この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を公開しています。
今回は領域12「安楽」です。
看護計画の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!
トコル
看護計画の作成ルールに関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】)を参考にしてください!
【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】
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新人看護師
他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!
*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*特に看護目標の部分はあえて抽象的な内容を含めています。参考の上、患者にあった具体的な目標に修正することをお勧めします。
【NANDA-I看護診断】領域12「安楽」の看護記録(SOAP)の記載例まとめ【コピペ可】
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NANDA-I領域12「安楽」の看護診断名一覧
NANDA-I領域12「安楽」は、類①〜③に分けられます。
それぞれの診断名一覧は以下の通りです。
- 類① 身体的安楽
- ・安楽障害
・安楽促進準備状態
・悪心
・急性疼痛
・慢性疼痛
・慢性疼痛シンドローム
・分娩陣痛
- 類② 環境的安楽
- ・安楽障害
・安楽促進準備状態
- 類③ 社会的安楽
- ・安楽障害
・安楽促進準備状態
・孤独感リスク状態
・社会的孤立
類①-安楽障害
コード:00214
- 定義
- 身体的・心理スピリチュアル的・環境的・文化的・社会的側面における、安心・緩和・超越が欠如していると認識している状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | 安楽障害 |
長期目標 | 身体的安楽を維持し、苦痛や不快感なく生活できる |
短期目標 | 身体的苦痛や不快感を軽減し、安楽な状態に回復する |
観察計画 (O-P) | 患者の身体的苦痛や不快感の程度を観察し、痛みや違和感のある部位を特定 バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、体温)を確認し、不快感や痛みに伴う身体の変化を評価 患者の皮膚状態(発赤、乾燥、発疹、褥瘡など)を確認し、圧迫や摩擦による不快感がないか評価 患者の姿勢や体位を観察し、圧迫や痛みを引き起こしていないか確認 不快感や痛みを引き起こす可能性がある要因(寝具、衣服、体位、環境)を観察 患者の食事摂取状況を観察し、消化不良や胃腸障害による不快感がないか確認 排泄状況(排尿、排便)を観察し、排泄に伴う不快感や苦痛がないか確認 患者が感じている痛みや不快感の主観的な評価を行い、痛みのスケールや視覚アナログスケール(VAS)を使用 環境要因(騒音、照明、室温)を観察し、安楽を妨げる要因がないか確認 患者の睡眠状況を観察し、不快感による睡眠障害がないか確認 |
援助計画 (T-P) | 患者の姿勢を定期的に調整し、圧迫や摩擦による不快感を軽減 痛みがある場合は、鎮痛薬を医師の指示に基づいて投与し、疼痛管理を行う 患者がリラックスできる環境を整えるため、室温や照明、騒音を適切に調整 患者の皮膚の清潔を保ち、乾燥や発疹、圧迫による痛みや不快感を予防 体位変換を適切に行い、圧迫による苦痛や褥瘡を予防 患者の食事内容や食事形態を調整し、消化不良や胃腸障害による不快感を軽減 排泄介助を行い、排尿・排便に伴う不快感や苦痛を軽減 マッサージやリラクゼーション技法を使用して、筋肉の緊張をほぐし、安楽を促進 患者に適切な寝具や衣服を提供し、圧迫や摩擦が軽減されるよう調整 不快感や痛みを軽減するため、必要に応じて冷湿布や温罨法などの非薬物療法を使用 |
教育計画 (E-P) | 痛みや不快感の原因と対処法について患者や家族に説明し、自己管理を促す 正しい体位変換の方法や、体圧分散を行うことの重要性を説明し、安楽な姿勢を保つ方法を指導 鎮痛薬やその他の治療方法について説明し、効果的な疼痛管理のための服薬指導を行う 適切な環境調整の方法(室温管理、照明調整、騒音軽減)を指導し、安楽な生活環境を整える 食事管理の重要性を説明し、消化不良や胃腸障害を予防するための食事内容や水分摂取を指導 排泄介助が必要な場合、排泄時の体位やケア方法を説明し、不快感を軽減する方法を指導 リラクゼーション法(深呼吸、瞑想など)を教え、患者が自分で安楽を得られる方法を指導 不快感が強い場合は、適切なタイミングで看護師や医師に報告するよう指導 皮膚のケア方法を説明し、乾燥や摩擦を予防するための適切なスキンケア方法を指導 患者と家族に安楽の重要性を理解してもらい、積極的にケアに参加できるよう促す |
類①-安楽促進準備状態
コード:00183
- 定義
- 身体的・心理スピリチュアル的・環境的・文化的・社会的側面における、安心・緩和・超越のパターンが、さらに強化可能な状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 安楽促進準備状態 |
長期目標 | 身体的安楽を維持し、快適な状態で日常生活を送ることができる |
