この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を公開しています。
今回は領域6「自己知覚」です。
看護計画の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!
トコル
看護計画の作成ルールに関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】)を参考にしてください!
【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】
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新人看護師
他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!
*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*特に看護目標の部分はあえて抽象的な内容を含めています。参考の上、患者にあった具体的な目標に修正することをお勧めします。
【NANDA-I看護診断】領域6「自己知覚」の看護記録(SOAP)の記載例まとめ【コピペ可】
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NANDA-I領域6「自己知覚」の看護診断名一覧
NANDA-I領域6「自己知覚」は、類①〜③に分けられます。
それぞれの看護診断名一覧は以下の通りです。
- 類① 自己概念
- ・絶望感
・希望促進準備状態
・人間の尊厳毀損リスク状態
・自己同一性混乱
・自己同一性混乱リスク状態
・自己概念促進準備状態
- 類② 自尊感情
- ・自尊感情慢性的低下
・自尊感情慢性的低下リスク状態
・自尊感情状況的低下
・自尊感情状況的低下リスク状態
- 類③ ボディイメージ
- ・ボディイメージ混乱
類①-絶望感
コード:00124
- 定義
- 自分は肯定的感情を持つことも、病気が改善することもないと感じている状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 絶望感 |
長期目標 | 将来に対する希望や肯定的な感情を取り戻し、前向きな生活を送れるようになる |
短期目標 | 現在の状況に対して少しでも前向きな考えを持つことができる |
観察計画 (O-P) | 絶望感の程度や頻度、持続時間の確認 患者の発言や表情、行動における絶望感のサインを観察 睡眠や食欲の変化など、身体的な症状の確認 患者の未来に対する考え方や自己評価の確認 自傷行為や自殺念慮の有無の確認 ストレスの原因や絶望感を引き起こす要因の把握 患者が感じる支援の有無や社会的孤立の程度を確認 日常生活の遂行状況や、活動意欲の変化の観察 医療スタッフや家族とのコミュニケーション状況の把握 精神的サポートやカウンセリングの効果を評価 |
援助計画 (T-P) | 患者の気持ちに寄り添い、安心感を与えるような関わりを持つ 感情を表現できる場を提供し、無理なく思いを話せるようにする 絶望感を軽減するために、患者にとって実現可能な短期目標を設定 日常の小さな成功体験を共有し、自己肯定感を高めるサポートを行う 必要に応じて、精神科医やカウンセラーと連携し、専門的な支援を提供 ストレス軽減のためにリラクゼーション法やマインドフルネスを取り入れる 家族や友人との交流を促進し、社会的な支援を強化する 睡眠や食事など、生活リズムを整えるための支援を行う 患者が自己表現を通じて心の整理ができるよう、アートセラピーや音楽療法を提案 患者の体調や気分に応じて、活動や外出を促進し、気分転換を図る |
