この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)の記載例を公開しています。
今回は領域10「生活原理」です。
看護記録の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!
トコル
看護記録(SOAP)の書き方に関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】)を参考にしてください!
【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】
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新人看護師
他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!
*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*できるだけ多くの患者に適応できるよう、あえて抽象的な内容を含めている部分がございます。こちらもご活用いただく際はご注意ください。
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【NANDA-I看護診断】領域10「生活原理」の看護計画の記載例まとめ【コピペ可】
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NANDA-I領域10「生活原理」の看護診断名一覧
NANDA-I領域10「生活原理」は、類①〜③に分けられます。
それぞれの診断名一覧は以下の通りです。
- 類① 価値観
- 本類には現在該当する看護診断なし
- 類② 信念
- ・スピリチュアルウェルビーイング促進準備状態
- 類③ 価値観/信念/行動の一致
- ・意思決定促進準備状態
・意思決定葛藤
・解放的意思決定障害
・解放的意思決定障害リスク状態
・解放的意思決定促進準備状態
・道徳的苦悩
・信仰心障害
・信仰心障害リスク状態
・信仰心促進準備状態
・スピリチュアルペイン
・スピリチュアルペインリスク状態
類①-本類には現在該当する看護診断なし
類②-スピリチュアルウェルビーイング促進準備状態
コード:00068
- 定義
- 人生の意味と目的を、自己・他者・世界・自分よりも大きな力とのつながりの中で結合するパターンが、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | スピリチュアルウェルビーイング促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「自分にとって大切なことをもっと見つめ直したい。」「生きる意味や目的について考える時間を増やしたいと思っている。」 |
O(客観的情報) | 価値観や信念について話し合う意欲があり、自己探求に積極的である。 日常生活の中で、感謝や喜びを見いだそうとする行動が見られる。 瞑想、祈り、自然とのふれあいなどのスピリチュアルな活動に興味を示している。 自分の生活や周囲との関わりに対する意識が高まりつつある。 |
A(評価) | スピリチュアルウェルビーイング(霊的な健康)の促進に向けた準備が整っており、自己成長や生活の質向上に向けた取り組みを始める可能性が高い状態にある。 |
P(計画) | スピリチュアルウェルビーイングを深めるために、自己探求の時間を意識的に確保するよう提案する。 瞑想、日記を書く、感謝の気持ちを表す習慣など、自己と向き合う具体的な方法を指導する。 自然とふれあう時間を増やすことで、リラックスし、スピリチュアルな感覚を高める機会を提供する。 信仰や価値観を共有できるグループやコミュニティ(例:宗教的集まり、哲学サークル)への参加を提案する。 生活の中で意味や目的を見いだすための目標設定を支援し、小さな達成感を積み重ねる。 本人が関心を持つスピリチュアルな活動(例:芸術、音楽、文化的体験)を取り入れるよう提案する。 定期的に本人の進捗や感想を確認し、ニーズに応じて支援計画を調整する。 スピリチュアルウェルビーイングが心身の健康や生活の質に及ぼすポジティブな影響について説明し、意欲を高める。 |
類③-意思決定促進準備状態
