領域1 看護記録 NANDA-Iに基づく記載例

【NANDA-I看護診断】領域1「ヘルスプロモーション」の看護記録(SOAP)の記載例まとめ【コピペ可】

この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)の記載例を公開しています。

今回は領域1「ヘルスプロモーション」です。

看護記録の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!

トコル
トコル

看護記録(SOAP)の書き方に関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】)を参考にしてください!

【完全保存版】看護記録「SOAP」の書き方と記載例まとめ【NANDA-Iの看護診断対応】

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新人看護師
新人看護師

他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!

*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*できるだけ多くの患者に適応できるよう、あえて抽象的な内容を含めている部分がございます。こちらもご活用いただく際はご注意ください。

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【NANDA-I看護診断】領域1「ヘルスプロモーション」の看護計画の記載例まとめ【コピペ可】

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NANDA-I領域1「ヘルスプロモーション」の看護診断名一覧

NANDA-I領域1「ヘルスプロモーション」は、類①〜②に分けられます。

それぞれの看護診断名一覧は以下の通りです。

類① 健康自覚
・気分転換活動減少
・気分転換活動減少リスク状態
・座位行動過剰
・座位行動過剰リスク状態
・エネルギーフィールドバランス異常

類② 健康管理
・健康自己管理不良
・健康自己管理不良リスク状態
・健康自己管理促進準備状態
・家族健康管理不良
・家族健康管理不良リスク状態
・コミュニティ健康管理不良
・コミュニティ健康管理不良リスク状態
・血糖自己管理不良リスク状態
・ドライアイ自己管理不良
・ドライマウス自己管理不良
・ドライマウス自己管理不良リスク状態
・倦怠感自己管理不良
・リンパ浮腫自己管理不良
・リンパ浮腫自己管理不良リスク状態
・悪心自己管理不良
・疼痛自己管理不良
・体重自己管理促進準備状態
・過体重自己管理不良
・過体重自己管理不良リスク状態
・低体重自己管理不良
・低体重自己管理不良リスク状態
・健康維持行動不良
・健康維持行動不良リスク状態
・家事行動不良
・家事行動不良リスク状態
・家事行動促進準備状態
・ヘルスリテラシー不足
・ヘルスリテラシー不足リスク状態
・ヘルスリテラシー促進準備状態
・ヘルシーエイジング促進準備状態
・高齢者フレイルシンドローム
・高齢者フレイルシンドロームリスク状態

類①-気分転換活動減少

コード:00097

定義
レクリエーションやレジャー活動からの刺激、または、そのような活動への関心や関与が低下した状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
気分転換活動減少
S(主観的情報)「気分が晴れないし、何をしても楽しめない。活動に参加する気力がわかない。」
O(客観的情報)日中ベッド上で過ごす時間が増加している。
看護師や他者との会話も減少し、短い応答が多い。
レクリエーションや集団活動への参加回数が過去1週間でゼロ。
表情に乏しく、表情変化が少ない。
A(評価)患者は気分低下や意欲減退により、気分転換活動への参加が減少している。これにより、さらに孤立感や抑うつ感が増し、QOL(生活の質)が低下するリスクがあると考えられる。心理的サポートと動機づけが必要である。
P(計画)1日1回、患者の興味や好みに合わせた気分転換活動を提案し、小さな達成感を得られるよう支援する。
少しでも気分の変化があれば言葉にしてもらうように促し、患者の気持ちに寄り添う傾聴を行う。
患者が好きな話題(趣味や過去の出来事など)について会話する機会を増やし、交流の場を提供する。
必要に応じて心理士や精神科医との連携を図り、抑うつ症状への適切な介入を検討する。
気分転換活動に少しでも参加できた場合にはポジティブなフィードバックを行い、自己肯定感を育む。

類①-気分転換活動減少リスク状態

コード:00448

定義
レクリエーションやレジャー活動からの刺激、または、そのような活動への関心や関与が低下しやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
気分転換活動減少リスク状態
S(主観的情報)「やることがなくて、毎日が長く感じる」「前は散歩や読書が好きだったけど、最近は何もする気が起きない」
O(客観的情報)病棟内での活動量が少なく、ベッド上で横になっている時間が長い
面会者が少なく、1日の大半を独居で過ごしている
レクリエーション活動への参加なし
表情に活気が乏しく、会話の頻度も少ない
A(評価)活動意欲の低下と社会的交流の減少により、気分転換となる活動が著しく制限されている状態
心理的・身体的健康維持のためにも、個人の興味関心に応じた活動の導入が必要と考えられる
P(計画)本人の興味・嗜好を確認し、参加しやすいレクリエーション活動を提案する
病棟内での簡単な散歩や読書時間を日課に組み入れるよう支援する
看護師との会話や他患者との交流の機会を意識的に増やす
週1回、活動記録を見直し、興味の変化や活動内容の適応性を評価する

類①-座位行動過剰

コード:00355

定義
覚醒時間中の活動のパターンが不十分で、エネルギー消費量が少ない状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
座位行動過剰
S(主観的情報)「最近、長時間座っていることが多くて、体が重く感じる」「運動不足だと思うけど、何から始めていいか分からない」
O(客観的情報)平日はほとんどデスクワークで、一日の大半を座位で過ごしている
BMI 27.5(軽度の肥満)
筋力低下が見られ、軽度の腰痛も訴えている
日常的な活動量は少なく、歩数も1日3,000歩未満
A(評価)長時間の座位中心の生活により、運動不足による筋力低下や体重増加がみられる。これらが、全身の倦怠感や慢性的な腰痛を引き起こしている可能性がある。適度な運動を取り入れることで、体調改善や生活の質向上が期待される。
P(計画)デスクワークの合間に定期的なストレッチを実施するように指導する
簡単に始められるウォーキングや軽い筋力トレーニングを提案し、1日5,000歩を目標とする
活動量を増やすための方法(階段の使用、移動の際の工夫など)を共有する
体重と活動量の記録を促し、日々の変化を観察する

類①-座位行動過剰リスク状態

コード:00394

定義
覚醒時間中の活動のパターンが不十分で、エネルギー消費量が少なくなりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
座位行動過剰リスク状態
S(主観的情報)「テレビを見ていると一日があっという間に終わる」「動くのが面倒くさいし、座ってる方が楽」
O(客観的情報)1日の大半をベッド上または椅子に座って過ごしており、歩行や立位での活動は最小限
日中も活動量が少なく、歩数は500歩未満/日
足関節に軽度のむくみあり
BMI 29.5、体重が過去1か月で2kg増加
A(評価)長時間の座位行動が継続しており、廃用症候群や肥満、循環障害などのリスクが高まっている状態
身体機能維持と生活の質向上のため、適切な活動の導入が必要と考えられる
P(計画)1時間ごとに立ち上がる・軽いストレッチを行うよう声かけを行う
日中に10分程度の病棟内歩行を日課として取り入れる
活動状況を1週間単位で記録し、変化を確認する
理学療法士と連携し、無理なく実施可能な運動メニューを検討する
座位時間と活動量のバランスについて本人に指導を行う