短期目標 | 身体的安楽を促進するための対策を取り、快適な状態を体験できる |
観察計画 (O-P) | 患者が快適さを感じる状況を観察し、身体的安楽を促進できる要因を把握 バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、体温)を確認し、身体的安楽を妨げる可能性のある身体的変化がないか評価 患者の皮膚状態(乾燥、発疹、圧迫による赤み)を観察し、身体的安楽を保つために必要なケアを確認 患者の体位や姿勢を確認し、安楽な姿勢であるかを評価 患者が不快感を訴える要因(痛み、違和感、疲労など)を観察 患者の食事摂取状況を確認し、消化不良や胃腸の不快感がないか観察 排泄状況(排尿、排便)を観察し、安楽を妨げる要因がないか確認 患者の睡眠パターンを観察し、安楽な睡眠環境が整っているか評価 環境要因(室温、湿度、照明、騒音)を確認し、安楽を促進できる環境が整っているか評価 患者が自身の安楽についてどのように感じているか、主観的な評価を確認 |
援助計画 (T-P) | 患者が快適に過ごせる姿勢を定期的に調整し、身体的安楽を保つ 痛みがある場合は、適切な疼痛管理を行い、鎮痛薬の使用を検討 患者がリラックスできる環境を整えるため、室温、湿度、照明、騒音を調整 皮膚の清潔と保湿を保ち、皮膚トラブルが発生しないようにケアを実施 安楽な体位を保てるよう、適切な体位変換を行い、圧迫や摩擦を予防 消化を助け、胃腸の安楽を促進するために、適切な食事内容と水分補給を行う 排泄介助を行い、排泄に伴う不快感や苦痛を軽減する 睡眠を促進するため、静かな環境を提供し、適切な寝具を使用して安楽な睡眠をサポート マッサージやリラクゼーション技法を使用し、身体の緊張を緩和し、安楽を促進 必要に応じて、温罨法や冷湿布などの非薬物的なケアを行い、身体の安楽をサポート |
教育計画 (E-P) | 身体的安楽を保つための方法(正しい体位、圧迫予防、適切な体位変換など)を患者や家族に説明し、日常的に実践できるように指導 鎮痛薬やその他の治療について説明し、適切なタイミングで薬を使用する重要性を指導 環境要因(室温、照明、音)を調整して快適な空間を作る方法を説明し、患者や家族が実践できるように支援 適切な食事内容や水分摂取が身体的安楽を促進することを説明し、消化不良や胃腸の不快感を予防する方法を指導 排泄時のケアや不快感を軽減する方法を説明し、患者が快適に排泄できるようにサポート 睡眠環境を整えるための方法(照明や音の調整、寝具の選び方)を指導し、安楽な睡眠を促す リラクゼーション法(深呼吸、瞑想など)を教え、患者が自分で身体的安楽を得られるようにする 患者に皮膚のケア方法を教え、皮膚のトラブルを予防するためのスキンケア方法を指導 安楽を保つために、痛みや不快感がある場合は、適切なタイミングで看護師に報告するよう指導 患者と家族に身体的安楽の重要性を理解してもらい、安楽を促進するためのケアに積極的に参加してもらう |
類①-悪心
コード:00134
- 定義
- のどの奥や胃に不快感を覚える主観的現象で、嘔吐を引き起こすこともあれば、そうでないこともある。
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 悪心 |
長期目標 | 悪心を軽減・予防し、快適な生活を送ることができる |
短期目標 | 悪心の症状を早期に緩和し、日常生活に支障をきたさないようになる |
観察計画 (O-P) | 悪心の頻度、持続時間、発生状況を観察し、症状が悪化していないか確認 患者のバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、悪心に伴う身体的変化がないか確認 悪心に関連する他の症状(嘔吐、発汗、めまい、腹痛など)を観察 悪心のトリガー(食事、薬物、体位、ストレスなど)を特定し、症状の悪化要因を確認 患者の食事摂取量や内容を観察し、食事が悪心に影響していないか評価 薬物治療歴を確認し、悪心を引き起こす可能性のある薬剤(化学療法薬、麻酔薬、抗生物質など)の有無を評価 悪心による脱水や栄養不良の兆候(尿量減少、皮膚の乾燥、体重減少など)を観察 患者が悪心を感じる主観的な程度を評価し、VAS(視覚アナログスケール)などで定量化 患者の心理的ストレスや不安が悪心に影響を与えていないか確認 患者の姿勢や体位を観察し、体位が悪心に与える影響を評価 |
援助計画 (T-P) | 悪心が強い場合は、医師の指示に従い、制吐薬(メトクロプラミド、オンダンセトロンなど)を投与 悪心の軽減のために、患者に楽な体位を取らせ、半座位などで胃内容物の逆流を防止 悪心のトリガーとなる食事や飲み物を避け、消化に良い食事(少量頻回の食事、脂肪分の少ない食事)を提供 脱水予防のため、少量の水分をこまめに摂取させ、必要に応じて輸液を行う 悪心が引き起こされる可能性がある薬剤の投与スケジュールを調整し、症状の軽減を図る 病室内の匂いや騒音を取り除き、患者にとって快適な環境を整備 患者の精神的な不安を軽減するため、リラクゼーション法や呼吸法を指導し、リラックスを促す 身体的負担を軽減するために、体位変換を行い、悪心が軽減される姿勢を保つ 嘔吐を防ぐために、食後にすぐに横になることを避け、少なくとも30分は座位を保つよう指導 悪心が強い場合は、冷たい飲み物やゼリー状の食品を摂取させ、胃の負担を軽減 |