コード:00184
- 定義
- 短期と長期の健康関連目標を達成するための、行動方針を選ぶパターンが、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 意思決定促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「自分でしっかり選択して前に進みたいと思っている。」「今後のことを考えて、自分で決める準備をしたい。」 |
O(客観的情報) | 現状や将来について、自分で選択する意欲を示している。 選択肢や決断に必要な情報を積極的に求めている。 意思決定を支えるための相談や支援を受け入れる姿勢が見られる。 自分の価値観や目標に基づいた選択を検討し始めている。 |
A(評価) | 意思決定を行う準備が整いつつあり、適切な支援を通じて自分の価値観や目標に基づいた選択を行い、前向きに進む可能性が高い状態にある。 |
P(計画) | 選択肢の明確化を支援し、それぞれの利点や欠点を整理する機会を設ける。 意思決定に必要な情報(例:医療、生活、教育に関する情報)を提供し、理解を深める。 本人の価値観や目標を確認し、それに基づいた選択ができるようにサポートする。 必要に応じて、家族や専門家と話し合う場を設け、意思決定を支える環境を整える。 意思決定を行うプロセスを分割し、一歩ずつ進められるよう支援する。 決定した内容に基づいて行動計画を立て、実行に向けたサポートを行う。 進捗を定期的に確認し、意思決定に対する不安や疑問を解消する場を提供する。 意思決定の成功体験を積み重ねることで、自己効力感を高め、次の意思決定に繋げられるよう支援する。 |
類③-意思決定葛藤
コード:00083
- 定義
- 競合する活動の選択肢には、価値観と信念への危険・損害・挑戦を伴うため、とるべき活動方針が不確かな状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 意思決定葛藤 |
S(主観的情報) | 「どうしても決められない。」「どちらを選んでも後悔しそうで、不安が大きい。」 |
O(客観的情報) | 意思決定に必要な情報が不足しているか、選択肢の優先順位が曖昧である。 不安や迷いから、決断を先延ばしにする行動が見られる。 選択肢のどちらかを明確にすることができず、感情的に揺れ動いている様子が観察される。 意思決定に関わる家族や関係者との意見の食い違いが見られる場合がある。 |
A(評価) | 意思決定のプロセスにおいて葛藤が生じており、適切な選択が困難な状態にある。このままでは、不安が増大し、行動が遅れる可能性が高い。 |
P(計画) | 意思決定に必要な情報を整理し、選択肢を明確化するためのサポートを行う。 それぞれの選択肢のメリット・デメリットを視覚的に示し、客観的に評価する方法を提案する。 本人の価値観や目標を確認し、それに基づいて選択肢を絞り込む支援を行う。 家族や信頼できる人との話し合いの場を設け、意見交換を通じて葛藤の解消を図る。 リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)を指導し、意思決定に伴う不安や緊張を軽減する。 意思決定を段階的に行えるよう、小さな選択肢から取り組むプロセスを提案する。 選択肢を選んだ後の行動計画を立て、決定に対する安心感を提供する。 進捗を定期的に確認し、意思決定に対する不安や疑問を解消するフォローアップを行う。 |
類③-解放的意思決定障害
コード:00242
- 定義
- 医療上の意思決定プロセスが、個人的知識や社会規範に対する考慮を組み入れない、あるいは柔軟な環境下で行われないことで、満足できない決定をもたらしている状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 解放的意思決定障害 |
S(主観的情報) | 「自分で決めるのが怖くて、他の人に頼ってしまう。」「どう選べばいいのか分からなくて、誰かに決めてもらいたい。」 |
O(客観的情報) | 自分で決断することを避ける傾向があり、選択肢を他者に委ねる行動が見られる。 意思決定に必要な情報を収集する努力や選択肢を検討する姿勢が不足している。 他者の意見に過剰に依存し、自分の価値観や目標が曖昧である場合がある。 選択肢を避け続けることで、行動や計画が滞っている。 |