類①-エネルギーフィールドバランス異常

コード:00273

定義
通常は連続体で、独特で、動的で、創造的で、非線形の、人間の電磁場が崩壊した状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
エネルギーフィールドバランス異常
S(主観的情報)「なんだか体の周りがざわざわする感じがする」「気が落ち着かない」「元気が湧いてこない」
O(客観的情報)落ち着きなく体を揺らす様子がみられ、深いため息を繰り返している
睡眠時間が短く、夜間2〜3回覚醒あり
表情に不安がみられ、会話中に視線が定まらない
バイタルサインに大きな異常はなし:血圧125/80、脈拍78回/分、SpO2 98%、体温36.7℃
A(評価)精神的・感情的ストレスがエネルギーの不均衡を引き起こしている可能性がある
身体的異常はみられないが、情緒不安定や感覚異常が主訴として表れており、リラクセーションなどの介入が有効と考えられる
P(計画)アロマセラピーや音楽療法など、患者の好みに合わせたリラクセーションを実施する
落ち着ける空間と時間を確保し、安心感を与える看護関係を構築する
必要に応じてスピリチュアルケア担当者と連携する
睡眠パターンの観察と記録を継続し、生活リズムの改善を支援する
S・O情報に変化が見られた場合は、再評価を行い対応を検討する

類②-健康自己管理不良

コード:00276

定義
慢性疾患を抱えて生きる上で、症状、治療計画、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
健康自己管理不良
S(主観的情報)「血圧の薬は飲んでいるけど、他に何をすればいいか分からない。」「自己管理はしているつもりだけど、あまり効果が出ている気がしない。」
O(客観的情報)毎日の血圧測定を行っているが、測定値の記録や経過の振り返りが不十分。
薬の服用はしているものの、運動や食事管理の工夫が不足している。
健診で血圧が依然として高め(145/92mmHg)、BMIは28で体重も過去1年間で増加傾向。
健康に関する知識が乏しく、適切な生活習慣改善が実施できていない。
A(評価)健康管理に対する意識はあるが、効果的な自己管理の方法が確立できていない。生活習慣の改善が不十分であり、高血圧や肥満が持続している。自己管理スキルの不足が健康状態の維持を妨げていると考えられる。
P(計画)血圧や体重の記録方法を指導し、数値を見える化して自覚を促す。
具体的な生活改善目標(例:1日30分のウォーキング、野菜を1食に1品追加)を設定し、取り組みやすい内容で継続を支援する。
薬の服用効果や生活改善の重要性について、内科医や薬剤師と連携して指導を行う。
健康管理の基本知識を深めるため、生活習慣病予防に関する情報提供や資料配布を行う。
定期的に振り返りの場を設け、自己管理の効果を確認しつつ、改善点を共有してモチベーションを維持する。

類②-健康自己管理不良リスク状態

コード:00369

定義
慢性疾患を抱えて生きる上で、症状、治療計画、ライフスタイル変化への対応が不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
健康自己管理不良リスク状態
S(主観的情報)「薬は飲んだり飲まなかったり」「食事はあまり気にしていない」「病院に来るのも面倒だと感じることがある」
O(客観的情報)処方薬の飲み残しが複数回確認されている
食事内容に偏りがあり、間食が多い傾向あり
定期受診の遅延やキャンセルが過去3か月で2回以上
血糖値や血圧などのコントロール不良(空腹時血糖:160mg/dL、収縮期血圧:150mmHg)
健康管理に対する理解度や意欲にばらつきあり
A(評価)健康に関する自己管理行動に一貫性がなく、継続的な管理が困難となるリスクがある
服薬・食事・受診など複数の領域で不適切な自己管理が見られており、教育的介入と支援体制の強化が必要と考えられる
P(計画)服薬管理の方法(薬のカレンダー使用やタイマー設定など)を提案し、継続可能な手段を選択する
栄養士と連携し、個別の食事指導を実施する
定期受診の重要性について説明し、受診スケジュールを一緒に確認・調整する
自己管理に対する理解を深めるため、わかりやすい教育資料を活用して指導を行う
モチベーションを維持できるよう、短期的な目標を設定し達成状況を評価・フィードバックする

類②-健康自己管理促進準備状態

コード:00293

定義
慢性疾患を抱えて生きる上で、症状、治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応パターンが強固可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
健康自己管理促進準備状態
S(主観的情報)「最近、自分の健康についてもっと気をつける必要があると感じている。」「生活習慣を少しずつ変えたほうがいいのかもしれないけど、何から始めればいいか分からない。」
O(客観的情報)医師から生活習慣の改善を勧められており、本人も健康管理の必要性を認識しているが、具体的な行動にはまだ移していない。
バイタルサインは安定しているが、BMIが26でやや高め、軽度の肥満が見られる。
現時点で定期的な運動習慣や食事管理は行っていない。
A(評価)健康管理への意識が高まりつつあり、自己管理を始める準備が整ってきている状態。具体的な目標設定と知識のサポートにより、積極的な健康自主管理行動に移行できる可能性がある。
P(計画)簡単に始められる生活習慣改善の目標(例:1日20分のウォーキング、間食を減らす)を設定し、無理のない計画で継続を促す。
健康管理の基礎知識(栄養、運動、睡眠の重要性)を提供し、自己管理の自信を高めるための指導を行う。
体重や食事内容の記録を提案し、目に見える形で進捗を確認できるよう支援する。
必要に応じて保健師や栄養士と連携し、本人の生活スタイルに合ったアドバイスを提供する。
定期的な面談を設け、進捗状況を確認し、継続的なサポートを行うことでモチベーション維持を図る。

類②-家族健康管理不良

コード:00080

定義
家族の特定の健康目標の達成に向け、症状、治療計画、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
非効果的家族健康自主管理
S(主観的情報)「家族の健康を考えて食事を気をつけているつもりだけど、皆の体調があまり良くならない感じがする。」「家族みんなで運動しようとは思うけど、なかなか続かない。」
O(客観的情報)家族全員に運動や栄養管理の意識はあるが、具体的な目標や計画が不十分で、行動が一貫していない。
家族のうち2人がBMI30以上で肥満傾向、また血圧が高めの家族もいるが、定期的な健康チェックをしていない。
食事内容に偏りが見られ、炭水化物や脂肪分が多く、栄養バランスが不適切。
A(評価)家族全体で健康管理への意識はあるが、知識や実行力が不足しており、効果的な自主管理ができていない状態。具体的な計画と支援が欠けているため、家族の健康状態が改善されないままとなっている。家族での協力や目標設定が重要と考えられる。
P(計画)栄養士と連携し、家族全員で取り組めるバランスの良い食事計画を立案し、週単位でのメニューを提案する。
家族で一緒に行える運動プログラム(例:週に2回のウォーキングや自宅での簡単なストレッチ)を設定し、家族全員で継続するための目標を共有する。
家庭内で血圧や体重を定期的に測定し、記録をつけて家族全員で進捗を確認する。
家族会議を定期的に開き、健康目標の達成状況や改善点について話し合い、家族全体でモチベーションを維持する。
必要に応じて保健師や地域の健康サポートサービスと連携し、家族健康管理に関するアドバイスを受けられる体制を整える。