教育計画 (E-P) | 絶望感が持続する場合は、医療機関への相談が重要であることを説明 感情や不安を誰かに話すことが絶望感の軽減に繋がることを指導 ストレスや感情のコントロール法(リラクゼーション、深呼吸法など)を指導 家族や支援者に対し、患者への適切な接し方やサポート方法を説明 小さな目標を達成し、自己肯定感を育てることの重要性を説明 生活リズムの整え方や、睡眠・食事が精神的健康に与える影響について説明 適度な運動や外出が気分を向上させる可能性について説明 絶望感が一時的なものであること、回復のために時間が必要なことを伝え、安心感を与える 患者の不安や疑問に丁寧に対応し、解決に向けての道筋を示す 支援ネットワーク(家族、友人、地域のサポートなど)を活用する方法を説明 |
類①-希望促進準備状態
コード:00185
- 定義
- 良好な結果を達成するための、あるいは潜在的脅威や否定的な事態を回避するための、エネルギーの結集に必要な期待と要望のパターンが、さらに強化可能な状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 希望促進準備状態 |
長期目標 | 未来に対して前向きな希望を持ち、自分の生活や治療に積極的に取り組める |
短期目標 | 日常の中で少しでも前向きな感情を抱き、具体的な希望を表現できる |
観察計画 (O-P) | 患者の表情や言葉、行動から希望に対する意識を確認 患者が前向きな感情や思考を持ち始める兆候の観察 生活や治療に対する患者の意欲やモチベーションの確認 ストレスや不安、落ち込みなどの感情の変動を観察 自己肯定感や達成感の有無の確認 希望を持つための要因(家族、趣味、目標など)を特定 医療スタッフや家族とのコミュニケーション状況を観察 日常生活の活動レベルや変化の把握 患者が感じている不安や懸念事項の確認 希望を持つために必要な支援やリソースの確認 |
援助計画 (T-P) | 患者の気持ちに寄り添い、未来に希望を持てるような言葉かけを行う 現実的かつ達成可能な短期的な目標を設定し、成功体験を共有する 趣味や興味を持てる活動を提案し、日常に楽しみを見つけるサポートを行う 患者が希望を持てるような情報やリソース(回復事例や支援グループ)を提供 家族や友人との交流を促進し、社会的サポートを強化する ポジティブな体験を振り返り、前向きな感情を引き出すサポートを行う リラクゼーションやマインドフルネスを活用し、精神的安定を促進 身体的な活動や軽い運動を通じて、気分の改善をサポート 感情表現を促し、患者が自分の感情や思いを適切に言葉で表現できるように支援 小さな達成を認め、患者の自己肯定感を高めるためのフィードバックを提供 |
教育計画 (E-P) | 希望を持つことが回復や治療に役立つことを説明 前向きな目標を立てることで、日常生活に意欲が生まれることを説明 患者にとっての小さな成功や達成を強調し、自己肯定感を高める指導を行う ストレスや不安を軽減するためのリラクゼーション法やマインドフルネスの実施方法を指導 家族に対して、患者の希望を促進するための適切な声かけやサポート方法を説明 希望を持つために、患者自身ができる具体的な行動(運動、趣味、交流)の重要性を説明 ネガティブな思考にとらわれないためのポジティブシンキングの方法を教える 支援グループや回復事例など、希望を感じられるリソースの活用方法を説明 家族と共に患者の目標を共有し、サポート体制を強化する方法を指導 希望を持って前向きに生活できることの重要性を強調し、患者を励ます |
類①-人間の尊厳毀損リスク状態
コード:00174
- 定義
- 尊重や敬意の喪失感が起こりやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 人間の尊厳毀損リスク状態 |
長期目標 | 尊厳を持って自立した生活を送り、自己価値感を保てるようになる |
短期目標 | 自己尊重感を維持し、自己表現や意思決定ができる |
観察計画 (O-P) | 自己評価や自己価値感の低下の有無を確認 自尊心や尊厳が損なわれる可能性のある状況(依存状態、過剰な介助など)の観察 患者の発言や行動における無力感や恥辱感の兆候を確認 医療スタッフや家族とのコミュニケーションにおいて、意見が尊重されているか確認 意思決定の場での患者の参加状況を確認 患者のプライバシーが適切に保護されているかの観察 治療やケアに対する患者の理解度と納得度の確認 他者からの介助や支援に対する患者の感情や反応を観察 患者の社会的孤立や孤独感の有無を確認 尊厳を毀損する可能性のある環境や状況(過剰な依存、無視、失礼な対応)の特定 |
