の負担を軽減する。

類①-自己概念促進準備状態

コード:00167

定義
自分についての見方や考え方のパターンが強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
自己概念促進準備状態
S(主観的情報)「自分のことをもっと知りたいと思うようになった。」「これからどうしたいか、少し考えられるようになってきた。」
O(客観的情報)自分の価値観や強みについて話す場面が増え、前向きな発言が見られる。
新しい活動や挑戦に対して積極的な姿勢が観察される。
他者からのフィードバックを受け入れる余裕があり、自分を見つめ直す姿勢が見られる。
過去には避けていた目標設定や計画に対して、興味を示し始めている。
A(評価)自己概念を深めたり、自分の価値観や目標を再構築したりする意欲が高まっている状態である。この準備状態を活かし、自己理解と成長を促進する支援が効果的である。
P(計画)自己概念を整理するために、日記や自己評価シートを活用し、自分の考えや感情を記録する方法を提案する。
過去の成功体験や強みに焦点を当てた対話を行い、自己肯定感をさらに高める。
興味を持てる活動や新しい挑戦に取り組む機会を提供し、自己認識を深める。
グループ活動やワークショップへの参加を提案し、他者との交流を通じて自己理解を広げる。
本人が設定した目標を定期的に振り返り、小さな達成を積み重ねることで自信を育む。
必要に応じて心理カウンセラーやメンターを紹介し、自己概念を育むための専門的な支援を提供する。

類①-パーソナルアイデンティティ混乱

コード:00494

定義
結合され完全な自己認識を、維持することができない状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
パーソナルアイデンティティ混乱
S(主観的情報)「自分が何をしたいのか分からないし、これからどう生きていけばいいのかも見えない。」「自分自身がどんな人間なのか分からなくなることがある。」
O(客観的情報)将来の目標や価値観に関する一貫性がなく、話の内容が混乱していることが多い。
自分の役割や存在意義についてネガティブな発言が増えている。
決断や行動に迷いが見られ、周囲の意見に過剰に依存する場面がある。
日常生活の中で自己評価が低下しており、自信を持てていない様子が観察される。
A(評価)自分自身の価値観や目標、役割に対する認識が曖昧であり、自己同一性混乱の状態が見られる。自己理解を深め、目標や価値観を再構築するための支援が必要である。
P(計画)本人が自分の価値観や目標について整理できるよう、カウンセリングや対話を通じて支援する。
自己肯定感を高めるため、小さな成功体験を積み重ねる目標を設定し、達成を積極的に認める。
趣味や関心のある活動を探し、それを通じて自分自身を見つめ直す機会を提供する。
グループ活動やコミュニティへの参加を提案し、他者との交流を通じて自己理解を深められるよう支援する。
ストレスや不安が混乱を助長する場合は、リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)を教え、心の安定を図る。
必要に応じて心理カウンセラーや医師と連携し、自己同一性の混乱を解消するための心理療法や適切な介入を検討する。

類①-家族アイデンティティ混乱シンドローム

コード:00495

定義
家族に対する統合された完全な認識を、作り出し維持することが困難な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
家族アイデンティティ混乱シンドローム
S(主観的情報)「家族としてどう振る舞えばいいのか分からない。」「家庭の中で自分の役割が曖昧に感じることがある。」
O(客観的情報)家族間のコミュニケーションが不足し、それぞれの役割や責任が明確でない。
家庭内での意思決定に混乱があり、方向性が一致していない様子が観察される。
家庭内のストレス(例:経済的問題、健康問題)や外部からの影響(例:価値観の違い)が家族関係に影響を与えている。
個々の家族メンバーが自分の役割や位置づけに対して不安や不満を抱いている。
A(評価)家族としての価値観や役割の認識が曖昧であり、家族アイデンティティ混乱シンドロームの状態にある。これにより、家族全体の調和や個々の心理的安定が損なわれるリスクがある。
P(計画)家族全員で話し合う機会を設け、家族の目標や価値観を共有し、役割や責任を明確化する。
家族内のストレスや不安を緩和するため、リラクゼーション活動や家族の楽しめるイベントを計画する。
必要に応じて、家族療法やカウンセリングを提案し、家族間のコミュニケーションを促進する。
家族それぞれが自分の役割や強みを認識できるようサポートし、家庭内での貢献を実感できる機会を増やす。
家庭外からの影響が大きい場合、支援ネットワーク(例:地域コミュニティ、専門機関)を利用し、問題解決のサポートを受ける。
定期的に家族の状況を見直し、必要に応じて支援計画を柔軟に調整することで、家族の一体感を深める。