類②-家族健康管理不良リスク状態

コード:00410

定義
家族の特定の健康目標の達成に向け、症状、治療計画、ライフスタイル変化への対応が不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
家族健康管理不良リスク状態
S(主観的情報)「家では自分が全部世話をしているから正直大変」「家族も高齢で、どう支えたらいいかわからない」「病気のことをどうやって家族に伝えたらいいか悩んでいる」
O(客観的情報)家族の介護負担が大きく、支援体制が不十分と推測される
家族の健康状態や医療知識についての理解が不十分
患者の服薬管理や通院支援などが家族単独で行われている
医療者との連携が取れておらず、家族への説明機会が限られている
A(評価)家族の健康管理能力が限界に近づいており、継続的なケアの維持が困難となるリスクがある
介護・支援への不安や情報不足が家族機能に影響を与えており、早期の支援介入が必要と考えられる
P(計画)家族と面談を行い、現在の状況や不安について話す機会を設ける
家族が理解しやすい形で病状や治療方針、介護方法などを説明する
地域包括支援センターや訪問看護など外部支援サービスの利用を提案する
介護負担の軽減につながる制度(介護保険、福祉サービスなど)について情報提供を行う
家族が自身の健康にも配慮できるよう、ストレスケアや健康管理の重要性について指導する

類②-コミュニティ健康管理不良

コード:00215

定義
住民の健康問題、ウェルネスを阻む要因、健康問題リスク増大要因への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
コミュニティ健康管理不良
S(主観的情報)「地域で相談できる人が少なく、家族以外に頼れる人がいない感じがする。」「もう少し外に出て人と関わりたい気持ちはあるけれど、何をすればよいか分からない。」
O(客観的情報)日常生活の大半を自宅で過ごし、地域の集まりや活動への参加経験がほとんどない。
近隣住民との交流が少なく、社会的なつながりが乏しい状態。
最近の健診で、軽度の抑うつ傾向を指摘されている。
A(評価)地域社会とのつながりが少なく、社会的サポートが不足しているため、孤立感や心理的な負担が生じている。コミュニティヘルスの不足により、健康維持や生活の質に影響が及んでいる可能性があり、地域資源を活用した支援が必要と考えられる。
P(計画)地域のサポートサービスや交流の場(例:サロン、趣味の集まり、健康教室)に関する情報を提供し、参加を促す。
地域包括支援センターと連携し、本人に合った支援サービスや交流機会を紹介する。
心理的なサポートが得られるよう、必要に応じて保健師やカウンセラーとの相談の機会を調整する。
地域活動への初回参加には同行を検討し、スムーズに交流が始められるよう支援する。
家族にも現状と地域のサポートについて説明し、家族内での協力体制を整える。

類②-コミュニティ健康管理不良リスク状態

コード:00413

定義
住民の健康問題、ウェルネスを阻む要因、健康問題リスク増大要因への対応が不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
コミュニティ健康管理不良リスク状態
S(主観的情報)「この地域では高齢者が多くて、何かあっても助けを呼びにくい」「健康のことを相談できる場所がない」「防災のことも含めて、ちょっと不安になることがある」
O(客観的情報)地域における保健指導や健康教育の機会が限られている
住民の高齢化率が高く、独居世帯が多数存在している
医療機関や福祉サービスへのアクセスが悪く、支援体制が脆弱
地域での健康関連イベントやサポート活動への参加者が少ない傾向にある
A(評価)地域としての健康維持・増進に関する支援体制や情報提供が不十分であり、健康管理が困難となるリスクがある
住民の主体的な健康行動を促進するためには、地域資源の活用と連携体制の強化が必要と考えられる
P(計画)地域住民を対象とした健康教室や予防啓発活動の開催を提案・支援する
保健師や地域包括支援センターと連携し、健康相談の機会を定期的に設ける
地域の医療・福祉機関の情報をまとめたパンフレットや案内資料を作成・配布する
独居高齢者や要支援者の把握と見守り体制の構築に協力する
住民の声を反映した地域づくりの場(住民会議、意見交換会など)を設けることを行政に提案する

類②-血糖自己管理不良リスク状態

コード:00489

定義
望ましい範囲外に繰り返す変動する血糖値を抱えて生きる上で、症状、治療計画、ライフスタイル変化への対応が不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
血糖自己管理不良リスク状態
S(主観的情報)「最近、食後にだるくなることが多くて、血糖が心配。」「忙しくて食事の時間が不規則になりがち。」
O(客観的情報)HbA1cが6.2%と基準値に近く、やや上昇傾向にある。
空腹時血糖値が105mg/dLと正常範囲の上限付近にある。
食事内容や食事時間が不規則で、炭水化物中心の食事が多い。
運動不足が続いており、週に1回程度の軽度な運動しか行っていない。
A(評価)不規則な食生活や運動不足により、血糖値が不安定になるリスクが高い状態にある。今後の健康リスクを予防するため、血糖コントロールを意識した生活習慣の見直しが必要と考えられる。
P(計画)食事時間を規則的に保ち、血糖値の急激な変動を防ぐために少量頻回食を取り入れるよう助言する。
食事内容を見直し、炭水化物・脂質を控えめにし、食物繊維やタンパク質をバランスよく取り入れるように指導する。
日常生活に運動を取り入れ、1日30分程度のウォーキングなど軽い運動を週3回以上実施できるようサポートする。
血糖値のセルフモニタリングを検討し、本人が日常的に自身の血糖値に注意を払えるようにする。
定期的にHbA1cや空腹時血糖値を確認し、医師や栄養士と連携して血糖管理の強化を図る。

類②-ドライアイ自己管理不良

コード:00277

定義
涙液不足に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
ドライアイ自己管理不良
S(主観的情報)「目が乾いてつらいけれど、どう対処したら良いのか分からない。」「市販の目薬を使っているけれど、あまり効果を感じません。」
O(客観的情報)目の乾燥や疲労を訴えているが、適切なケアが行われていない。
長時間のデジタルデバイス使用や乾燥した環境での生活が続いている。
市販の目薬を頻回に使用しているが、症状が改善されていない。
まばたきが少ない、または眼の休息が不十分である様子が見られる。
加湿器や保湿メガネなど、環境調整が行われていない。
A(評価)ドライアイの自己管理が不十分であり、症状が持続または悪化している。適切なケアが行われないと、視力低下や角膜損傷のリスクが高まる可能性がある。
P(計画)ドライアイの原因とケア方法について教育し、自己管理能力を向上させる。
人工涙液や保湿ジェルなど、症状に適した点眼薬の使用方法を指導する。
デジタルデバイス使用時の20-20-20ルール(20分ごとに20秒間、20フィート先を見る)を取り入れ、目の休息を促す。
室内の湿度を調整するため、加湿器を使用するよう提案する。
乾燥環境に適したアイテム(例:保湿メガネ、スクリーンフィルター)を導入する方法を教える。
目の健康を支える栄養素(例:オメガ3脂肪酸)を含む食品を摂取するようアドバイスする。
必要に応じて、眼科専門医を受診し、適切な診断と治療計画を立てる。
進捗を定期的に確認し、自己管理の改善状況やケア方法の効果を評価しながら支援を続ける。
ストレスや睡眠不足など、目の健康に影響を与える生活習慣を見直す支援を行う。