援助計画 (T-P) | 患者の意見や希望を尊重し、意思決定の場に積極的に参加させる ケアを行う際、必ず患者に説明をし、納得を得てから実施する 患者が自分でできることは、できる限り自立して行えるように支援する プライバシーを保護し、患者の尊厳が損なわれないように配慮する 介助が必要な際は、できる限り患者の意思を確認しながら支援する 患者の感情や意見を聞く時間を設け、共感的なコミュニケーションを行う 身体的・精神的負担を軽減し、安心して治療に取り組めるような環境を整える 社会的つながりを維持するため、家族や友人との交流を促進する 患者が自己肯定感を持てるよう、小さな成功体験を積み重ねる機会を提供する 尊厳を毀損しないケアを提供するため、医療スタッフへの教育や訓練を実施する |
教育計画 (E-P) | 患者に対し、自身の意思や感情を尊重する重要性を説明 ケアや治療において、疑問や不安があれば遠慮なく質問するよう指導 プライバシーを守るための方法(病室での配慮、個人情報の扱いなど)を説明 家族や介護者に、患者の尊厳を尊重する適切な接し方を指導 自立を促すためのセルフケアや自己管理の方法を説明 患者が自分のケアに対して積極的に参加することの重要性を指導 社会的な支援制度やリソースを紹介し、孤立感を減らす方法を説明 自己肯定感を高めるためのポジティブなフィードバックや達成感を提供する方法を指導 生活の中で尊厳が守られるよう、家族と連携して支援体制を構築する方法を説明 医療スタッフや家族に対して、患者の尊厳を守るための適切なコミュニケーションの取り方を指導 |
類①-自己同一性混乱
コード:00121
- 定義
- 自分についての結合された完全な認識を維持できない状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 自己同一性混乱 |
長期目標 | 自分自身の価値観や役割、アイデンティティを明確にし、安定した自己認識を持てる |
短期目標 | 自分の役割や価値観について考え、自己認識を整理できる |
観察計画 (O-P) | 患者の自己認識や自己評価に関する発言や態度を観察 自己認識やアイデンティティに対する混乱や不安の有無を確認 役割や価値観について患者が持つ葛藤や迷いの観察 患者が直面している生活や社会的役割の変化を確認 他者からの影響(家族や友人、社会の期待)が自己同一性に与えている影響を観察 日常生活や社会的関係における混乱や不安の有無を確認 患者が自分の目標や将来に対して感じている不安や希望の確認 感情の不安定さや精神的ストレスの有無を観察 自己同一性に関する過去の経験やトラウマの有無を確認 支援を必要とする領域(社会的支援、心理的支援など)の特定 |
援助計画 (T-P) | 患者が自己認識を整理できるよう、安心して感情を表現できる場を提供する 患者の価値観や信念、役割を尊重し、自己表現を促すサポートを行う 患者の生活環境や社会的役割に合わせた現実的な目標を一緒に設定する 自己同一性に関する悩みや不安について、適切に聞き取り、共感的に対応する 必要に応じて、心理カウンセラーやソーシャルワーカーと連携し、専門的な支援を提供する 患者がアイデンティティを再構築できるよう、自己肯定感を高める活動を提案する 患者の人生経験や強みを活かしたセルフケア活動をサポート 家族や友人との交流を促進し、社会的サポートを強化する 自己認識の混乱を感じた際に、焦らず対応できるようリラクゼーション技術を教える 将来に対する不安を軽減し、希望を持てるような言葉かけや目標設定を行う |
教育計画 (E-P) | 自己同一性の混乱が正常な感情であり、整理していくことができると説明する 自己認識を深めるためのリフレクションや日記を書く方法を提案する アイデンティティに対する葛藤が生じた際に、自己肯定感を保つ方法を指導する 自己認識を整理するための支援ツール(カウンセリング、グループセッション)を紹介 家族や友人との対話を通じて、自分の価値観や役割を再確認する方法を説明 自分の強みや過去の成功体験を振り返り、自己肯定感を高める手法を説明 長期的な視野で自己同一性の再構築を目指し、焦らず進める重要性を説明 価値観や信念を尊重することが自己同一性の確立につながることを指導 社会的役割や人生の目標を再評価し、自己成長の機会として捉えるように説明 精神的な負担を軽減するために、適切な支援を早めに求めることの重要性を指導 |