類①-家族アイデンティティ混乱シンドロームリスク状態

コード:00284

定義
家族に対する統合された完全な認識を、作り出し維持することが困難になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
家族アイデンティティ混乱シンドロームリスク状態
S(主観的情報)「家庭での役割分担が曖昧で、どうすれば良いのか分からなくなることがある。」「家族間での考え方が合わない気がして、不安になる。」
O(客観的情報)家族間のコミュニケーション不足が見られ、意見や価値観の共有が不十分。
家庭内のストレス要因(例:経済的困難、健康問題、進学や転職などの生活環境の変化)が確認される。
家庭内で役割や責任が曖昧で、家族メンバー間に誤解や不満が生じやすい状況。
家族関係が希薄化している様子があり、家族全体の一体感が弱まっている。
A(評価)家族間の価値観や役割の曖昧さ、環境的要因によって、家族アイデンティティ混乱シンドロームを引き起こすリスクが高い状態にある。このままでは家族関係や個々の心理的安定が損なわれる可能性がある。
P(計画)家族メンバーが気軽に話し合える場を設け、家庭内の目標や価値観を共有し、役割分担を明確化する。
家庭内でのストレスを軽減するため、支援が必要な場合は地域の福祉サービスや専門機関の利用を検討する。
家族で一緒に楽しめる活動(例:食事、旅行、趣味など)を計画し、ポジティブな交流の機会を増やす。
家族が自分の考えや感情を自由に表現できるよう、心理的安全性を確保する。
家族療法やコミュニケーションスキル向上のためのカウンセリングを提案し、家庭内の信頼関係を強化する。
家庭環境や生活状況の変化に適応するための具体的なアクションプランを家族全員で考え、実行する。

類①-人間の尊厳毀損リスク状態

コード:00488

定義
敬意と名誉の喪失を認識しやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
人間の尊厳毀損リスク状態
S(主観的情報)「周りの人に迷惑をかけているんじゃないかと感じることがある。」「自分の存在が価値のないものに思える時がある。」
O(客観的情報)自信を失っている様子があり、自分に対して否定的な発言が増えている。
周囲からの支援に対して遠慮や罪悪感を示し、支援を拒否する場面が見られる。
生活環境が不衛生または乱雑になっており、本人が清潔保持や生活管理に関心を持てていない。
周囲の反応に敏感で、ちょっとした指摘にも過度に落ち込む様子がある。
A(評価)自己価値感の低下や周囲との関係性の悪化により、人間の尊厳が損なわれるリスクがある状態にある。心理的・社会的支援を通じて、尊厳を守りつつ自己肯定感を高める支援が必要である。
P(計画)患者の感情や思いを傾聴し、本人が自分の価値を感じられるよう安心感を提供する。
日常生活の中で達成感を得られる小さな目標を設定し、本人の成功体験を積み重ねる。
清潔保持や生活管理に関する支援を行い、自分の身の回りのことが整うことで自己肯定感を高める。
患者の家族や周囲に対し、否定的な言動を避け、ポジティブな関わり方を促す指導を行う。
心理カウンセリングやグループ活動を通じて、自分と同じ境遇の人々との交流機会を提供し、孤立感を軽減する。
必要に応じて医療・福祉サービスと連携し、尊厳を守るための包括的な支援を行う。