教育計画 (E-P) | 悪心の原因や予防策について患者や家族に説明し、悪心を引き起こすトリガーを理解させる 悪心を感じた際の対処法(制吐薬の服用、体位の調整)を指導し、早期に対応できるようにする 食事の取り方(少量頻回、消化に良い食材の選択、脂肪分の少ない食事など)について指導し、悪心の予防を図る 悪心が起こりやすい状況(ストレス、空腹、過食、特定の薬の服用など)を避けるよう指導 悪心が続く場合は、水分摂取を促し、脱水症状を防ぐために必要な水分量を摂取するよう指導 悪心の症状が悪化する場合は、医療機関に速やかに連絡する重要性を説明 精神的なストレスや不安が悪心に影響を与えることを説明し、リラクゼーション法やストレス管理の重要性を教える 薬剤が悪心に影響している場合は、服用方法を確認し、医師や看護師に報告するよう指導 悪心を引き起こす可能性のある匂いや味(特定の食べ物、飲み物)を避けるように指導 悪心の予防や軽減のために、患者自身ができるセルフケア方法を指導し、積極的に実践できるよう支援 |
類①-急性疼痛
コード:00132
- 定義
- 実在する、あるいは潜在する組織損傷に伴う、もしくはそのような損傷によって説明される、不快な感覚的および情動的経験。発症は突発的または遅発的で、強さは軽度から重度までさまざまあり、回復が期待・予測でき、継続が3ヶ月未満
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 急性疼痛 |
長期目標 | 疼痛が軽減され、快適に日常生活を送ることができる |
短期目標 | 疼痛の強度が早期に軽減し、リラックスできる状態を維持できる |
観察計画 (O-P) | 疼痛の部位、強度、持続時間、性質(鋭い、鈍い、刺すような痛みなど)を観察し、痛みの特徴を把握 患者の表情や行動(顔をしかめる、体をこわばらせるなど)から、疼痛のサインを観察 バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、疼痛による身体的変化を確認 疼痛が悪化する要因(体動、姿勢、特定の動作など)を特定し、回避できるようにする 疼痛に関連する他の症状(発熱、発赤、腫れなど)を観察し、炎症や感染の有無を確認 患者の疼痛スケール(NRS: Numerical Rating Scale、VAS: Visual Analog Scaleなど)を使用し、主観的な痛みの程度を定量化 疼痛の緩和後の患者の反応を観察し、疼痛管理の効果を評価 患者の安静時と活動時の疼痛を比較し、活動が痛みに与える影響を評価 患者の睡眠状況を観察し、疼痛が睡眠に影響を与えていないか確認 患者の精神的ストレスや不安が疼痛を増強していないか観察 |
援助計画 (T-P) | 医師の指示に基づき、適切な鎮痛薬(NSAIDs、アセトアミノフェン、オピオイドなど)を投与し、疼痛を軽減 痛みがある部位を保護するため、患部の安静を保ち、必要に応じて固定具を使用 温罨法や冷罨法を使用し、炎症や筋緊張による疼痛を緩和 疼痛が軽減する姿勢や体位を調整し、体動による痛みを最小限に抑える リラクゼーション法(深呼吸、瞑想、音楽療法など)を指導し、疼痛による精神的緊張を緩和 患者に適切な活動制限を指導し、過度な体動や負担を回避 痛みが強い時には、安静を保ち、患者の快適さを維持するために支援 必要に応じて、局所麻酔や神経ブロックなど、侵襲的な疼痛管理法を医師と連携して実施 患者が痛みをうまくコントロールできるよう、疼痛の兆候が現れた際の早期対処法を指導 疼痛のトリガーとなる要因(ストレス、特定の動作、食事内容など)を特定し、それらを避ける方法を患者と共に考える |
教育計画 (E-P) | 患者や家族に疼痛の原因やメカニズムについて説明し、適切な対処法を理解させる 鎮痛薬の使用方法、効果、注意点について説明し、適切なタイミングでの服用を促す 温罨法や冷罨法の適切な使用方法を説明し、自宅でも疼痛管理ができるよう指導 疼痛を軽減するための姿勢や体位について説明し、日常生活で痛みを軽減する工夫を指導 疼痛を引き起こす可能性のある動作や活動を避けるための方法を説明し、無理をしないよう助言 疼痛が心理的なストレスや不安に関連する場合、リラクゼーション法やストレス管理の方法を指導 疼痛管理のために定期的に疼痛スケールを使い、痛みを自己評価し、適切な対処を行う方法を教える 痛みが強くなる場合や、鎮痛薬が効果を示さない場合には、すぐに医療機関に連絡する必要性を説明 疼痛が生活の質に与える影響について話し合い、適切な活動や休息を取り入れた生活の工夫を指導 患者や家族に疼痛の予防策や日常的な疼痛管理の方法を説明し、家庭でのセルフケアを支援 |
類①-慢性疼痛
コード:00133
- 定義
- 実在する、あるいは潜在する組織損傷に伴う、もしくはそのような損傷によって説明される、不快な感覚的および情動的経験。発症は突発的または遅発的で、強さは軽度から重度までさまざまあり、回復が期待・予測できず、継続が3ヶ月以上
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 慢性疼痛 |
長期目標 | 慢性疼痛が軽減され、日常生活を快適に送ることができる |
短期目標 | 疼痛をコントロールし、生活の質が向上できる |
観察計画 (O-P) | 疼痛の部位、強度、持続時間、性質(鈍痛、刺すような痛みなど)を観察し、痛みのパターンを把握 患者の疼痛スケール(NRS、VASなど)を使用し、主観的な痛みの程度を定量化 患者のバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、疼痛による身体的変化を確認 疼痛に関連する他の症状(筋緊張、しびれ、不眠など)を観察し、身体の不快感を把握 患者の睡眠状況を観察し、疼痛が睡眠にどのような影響を与えているか確認 疼痛による日常生活や活動への影響(歩行、家事、仕事など)を観察し、生活機能への影響を評価 疼痛の悪化要因(特定の動作、気候、ストレスなど)を観察し、疼痛管理の指針とする 疼痛管理に使用されている薬物(鎮痛薬、抗うつ薬、抗けいれん薬など)の効果と副作用を観察 精神的ストレスや不安が疼痛に与える影響を観察し、心理的要因の評価を行う 患者が疼痛についてどのように感じているか、自己評価を定期的に確認し、痛みの変化を把握 |