類①-自己同一性混乱リスク状態
コード:00225
- 定義
- 自分についての結合された完全な認識の維持が困難になりやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 自己同一性混乱リスク状態 |
長期目標 | 自己の役割や価値観を明確にし、安定したアイデンティティを維持できる |
短期目標 | 自分の価値観や役割についての不安や混乱を感じることなく、日常生活を送ることができる |
観察計画 (O-P) | 患者の自己認識や自己評価に関する発言や態度の観察 価値観やアイデンティティに関する不安や葛藤の有無を確認 社会的役割や生活環境の変化が自己認識に与えている影響を観察 患者が未来に対して持っている不安や希望の確認 他者からの期待やプレッシャーが自己認識に影響しているかを確認 日常生活や社会的活動における混乱や困難の有無の観察 精神的ストレスや感情の不安定さの確認 自己認識に影響を与える過去のトラウマや重大なライフイベントの有無の確認 家族や友人とのコミュニケーション状況の把握 患者がサポートを必要としている領域(心理的・社会的支援)の特定 |
援助計画 (T-P) | 患者が自分の価値観や役割を整理しやすくなるよう、話を聞く時間を設ける 患者の自己認識を支援するため、共感的なコミュニケーションを行う 必要に応じて心理カウンセラーやソーシャルワーカーと連携し、専門的支援を提供する 患者が自分の強みや価値を再確認できるような活動をサポート 自己認識に関する不安が生じた際、リラックスできる環境を整える 社会的役割や生活の変化に適応するための支援を提供する 日常生活において、患者が自信を持って行動できるようにサポート 家族や友人との関わりを増やし、社会的サポートを強化する 将来の目標や役割に対して患者が前向きに取り組めるよう、小さな目標を設定する 自己肯定感を高めるためのリハビリテーションやセルフケアプログラムを導入する |
教育計画 (E-P) | 自己同一性の混乱リスクについて説明し、自己認識の整理が重要であることを伝える 患者に、自分の価値観や役割を定期的に振り返る時間を持つことの重要性を説明 自己認識が不安定になった際、焦らず冷静に対処できる方法を指導 家族や友人とオープンな対話を持ち、自分の価値観を共有することの重要性を説明 社会的な役割や期待に縛られず、自分らしさを尊重することの大切さを教える 自己肯定感を保つために、ポジティブなフィードバックや成功体験を活用する方法を指導 ストレスやプレッシャーを感じた際に、リラックスできる方法(深呼吸、瞑想など)を教える 自己認識の混乱を防ぐため、日常生活で自己表現の機会を増やす方法を説明 社会的な支援制度やサポートグループを紹介し、孤立を防ぐためのリソースを提供 自己同一性の確立に向けて、長期的な視点で自己成長を目指すことの重要性を説明 |
類①-自己概念促進準備状態
コード:00167
- 定義
- 自分についての感じ方や考え方のパターンが、さらに強化可能な状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 自己概念促進準備状態 |
長期目標 | 自己理解を深め、安定した自己概念を持ちながら日常生活に積極的に取り組める |
短期目標 | 自己の価値観や強みを認識し、自信を持って自己表現ができる |
観察計画 (O-P) | 患者の自己評価や自己認識に関する発言や態度を確認 自己概念に対する意識や関心がどの程度あるかを観察 自己肯定感の変化や自己価値感に関する兆候を確認 生活の中で自分の役割や価値について考える頻度を観察 ストレスや不安が自己概念に与える影響を確認 他者との関係や社会的役割が自己認識に与える影響の確認 日常生活における意欲や行動の変化の観察 家族や友人とのコミュニケーションの質や頻度の把握 自己成長や目標達成に対する意欲の確認 サポートを必要とする領域(心理的支援、社会的支援)の特定 |