A(評価) | 意思決定における自律性が欠如しており、自己の価値観や目標に基づいた選択が困難な |
P(計画) | 本人の価値観や目標を明確化し、それに基づいた意思決定ができるよう支援する。 意思決定のプロセスを段階的に分け、小さな選択肢から自分で決める練習を取り入れる。 必要な情報を整理し、選択肢のメリット・デメリットを比較できるよう視覚的なツール(例:リスト、チャート)を提供する。 他者の意見に頼りすぎないよう、相談の際に自分の考えを整理して表現する練習を支援する。 成功体験を積み重ね、自己効力感を高めることで、自分で決断することへの自信を促進する。 心理的ストレスを軽減するため、リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)を提案し、不安を和らげる環境を提供する。 定期的に意思決定の状況をモニタリングし、必要に応じてケア計画を調整する。 家族や支援者と連携し、本人が安全な環境で意思決定を練習できるようサポート体制を整える。 |
類③-解放的意思決定障害リスク状態
コード:00244
- 定義
- 医療上の意思決定プロセスが、個人的知識や社会規範に対する考慮を組み入れない、あるいは柔軟な環境下で行われないことで、満足できない決定をもたらしやすい状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 解放的意思決定障害リスク状態 |
S(主観的情報) | 「自分で決めるのが苦手で、誰かに頼りがちです。」「重要なことを選ぶのが怖くて、どうしたらいいか分かりません。」 |
O(客観的情報) | 意思決定に対する不安や恐怖を訴え、選択を他者に委ねる傾向が見られる。 選択肢を検討したり、情報を収集する努力が乏しい。 自己効力感の低下や、過去の決断に対する後悔を繰り返し述べる場合がある。 他者の意見に過度に依存する行動や、自己主張の欠如が観察される。 |
A(評価) | 自律的な意思決定が困難となるリスクがあり、適切な選択ができない状態に陥る可能性が高い。この状態が進行すると、生活の質の低下や心理的なストレスが増大するリスクがある。 |
P(計画) | 意思決定の練習として、簡単でリスクの少ない選択肢を提示し、自分で決める体験を提供する。 本人の価値観や目標を明確化するためのワークショップやカウンセリングを提案し、選択の基準を作るサポートを行う。 選択肢の情報を整理し、視覚的なツール(例:リスト、図表)を使用して比較しやすい形で提供する。 過去の成功体験を振り返り、自己効力感を高めるよう支援する。 意思決定が進まない理由について心理的要因(例:不安、過去のトラウマ)を分析し、必要に応じて専門的な支援(例:認知行動療法)を導入する。 家族や支援者と連携し、安全な環境の中で意思決定の練習を支えるサポート体制を構築する。 定期的に進捗を確認し、意思決定の成功体験を共有しながら、自己肯定感を向上させる。 |
類③-解放的意思決定促進準備状態
コード:00243
- 定義
- 医療上の意思決定プロセスが、個人的知識や社会規範に対する考慮を組み入れ、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 解放的意思決定促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「自分でしっかり決められるようになりたい。」「誰かに頼るのではなく、自分で選択して行動していきたいと思っています。」 |
O(客観的情報) | 自律的な意思決定に対する意欲が高まり、自分の選択を大切にしようとしている様子が確認される。 選択肢について積極的に情報収集や検討を行う姿勢が見られる。 家族や支援者からの助言を受け入れつつも、自分の価値観を軸に考えようとしている。 過去の意思決定経験を振り返り、改善点を見つけようとする姿勢が観察される。 |
A(評価) | 解放的意思決定を促進する準備が整っており、自分の価値観や目標に基づいた選択を進めていく可能性が高い状態にある。 |