類①-トランスジェンダー社会的アイデンティティ促進準備状態

コード:00341

定義
社会文化的な集団への帰属意識を促すため、身体的特徴の変更を含む性自認の形成パターンが強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
トランスジェンダー社会的アイデンティティ促進準備状態
S(主観的情報)「自分の性別について、やっと少し自信が持てるようになってきた」「周囲にも少しずつ伝えていこうと思っている」「これから自分らしく生きていきたい」
O(客観的情報)自身の性自認について明確な言語化がされており、看護師との会話にも積極的
戸籍上の性別と異なる服装・話し方を選択しているが、本人にとって自然で安定している様子
信頼できる支援者や友人が周囲におり、社会的サポートの一部は確保されている
心理的安定が見られ、自己理解と肯定感が高まりつつある
A(評価)性自認への理解と受容が進んでおり、自身の社会的アイデンティティを積極的に表現しようとする意欲がある
今後の生活や人間関係の中で、自分らしさを尊重しながら社会とつながるための支援が有効な段階にある
P(計画)本人が望む性の在り方・表現方法を尊重し、安全で安心できる環境を整える
必要に応じてトランスジェンダーに理解のある医療・心理・社会資源を紹介する
社会的アイデンティティの形成を支える支援者との関係構築を支援する
日常生活における不安や困りごと(名前の呼ばれ方、トイレの使用など)について具体的に話し合い、対応策を一緒に考える
本人のペースを尊重しながら、心理的自立と社会的自己表現のバランスを取る支援を継続する

類②-自尊感情慢性的低下

コード:00483

定義
自己価値、自己受容、自己尊重、能力、自分に対する態度についての否定的な認識が、長期間にわたり続いている状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
自尊感情慢性的低下
S(主観的情報)「自分には価値がないように感じる。」「何をやってもうまくいかない気がして、挑戦するのが怖い。」
O(客観的情報)自己否定的な発言が多く、成功や努力を認めない傾向が見られる。
日常生活において消極的な態度が目立ち、新しいことへの挑戦を避ける様子がある。
他者の評価や反応に過敏で、少しの批判にも大きく落ち込む場面が多い。
姿勢や表情に自信のなさが表れており、全体的に沈んだ様子が観察される。
A(評価)自己評価が慢性的に低く、自尊感情が低下している状態にある。このため、生活の質や社会的関係に悪影響を及ぼしており、自己肯定感を高める支援が必要である。
P(計画)小さな成功体験を積み重ねるため、達成可能な目標を一緒に設定し、その成果を積極的に認める。
ポジティブなフィードバックを定期的に提供し、本人の強みや良い点を具体的に伝える。
趣味や関心のある活動に取り組む機会を提案し、成功や達成感を感じられる場面を増やす。
グループ活動やソーシャルサポートの場を活用し、他者との交流を通じて肯定的な経験を得られるよう支援する。
心理カウンセリングや認知行動療法(CBT)を導入し、自己否定的な思考パターンを見直し、ポジティブな自己認識を促進する。
必要に応じて医師と相談し、うつ症状などの併発がある場合には、適切な治療や薬物療法を検討する。