援助計画 (T-P) | 患者が自己の価値や強みに気づけるよう、ポジティブなフィードバックを提供 自己理解を深めるため、患者が自由に感情や思いを表現できる場を提供 自己概念を促進するため、患者に自信を持たせるような小さな目標を設定し、達成感を共有 自己認識を整理するための日記やリフレクションを促す 患者の価値観や役割を尊重し、自己表現をサポートする 家族や友人とのコミュニケーションを促進し、社会的サポートを強化 必要に応じて、心理カウンセラーやソーシャルワーカーと連携し、専門的支援を提供 ストレス軽減のため、リラクゼーション法やマインドフルネスを取り入れる 社会的役割や目標に対する患者の意識を強化するため、自己肯定感を高める活動を提案 患者の強みや個性に合わせたセルフケアプランやリハビリを提供 |
教育計画 (E-P) | 自己概念の促進が心身の健康や日常生活に役立つことを説明 自分の価値や強みを認識し、自己肯定感を高めるための方法(目標設定、フィードバック)を指導 家族や介護者に対して、患者の自己概念を支援する適切なコミュニケーション方法を指導 ストレスが自己概念に与える影響を理解し、ストレス管理方法を指導 自己理解を深めるための自己リフレクションや日記の書き方を提案 ポジティブな自己認識を維持するために、日常生活の中で成功体験を積み重ねる方法を教える 他者との関係を通じて、自己概念が成長することの重要性を説明 患者が自己の目標や役割を見直し、前向きに取り組む姿勢を育てる方法を指導 社会的なサポートや支援グループの利用を提案し、自己成長をサポート 自己成長を目指して取り組むためのリソースや支援制度を紹介 |
類②-自尊感情慢性的低下
コード:00119
- 定義
- 自己価値・自己受容・自己尊重・能力・自分に対する態度について、否定的な認識が長く続いている状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 自尊感情慢性的低下 |
長期目標 | 自己肯定感を持ち、自分自身に自信を持って日常生活を送れる |
短期目標 | 自己評価を少しでも向上させ、日常生活で小さな成功体験を感じられる |
観察計画 (O-P) | 自己否定的な発言や行動の頻度を観察 感情の変化や気分の落ち込みの確認 自己評価の変化や自己認識の状態の観察 日常生活やセルフケアにおける意欲や行動の変化を確認 他者との関わりやコミュニケーションにおける不安や回避傾向の観察 自尊感情低下による身体的・精神的ストレスの確認 成功体験や達成感を感じたときの反応を観察 生活環境や家族との関係が自尊感情に与えている影響の把握 支援の必要性や社会的な孤立感の有無を確認 自尊感情の低下が進行しているか、安定しているかの定期的な評価 |
援助計画 (T-P) | 患者が感じた小さな成功や達成を一緒に認め、自己肯定感を高めるサポートを行う 自信を取り戻すための具体的な目標を設定し、段階的に達成できるよう支援 日常の中でポジティブなフィードバックを提供し、患者が自分を肯定できるよう支援 自尊感情の低下が起こった背景を丁寧に聞き取り、共感的な態度で対応する 患者が自分自身の価値に気づけるよう、自己表現や趣味活動をサポート 患者の感情を適切に表現できるよう、安心できる対話の機会を提供 必要に応じて心理カウンセラーやソーシャルワーカーと連携し、専門的なサポートを提供 家族や友人との交流を促進し、社会的なサポートを強化する ストレスや不安を軽減するために、リラクゼーションやマインドフルネスを導入する 身体的活動や軽い運動を促し、心身の活力を取り戻すサポートを行う |
