領域1 看護記録 NANDA-Iに基づく記載例

【NANDA-I看護診断】領域1「ヘルスプロモーション」の看護記録(SOAP)の記載例まとめ【コピペ可】

この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)の記載例を公開しています。

今回は領域1「ヘルスプロモーション」です。

看護記録の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!

トコル
トコル

看護記録(SOAP)の書き方に関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】)を参考にしてください!

【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】

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新人看護師
新人看護師

他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!

*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*できるだけ多くの患者に適応できるよう、あえて抽象的な内容を含めている部分がございます。こちらもご活用いただく際はご注意ください。

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【NANDA-I看護診断】領域1「ヘルスプロモーション」の看護計画の記載例まとめ【コピペ可】

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NANDA-I領域1「ヘルスプロモーション」の看護診断名一覧

NANDA-I領域1「ヘルスプロモーション」は、類①〜②に分けられます。

それぞれの看護診断名一覧は以下の通りです。

類① 健康自覚
・気分転換活動参加減少
・ヘルスリテラシー促進準備状態
・座位中心ライフスタイル

類② 健康管理
・逃走企図リスク状態
・高齢者虚弱シンドローム
・高齢者虚弱シンドロームリスク状態
・運動習慣促進準備状態
・コミュニティヘルス不足
・リスク傾斜健康行動
・非効果的健康維持行動
・非効果的健康自主管理
・健康自主管理促進準備状態
・非効果的家族健康自主管理
・非効果的家事家政行動
・非効果的家事家政行動リスク状態
・家事家政行動促進準備状態
・非効果的防御力

類①-気分転換活動参加減少

コード:00097

定義
レクリエーションやレジャー活動からの刺激、またそのような活動への関心や参加が減少した状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
気分転換活動参加減少
S(主観的情報)「気分が晴れないし、何をしても楽しめない。活動に参加する気力がわかない。」
O(客観的情報)日中ベッド上で過ごす時間が増加している。
看護師や他者との会話も減少し、短い応答が多い。
レクリエーションや集団活動への参加回数が過去1週間でゼロ。
表情に乏しく、表情変化が少ない。
A(評価)患者は気分低下や意欲減退により、気分転換活動への参加が減少している。これにより、さらに孤立感や抑うつ感が増し、QOL(生活の質)が低下するリスクがあると考えられる。心理的サポートと動機づけが必要である。
P(計画)1日1回、患者の興味や好みに合わせた気分転換活動を提案し、小さな達成感を得られるよう支援する。
少しでも気分の変化があれば言葉にしてもらうように促し、患者の気持ちに寄り添う傾聴を行う。
患者が好きな話題(趣味や過去の出来事など)について会話する機会を増やし、交流の場を提供する。
必要に応じて心理士や精神科医との連携を図り、抑うつ症状への適切な介入を検討する。
気分転換活動に少しでも参加できた場合にはポジティブなフィードバックを行い、自己肯定感を育む。

類①-ヘルスリテラシー促進準備状態

コード:00262

定義
健康の促進・維持、健康リスクの軽減、全般的なQOLの向上に向け、日々の健康関連の決断に必要な概念を、発見・理解・評価・使用する、一連のスキルや能力(識学、知識、モチベーション、文化、言語)を使い高めるパターンが、さらに強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
ヘルスリテラシー促進準備状態
S(主観的情報)「自分でできる健康管理の方法を知りたい」「病気を予防するためにできることがあれば教えてほしい」
O(客観的情報)健康への意欲を示し、医療や健康に関する質問を積極的にしている
パンフレットや資料を読み込み、理解を深めようとする姿勢が見られる
理解力は高く、日常生活に活かす意欲が強い様子である
A(評価)自己の健康管理に関心が高く、病気予防や生活改善への理解を深める意欲がある。知識の提供により、セルフケア能力の向上が期待される。
P(計画)健康管理や予防に関するパンフレットや冊子を提供し、内容について説明する
健康目標の設定方法や具体的な生活改善のポイントについて指導する
定期的に自己評価を行う方法を紹介し、実施を促す
質問や不明点があればすぐに確認できるよう、相談の機会を設ける