P(計画) | 本人の価値観や目標を明確化するワーク(例:価値観カード、ライフプランニング)を提案し、選択の基準を確立する。 意思決定プロセスを段階的に分け、選択肢の整理や情報収集をサポートする。 視覚的ツール(例:メリット・デメリット表、決定フローチャート)を活用して、選択肢をわかりやすく提示する。 過去の成功体験や意思決定を振り返り、自信を持てるように支援する。 選択肢を選んだ後の行動計画を立て、実行をサポートすることで意思決定の結果に対する満足感を高める。 必要に応じて、家族や信頼できる支援者との対話を促進し、安心感を与える環境を整える。 意思決定プロセスの進捗を定期的に確認し、不安や疑問があれば解消する場を設ける。 成功体験を積み重ねることで、自己効力感を向上させ、次の意思決定への意欲を促す。 |
類③-道徳的苦悩
コード:00175
- 定義
- 選択した倫理的または道徳的な決定や活動を、実行できないことへの反応
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 道徳的苦悩 |
S(主観的情報) | 「自分の考えや信念に反することをしなければならない状況が苦しい。」「正しいと思って行動したけれど、それが本当に良かったのか自信が持てない。」 |
O(客観的情報) | 葛藤が原因で、感情が不安定になりやすい様子が見られる(例:落ち込み、イライラ)。 倫理的な選択や行動に対する後悔や不安を繰り返し述べる。 判断を迫られた状況で、自分の価値観や信念が十分に反映されなかったことに対する苦痛が観察される。 職業上の役割や社会的期待との間で強い矛盾を感じている場合がある。 |
A(評価) | 倫理的な選択や行動において、自分の価値観や信念と現実の状況が対立し、精神的・感情的苦痛が生じている。このままでは、心理的ストレスがさらに増大し、自己効力感の低下やバーンアウトのリスクが高まる可能性がある。 |
P(計画) | 倫理的な問題や葛藤を整理するため、安全で支持的な環境で感情を表出できる場を提供する(例:カウンセリング、チームディスカッション)。 倫理的選択や行動に関する価値観や信念を明確にし、それに基づいて対応策を検討するプロセスを支援する。 同じ状況を経験した他者との交流(例:サポートグループ)を促し、感情の共有や新たな視点を得る機会を提供する。 ストレスを軽減するためのリラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)を指導し、心理的安定を支援する。 具体的な倫理的問題について、専門家(例:倫理委員会、スーパーバイザー)の助言を求める場を調整する。 価値観に基づく行動が結果にどう影響を及ぼしたかを振り返る機会を設け、肯定的な学びを得る支援を行う。 道徳的苦悩が継続する場合、専門的な心理療法を提案し、長期的なケア計画を立てる。 進捗を定期的に確認し、苦悩の軽減状況や必要なサポートの内容を柔軟に調整する。 |
類③-信仰心障害
コード:00169
- 定義
- 特定の伝統信仰の信念を頼りにしたり、儀式に参加したりする能力が低下した状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 信仰心障害 |
S(主観的情報) | 「自分の信仰が揺らいでいる感じがする。」「これまで信じてきたことに疑問を感じて、どうしたらいいか分からない。」 |
O(客観的情報) | 以前は信じていた信仰や信念に対する疑問や迷いを抱えている様子が観察される。 精神的な苦悩や不安定さが表情や行動に表れている(例:落ち着きがない、感情の起伏が激しい)。 祈りや宗教的儀式への参加が減少したり、消極的になっている場合がある。 人生の意味や目的に対して否定的な考えを繰り返し述べる。 |
A(評価) | 信仰や信念が揺らぎ、不安や疑問が精神的安定に悪影響を及ぼしている状態。このままでは、心理的ストレスの増加や生活の質の低下につながる可能性がある。 |
P(計画) | 信仰や精神的な問いについて話し合う安全で支援的な環境を提供する(例:カウンセリング、牧師や宗教指導者との対話)。 信仰やスピリチュアルな面での疑問や葛藤について整理するためのワーク(例:日記、自己探求の質問)を提案する。 スピリチュアルなコミュニティに再び関わることを支援し、他者との交流を通じて視点を広げる機会を作る。 信仰と生活の接点を見直し、日常生活の中で信仰を感じる方法を再構築する支援を行う。 必要に応じて、心理的ストレスを軽減するためのリラクゼーション法(例:深呼吸、マインドフルネス)を導入する。 人生の意味や目的について、新たな視点を見つけるための哲学的・宗教的な学びを提案する。 進捗を定期的に確認し、信仰に関する葛藤が軽減しているか評価しながら支援計画を調整する。 信仰に対する迷いが継続する場合、専門家(例:スピリチュアルケア専門家、心理カウンセラー)との連携を検討する。 |