教育計画 (E-P) | 自己肯定感を高めるための方法(目標設定、達成感の共有、自己リフレクション)を指導 日常生活の中で小さな成功を感じることが自己肯定感向上につながることを説明 家族や友人に対して、患者の自己肯定感を尊重し、支援するための適切な接し方を指導 ストレスや自己否定感を軽減するためのリラクゼーション法を説明 自分の価値や強みを再認識し、自信を持つための方法を提案 日常生活において、無理をせず自分のペースで取り組むことの重要性を説明 ポジティブなフィードバックを受け取ることで、自己評価を高めることができると説明 自己評価を改善するために、日記やリフレクションを使い、感情を整理する方法を指導 長期的な目標に向けて、自己成長のステップを理解し、前向きに進めるよう指導 家族との連携を通じて、患者が自己肯定感を育てるためのサポート体制を整える方法を説明 |
類②-自尊感情慢性的低下リスク状態
コード:00224
- 定義
- 自己価値・自己受容・自己尊重・能力・自分に対する態度について、否定的な認識が長く続きやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 自尊感情慢性的低下リスク状態 |
長期目標 | 自己肯定感を維持し、自分の価値や役割を理解して前向きに生活できる |
短期目標 | 日常生活の中で自信を持ち、小さな達成感を感じられる |
観察計画 (O-P) | 自己否定的な発言や行動が増加する兆候の観察 感情の変動や落ち込みの兆候の確認 自己評価の低下や自己認識の変化を確認 日常生活やセルフケアに対する意欲の低下の観察 他者との交流を避ける傾向や社会的孤立の兆候を確認 生活環境や家庭内の状況が自尊感情に与えている影響の把握 自尊感情低下による精神的・身体的なストレス反応の確認 支援の必要性が増しているか、社会的サポートの有無を確認 自己評価を改善するための取り組みに対する反応を観察 自尊感情の変化やリスクの進行状況を定期的に評価 |
援助計画 (T-P) | 患者の小さな成功や達成を積極的に認め、自己肯定感を高めるサポートを行う 自信を持たせるために段階的な目標を設定し、達成できるように支援する 自尊感情を低下させる原因を特定し、対処法を共に考える ポジティブなフィードバックを与え、患者が自分の価値を再確認できるようサポート 患者が自分の感情や思いを表現できる機会を提供し、安心して話せる環境を整える ストレスや自己否定感を軽減するために、リラクゼーションやリフレクションを導入 家族や友人との交流を促進し、社会的なサポートネットワークを強化する 必要に応じて、心理カウンセリングやソーシャルワークなどの専門的支援を導入 患者が自己成長を実感できるよう、セルフケアや趣味活動をサポート 適度な身体活動を促し、心身のリフレッシュを図る |
教育計画 (E-P) | 自己肯定感を維持するための方法(目標設定、達成感の共有、自己リフレクション)を指導 家族や介護者に、患者の自己肯定感を高めるための接し方やサポート方法を指導 ポジティブなフィードバックを通じて、自己評価を高める重要性を説明 ストレスや感情の変動に対処するためのリラクゼーションやストレス管理法を説明 自己認識を改善するために、患者に自分の強みや価値を再認識させる方法を指導 患者が自信を持って行動できるよう、小さな成功を積み重ねることの重要性を説明 日常生活での小さな目標を設定し、達成感を感じられるような方法を提案 自尊感情が低下した際の対処法やサポートを求める重要性を説明 社会的支援やサポートグループの利用を促進し、孤立感を減らす方法を説明 患者の成長をサポートするため、長期的な視点で自己肯定感を育てることの重要性を伝える |
類②-自尊感情状況的低下
コード:00120
- 定義
- 現場を受けて、自己価値・自己受容・自己尊重・能力・自分に対する態度についての認識が、肯定的から否定的への変化した状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 自尊感情状況的低下 |
長期目標 | 自己肯定感を取り戻し、自己価値を認めて前向きな生活を送ることができる |
短期目標 | 一時的な自己否定を乗り越え、日常生活で少しでも自己肯定感を感じられる |