類②-ドライマウス自己管理不良

コード:00352

定義
唾液分泌減少に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
ドライマウス自己管理不良
S(主観的情報)「口の中がいつも乾いて気持ち悪い」「水を飲んでもすぐ乾く感じがする」「うがいはしてるけど、どうしたらいいかわからない」
O(客観的情報)口腔内に乾燥がみられ、舌苔の付着あり
口唇にひび割れ、粘膜に軽度の発赤を認める
水分摂取量が少なく、1日700mL前後
唾液腺マッサージや保湿剤の使用歴なし
食事中にむせやすく、摂食量も減少傾向
A(評価)ドライマウスに対する理解や対処法が不十分であり、症状の悪化やQOL低下につながっている可能性がある
自己管理行動の欠如が口腔環境の悪化や誤嚥リスクを高めており、早期の指導・介入が必要と考えられる
P(計画)口腔内保湿の重要性を説明し、保湿ジェルやスプレーの使用を指導する
唾液腺マッサージの方法を説明し、1日2〜3回実施するよう促す
こまめな水分摂取(1日1500mL程度)を目標に支援する
食事中のむせや誤嚥リスクを観察し、必要に応じて言語聴覚士と連携する
定期的に口腔内の状態を観察し、症状の変化に応じてケア内容を調整する

類②-ドライマウス自己管理不良リスク状態

コード:00412

定義
唾液分泌減少に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
ドライマウス自己管理不良リスク状態
S(主観的情報)「最近、口の中が乾くことが増えてきた気がします。」「水を飲まないと話しにくいと感じることがあります。」
O(客観的情報)唾液分泌の減少が疑われる症状(例:口腔内の乾燥、舌のひび割れ、粘膜の乾燥)が観察される可能性がある。
ドライマウスを引き起こすリスク要因(例:高齢、薬剤の使用、糖尿病、シェーグレン症候群の既往)が存在する。
水分摂取量が不十分、または利尿作用のある飲料(例:アルコール、カフェイン)の過剰摂取が見られる。
口腔ケアが不十分な場合があり、口腔衛生状態が悪化している兆候がある。
A(評価)唾液分泌量が減少するリスクがあり、口腔乾燥症(ドライマウス)を発症する可能性が高い。この状態が放置されると、口腔内の不快感や感染リスク、さらに栄養摂取や会話への影響が懸念される。
P(計画)唾液分泌を促進するために、水分摂取量を増やし、こまめに水を飲むよう指導する。
唾液腺を刺激する方法(例:ガムや砂糖不使用のキャンディを噛む、酸味のある食品を摂取する)を提案する。
口腔の保湿を目的とした製品(例:口腔用保湿ジェル、唾液代替品)の使用を推奨する。
口腔衛生を徹底し、歯磨きやデンタルフロスの使用を促進して、感染予防に努める。
唾液分泌低下の原因となる薬剤を服用している場合、医師に相談し、必要に応じて代替薬を検討する。
口腔乾燥のリスク因子(例:糖尿病、シェーグレン症候群)が疑われる場合、適切な検査と治療を受けるよう勧める。
加湿器を使用して環境の湿度を高め、乾燥を防ぐ方法を提案する。
進捗を定期的にモニタリングし、口腔乾燥の兆候やリスクの進行状況を評価しながら支援を続ける。

類②-倦怠感自己管理不良

コード:00397

定義
日常活動に対する持続的で極度の消耗感と低エネルギーレベルに関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
倦怠感自己管理不良
S(主観的情報)「いつも体がだるくて、何をするのもおっくう」「寝ても疲れが取れない」「疲れてるけど、どうすればいいかわからない」
O(客観的情報)日中の活動量が少なく、ほとんどをベッド上で過ごしている
夜間の睡眠時間は6時間程度だが、途中で2回以上覚醒あり
バイタルサイン:血圧118/74、脈拍76回/分、SpO2 97%、体温36.5℃
栄養状態はやや不良(食欲低下、食事摂取量が1日3〜4割程度)
患者の主観的疲労スケール(10段階)で「8」と回答
A(評価)倦怠感に対する理解不足や対処行動の欠如により、日常生活への影響が継続している
睡眠、栄養、活動のバランスが崩れており、症状の慢性化や心理的影響が懸念されるため、包括的な自己管理支援が必要
P(計画)倦怠感の原因と対処法について教育を行い、理解を促進する
日常生活の中で実施可能な軽度の活動(ストレッチや短時間の散歩)を提案する
日中の活動と夜間の休息リズムを整えるため、生活スケジュールを一緒に見直す
栄養士と連携し、エネルギー補給を意識した食事内容を提案する
週1回程度、倦怠感の程度や生活状況を確認し、セルフモニタリングを支援する

類②-リンパ浮腫自己管理不良

コード:00278

定義
リンパ管・節の閉塞や障害に伴う浮腫に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
リンパ浮腫自己管理不良
S(主観的情報)「足がむくんで重く、だるさを感じることが多い。」「むくみを改善するためにどうすれば良いのか分からない。」
O(客観的情報)下肢に慢性的な浮腫があり、指で押すと跡が残る状態。
リンパ浮腫に対するセルフケア(弾性ストッキングの着用やセルフマッサージ)が不十分で、正しい管理方法が実践されていない。
下肢の皮膚が乾燥しており、肌の弾力が低下している。
生活習慣において、長時間同じ姿勢で過ごすことが多く、下肢のリンパ還流を促す習慣が不足している。
A(評価)リンパ浮腫に対するセルフケアの方法や重要性が理解されておらず、浮腫の悪化や合併症(感染症や皮膚障害など)のリスクが高い。適切なリンパ浮腫管理のための指導が必要である。
P(計画)弾性ストッキングやバンデージの適切な着用方法を指導し、日常的に着用してリンパ還流をサポートするよう促す。
リンパドレナージ(リンパ流を促す軽いマッサージ)の方法を指導し、自己管理の一環として毎日実践するよう助言する。
下肢を高く上げて休む時間を定期的に取るなど、長時間同じ姿勢を避ける工夫を提案する。
皮膚の保湿を行うよう指導し、乾燥や皮膚障害を防ぐためのスキンケア方法を提供する。
浮腫の状態や皮膚の変化を観察し、悪化が見られた場合には速やかに医師や専門家に相談するよう指導する。