援助計画 (T-P) | 医師の指示に従い、疼痛管理に有効な薬剤(鎮痛薬、抗うつ薬、抗けいれん薬など)を適切に投与 疼痛の緩和に役立つ姿勢や体位を調整し、疼痛が軽減される環境を提供 温罨法や冷罨法、物理療法(マッサージ、温熱療法、電気刺激療法など)を使用し、疼痛を緩和 リラクゼーション法(深呼吸、瞑想、筋弛緩法など)を指導し、疼痛に伴う精神的緊張を緩和 日常生活や活動の中で無理のない範囲での運動やストレッチを指導し、筋肉の柔軟性と活動性を保つ 疼痛が睡眠に影響を与える場合、睡眠環境を整え、睡眠の質を向上させるサポートを行う 精神的なサポートを提供し、疼痛によるストレスや不安を軽減するための心理ケアを実施 疼痛管理のために患者に適した活動レベルを設定し、無理のない生活パターンを確立する 必要に応じて疼痛専門医や理学療法士と連携し、包括的な疼痛管理プランを作成 定期的に患者と疼痛の状態を話し合い、疼痛管理の効果を評価し、必要に応じて計画を調整 |
教育計画 (E-P) | 慢性疼痛の原因やメカニズムについて患者や家族に説明し、痛みの理解を促す 鎮痛薬やその他の治療法の使用方法、効果、注意点を説明し、薬物療法の継続的な実施を指導 疼痛を和らげるためのリラクゼーション法やセルフケア方法(深呼吸、筋弛緩法、ストレッチなど)を指導 日常生活における疼痛の予防と軽減のための姿勢や体位、活動の仕方について説明 疼痛管理に役立つ運動や軽いエクササイズの方法を指導し、無理のない範囲で活動するよう促す 患者が感じている疼痛のレベルや、疼痛管理の効果を自己評価できるよう疼痛スケールの使用を指導 精神的ストレスや不安が疼痛に影響を与える可能性があることを説明し、ストレス管理の重要性を強調 睡眠障害が疼痛に影響する可能性があるため、睡眠環境の整備や睡眠の質を高める方法を指導 家族にも疼痛管理の方法やサポートの仕方を教え、協力体制を構築して慢性疼痛の管理を支援 患者が疼痛に対して受け身にならず、積極的に疼痛管理に取り組むように励まし、自主的なケアを支援 |
類①-慢性疼痛シンドローム
コード:00255
- 定義
- 反復性あるいは持続性の疼痛が、3ヶ月以上続き、日常的な機能やウェルビーイングに大きな影響を及ぼしている状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 慢性疼痛シンドローム |
長期目標 | 慢性疼痛が管理され、生活の質が向上し、日常生活を快適に送ることができる |
短期目標 | 疼痛の強度を軽減し、生活への影響を最小限に抑える |
観察計画 (O-P) | 慢性疼痛の部位、強度、持続時間、性質(鈍痛、焼けるような痛み、刺すような痛みなど)を観察し、疼痛のパターンを把握 疼痛の主観的な評価を定期的に行い、NRS(Numerical Rating Scale)やVAS(Visual Analog Scale)を使用して痛みのレベルを測定 患者のバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、疼痛による身体的変化を評価 疼痛が悪化する要因(ストレス、疲労、気候変動など)を観察し、患者の日常生活への影響を評価 疼痛に関連する他の症状(不眠、抑うつ、疲労、筋緊張など)を観察し、全体的な健康状態を評価 睡眠パターンを観察し、疼痛による睡眠障害や睡眠の質への影響を確認 薬物治療の効果や副作用(鎮痛薬、抗うつ薬、抗けいれん薬など)を観察し、患者の疼痛管理の状態を評価 疼痛による日常活動(歩行、家事、仕事、趣味など)への影響を観察し、活動範囲を評価 患者の精神的なストレスや不安が疼痛を増強していないか確認し、心理的状態を評価 社会的孤立感や家族との関係が疼痛に影響を与えていないか観察 |
援助計画 (T-P) | 医師の指示に基づき、疼痛管理に有効な薬剤(鎮痛薬、抗うつ薬、抗けいれん薬など)を適切に投与し、疼痛を軽減 温罨法や冷罨法、物理療法(電気刺激、温熱療法、マッサージなど)を使用し、疼痛を緩和 日常生活における無理のない運動やストレッチを指導し、疼痛を軽減しつつ筋力や柔軟性を維持 リラクゼーション法(深呼吸、瞑想、筋弛緩法など)を指導し、疼痛に伴う精神的な緊張やストレスを緩和 日常生活で疼痛を最小限にするための活動制限や生活の工夫を提案し、無理のない活動を促進 患者の睡眠環境を整え、疼痛による睡眠障害を軽減するため、静かで快適な環境を提供 必要に応じて、疼痛専門医や理学療法士と連携し、包括的な疼痛管理計画を立てる 患者が疼痛と共に生活できるよう、精神的・社会的サポートを提供し、孤立感や抑うつ感を軽減 活動後の疼痛増加を防ぐため、適度な休息と運動をバランスよく取り入れた生活パターンを推奨 長期間の疼痛が心理的に影響を与える可能性があるため、必要に応じて心理カウンセリングを行い、精神的なサポートを提供 |