観察計画 (O-P) | 自己否定的な発言や行動の有無を観察 最近の出来事や環境変化が自尊感情に与えている影響を確認 患者の感情の変動や不安、落ち込みの程度を観察 日常生活でのセルフケアや活動に対する意欲の変化を確認 他者との関係や社会的な交流の変化を観察 自尊感情の一時的な低下が生活全般に与える影響の確認 ストレスや不安が患者の自己認識にどのように影響しているかの把握 支援が必要な領域や孤立感の有無を確認 自己評価や感情が変化するきっかけとなった具体的な状況を特定 自己否定感が持続していないか、定期的に確認 |
援助計画 (T-P) | 患者の感情を受け止め、状況的な自己否定を和らげるために共感的に対応 患者が自己肯定感を取り戻せるよう、小さな成功体験を一緒に共有する 最近の出来事に対する感情や考えを整理するために、対話の時間を設ける 具体的な目標を設定し、達成感を得ることで自尊感情を回復させるサポートを行う ポジティブなフィードバックを提供し、患者の自己評価を高める 家族や友人とのコミュニケーションを促進し、社会的サポートを強化する 必要に応じて、心理カウンセリングやセラピーを導入し、心のケアを提供する 自尊感情の一時的な低下を引き起こした状況に対する具体的な対処法を一緒に考える ストレス管理やリラクゼーション法を取り入れて、感情の安定をサポートする 患者が自信を持って行動できるよう、段階的な支援を行い、自尊感情の回復を促す |
教育計画 (E-P) | 自尊感情の一時的な低下は正常な反応であり、回復が可能であることを説明 自己肯定感を高めるための日常の工夫(目標設定、成功体験の積み重ね)を指導 家族や友人に対して、患者を支えるための適切な接し方や声かけを指導 感情の変化に対処するためのリラクゼーション法やマインドフルネスを説明 ポジティブな自己認識を保つために、患者が自分の強みや成果を振り返ることを提案 自己否定感が生じた際に、焦らず冷静に対処できる方法を指導 自己成長を実感できる機会を増やし、自己肯定感を回復させるための行動を提案 家族と患者が協力して、前向きな目標を共有し、一緒に達成していく方法を説明 自尊感情が低下した原因や状況を理解し、今後の対処法や回復方法を指導 日常生活でのポジティブな体験やサポートを通じて、患者が自信を取り戻せるように支援 |
類②-自尊感情状況的低下リスク状態
コード:00153
- 定義
- 現場を受けて、自己価値・自己受容・自己尊重・能力・自分に対する態度についての認識が、肯定的から否定的への変化しやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 自尊感情状況的低下リスク状態 |
長期目標 | 一時的な状況の変化に影響されず、安定した自己肯定感を維持できる |
短期目標 | 現在の状況に対する自己評価を適切に保ち、自己否定感を抱くことなく生活できる |
観察計画 (O-P) | 最近の環境変化やストレス要因が自尊感情に与える影響の確認 自己否定的な発言や態度が見られるかの観察 患者の感情の変動や気分の落ち込みの兆候の確認 日常生活やセルフケアに対する意欲や行動の変化の把握 他者とのコミュニケーションや社会的な関わりに変化がないかの観察 自己評価や自己認識に対する変化の兆候の確認 ストレスや不安が自己認識に与える影響を把握 最近の出来事が精神的にどのような影響を与えているかの確認 患者が社会的に孤立しているか、支援が十分に得られているかの確認 自尊感情低下のリスクが高まっていないか、定期的に評価 |
援助計画 (T-P) | 患者が自己否定感を感じる前に、感情を表現できるよう対話の機会を設ける 小さな成功体験を積み重ね、患者が自己肯定感を維持できるようにサポート 最近の出来事に対する感情や反応を整理するため、話をじっくりと聞く 目標を設定し、段階的に達成感を得られるように支援する ポジティブなフィードバックを与え、患者が自分の価値を認識できるようにサポート 社会的サポートを強化し、孤立を防ぐために家族や友人との交流を促す ストレスや不安を軽減するためのリラクゼーション法やマインドフルネスを導入 必要に応じて、心理カウンセリングや専門的な支援を提供する 日常の中でポジティブな自己認識を維持するための活動を促進する ストレスや困難な状況に適応できるよう、段階的なサポートを行う |