類②-リンパ浮腫自己管理不良リスク状態

コード:00281

定義
リンパ管・節の閉塞や障害に伴う浮腫に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
リンパ浮腫自己管理不良リスク状態
S(主観的情報)「最近、足がむくみやすくなっている気がする。」「むくみが気になるけれど、どう対処していいかよく分からない。」
O(客観的情報)下肢に軽度の浮腫が見られるが、指導されたリンパ浮腫ケアの実践がされていない。
弾性ストッキングやリンパマッサージの使用経験がなく、セルフケア方法が身についていない。
生活習慣として、長時間同じ姿勢で座っていることが多く、下肢のリンパ還流を促す機会が少ない。
皮膚に乾燥が見られ、長期的に浮腫が悪化するリスクがある。
A(評価)リンパ浮腫に対する適切なセルフケアが行われておらず、今後、浮腫が進行して管理が難しくなるリスクが高い状態である。浮腫の悪化や皮膚トラブルを予防するために、セルフケア習慣の確立が必要である。
P(計画)リンパ浮腫の予防および管理のために、弾性ストッキングやバンデージの使用方法について指導し、必要に応じて購入を支援する。
リンパ還流を促進するため、簡単なセルフマッサージの方法を指導し、毎日のセルフケアに取り入れるよう助言する。
長時間座り続けないよう、定期的に足を動かしたり、下肢を高く上げて休む時間を設ける工夫を提案する。
皮膚の保湿方法やケア用品の選び方を指導し、乾燥による皮膚トラブルを予防するよう促す。
浮腫の状態や皮膚の変化を観察し、悪化が見られる場合には専門医に相談し、早期介入ができるよう支援する。

類②-悪心自己管理不良

コード:00384

定義
嘔吐することもある胃の不快感に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
悪心自己管理不良
S(主観的情報)「気持ち悪くて、吐きそうな感じが続いている。」「食べ物を見るだけで気分が悪くなる。」
O(客観的情報)顔色の蒼白、冷や汗、頻繁な飲み込み動作などの身体症状が観察される。
食欲不振や飲食量の減少が確認される。
嘔吐を伴う場合がある。
胃の不快感や鼓動が速くなるなどの症状を訴えることがある。
A(評価)悪心が持続しており、日常生活や食事摂取に影響を与えている状態。このままでは脱水や栄養不良のリスクが生じる可能性がある。
P(計画)悪心の原因(例:消化器疾患、薬物の副作用、ストレス)を明確にするため、必要に応じて医療機関での評価を推奨する。
小分けにした食事や消化に良い食品を提案し、食事の負担を軽減する。
悪心を抑えるため、医師の指示のもと、必要に応じて制吐薬(例:メトクロプラミド、オンダンセトロン)を使用する。
環境を整え、悪心を誘発する刺激(例:強い匂い、音、視覚的な刺激)を避けるよう指導する。
心理的ストレスが原因の場合、リラクゼーション法(例:深呼吸、瞑想)を取り入れることで悪心を軽減する。
水分摂取をこまめに行い、脱水を防ぐ(例:冷たい水やイオン飲料の少量摂取)。
悪心が軽減しない場合や症状が悪化する場合は、早急に医師の診察を受けるよう指導する。
状態を定期的に観察し、必要に応じてケア計画を調整する。

類②-疼痛自己管理不良

コード:00384

定義
実際のまたは潜在的な組織損傷などに伴う、不快な感覚および情動的体験に関連した治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
疼痛自己管理不良
S(主観的情報)「ずっと痛いけど、薬を飲みすぎるのが怖い」「我慢できないほどじゃないから、なるべく我慢してる」「どうやって痛みと付き合えばいいのかわからない」
O(客観的情報)痛みの訴えに対して、鎮痛薬の内服が不規則で自己判断による中断あり
NRS(Numerical Rating Scale)での疼痛評価は6〜7/10
表情に苦悶様子あり、動作がゆっくりで体動に制限が見られる
医師による鎮痛薬処方あり(定時・頓用)が、頓用使用回数が少ない
痛みに伴い、食欲や睡眠の質が低下している
A(評価)疼痛に対する理解不足や不安により、適切な服薬やセルフケアが行えていない状態
疼痛の持続がQOLの低下を招いており、患者教育と安心感の提供を通じた自己管理支援が必要と考えられる
P(計画)疼痛のメカニズムと鎮痛薬の正しい使用方法について説明を行う
痛みの記録(日時・強さ・使用薬・効果)をつけるよう指導し、セルフモニタリングを支援する
薬の副作用や依存に関する不安について医師と共有し、安心して服用できるよう調整する
非薬物的疼痛緩和(温罨法、ポジショニング、リラクセーションなど)も併用できるよう提案する
週1回以上、疼痛の強さと生活への影響を確認し、必要に応じて介入内容を見直す

類②-体重自己管理促進準備状態

コード:00447

定義
健康的な体重を追求や維持するパターンが強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
体重自己管理促進準備状態
S(主観的情報)「最近は自分でも体重を意識するようになった」「少しずつでいいから減らしたいと思っている」「健康のために食事や運動を見直したい」
O(客観的情報)現在のBMIは27.8、過去3か月で体重が1.5kg増加
血圧132/86、空腹時血糖110mg/dLとやや高め
朝食欠食あり、間食が1日2回程度
運動習慣なし、1日の歩数は約2000歩
生活習慣改善への意欲あり、情報収集や質問が積極的にみられる
A(評価)体重管理の重要性を認識し始めており、行動変容への意欲が高まっている段階
適切な支援により、体重コントロールに向けた継続的な自己管理行動が期待できる
P(計画)食事・運動・生活習慣についての現状を一緒に振り返り、具体的な改善点を明確化する
短期・中期の目標(例:1か月で−1kgなど)を設定し、進捗を見える化する
栄養士と連携し、無理のない食事プランを作成する
週に1〜2回、体重と食事・運動内容を記録する習慣をつけるよう支援する
達成状況を定期的に確認し、ポジティブなフィードバックを通じてモチベーション維持を図る

類②-過体重自己管理不良

コード:00398

定義
年齢と性別に対して過剰な脂肪の蓄積に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
過体重自己管理不良
S(主観的情報)「食べ過ぎてるのはわかってるけど、やめられない」「運動は苦手で続かない」「体重は気になるけど、どうしたらいいかわからない」
O(客観的情報)BMI 30.2、過去6か月で体重が5kg増加
間食が多く、夕食の摂取時間が21時以降の日が週に3回以上
1日の歩数は1000〜2000歩程度、運動習慣なし
空腹時血糖:125mg/dL、血圧140/88とやや高値
栄養バランスが偏った食事内容(炭水化物中心)が継続している
A(評価)体重管理の必要性を認識しながらも、行動の改善につながっておらず、効果的な自己管理が行えていない状態
不適切な食習慣と運動不足が体重増加に直結しており、生活習慣病リスクの上昇が懸念される
P(計画)生活習慣を評価し、過体重に関連する要因(食事内容、運動不足、ストレスなど)を一緒に整理する
栄養士と連携して現実的かつ持続可能な食事改善プランを作成する
1日10〜15分から始められる軽運動(ストレッチ、散歩など)を提案し、継続を支援する
週1回、体重と食事・活動状況を記録するよう指導し、自己管理意識を高める
目標達成のための短期目標を設定し、達成時には達成感を共有しモチベーション維持を図る