教育計画 (E-P) | 慢性疼痛シンドロームの原因やメカニズムについて患者と家族に説明し、適切な対処方法を理解させる 鎮痛薬や他の治療法(抗うつ薬、抗けいれん薬など)の使用方法、効果、注意点を説明し、薬物療法の継続を促す リラクゼーション法やセルフケア技法(深呼吸、筋弛緩法、ストレッチなど)を指導し、患者自身で疼痛を軽減する方法を学ぶ 疼痛が日常生活に及ぼす影響を最小限にするため、姿勢や体位、動作の改善方法を指導 患者の活動制限や運動制限に応じた適切な運動方法を指導し、筋力低下を防ぐためのエクササイズを提案 疼痛が心理的に与える影響について説明し、ストレス管理や心理カウンセリングの重要性を強調 家族にも疼痛管理の重要性を説明し、家族がサポートできる方法を指導し、協力体制を強化 患者が日常生活で疼痛をコントロールするためのスケジュールを作成し、無理のない活動計画を立てる 睡眠障害が疼痛を悪化させる可能性があるため、良質な睡眠を確保する方法(睡眠習慣の見直し、環境整備)を指導 患者が疼痛を積極的に管理し、自主的にケアを行うための方法を教え、自己効力感を高めるサポートを行う |
類①-分娩陣痛
コード:00256
- 定義
- 分娩と出産に伴い、心地よいものから不快なものまでさまざまな感覚的また情動的な経験をしている状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 分娩陣痛 |
長期目標 | 分娩陣痛を適切に管理し、母子共に安全な分娩ができる |
短期目標 | 陣痛の強度を軽減し、分娩中に安楽を得られるよう方法を確立する |
観察計画 (O-P) | 陣痛の頻度、持続時間、強度を観察し、分娩の進行状況を把握 陣痛が始まった時間や間隔を記録し、分娩の段階を評価 バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を定期的に確認し、母体の状態を観察 胎児心拍数をモニタリングし、胎児の状態を把握 母親の表情や行動(呼吸の乱れ、痛みに伴う緊張など)を観察し、疼痛レベルを評価 分娩に伴う他の身体的症状(出血、破水など)を観察し、適切な対応ができるようにする 母親が感じている痛みの主観的な強さを評価し、疼痛スケールを使用して記録 母親の姿勢や体位が陣痛にどのように影響を与えているか観察し、安楽な姿勢を調整 母親の呼吸状態を観察し、過換気症候群などの兆候がないか確認 精神的な不安や緊張のレベルを観察し、心理的サポートの必要性を評価 |
援助計画 (T-P) | 陣痛を和らげるため、呼吸法(ラマーズ法など)を指導し、母親がリラックスできるようサポート 分娩中の姿勢を調整し、痛みが軽減される体位(側臥位、座位など)を維持 温罨法やマッサージを用いて、筋肉の緊張を緩和し、疼痛を軽減 必要に応じて、医師と連携し、鎮痛薬や麻酔(硬膜外麻酔など)の使用を検討 陣痛が進行している場合、母親に安楽な体位を取りながら、適度な運動を促し、分娩の進行をサポート 母親の水分補給を促進し、脱水を予防するために、適切な水分補給や軽食を提供 母親に安心感を与えるため、出産の進行状況や次に起こることについて説明を行う 精神的な緊張や不安を和らげるために、リラクゼーション法や音楽療法などの非薬物療法を導入 分娩の進行状況に応じて、母親と家族に現在の状態を説明し、適切なケアを行うよう準備 母親の呼吸が乱れたり、過換気症候群の兆候がある場合は、呼吸を整えるために深呼吸や呼吸法を再指導 |
教育計画 (E-P) | 分娩の進行に伴う陣痛のメカニズムを母親に説明し、陣痛が正常な過程であることを理解させる 呼吸法やリラクゼーション法(ラマーズ法、筋弛緩法など)を指導し、陣痛の管理方法を教える 陣痛の合間に安楽を得るための適切な姿勢や体位について指導し、実際に試してもらう 鎮痛薬や麻酔の使用について説明し、母親が安心して選択できるように情報提供 家族にも出産の進行状況を説明し、適切なサポートができるように協力を促す 出産に対する不安や恐怖を軽減するために、分娩プロセスの各段階を事前に説明し、心の準備を促す 母親に水分補給や軽食の重要性を説明し、適切な栄養と水分を摂取できるように促す 分娩中に使用できる疼痛緩和法(マッサージ、温罨法、音楽療法など)の実践方法を教え、自己管理できるように指導 陣痛が進行している間の休息やエネルギーの使い方について指導し、分娩に向けて体力を維持する方法を教える 母親や家族に分娩の進行や出産時の予期される変化を説明し、安心感を与える |
類②-安楽障害
コード:00214
- 定義
- 身体的・心理スピリチュアル的・環境的・文化的・社会的側面における、安心・緩和・超越が欠如していると認識している状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | 安楽障害 |
長期目標 | 環境的に快適な状態で過ごし、ストレスなく生活できる |
短期目標 | 環境要因による不快感を軽減し、安楽な状態を回復する |
観察計画 (O-P) | 患者の主観的な環境に対する不快感(騒音、温度、光、匂いなど)を評価 室内の環境(室温、湿度、照明、換気)を観察し、患者にとって快適かどうかを確認 周囲の音(機械音、話し声、外部の騒音など)が患者の安楽を妨げていないか確認 患者のバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、環境的ストレスが身体に与えている影響を評価 患者の表情や行動(落ち着きがない、イライラしているなど)から、環境に対する不満や不安を観察 患者の睡眠パターンを観察し、環境が睡眠に影響を与えていないか確認 室内の清潔度を観察し、不快感を引き起こすような要因(汚れ、悪臭など)がないか確認 窓の開閉や空調の使用が患者の希望に合っているかを確認 患者の服装や寝具が、室温や湿度に適しているか確認 患者の精神的な状態(不安、緊張、ストレス)を観察し、環境要因が精神的安楽に影響を与えていないか評価 |