類③-信仰心障害リスク状態
コード:00170
- 定義
- 特定の伝統信仰の信念を頼りにしたり、儀式に参加したりする能力が低下しやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 信仰心障害リスク状態 |
S(主観的情報) | 「最近、自分の信仰が薄れてきたような気がする。」「これまで大切にしてきた信念に自信が持てなくなりそうで不安です。」 |
O(客観的情報) | 信仰に基づく活動(例:祈り、宗教行事への参加)の頻度や意欲が低下している。 人生の意味や価値観に関する迷いが観察される。 ストレスや困難な出来事(例:喪失体験、大きな決断)によって信仰への影響を受けやすい状況にある。 支援ネットワーク(例:宗教的コミュニティ、信仰に基づく関係者)が十分に活用されていない。 |
A(評価) | 個人の信仰や精神的支えが揺らぐリスクが高い状態にあり、心理的な安定や生活の質が低下する可能性がある。このリスクに早期に対応することで、信仰や信念を維持し、精神的な安定を保つことができる。 |
P(計画) | 信仰や精神的支えについて安心して話し合える場を提供し、不安や疑問を共有する機会を作る。 宗教的コミュニティや支援ネットワークとのつながりを強化し、信仰に基づくサポートを受けやすい環境を整える。 信仰の価値や意義を再確認できるよう、個人の価値観や人生の目標を整理する支援を行う。 ストレス管理や感情の調整を目的としたリラクゼーション法(例:瞑想、深呼吸)を提案し、心理的な安定をサポートする。 宗教指導者やスピリチュアルケア専門家と連携し、信仰に関する相談を促進する。 信仰に基づく活動(例:祈り、瞑想、儀式)を日常生活の中に自然に取り入れる方法を提案する。 信仰や価値観に迷いを感じる要因を分析し、必要に応じてカウンセリングや心理的支援を提案する。 進捗を定期的に確認し、信仰や精神的支えの状況が改善しているかを評価し、支援計画を調整する。 |
類③-信仰心促進準備状態
コード:00171
- 定義
- 特定の伝統信仰の信念を頼りにしたり、儀式に参加したりするパターンが、さらに強化可能な状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | 信仰心促進準備状態 |
S(主観的情報) | 「自分の信仰をもっと深めていきたいと思っています。」「信仰を通じて、心の安らぎや生きる意味を感じたい。」 |
O(客観的情報) | 信仰やスピリチュアルな活動に積極的な関心を示している。 宗教的またはスピリチュアルなコミュニティへの参加意欲が確認される。 信仰を日常生活の中で活用しようとする姿勢が見られる。 自己探求や価値観の再確認を通じて、信仰を深める準備が整っている様子が観察される。 |
A(評価) | 信仰心を深め、精神的な満足感や安定を得る準備が整っている状態にあり、適切な支援を通じてその成長を促進する可能性が高い。 |
P(計画) | 信仰心を深めるための具体的な活動(例:祈り、瞑想、礼拝への参加)を提案し、日常生活に取り入れる方法を支援する。 スピリチュアルなコミュニティや宗教的集まりに参加する機会を提供し、他者とのつながりを促進する。 信仰を通じた自己探求の場として、日記や感謝のリストをつける習慣を提案する。 人生の目標や価値観を信仰と結びつけて考えるワークショップや対話の場を設ける。 信仰心を育むための文献やリソース(例:宗教的な書籍、スピリチュアルな講座)を紹介する。 心理的安定を支えるため、信仰に基づいたリラクゼーション法(例:スピリチュアルな音楽、瞑想)を推奨する。 信仰心がもたらす心の安らぎや充実感について振り返る場を定期的に提供し、進捗を確認する。 宗教指導者やスピリチュアルケア専門家との対話の機会を調整し、信仰の成長をサポートする。 |
類③-スピリチュアルペイン
コード:00066
- 定義