類②-過体重自己管理不良リスク状態

コード:00487

定義
年齢と性別に対して過剰な脂肪の蓄積に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
過体重自己管理不良リスク状態
S(主観的情報)「最近少し太ってきた気がする」「間食は多いけど、忙しくて運動する時間がない」「健康診断で体重を指摘されたけど、何から始めればいいかわからない」
O(客観的情報)BMI 27.5、過去3か月で体重が2kg増加
1日の平均歩数は1500歩程度
夕食の摂取時間が21時以降の日が週4回以上
間食(菓子類・甘味飲料)を1日2回以上摂取
運動習慣なし、食事・体重の記録習慣もなし
A(評価)体重増加傾向にあり、今後自己管理が不十分になるリスクが高い
生活習慣の見直しや体重管理に対する理解はあるが、行動への移行が未定着であり、予防的支援が必要な段階
P(計画)体重と健康との関係について簡潔に説明し、本人の関心を具体的行動につなげる
今の生活習慣の中で取り組めそうな改善点(例:間食回数の見直し、食事時間の調整)を一緒に考える
1日1回の体重測定を提案し、変化への気づきを促す
簡単に始められる軽運動(階段使用、通勤時の一駅歩きなど)を提案する
行動変容の初期段階にあることを共有し、無理のない目標設定とポジティブな声かけを行う

類②-低体重自己管理不良

コード:00485

定義
年齢と性別に対する標準を下回る体重に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
低体重自己管理不良
S(主観的情報)「あまり食欲がない」「体重が減っているけど、どうしたらいいかわからない」「お腹が空いても少ししか食べられない」
O(客観的情報)BMI 17.0、過去1か月で体重が3kg減少
食事摂取量は1日2〜3割程度で、主に流動食や少量の副食中心
顔色が悪く、倦怠感の訴えあり
血液検査でアルブミン3.1g/dL、ヘモグロビン10.5g/dLと低値傾向
日中はベッド上で過ごす時間が長く、活動量も少ない
A(評価)栄養状態の悪化が進行しているが、食事摂取に対する意欲や方法に課題があり、自己管理が適切に行えていない状態
このままではさらに低栄養・筋力低下・免疫力低下を招くリスクが高く、早期介入が必要と考えられる
P(計画)食事摂取量・内容を評価し、嗜好や食べやすさを考慮した栄養改善策を栄養士と連携して立案する
高エネルギー・高たんぱくの補助食品や間食の導入を提案する
1日1回の体重測定と食事記録を行い、変化を見える化する
食事摂取の妨げとなっている要因(口腔内の違和感、胃腸症状、心理的ストレスなど)を確認し対応する
週1回のペースで栄養状態や体重を評価し、必要に応じて介入内容を調整する

類②-低体重自己管理不良リスク状態

コード:00486

定義
年齢と性別に対する標準を下回る体重に関連する治療計画、影響、ライフスタイル変化への対応が不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
低体重自己管理不良リスク状態
S(主観的情報)「最近あまり食べられていない気がする」「体重が少しずつ減っている」「体が疲れやすくなった」
O(客観的情報)BMI 18.6(やせぎりぎりの範囲)、過去1か月で体重が1.5kg減少
食事摂取量は通常の5〜6割程度、食事時間が不規則
1日2食以下の日が週に3回以上ある
軽度の貧血傾向あり(Hb 11.2g/dL)
活動量が減少傾向、日中の臥床時間が増加している
A(評価)体重減少傾向と食事摂取の不安定さから、今後自己管理不良に陥るリスクが高い
低栄養・筋力低下・生活機能の低下などが進行する前に、早期の介入と支援が必要な状態
P(計画)現在の食生活・嗜好・生活リズムを確認し、問題点を明確化する
小分けでの食事、間食の導入、高栄養補助食品など無理なく栄養を取る方法を提案する
体重と食事内容の簡単な記録をつけてもらい、自己管理への関心を高める
栄養士と連携し、個別に合った栄養指導を実施する
週1回の体重測定と栄養状態のモニタリングを行い、変化に応じて支援内容を調整する

類②-健康維持行動不良

コード:00292

定義
健康行動の基礎となる健康に関する知識や態度、健康習慣の管理が、ウェルビーイングの維持や向上、または病気や怪我の予防に不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
健康維持行動不良
S(主観的情報)「健康には気をつけたいと思っているけど、具体的に何をすればいいか分からない。」「自己流でやっているけど、あまり効果を感じない。」
O(客観的情報)自己流で食事や運動の調整を行っているが、体重や血圧、血糖値などに明確な改善が見られない。
運動習慣は週1回程度のウォーキングのみで、強度や頻度が低い。
日中の活動量が少なく、デスクワークが中心の生活。
最近の健診で血圧150/95mmHg、空腹時血糖120mg/dLと指摘されている。
A(評価)健康を維持しようとする意識はあるが、具体的な知識や方法が不足しているため、効果的な健康行動につながっていない。健康管理に対する知識不足が原因で、生活習慣病のリスクが改善されず、さらなるサポートが必要と考えられる。
P(計画)健康維持に必要な栄養バランスや運動の基礎知識を指導し、実践しやすい具体的な目標を設定する。
栄養士や運動指導士と連携し、バランスの取れた食事計画や継続可能な運動プランを立案する。
生活習慣病予防のため、血圧や血糖値の定期的な測定を促し、変化を確認しながら行動を見直す。
自己管理の方法を学ぶ機会(例:健康教室や講習会)を案内し、知識を深められるよう支援する。
定期的に効果を振り返り、必要に応じて計画の調整を行うことで、モチベーションを維持する。

類②-健康維持行動不良リスク状態

コード:00395

定義
健康行動の基礎となる健康に関する知識や態度、健康習慣の管理が、ウェルビーイングの維持や向上、または病気や怪我の予防に不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
健康維持行動不良リスク状態
S(主観的情報)「特に体の不調はないし、健康のことはあまり気にしていない」「健康診断はここ数年受けていない」「食事も運動もなんとなく過ごしてる感じ」
O(客観的情報)定期的な健康診断の受診歴なし(過去3年以上)
喫煙習慣あり(1日10本、10年以上)
運動習慣なし、1日の歩数は2000歩未満
食事は外食・加工食品中心で、栄養バランスに偏りあり
慢性疾患の既往はないが、生活習慣にリスク要因が複数みられる
A(評価)現在は自覚症状がないが、生活習慣の不適切さから今後の健康維持行動が不良となるリスクが高い
予防的な視点からのアプローチと、健康行動に対する意識づけが必要な段階にある
P(計画)健康診断の受診を促し、自身の健康状態を客観的に把握する機会を提供する
食事・運動・休養などの基本的な生活習慣について簡潔に説明し、日常に取り入れやすい行動から提案する
禁煙支援について情報提供を行い、必要に応じて専門機関と連携する
「健康のセルフチェック表」などを活用し、日々の行動を振り返る習慣を促す
患者の関心や動機づけに応じて、短期目標(例:1日15分の歩行)を設定し、定期的に評価・支援を行う