援助計画 (T-P) | 室温や湿度を調整し、患者が快適に過ごせるように環境を整える 騒音を最小限にするため、病室内の静けさを保ち、必要に応じて耳栓や音楽療法を提供 室内照明を調整し、患者が必要な場合は光量を増減できるようにする(自然光の利用も検討) 空調や換気を適切に管理し、新鮮な空気を提供しつつ、温度や風の流れが患者に不快感を与えないようにする 患者のベッド周りや室内の清潔さを保ち、患者が快適な空間で過ごせるようにサポート 患者の好みに合わせて、適切な寝具や衣類を提供し、身体的に快適な状態を維持 環境の匂いに敏感な患者には、空気清浄機や芳香剤などを使用し、不快な匂いを軽減 必要に応じて、患者がリラックスできるようにリラクゼーション法(音楽療法、アロマセラピーなど)を提供 家族や友人の訪問を調整し、患者が希望する静かな時間や休息の時間を確保 患者が環境的に快適だと感じられるように、患者の意見を聞きながら環境調整を行う |
教育計画 (E-P) | 環境が安楽に与える影響について患者や家族に説明し、環境調整の重要性を理解させる 室温や湿度、照明、騒音などの調整方法について患者に指導し、快適な環境を保つ方法を教える 患者が自分でできる環境管理(窓の開閉、エアコンの調整、光の調整など)を指導し、積極的に環境改善に取り組むよう促す 騒音や照明など、環境が睡眠に与える影響について説明し、睡眠環境を整えるための工夫を指導 不快な環境要因がある場合は、看護師に報告するよう患者に伝え、速やかに対応できる体制を整える 体温調節が難しい場合、適切な衣類や寝具の選び方について指導し、季節や環境に応じた服装を提案 家族や友人が訪問する際の配慮について説明し、患者がリラックスできる時間を確保できるように協力を促す 空気清浄機やアロマセラピーなど、患者の嗅覚に影響を与える要因の調整方法を説明 休息や睡眠が重要であることを説明し、患者が快適に休息できるように環境を整える重要性を理解させる 患者自身が快適だと感じる環境作りに関与できるよう、意見や要望を聞きながら支援する |
類②-安楽促進準備状態
コード:00183
- 定義
- 身体的・心理スピリチュアル的・環境的・文化的・社会的側面における、安心・緩和・超越のパターンが、さらに強化可能な状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 安楽促進準備状態 |
長期目標 | 環境を整え、快適で安楽な状態を持続できる |
短期目標 | 環境を改善し、快適な環境の中で過ごせる |
観察計画 (O-P) | 患者が快適に感じる環境要因(温度、湿度、照明、騒音など)を観察し、適切な環境調整を確認 室温や湿度、照明が患者にとって快適かどうか、患者の意見を聴取 患者が主観的に感じる環境の安楽さを確認し、改善が必要な点を特定 患者のバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、環境要因が身体に与える影響を評価 睡眠パターンを観察し、環境が睡眠に与える影響を確認 騒音、匂い、室温などの環境要因が、患者にとって快適であるか観察 環境的な変化が患者の表情や行動(リラックス、イライラなど)に与える影響を確認 空気の流れや換気状況を確認し、患者が新鮮な空気を感じられるか評価 患者の意識レベルやストレス反応を観察し、精神的な安楽に環境が影響していないか確認 患者の服装や寝具が室温や湿度に合ったものかどうかを確認 |
援助計画 (T-P) | 患者が快適に過ごせるように、室温や湿度を調整し、最適な環境を提供 照明を調整し、患者が好む光の強さや明るさを保つ(自然光の利用を推奨) 患者が希望する静かな環境を提供し、騒音を最小限にするための対策を行う 空調や換気を適切に管理し、患者が新鮮な空気を感じられるように調整 寝具や衣類を適切に選び、患者が体温調節をしやすいようにサポート 患者がリラックスできる環境を提供するために、リラクゼーション法や音楽療法などの手段を用いる 患者の意見を取り入れながら、室内の配置や装飾を調整し、快適な環境を整える 必要に応じて、アロマセラピーや芳香剤などを使用し、患者が快適な匂いの中で過ごせるようにする 環境調整による効果を患者と共有し、さらに改善できるポイントを話し合い、次のケアに活かす 患者が環境に適応しやすいように、定期的に環境の変化や調整を行い、快適さを維持 |
教育計画 (E-P) | 環境が安楽に与える影響について患者や家族に説明し、快適な環境作りの重要性を理解させる 室温や湿度、照明の調整方法について患者に指導し、自ら快適な環境を整えられるように支援 静かな環境やリラックスできる環境の大切さを説明し、患者に適切な環境調整の方法を教える 環境要因が睡眠に与える影響について説明し、快適な睡眠を得るための環境整備を指導 空調や換気、照明の調整が患者の快適さに大きく影響することを説明し、簡単に調整できる方法を指導 服装や寝具の選び方を説明し、季節や室温に応じた適切な選択ができるよう支援 患者が自分自身で快適な環境を作り出せるよう、リラクゼーション法や音楽療法を取り入れた環境改善を提案 空気の質や匂いが安楽に影響を与えることを説明し、快適な空気環境の作り方を指導 患者の快適さを維持するために、環境の調整や管理を定期的に見直し、最適な環境を提供することの重要性を教える 患者自身が感じる快適さについて話し合い、改善が必要な場合は、看護師に相談するように指導 |
類③-安楽障害
コード:00214
- 定義