類①-座位中心ライフスタイル

コード:00168

定義
覚醒時間の活動が、低エネルギー消費量を特徴とする後天的行動様式

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
座位中心ライフスタイル
S(主観的情報)「最近、長時間座っていることが多くて、体が重く感じる」「運動不足だと思うけど、何から始めていいか分からない」
O(客観的情報)平日はほとんどデスクワークで、一日の大半を座位で過ごしている
BMI 27.5(軽度の肥満)
筋力低下が見られ、軽度の腰痛も訴えている
日常的な活動量は少なく、歩数も1日3,000歩未満
A(評価)長時間の座位中心の生活により、運動不足による筋力低下や体重増加がみられる。これらが、全身の倦怠感や慢性的な腰痛を引き起こしている可能性がある。適度な運動を取り入れることで、体調改善や生活の質向上が期待される。
P(計画)デスクワークの合間に定期的なストレッチを実施するように指導する
簡単に始められるウォーキングや軽い筋力トレーニングを提案し、1日5,000歩を目標とする
活動量を増やすための方法(階段の使用、移動の際の工夫など)を共有する
体重と活動量の記録を促し、日々の変化を観察する

類②-逃走企図リスク状態

コード:00290

定義
助言や忠告に反して、または医療関係者や介護者と連絡を取らずに、医療施設や指定場所を離れやすく、安全や健康を損なう恐れのある状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
逃走企図リスク状態
S(主観的情報)「ここから出ていきたい」「もうここにはいられない」
O(客観的情報)病棟内で落ち着きがない様子が見られる。
ナースコールの頻回な使用が見られる。
病室や廊下を歩き回る場面が多く、スタッフの声かけに対して不穏な表情や無視が続いている。
看護師が一時的に目を離した際、出口付近にいるのを発見された。
A(評価)入院環境への拒否感が強く、脱走を試みるリスクが高いと考えられる。不安や焦燥感が強く、自己制御が困難な状態であり、心理的なケアが必要である。
P(計画)安全確保のため、定期的な見守りを行い、居場所を確認する。
外出や退院に対する不安や希望を傾聴し、精神的な安心感を提供するための時間を確保する。
必要に応じて主治医に相談し、鎮静剤や抗不安薬の投与を検討する。
家族と協力し、患者の希望や気持ちを共有し、入院生活への理解を促す。
スタッフ間で情報を共有し、逃走リスクの高い場面(食事・入浴時など)には特に注意を払う。
環境調整として、出口や病棟外へのアクセスを制限し、患者が落ち着けるように配慮する。

類②-高齢者虚弱シンドローム

コード:00257

定義
健康の側面(身体、機能、心理、社会)の一つ以上が衰えた高齢者が、障害などの健康上の弊害が起こりやすい、不安定な均衡動態に陥っている状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
高齢者虚弱シンドローム
S(主観的情報)「最近、少し歩いただけで疲れてしまう。食欲もあまりなく、食事の量が減っている気がする。」
O(客観的情報)握力が基準値以下(20kg未満)。
歩行速度が低下し、5メートルの歩行に10秒以上を要する。
体重が過去6か月で5%以上減少。
BMIが18以下。
血液検査にてアルブミン値が3.2g/dLと低値。
A(評価)身体機能の低下と栄養状態の悪化により、高齢者虚弱シンドローム(フレイル)の進行が疑われる。体力低下や食欲不振により、日常生活活動(ADL)の維持が難しくなるリスクが高い。適切な栄養補給と運動の支援が必要と考えられる。
P(計画)栄養士と連携し、高エネルギー・高たんぱく食を取り入れるよう食事計画を立案する。
リハビリテーション科と協力して、筋力を維持・向上するための軽い運動プログラムを導入する。
体重と食事摂取量を定期的に記録し、減少傾向が続く場合は医師に報告する。
家族にフレイルの予防と改善方法について説明し、日常生活での支援を促す。

類②-高齢者虚弱シンドロームリスク状態

コード:00168

定義
健康の側面(身体、機能、心理、社会)の一つ以上が衰えた高齢者が、障害などの健康上の弊害が起こりやすい、不安定な均衡動態に陥りやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
高齢者虚弱シンドロームリスク状態
S(主観的情報)「最近疲れやすくなってきた気がする。足も少し弱くなってきた感じがする。」
O(客観的情報)歩行速度は基準付近(5メートルの歩行に8秒)。
握力が低下傾向にあり、基準値に近いがやや弱い(男性で26kg、女性で18kg)。
過去3か月で体重が2%減少。
BMIが20と低めで、筋肉量が減少傾向。
血液検査にてアルブミン値3.5g/dL。
A(評価)筋力や歩行速度が低下傾向にあり、高齢者虚弱シンドロームのリスクが高まっている状態。食欲減退や体重減少がみられ、身体機能のさらなる低下につながる可能性があるため、早期の介入が必要と考えられる。
P(計画)日常生活での活動量を増やすため、リハビリ科と協力して簡単な筋力トレーニングや歩行練習を提案する。
栄養補助食品を検討し、栄養状態を改善するための指導を行う。
体重、筋力の変化を定期的に評価し、状態に応じて医師に報告する。
家族に対し、虚弱予防の重要性を説明し、適切なサポートを依頼する。