- 人生の意味と目的を、自己・他者・世界・自分よりも大きな力とのつながりの中で結合する能力の低下に苦しんでいる状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | スピリチュアルペイン |
S(主観的情報) | 「なぜこんなことが自分に起きるのか分からない。」「生きる意味が見いだせず、心が重い感じがする。」 |
O(客観的情報) | 深い悲しみや絶望感が観察され、感情表現が乏しい、または強い苦悩が表情に現れている。 宗教的またはスピリチュアルな信念が揺らぎ、疑問や葛藤を繰り返し述べる場合がある。 人生の目的や価値観に対して強い迷いや混乱が見られる。 孤立や喪失感を感じ、精神的な支えを失っている様子が確認される。 |
A(評価) | スピリチュアルペインが存在し、人生の意味や価値に対する深い苦悩が心理的および感情的な健康に影響を及ぼしている。この状態が続くと、心理的ストレスや孤立感が増大し、生活の質が低下する可能性がある。 |
P(計画) | スピリチュアルペインに対処するため、安全で支援的な場を提供し、感情や葛藤を自由に表現できるようにする。 人生の意味や価値観を再確認できるよう、傾聴を中心としたカウンセリングや対話を行う。 本人の信念や価値観を尊重しつつ、新たな視点を得るためのリソース(例:スピリチュアルな文献や活動)を紹介する。 スピリチュアルケア専門家や宗教指導者と連携し、信仰やスピリチュアルな支えを再構築する支援を行う。 リラクゼーション法(例:瞑想、深呼吸、アロマセラピー)を導入し、心理的な安定を促進する。 孤立を防ぐため、家族や支援者と連携し、支え合う環境を整える。 進捗を定期的に確認し、スピリチュアルペインの軽減状況や支援計画の効果を評価しながら調整する。 スピリチュアルな痛みを持ちながらも前向きに生きる力を育むための目標を共有し、達成を支援する。 |
類③-スピリチュアルペインリスク状態
コード:00067
- 定義
- 人生の意味と目的を、自己・他者・世界・自分よりも大きな力とのつながりの中で結合する能力が低下しやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護記録(SOAP)の記載例
看護診断 (看護問題) | スピリチュアルペインリスク状態 |
S(主観的情報) | 「これからの自分の人生に意味があるのか、考えることが増えた。」「信じてきたことが間違っていたのかもしれないと不安になる。」 |
O(客観的情報) | 人生の価値や目的に対して迷いや疑問を抱き始めている様子が観察される。 ストレスや困難な出来事(例:重篤な疾患の診断、愛する人の喪失)によって心理的に不安定な状態が見られる。 宗教的またはスピリチュアルな活動や信念が揺らぎつつあり、孤立感が強まる兆候がある。 支援的なコミュニティや精神的支えを十分に活用していない。 |
A(評価) | スピリチュアルペインのリスクが高い状態であり、放置すると深刻な精神的苦痛や生活の質の低下を引き起こす可能性がある。早期に対応することで、精神的安定を維持し、スピリチュアルな支えを再構築することが可能である。 |
P(計画) | 人生の価値観や目標を明確にするための対話を行い、スピリチュアルペインの予防に努める。 宗教的またはスピリチュアルな活動を見直し、信念や支えを再確認する場を提供する。 家族や信頼できる人々との交流を促し、精神的な孤立を防ぐ支援を行う。 宗教指導者やスピリチュアルケア専門家との対話を提案し、精神的支えを強化する。 心理的な負担を軽減するためのリラクゼーション法(例:瞑想、深呼吸)を提案する。 本人の関心に基づくスピリチュアルなリソース(例:本、音楽、自然体験)を紹介する。 進捗を定期的に確認し、スピリチュアルな葛藤や不安が軽減しているかをモニタリングする。 必要に応じて専門的な心理カウンセリングを導入し、リスクの進行を防ぐ支援を提供する。 |
NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)&看護計画の記載例まとめ
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看護記録(SOAP)の記載例
看護計画の記載例
引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2020-2023.医学書院.