類②-家事行動不良

コード:00300

定義
安全な自宅の維持管理に必要な知識と活動パターンが不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
家事行動不良
S(主観的情報)「家事がなかなかうまくいかなくて、いつも部屋が片付かないし、食事の準備も時間がかかってしまう。」「もっと効率よく家事をこなしたいけど、どうしたらいいか分からない。」
O(客観的情報)日常的に部屋が散らかっている状態が続いており、掃除や整理整頓が不十分。
食事準備に時間がかかり、栄養バランスの良いメニューを考える余裕がなく、インスタント食品や外食に頼ることが多い。
洗濯や片付けが溜まってしまい、家庭内の生活環境が整っていない。
A(評価)家事や家政の効率的な方法が確立されていないため、家庭内の環境が不整然とした状態にある。家事負担の多さと実行方法の非効率さが、ストレスや生活の質の低下を引き起こしている可能性がある。時間管理や優先順位の設定が必要と考えられる。
P(計画)家事のスケジュールを作成し、日々のタスクを分担・細分化して、無理なくこなせるよう計画する。
簡単で栄養バランスの取れたメニューのレシピを提供し、食事準備の時間を短縮する工夫を行う。
片付けや掃除の際に、効率的な方法(例:収納用品の利用、片付けルールの設定)を取り入れ、習慣化できるよう支援する。
家族の協力を得て、一部の家事を分担する方法を検討し、負担軽減を図る。
定期的に進捗を確認し、家事が計画通りに進んでいるか振り返り、必要に応じて改善点を見直す。

類②-家事行動不良リスク状態

コード:00308

定義
安全な自宅の維持管理に必要な知識と活動パターンが不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
家事行動不良リスク状態
S(主観的情報)「最近、家事が思うように進まないことが増えてきて、少し困っている。」「片付けや掃除が後回しになりがちで、生活に支障が出る前にどうにかしたい。」
O(客観的情報)家事に対する負担感があり、日常的な掃除や片付けが滞りがち。
調理の手間を避けるため、簡便な食品やテイクアウトが増えている。
物品が整理されておらず、日用品や調理器具の位置が一定していないため、家事効率が低下している。
家庭環境の整備が不十分で、今後、さらに家事が滞るリスクがある。
A(評価)家事や家政の負担感が増しており、効率的な方法が確立されていないために生活環境の悪化リスクが高まっている。家事の管理方法の改善や家事効率化の支援が必要と考えられる。
P(計画)家事の優先順位を設定し、1日のうち短時間でできる家事タスクをリスト化して少しずつ取り組めるよう支援する。
整理収納方法の基本を指導し、物品の置き場所を決めて効率的に家事が進むようサポートする。
調理の時間短縮ができるよう、簡単で栄養バランスが取れたレシピや調理の工夫を紹介する。
週ごとに進捗を確認し、家事が計画的に進むよう支援し、必要に応じて計画を見直す。
家族や地域のサポートも活用し、家事負担を分担・軽減する方法を検討する。

類②-家事行動促進準備状態

コード:00309

定義
安全な自宅の維持管理に必要な知識と活動パターンが強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
家事行動促進準備状態
S(主観的情報)「これからはもう少し家事を計画的にこなしたいと思っている。」「整理整頓をしっかりして、生活しやすい環境にしたい。」
O(客観的情報)現状では、掃除や片付けの頻度が不定期で、効率的な家事のルーチンが確立されていない。
部屋に物が散らかりがちだが、片付けたいという意欲が見られる。
食事準備の際、栄養バランスが考慮されていないことが多く、外食や簡便な食品に頼りがち。
A(評価)家事や家政を改善する意識が高まっており、計画的な家事の実施に向けて準備が整いつつある。具体的な方法や目標設定をサポートすることで、効果的な家事行動を習慣化できる可能性がある。
P(計画)短時間でできる家事タスクをリスト化し、1日の中で少しずつ進められるよう支援する。
簡単で栄養バランスの良いレシピや、作り置きできるメニューを提案し、食事準備が効率よく進むようにする。
収納や整理整頓の基本的な方法を指導し、物の定位置を決めて片付けやすい環境を整えるサポートを行う。
家事の進捗を週ごとに確認し、成功体験を積み重ねることでモチベーションを維持できるよう支援する。
家族や友人と一緒に取り組むことを提案し、家事行動を続けるためのサポート環境を整える。

類②-運動習慣促進準備状態

コード:00307

定義
計画的で、構造化され、反復的な運動を特徴とする身体活動への関心パターンが強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
運動習慣促進準備状態
S(主観的情報)「最近、運動しなきゃと思うようになった」「昔はウォーキングが好きだった」「健康のために少しずつ始めたい」
O(客観的情報)現在は運動習慣なし(週0回)
日常生活での活動量は少なめで、1日の歩数は平均2500歩
BMI 24.8、血圧130/82、空腹時血糖108mg/dLとやや高め
運動の必要性や効果について積極的に質問する様子がみられる
身体的制限(関節痛や呼吸苦など)は認められない
A(評価)運動の必要性を認識し、前向きな姿勢がみられており、行動変容に向けた準備段階にある
運動への関心や意欲を具体的な行動につなげるための支援が有効と考えられる
P(計画)本人の好みや生活リズムに合った運動方法(例:ウォーキング、ラジオ体操など)を一緒に検討する
週2〜3回、1回15〜30分程度から始めることを目標にする
運動の効果や継続のコツについてパンフレットなどを用いて情報提供する
実施内容や体調の変化を記録する運動日誌の活用を勧める
1〜2週間ごとに振り返りを行い、達成度や課題を確認しながら継続を支援する

類②-ヘルスリテラシー不足

コード:00339

定義
健康に関する意思決定に必要な基本的な健康情報やサービスの入手、評価、適用パターンが不十分な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
ヘルスリテラシー不足
S(主観的情報)「説明を受けたけど、よくわからなかった」「薬の飲み方がいまいち覚えられない」「難しい言葉が多くて不安になる」
O(客観的情報)服薬の誤りが複数回あり(時間・量・薬剤の取り違え)
医療用語や治療内容に関する説明に対して理解が浅く、質問が少ない
パンフレットや説明資料を渡しても活用されていない
診察や検査内容についての理解が不十分で、受診予定の混乱がみられる
認知機能には大きな問題は認められないが、情報の整理・理解に時間を要する
A(評価)健康に関する情報の理解・活用能力が十分でなく、適切な自己管理や意思決定が困難となっている状態
患者の生活や治療に直結する情報が適切に伝わっておらず、支援方法の工夫が必要と考えられる
P(計画)医療・健康情報をわかりやすく説明するために、図・イラスト・チェックリストなどを活用する
重要な内容は繰り返し伝え、理解度を都度確認する
薬の管理方法や治療計画について、具体的な行動レベルで指導する
家族や支援者とも連携し、患者を取り巻くサポート体制を整える
説明内容を患者が自分の言葉で言い換えて伝える「Teach-back法」を取り入れることで理解を評価する