類②-運動習慣促進準備状態

コード:00307

定義
計画的で、構造化された、反復運動を特徴とする身体活動への関心パターンが、さらに強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
運動習慣促進準備状態
S(主観的情報)「最近、健康のために何か運動を始めたほうがいいかもと思っているけれど、何から始めればいいかわからない。」
O(客観的情報)日常生活での身体活動量が低めで、散歩などの軽い運動習慣もなし。
特に運動制限はなく、医師からも適度な運動を推奨されている。
BMIは23と標準範囲内で、血圧や脈拍も安定している。
A(評価)運動習慣を取り入れる準備が整いつつあり、本人も健康維持のための運動に対する意識が高まっている。運動の具体的な方法や目標設定をサポートすることで、継続的な習慣形成につながる可能性がある。
P(計画)本人の体力や興味に合わせ、ウォーキングや簡単な筋力トレーニングなど無理なく始められる運動計画を提案する。
1週間に3回、20〜30分の運動から始めるよう推奨し、継続できるように小さな目標設定を行う。
運動の効果や身体的な変化を確認しやすいよう、運動後の体調や気分の変化を記録するように指導する。
家族や友人と一緒に運動を楽しむことも提案し、社会的サポートを活用してモチベーションを維持する。
定期的に振り返りを行い、目標や内容の見直しを行う。

類②-コミュニティヘルス不足

コード:00215

定義
集団や住民のウェルネスを妨害する、もしくは健康問題のリスクを増大させる、一つ以上の健康問題や要因がある状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
コミュニティヘルス不足
S(主観的情報)「地域で相談できる人が少なく、家族以外に頼れる人がいない感じがする。」「もう少し外に出て人と関わりたい気持ちはあるけれど、何をすればよいか分からない。」
O(客観的情報)日常生活の大半を自宅で過ごし、地域の集まりや活動への参加経験がほとんどない。
近隣住民との交流が少なく、社会的なつながりが乏しい状態。
最近の健診で、軽度の抑うつ傾向を指摘されている。
A(評価)地域社会とのつながりが少なく、社会的サポートが不足しているため、孤立感や心理的な負担が生じている。コミュニティヘルスの不足により、健康維持や生活の質に影響が及んでいる可能性があり、地域資源を活用した支援が必要と考えられる。
P(計画)地域のサポートサービスや交流の場(例:サロン、趣味の集まり、健康教室)に関する情報を提供し、参加を促す。
地域包括支援センターと連携し、本人に合った支援サービスや交流機会を紹介する。
心理的なサポートが得られるよう、必要に応じて保健師やカウンセラーとの相談の機会を調整する。
地域活動への初回参加には同行を検討し、スムーズに交流が始められるよう支援する。
家族にも現状と地域のサポートについて説明し、家族内での協力体制を整える。

類②-リスク傾斜健康行動

コード:00188

定義
ウェルネスレベルを向上させるように、ライフスタイルや振る舞いを改善する能力が低下した状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
リスク傾斜健康行動
S(主観的情報)「忙しくて、食事はいつも適当になってしまう。」「運動の必要性は分かっているけど、つい後回しにしてしまう。」
O(客観的情報)生活習慣の乱れがあり、食事はコンビニや外食が多い。
日中の活動量が少なく、BMIが27とやや高め。
定期健診で血圧が140/90mmHg、血糖値がやや高めと指摘されている。
睡眠時間が5時間程度で不規則な生活リズム。
A(評価)不規則な食事や運動不足、睡眠の乱れなど、リスク傾斜のある健康行動が継続している。これらの生活習慣は将来的な生活習慣病リスクの増加に直結するため、早急な改善が必要と考えられる。適切な生活習慣の構築を通じ、健康維持とリスク軽減が求められる。
P(計画)栄養バランスを考慮した食事内容について栄養士と相談し、簡単に取り入れられる工夫を提案する。
短時間で行える運動(例:ストレッチやウォーキング)を取り入れ、1日15分からの習慣化を目指す。
睡眠時間の確保と就寝時間の固定化を指導し、生活リズムの改善を図る。
定期的に血圧や血糖値を測定し、生活習慣の変化が健康状態に与える影響を観察する。
家族や友人の協力を得て、健康的な行動を共有・実践する環境づくりを支援する。