- 身体的・心理スピリチュアル的・環境的・文化的・社会的側面における、安心・緩和・超越が欠如していると認識している状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | 安楽障害 |
長期目標 | 社会的交流を通じて安楽を得られ、安心して日常生活を送れる |
短期目標 | 社会的安楽を促進し、孤独感や不安感を軽減する |
観察計画 (O-P) | 患者が感じている社会的孤立感や不安感を観察し、交流の必要性を把握 患者の社会的サポート(家族、友人、支援者など)の有無や関係性を確認 患者の社会的交流の頻度や内容を観察し、孤立が進んでいないか確認 患者の言動や表情から、他者との交流に対する興味や意欲の変化を観察 患者が感じている不安やストレスのレベルを観察し、社会的な要因による影響を評価 患者のコミュニケーション能力や意欲を観察し、他者との交流に障害がないか確認 患者が家族や友人とどのようなサポートを受けているかを確認し、支援体制を評価 患者が参加している社会的活動(クラブ、ボランティア、オンライン交流など)の有無を観察 患者のバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、社会的ストレスが身体に影響を与えていないか確認 患者の睡眠パターンや食欲を観察し、社会的安楽が日常生活に与える影響を評価 |
援助計画 (T-P) | 患者が家族や友人と円滑にコミュニケーションできるよう、交流の場を提供し、環境を整える 家族や友人との面会を促進し、患者が孤立しないようにサポート オンラインでのコミュニケーションツールの利用を提案し、社会的なつながりを維持 患者に適した社会活動やグループに参加する機会を提案し、社会的なつながりを増やす 交流に消極的な患者には、徐々にコミュニケーションを増やすためのサポートを行い、自信を持てるよう支援 必要に応じてソーシャルワーカーや心理カウンセラーを紹介し、社会的なサポート体制を強化 患者が他者との関係で感じている不安やストレスを軽減するために、リラクゼーション法やストレス管理法を導入 家族や友人とのコミュニケーションが困難な場合、代替手段(手紙、メッセージなど)を提案し、つながりを維持 他者との交流がスムーズに行えるように、コミュニケーションスキル向上のための支援を実施 患者が自己表現や意見を言いやすいように、安心できる環境を整え、社会的交流への意欲を引き出す |
教育計画 (E-P) | 社会的安楽の重要性と、それが患者の心身に与える影響について説明し、社会的なつながりを持つ意義を理解させる 家族や友人との適切なコミュニケーション方法を指導し、良好な関係を維持するためのアプローチを教える 社会的孤立を予防するために、定期的な交流の計画を立てるよう指導し、積極的に交流を持つことを促す オンラインコミュニケーションの使用方法を教え、社会的なつながりを維持するための技術的サポートを提供 ストレスを感じた際の対処法(リラクゼーション法、深呼吸、瞑想など)を指導し、社会的ストレスの軽減をサポート 家族や友人に対して、患者とのコミュニケーションの重要性を説明し、適切なサポートの仕方を指導 社会活動に参加することで得られるメリット(気分転換、心の安定など)を説明し、積極的な参加を促す 不安や孤立感を感じた場合、看護師やソーシャルワーカーに相談するように指導し、早期の介入を推奨 他者との交流が苦手な場合、少人数での交流や個別のサポートを提案し、無理なく参加できる方法を教える 社会的なつながりが健康や生活の質にどのように影響するかを説明し、積極的に社会的安楽を得るための行動を促す |
類③-安楽促進準備状態
コード:00183
- 定義
- 身体的・心理スピリチュアル的・環境的・文化的・社会的側面における、安心・緩和・超越のパターンが、さらに強化可能な状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 安楽促進準備状態 |
長期目標 | 社会的なつながりを強化し、社会的安楽を維持できる |
短期目標 | 社会的な交流やサポートを受けられる環境を整え、社会的安楽を促進できる |
観察計画 (O-P) | 患者が感じている社会的サポートのニーズや期待を観察し、社会的安楽の促進に必要な要因を把握 患者の社会的つながり(家族、友人、職場、地域社会)について確認し、交流状況を評価 患者が交流を希望している相手や活動の種類を観察し、適切な社会的サポートを提供できるか確認 患者の社会的安楽のレベルを確認し、主観的な満足感や安楽度を評価 患者の言動から、社会的なつながりへの意欲や意識を観察し、社会的安楽への準備状態を確認 患者が感じている孤立感や不安感を観察し、社会的サポートの必要性を評価 患者の家族や友人が、どの程度の頻度で支援を提供しているかを観察し、患者の希望に沿った支援が行われているか確認 患者が参加している社会的活動やコミュニティ(趣味、ボランティア、オンライン交流など)の有無を観察 患者のコミュニケーション能力を評価し、社会的安楽を促進するための改善点がないか確認 患者が他者との交流を通じて、精神的安定や安心感を得られているかどうかを確認 |