類②-ヘルスリテラシー不足リスク状態

コード:00411

定義
健康に関する意思決定に必要な基本的な健康情報やサービスの入手、評価、適用パターンが不十分になりやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
ヘルスリテラシー不足リスク状態
S(主観的情報)「病院では緊張してよく話を聞けない」「難しい話になると頭に入ってこない」「パンフレットをもらっても読むのが大変」
O(客観的情報)医師や看護師からの説明に対してうなずくことが多いが、理解の確認ができていない
質問が少なく、自己管理に必要な情報の活用が不十分
薬の服薬スケジュールや次回受診日時の混同が見られる
医療用語への理解が乏しく、生活との結びつきが弱い印象あり
読み書き・認知機能に大きな障害はないが、情報の処理に時間がかかる傾向あり
A(評価)現時点では重大な誤解や混乱はみられないが、今後治療内容が複雑化した際に理解不足による自己管理不良を招くリスクがある
適切な支援がないままでは、健康情報を十分に活用できない可能性が高いため、早期からの予防的介入が必要と考えられる
P(計画)医療・健康情報の伝え方を簡潔かつ具体的にし、専門用語を避けて説明する
重要事項については紙面や図解を用いて、視覚的に伝える工夫を行う
本人の理解度を逐一確認し、不明点がないかを確認する習慣をつける
家族や信頼できる支援者に情報共有し、理解と管理をサポートできる体制を整える
今後、治療や生活指導が増えることを見越し、患者との信頼関係を構築しながら継続的にフォローしていく

類②-ヘルスリテラシー促進準備状態

コード:00262

定義
健康に関する意思決定に必要な基本的な健康情報やサービスの入手、評価、適用パターンが強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
ヘルスリテラシー促進準備状態
S(主観的情報)「自分でできる健康管理の方法を知りたい」「病気を予防するためにできることがあれば教えてほしい」
O(客観的情報)健康への意欲を示し、医療や健康に関する質問を積極的にしている
パンフレットや資料を読み込み、理解を深めようとする姿勢が見られる
理解力は高く、日常生活に活かす意欲が強い様子である
A(評価)自己の健康管理に関心が高く、病気予防や生活改善への理解を深める意欲がある。知識の提供により、セルフケア能力の向上が期待される。
P(計画)健康管理や予防に関するパンフレットや冊子を提供し、内容について説明する
健康目標の設定方法や具体的な生活改善のポイントについて指導する
定期的に自己評価を行う方法を紹介し、実施を促す
質問や不明点があればすぐに確認できるよう、相談の機会を設ける

類②-ヘルシーエイジング促進準備状態

コード:00262

定義
加齢に伴い、身体的、精神的、社会的、スピリチュアルなウェルビーイングや機能を、発展・維持するパターンが強化可能な状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
ヘルシーエイジング促進準備状態
S(主観的情報)「年をとっても元気に過ごしたいと思っている」「今のうちからできることは始めたい」「病気にならない体づくりに興味がある」
O(客観的情報)加齢に伴う大きな健康障害は認められず、日常生活動作は自立している
BMI 22.4、血圧126/78、空腹時血糖100mg/dLと安定
日常的に散歩や軽運動を行っており、活動意欲も高い
食生活にも気を配っており、バランスの良い食事を心がけている
地域の健康イベントや講座への参加歴あり、健康情報への関心が高い
A(評価)健康的な加齢への関心と意欲が高く、すでに前向きな行動が一部実践されている
さらに適切な情報提供とサポートがあれば、セルフケア能力をより強化し、ヘルシーエイジングの実現が期待できる状態
P(計画)加齢に伴う変化とその対応について具体的な知識を提供する(例:骨粗鬆症予防、筋力維持、認知機能の保全など)
本人の関心に基づき、今後取り組める新たな健康行動(例:地域活動参加、定期健診の継続)を一緒に検討する
フレイル予防に向けた運動や栄養、社会参加の3要素をバランスよく取り入れる方法を提案する
健康記録や活動記録など、日々の変化を可視化できるツールの活用を勧める
定期的に健康状態や生活状況を振り返り、必要に応じて新たな目標を設定・支援する

類②-高齢者フレイルシンドローム

コード:00353

定義
生理学的システム全体の機能と予備力の低下を伴う、ダイナミックな不均衡状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
高齢者フレイルシンドローム
S(主観的情報)「最近、少し歩いただけで疲れてしまう。食欲もあまりなく、食事の量が減っている気がする。」
O(客観的情報)握力が基準値以下(20kg未満)。
歩行速度が低下し、5メートルの歩行に10秒以上を要する。
体重が過去6か月で5%以上減少。
BMIが18以下。
血液検査にてアルブミン値が3.2g/dLと低値。
A(評価)身体機能の低下と栄養状態の悪化により、高齢者虚弱シンドローム(フレイル)の進行が疑われる。体力低下や食欲不振により、日常生活活動(ADL)の維持が難しくなるリスクが高い。適切な栄養補給と運動の支援が必要と考えられる。
P(計画)栄養士と連携し、高エネルギー・高たんぱく食を取り入れるよう食事計画を立案する。
リハビリテーション科と協力して、筋力を維持・向上するための軽い運動プログラムを導入する。
体重と食事摂取量を定期的に記録し、減少傾向が続く場合は医師に報告する。
家族にフレイルの予防と改善方法について説明し、日常生活での支援を促す。

類②-高齢者フレイルシンドロームリスク状態

コード:00357

定義
生理学的システム全体の機能と予備力の低下を伴う、ダイナミックな不均衡状態が起きやすい状態

看護記録(SOAP)の記載例

看護診断
(看護問題)
高齢者フレイルシンドロームリスク状態
S(主観的情報)「最近疲れやすくなってきた気がする。足も少し弱くなってきた感じがする。」
O(客観的情報)歩行速度は基準付近(5メートルの歩行に8秒)。
握力が低下傾向にあり、基準値に近いがやや弱い(男性で26kg、女性で18kg)。
過去3か月で体重が2%減少。
BMIが20と低めで、筋肉量が減少傾向。
血液検査にてアルブミン値3.5g/dL。
A(評価)筋力や歩行速度が低下傾向にあり、高齢者虚弱シンドロームのリスクが高まっている状態。食欲減退や体重減少がみられ、身体機能のさらなる低下につながる可能性があるため、早期の介入が必要と考えられる。
P(計画)日常生活での活動量を増やすため、リハビリ科と協力して簡単な筋力トレーニングや歩行練習を提案する。
栄養補助食品を検討し、栄養状態を改善するための指導を行う。
体重、筋力の変化を定期的に評価し、状態に応じて医師に報告する。
家族に対し、虚弱予防の重要性を説明し、適切なサポートを依頼する。

NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)&看護計画の記載例まとめ

当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護記録(SOAP)&看護計画の記載例を多数まとめています。

ぜひ、日々の業務のご活用ください!

看護記録(SOAP)の記載例

領域1領域2領域3
領域4領域5領域6
領域7領域8領域9
領域10領域11領域12
領域13

看護計画の記載例

領域1領域2領域3
領域4領域5領域6
領域7領域8領域9
領域10領域11領域12
領域13

引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2020-2023.医学書院.

-領域1, 看護記録, NANDA-Iに基づく記載例