類②-自尊感情慢性的低下リスク状態

コード:00480

定義
自己価値、自己受容、自己尊重、能力、自分に対する態度についての否定的な認識が、長期間にわたり続きやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
自尊感情慢性的低下リスク状態
S(主観的情報)「周りの人と比べると、自分は何もできていない気がする。」「自分のことをもっと良くしたいけど、どうしたらいいか分からない。」
O(客観的情報)成功体験や自分の良い点に対する認識が薄く、自己評価が低い傾向が見られる。
他者からの批判的な意見に敏感で、落ち込む場面が増えている。
新しい挑戦に対して消極的であり、失敗への不安が行動を妨げている。
表情や態度に不安感や自信のなさが表れ、会話でも控えめな発言が多い。
A(評価)自己肯定感が揺らぎやすく、自尊感情が低下するリスクが高い状態にある。このままでは自己評価がさらに悪化し、精神的な健康にも影響を及ぼす可能性がある。
P(計画)達成可能な短期目標を一緒に設定し、本人が成功を実感できる体験を増やす。
良い点や努力を具体的に指摘し、ポジティブなフィードバックを提供して自己肯定感を高める。
本人の関心や得意な分野を探り、それに関連した活動に取り組む機会を提供する。
ストレス管理やリラクゼーション法(例:深呼吸、ヨガ)を取り入れ、不安感を軽減し前向きな思考を促す。
本人と周囲の人に、否定的な発言を避け、肯定的な関わり方を心がけるよう指導する。
心理カウンセリングやソーシャルサポートの利用を提案し、自己肯定感を育むための支援を受けられる環境を整える。

類②-自尊感情状況的低下

コード:00481

定義
現在の状況により、自己価値、自己受容、自己尊重、能力、自分に対する態度についての認識が、肯定的から否定的に変化した状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
自尊感情状況的低下
S(主観的情報)「最近、自分には何の価値もないように感じる。」「あの失敗のせいで、誰からも信頼されていない気がする。」
O(客観的情報)特定の出来事(例:仕事上のミス、人間関係のトラブル)をきっかけに、自己否定的な発言が増加している。
以前は積極的だった活動に対する意欲の低下が見られ、他者との交流を避ける行動が増えている。
表情が沈みがちで、悲観的な態度が顕著。
自己評価がその出来事に対して過剰に影響されており、自己肯定感が著しく低下している。
A(評価)特定の出来事をきっかけに自己評価が低下し、自尊感情の状況的低下が見られる。このため、一時的な精神的負担や社会的な活動制限が生じている。状況を客観視し、自己肯定感を回復させる支援が必要である。
P(計画)出来事を振り返り、本人が学んだことや良かった点を一緒に整理し、成功や努力を再評価する機会を提供する。
一時的な感情の揺れを正常な反応として受け止められるよう、心理教育を行い、安心感を与える。
小さな成功体験を積み重ねられる短期的な目標を設定し、達成を通じて自己肯定感を回復する。
本人の興味や得意分野に基づく活動を勧め、ポジティブな体験を増やす。
家族や周囲の人に本人の状態を共有し、励ましや肯定的な関わりを心がけるよう指導する。
心理カウンセリングやストレスケアプログラムを提案し、感情や状況の整理を手助けする。

類②-自尊感情状況的低下リスク状態

コード:00482

定義
現在の状況により、自己価値、自己受容、自己尊重、能力、自分に対する態度についての認識が、肯定的から否定的に変化しやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
自尊感情状況的低下リスク状態
S(主観的情報)「失敗したらどうしようと考えてしまう。」「最近、自分に自信が持てなくなってきた気がする。」
O(客観的情報)新しい挑戦や変化に対して消極的な態度が見られる。
失敗や批判への過剰な不安が観察され、自己評価の揺らぎが顕著。
現在の状況(例:職場の変化、試験、対人トラブルなど)が心理的負担になっている様子がある。
表情や態度に緊張感や不安感が表れ、会話の中で否定的な自己表現が増えている。
A(評価)特定のストレスフルな状況や変化により、自尊感情が低下するリスクが高い状態にある。自己評価の維持を図り、状況への適応を支援する必要がある。
P(計画)本人と対話し、不安を引き起こしている状況や要因を明確化し、それに対する具体的な対処法を一緒に考える。
成功体験や強みを振り返る時間を設け、本人の自己肯定感を支える。
段階的な目標を設定し、小さな成功体験を通じて自信を回復させる機会を提供する。
ストレス管理スキル(例:リラクゼーション法、深呼吸、タイムマネジメント)を教え、不安を和らげる方法を実践させる。
家族や周囲の支援者に状況を説明し、否定的な言葉を避け、励ましやサポートを行うよう指導する。
必要に応じて心理カウンセリングやコーチングを提案し、心理的支援を通じて状況への適応力を高める。