類②-非効果的健康維持行動

コード:00292

定義
健康行動の基礎となる、健康の知識・健康に対する姿勢・健康習慣の管理が、ウェルビーイングの維持や向上、あるいは病気や怪我の予防には不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
非効果的健康維持行動
S(主観的情報)「健康には気をつけたいと思っているけど、具体的に何をすればいいか分からない。」「自己流でやっているけど、あまり効果を感じない。」
O(客観的情報)自己流で食事や運動の調整を行っているが、体重や血圧、血糖値などに明確な改善が見られない。
運動習慣は週1回程度のウォーキングのみで、強度や頻度が低い。
日中の活動量が少なく、デスクワークが中心の生活。
最近の健診で血圧150/95mmHg、空腹時血糖120mg/dLと指摘されている。
A(評価)健康を維持しようとする意識はあるが、具体的な知識や方法が不足しているため、効果的な健康行動につながっていない。健康管理に対する知識不足が原因で、生活習慣病のリスクが改善されず、さらなるサポートが必要と考えられる。
P(計画)健康維持に必要な栄養バランスや運動の基礎知識を指導し、実践しやすい具体的な目標を設定する。
栄養士や運動指導士と連携し、バランスの取れた食事計画や継続可能な運動プランを立案する。
生活習慣病予防のため、血圧や血糖値の定期的な測定を促し、変化を確認しながら行動を見直す。
自己管理の方法を学ぶ機会(例:健康教室や講習会)を案内し、知識を深められるよう支援する。
定期的に効果を振り返り、必要に応じて計画の調整を行うことで、モチベーションを維持する。

類②-非効果的健康自主管理

コード:00276

定義
慢性疾患を抱えた生活に固有の、症状や治療計画の管理、身体・心理社会・スピリチュアル面への影響の管理、ライフスタイル変化の管理が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
非効果的健康自主管理
S(主観的情報)「血圧の薬は飲んでいるけど、他に何をすればいいか分からない。」「自己管理はしているつもりだけど、あまり効果が出ている気がしない。」
O(客観的情報)毎日の血圧測定を行っているが、測定値の記録や経過の振り返りが不十分。
薬の服用はしているものの、運動や食事管理の工夫が不足している。
健診で血圧が依然として高め(145/92mmHg)、BMIは28で体重も過去1年間で増加傾向。
健康に関する知識が乏しく、適切な生活習慣改善が実施できていない。
A(評価)健康管理に対する意識はあるが、効果的な自己管理の方法が確立できていない。生活習慣の改善が不十分であり、高血圧や肥満が持続している。自己管理スキルの不足が健康状態の維持を妨げていると考えられる。
P(計画)血圧や体重の記録方法を指導し、数値を見える化して自覚を促す。
具体的な生活改善目標(例:1日30分のウォーキング、野菜を1食に1品追加)を設定し、取り組みやすい内容で継続を支援する。
薬の服用効果や生活改善の重要性について、内科医や薬剤師と連携して指導を行う。
健康管理の基本知識を深めるため、生活習慣病予防に関する情報提供や資料配布を行う。
定期的に振り返りの場を設け、自己管理の効果を確認しつつ、改善点を共有してモチベーションを維持する。

類②-健康自主管理促進準備状態

コード:00293

定義
慢性疾患を抱えた生活に固有の、症状や治療計画の管理、身体・心理社会・スピリチュアル面への影響の管理、ライフスタイル変化の管理が十分なパターンで、さらに強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
健康自主管理促進準備状態
S(主観的情報)「最近、自分の健康についてもっと気をつける必要があると感じている。」「生活習慣を少しずつ変えたほうがいいのかもしれないけど、何から始めればいいか分からない。」
O(客観的情報)医師から生活習慣の改善を勧められており、本人も健康管理の必要性を認識しているが、具体的な行動にはまだ移していない。
バイタルサインは安定しているが、BMIが26でやや高め、軽度の肥満が見られる。
現時点で定期的な運動習慣や食事管理は行っていない。
A(評価)健康管理への意識が高まりつつあり、自己管理を始める準備が整ってきている状態。具体的な目標設定と知識のサポートにより、積極的な健康自主管理行動に移行できる可能性がある。
P(計画)簡単に始められる生活習慣改善の目標(例:1日20分のウォーキング、間食を減らす)を設定し、無理のない計画で継続を促す。
健康管理の基礎知識(栄養、運動、睡眠の重要性)を提供し、自己管理の自信を高めるための指導を行う。
体重や食事内容の記録を提案し、目に見える形で進捗を確認できるよう支援する。
必要に応じて保健師や栄養士と連携し、本人の生活スタイルに合ったアドバイスを提供する。
定期的な面談を設け、進捗状況を確認し、継続的なサポートを行うことでモチベーション維持を図る。