教育計画 (E-P) | 自尊感情の低下が一時的なものである場合、焦らず適切に対応する重要性を説明 日常生活での小さな成功体験が自己肯定感を高めることを指導 家族や友人に、患者の自己肯定感を支えるための適切な接し方を指導 ストレスや感情の変動に対処するリラクゼーション法やマインドフルネスを説明 自己認識を向上させるために、患者が自分の強みや価値を再確認する方法を提案 患者が感情的に不安定になったとき、適切に対応する方法を指導 社会的な支援ネットワークやサポートグループを活用する方法を提案 自尊感情低下のリスクを防ぐため、日常生活でのポジティブな体験を積み重ねる方法を説明 目標達成を通じて自己評価を高め、長期的に安定した自己肯定感を維持する方法を指導 家族や患者自身に、自尊感情が低下しそうな際に早めに対処することの重要性を説明 |
類③-ボディイメージ混乱
コード:00118
- 定義
- 身体的自己に否定的な心象のある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 ボディイメージ混乱 |
長期目標 | 自分の身体に対する肯定的なイメージを持ち、自信を持って日常生活を送れる |
短期目標 | 自分の身体に対する不安や不満が軽減し、前向きな感情を持てる |
観察計画 (O-P) | 患者の身体に対する否定的な発言や態度の有無を確認 患者が抱いている身体的な不安や不満の内容を観察 身体イメージの変化が日常生活に与える影響の確認 自己評価や自己肯定感の変化を観察 身体に対する患者の感情や考えの変動を確認 他者との関わりにおいて、身体イメージが影響しているかの確認 身体的な変化や疾患に伴うストレスの程度を観察 鏡や他者との比較が患者に与える影響を確認 身体的変化が原因で社会的な孤立や引きこもりの傾向がないか確認 自己認識が身体的な変化とどう一致しているかの観察 |
援助計画 (T-P) | 患者が抱える身体イメージの不安や不満を丁寧に聞き取り、共感的に対応する ポジティブな身体イメージを持てるよう、小さな成功体験や肯定的なフィードバックを提供 自己肯定感を高めるため、身体の変化に順応するためのリハビリや運動をサポート 身体的変化に対する適切な対処法やセルフケア方法を指導 患者が自分の身体に自信を持てるよう、日常生活での成功体験を共有 家族や介護者に、患者の身体イメージを尊重するコミュニケーション方法を指導 必要に応じて、心理カウンセリングやボディイメージ専門の支援を導入 他者との比較を避け、患者自身の身体の良い部分に目を向けるように促す 患者が自分のペースで身体的な変化に順応できるよう、リラクゼーションやストレス管理を支援 美容や外見に関する実際的なアドバイスを提供し、自己イメージの改善を図る |
教育計画 (E-P) | ボディイメージが精神的健康に与える影響について説明し、適切な対応策を教える 身体に対する肯定的な自己認識を育てるためのリラクゼーション法やセルフケアの方法を指導 家族に、患者の身体イメージに配慮した支援や接し方を指導 他者との比較を避け、自己の身体の良さを見つけるための方法を説明 患者が身体的な変化に順応するため、適切な情報やサポートを提供 ポジティブな自己認識を保つために、外見以外の価値に目を向ける方法を教える 自分の身体に対する感情が否定的になった際に、前向きに考え直す方法を指導 社会的サポートやリソース(カウンセリングやセルフヘルプグループ)の活用を説明 身体的な変化に伴うストレスを軽減するため、適切な運動やリハビリを指導 長期的な目標として、身体イメージの変化に対して肯定的に向き合う姿勢を育てる |
NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画記載例のまとめ
当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を多数まとめています。
ぜひ、日々の業務のご活用ください!
引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2020-2023.医学書院.