類②-健康自己効力感不足

コード:00338

定義
健康状態を促進、維持、回復する自分の能力に、十分な確信が持てない状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
健康自己効力感不足
S(主観的情報)「どうせ頑張っても意味がない気がする」「健康のために何か始めようと思っても続かない」「自分にできることなんてないと思う」
O(客観的情報)健康管理に関する指導に対して消極的な反応がみられる
行動変容に向けた取り組み(食事・運動・服薬など)が不安定で一貫性がない
生活習慣病のリスク因子(喫煙・過体重・運動不足など)を複数抱えているが、改善に向けた具体的行動がみられない
過去の失敗体験について繰り返し言及しており、自己評価が低下している
看護師とのコミュニケーションは取れているが、自発的な目標設定は困難な様子
A(評価)健康行動を自ら選択・継続する自信(自己効力感)が低下しており、健康維持・改善に向けた自己管理が困難な状態
本人の小さな成功体験を積み重ね、自信を回復するための段階的な支援が必要と考えられる
P(計画)過去の成功体験やできていることに着目し、自己評価の改善につなげる面接を行う
本人の関心や価値観に沿った小さな目標を一緒に設定し、達成感を得られるよう支援する
行動記録(食事・運動・服薬など)を活用し、ポジティブな変化に気づけるよう促す
成功体験が得られた際には具体的にフィードバックし、自己効力感の向上を図る
必要に応じて多職種(保健師・心理士・栄養士など)と連携し、包括的な支援体制を整える

類③-ボディイメージ混乱

コード:00497

定義
身体的自己に対して、心の中に否定的なイメージがある状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
ボディイメージ混乱
S(主観的情報)「自分の体が変わってしまった気がして受け入れられない。」「鏡を見るのが嫌で、自分の姿を他人に見られるのが怖い。」
O(客観的情報)自分の外見や体型について否定的な発言が増えている。
体型や外見に関連した社会的な場面(例:写真撮影、外出)を避ける行動が見られる。
衣類で体を隠そうとしたり、体重測定や鏡を見ることを避けるなどの行動が観察される。
病気や手術後、または体型の変化により、外見への不安や自己評価の低下が顕著。
A(評価)体型や外見の変化に対する否定的な感情が強く、ボディイメージの混乱が見られる。この状態が心理的苦痛を生じさせ、生活の質に影響を与えているため、支援が必要である。
P(計画)本人の気持ちに寄り添い、体型や外見の変化に対する不安を言葉にできる場を提供する。
体型や外見の変化を肯定的に捉えられるよう、小さな成功体験(例:似合う服を探す)を通じて自信を回復する支援を行う。
自己肯定感を高めるため、体の機能や健康状態の改善に焦点を当て、外見だけでなく内面的な成長を評価する。
心理カウンセリングやサポートグループを紹介し、同じ体験を共有する仲間と交流できる機会を提供する。
家族や支援者に、本人の感情や行動に対する理解を深めてもらい、励ましや肯定的な声かけを行うよう指導する。
必要に応じて医師や専門職(例:心理士、栄養士、リハビリスタッフ)と連携し、包括的なケアを提供する。

NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)&看護計画の記載例まとめ

当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)&看護計画の記載例を多数まとめています。

ぜひ、日々の業務のご活用ください!

看護記録(SOAP)の記載例

領域1領域2領域3
領域4領域5領域6
領域7領域8領域9
領域10領域11領域12
領域13

看護計画の記載例

領域1領域2領域3
領域4領域5領域6
領域7領域8領域9
領域10領域11領域12
領域13

引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2020-2023.医学書院.

-看護記録, NANDA-Iに基づく記載例, 領域6