類②-非効果的家族健康自主管理

コード:00294

定義
慢性疾患を抱えた1人または複数の家族メンバーとの生活に固有の、症状や治療計画の管理、身体・心理社会・スピリチュアル面への影響の管理、ライフスタイル変化の管理が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
非効果的家族健康自主管理
S(主観的情報)「家族の健康を考えて食事を気をつけているつもりだけど、皆の体調があまり良くならない感じがする。」「家族みんなで運動しようとは思うけど、なかなか続かない。」
O(客観的情報)家族全員に運動や栄養管理の意識はあるが、具体的な目標や計画が不十分で、行動が一貫していない。
家族のうち2人がBMI30以上で肥満傾向、また血圧が高めの家族もいるが、定期的な健康チェックをしていない。
食事内容に偏りが見られ、炭水化物や脂肪分が多く、栄養バランスが不適切。
A(評価)家族全体で健康管理への意識はあるが、知識や実行力が不足しており、効果的な自主管理ができていない状態。具体的な計画と支援が欠けているため、家族の健康状態が改善されないままとなっている。家族での協力や目標設定が重要と考えられる。
P(計画)栄養士と連携し、家族全員で取り組めるバランスの良い食事計画を立案し、週単位でのメニューを提案する。
家族で一緒に行える運動プログラム(例:週に2回のウォーキングや自宅での簡単なストレッチ)を設定し、家族全員で継続するための目標を共有する。
家庭内で血圧や体重を定期的に測定し、記録をつけて家族全員で進捗を確認する。
家族会議を定期的に開き、健康目標の達成状況や改善点について話し合い、家族全体でモチベーションを維持する。
必要に応じて保健師や地域の健康サポートサービスと連携し、家族健康管理に関するアドバイスを受けられる体制を整える。

類②-非効果的家事家政行動

コード:00300

定義
安全な住居の維持管理に必要な知識と活動パターンが、不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
非効果的家事家政行動
S(主観的情報)「家事がなかなかうまくいかなくて、いつも部屋が片付かないし、食事の準備も時間がかかってしまう。」「もっと効率よく家事をこなしたいけど、どうしたらいいか分からない。」
O(客観的情報)日常的に部屋が散らかっている状態が続いており、掃除や整理整頓が不十分。
食事準備に時間がかかり、栄養バランスの良いメニューを考える余裕がなく、インスタント食品や外食に頼ることが多い。
洗濯や片付けが溜まってしまい、家庭内の生活環境が整っていない。
A(評価)家事や家政の効率的な方法が確立されていないため、家庭内の環境が不整然とした状態にある。家事負担の多さと実行方法の非効率さが、ストレスや生活の質の低下を引き起こしている可能性がある。時間管理や優先順位の設定が必要と考えられる。
P(計画)家事のスケジュールを作成し、日々のタスクを分担・細分化して、無理なくこなせるよう計画する。
簡単で栄養バランスの取れたメニューのレシピを提供し、食事準備の時間を短縮する工夫を行う。
片付けや掃除の際に、効率的な方法(例:収納用品の利用、片付けルールの設定)を取り入れ、習慣化できるよう支援する。
家族の協力を得て、一部の家事を分担する方法を検討し、負担軽減を図る。
定期的に進捗を確認し、家事が計画通りに進んでいるか振り返り、必要に応じて改善点を見直す。

類②-非効果的家事家政行動リスク状態

コード:00308

定義
安全な住居の維持管理に必要な知識と活動パターンが不十分になりやすく、健康を損なう恐れがある状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
非効果的家事家政行動リスク状態
S(主観的情報)「最近、家事が思うように進まないことが増えてきて、少し困っている。」「片付けや掃除が後回しになりがちで、生活に支障が出る前にどうにかしたい。」
O(客観的情報)家事に対する負担感があり、日常的な掃除や片付けが滞りがち。
調理の手間を避けるため、簡便な食品やテイクアウトが増えている。
物品が整理されておらず、日用品や調理器具の位置が一定していないため、家事効率が低下している。
家庭環境の整備が不十分で、今後、さらに家事が滞るリスクがある。
A(評価)家事や家政の負担感が増しており、効率的な方法が確立されていないために生活環境の悪化リスクが高まっている。家事の管理方法の改善や家事効率化の支援が必要と考えられる。
P(計画)家事の優先順位を設定し、1日のうち短時間でできる家事タスクをリスト化して少しずつ取り組めるよう支援する。
整理収納方法の基本を指導し、物品の置き場所を決めて効率的に家事が進むようサポートする。
調理の時間短縮ができるよう、簡単で栄養バランスが取れたレシピや調理の工夫を紹介する。
週ごとに進捗を確認し、家事が計画的に進むよう支援し、必要に応じて計画を見直す。
家族や地域のサポートも活用し、家事負担を分担・軽減する方法を検討する。

類②-家事家政行動促進準備状態

コード:00309

定義
安全な住居の維持管理に必要な知識と活動パターンが、さらに強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
家事家政行動促進準備状態
S(主観的情報)「これからはもう少し家事を計画的にこなしたいと思っている。」「整理整頓をしっかりして、生活しやすい環境にしたい。」
O(客観的情報)現状では、掃除や片付けの頻度が不定期で、効率的な家事のルーチンが確立されていない。
部屋に物が散らかりがちだが、片付けたいという意欲が見られる。
食事準備の際、栄養バランスが考慮されていないことが多く、外食や簡便な食品に頼りがち。
A(評価)家事や家政を改善する意識が高まっており、計画的な家事の実施に向けて準備が整いつつある。具体的な方法や目標設定をサポートすることで、効果的な家事行動を習慣化できる可能性がある。
P(計画)短時間でできる家事タスクをリスト化し、1日の中で少しずつ進められるよう支援する。
簡単で栄養バランスの良いレシピや、作り置きできるメニューを提案し、食事準備が効率よく進むようにする。
収納や整理整頓の基本的な方法を指導し、物の定位置を決めて片付けやすい環境を整えるサポートを行う。
家事の進捗を週ごとに確認し、成功体験を積み重ねることでモチベーションを維持できるよう支援する。
家族や友人と一緒に取り組むことを提案し、家事行動を続けるためのサポート環境を整える。

類②-非効果的防御力

コード:00043

定義
病気や怪我のような内的・外的脅威から自分を守る能力が低下した状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
非効果的防御力
S(主観的情報)「最近、些細なことで落ち込んだり、不安になることが多い。」「人からのアドバイスを受け入れにくく、すぐに否定的になってしまう。」
O(客観的情報)ストレスがかかる状況で感情的な反応が見られ、不安やイライラが持続している。
日常生活において人間関係のトラブルが生じやすく、サポートや助言を避ける傾向がある。
健康診断で軽度の睡眠障害が指摘され、心身ともに疲労が溜まりやすい状態。
自己防衛的な行動が強まり、周囲とのコミュニケーションが希薄になっている。
A(評価)ストレスに対する防御力が低下し、日常生活や人間関係において適切な対処ができていない状態。過剰な自己防衛が働いており、ストレスに対する適応力が不足しているため、心身の健康にも影響を及ぼしている可能性がある。ストレス対処法の改善が必要と考えられる。
P(計画)ストレス管理法について指導し、リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)を取り入れるよう促す。
カウンセリングや心理サポートを提供し、自己防衛的な行動がどのようにストレスや不安に影響しているかを理解する機会を作る。
人間関係のトラブル解消に向けて、コミュニケーションスキルの向上を目指した支援を行う。
日常生活のリズムを整えるため、睡眠改善のための助言(例:就寝前のルーチン、スマホの利用制限)を行う。
定期的に振り返りの場を設け、自己防衛行動の変化やストレスレベルを評価し、必要に応じて支援内容を見直す。

NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)&看護計画の記載例まとめ

当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)&看護計画の記載例を多数まとめています。

ぜひ、日々の業務のご活用ください!

看護記録(SOAP)の記載例

領域1領域2領域3
領域4領域5領域6
領域7領域8領域9
領域10領域11領域12
領域13

看護計画の記載例

領域1領域2領域3
領域4領域5領域6
領域7領域8領域9
領域10領域11領域12
領域13

引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2020-2023.医学書院.

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