援助計画 (T-P) | 患者が希望する社会的サポートを把握し、家族や友人との交流を促進する機会を提供 患者が孤立しないように、家族や友人、ソーシャルワーカーと連携し、定期的な面会やコミュニケーションの場を整える オンラインツールを利用し、遠隔でも社会的なつながりを維持できる環境を整備 患者が安心して参加できるグループ活動や趣味の集まりを提案し、社会的安楽を促進 患者が社会的サポートを受けやすい環境を整え、適切な支援を提供するための調整を行う 必要に応じて、ソーシャルワーカーやカウンセラーを紹介し、心理的サポートと社会的支援を強化 患者の希望に沿った社会的活動や関わりを提案し、無理なく社会的安楽を得られるように支援 家族や友人とのコミュニケーションの機会を増やすため、訪問スケジュールを調整 他者との関係性が向上するよう、リラクゼーション法やストレス管理法を活用して交流の質を高める 患者が感じる社会的な孤立感や不安感を軽減するため、定期的なフィードバックを行い、環境を改善 |
教育計画 (E-P) | 社会的安楽が心身の健康に与える影響について患者や家族に説明し、社会的なつながりの重要性を理解させる 家族や友人とのコミュニケーションの方法や頻度を調整し、定期的な交流の計画を立てる方法を教える オンラインコミュニケーションツールの使用方法を指導し、社会的なつながりを維持する手段を提供 社会的活動への参加が心理的・身体的安楽に与える影響を説明し、積極的な参加を促す ストレスや不安を感じた際の対処法(深呼吸、瞑想、リラクゼーション法)を指導し、社会的安楽の維持を支援 患者にとって最適な社会的支援体制の構築方法を教え、家族や支援者と連携して環境を整える 患者が孤立感を感じた際には、早めに相談できるように、ソーシャルワーカーや看護師の連絡手段を指導 患者が無理なく他者との交流を行えるように、段階的に社会的活動に参加する方法を教える 家族にも患者の社会的安楽の重要性を理解してもらい、定期的なサポートや訪問を促す 患者が自ら社会的安楽を得られるよう、積極的にコミュニケーションを取る姿勢を支援し、環境を整える |
類③-孤独感リスク状態
コード:00054
- 定義
- 他者とのより多くの接触の願望や必要性に関連した、不快感を経験しやすく、健康を損なう恐れがある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 孤独感リスク状態 |
長期目標 | 孤独感を感じず、社会的つながりを持ちながら安心して生活できる |
短期目標 | 社会的サポートや交流を通じて、孤独感を予防し、安心感を得られる |
観察計画 (O-P) | 孤独感を感じる可能性がある要因(家族との距離、社会的支援の欠如など)を確認 交流頻度や社会的サポートの有無を確認し、孤独感のリスクを評価 表情や行動から、孤独感や社会的な孤立の兆候を観察 家族や友人との関係性や交流状況を確認し、社会的なつながりが十分かどうか評価 精神的ストレスや不安の程度を観察し、孤独感のリスクを高める要因がないか確認 過去の孤独感や社会的孤立の経験を確認し、再発のリスクを評価 社会活動や趣味、興味のあることへの参加意欲や頻度を観察 患者のコミュニケーションスキルや意欲を評価し、交流の障害となっている要因を確認 家族や友人が適切なサポートを提供しているか、支援体制を評価 孤独感による身体的・心理的影響(睡眠障害、食欲不振など)を観察 |
援助計画 (T-P) | 家族や友人との定期的な面会や交流の機会を増やし、孤独感を予防 オンラインツールや電話を活用し、遠隔でも社会的なつながりを保つための手段を提供 孤独感のリスクを軽減するため、社会活動や趣味のグループに参加する機会を提案 コミュニケーションに不安がある場合、段階的に他者との交流を増やすための支援を行う 必要に応じて、ソーシャルワーカーやカウンセラーと連携し、精神的なサポートを提供 社会的つながりを強化するため、グループ活動やボランティアの参加を促進 リラクゼーション法やストレス管理の技法を活用し、孤独感による不安やストレスを軽減 家族や友人とのコミュニケーションを円滑にするため、サポートの方法を提案 他者との交流が円滑に行えるように、リハビリやコミュニケーションスキル向上のサポートを提供 患者が孤立しないように、訪問スケジュールや社会活動の機会を調整 |
教育計画 (E-P) | 孤独感のリスクと社会的つながりの重要性を説明し、社会的サポートの活用を促す 家族や友人と定期的に交流を持つことの重要性を説明し、孤立を防ぐための具体的な方法を指導 オンラインツールの使用方法や、遠隔でのコミュニケーション手段を指導 趣味や興味のあることに積極的に取り組むよう促し、社会的つながりを強化する方法を提案 孤独感を感じた場合の対処法(リラクゼーション法、深呼吸、瞑想など)を指導 家族に対して、患者へのサポートの重要性を説明し、適切な関わり方を指導 孤独感や不安感が高まった場合、早期に看護師やカウンセラーに相談するように指導 少人数のグループや個別の活動から始めて、徐々に社会的なつながりを広げる方法を提案 家族や友人との交流が生活の質にどのように影響するかを説明し、積極的なサポートを促す 自分自身で孤独感を予防するためのセルフケア方法を教え、社会的な安楽を得られるように支援 |
類③-社会的孤立
コード:00053
- 定義
- 前向きで、長続きする、意義深い対人関係につながる交流感を欠いた状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 社会的孤立 |
長期目標 | 社会的つながりを持ち、孤立せずに安心して日常生活を送れる |
短期目標 | 社会的サポートを得て、孤立を軽減し、交流の機会を増やす |
観察計画 (O-P) | 社会的孤立の原因(家族との関係、社会的サポートの欠如など)を確認 孤立感の程度や、その影響による心理的ストレスや不安のレベルを観察 家族や友人、地域社会との関係性や交流の頻度を確認 孤立による行動や感情の変化(活動低下、無気力、抑うつ)を観察 社会的活動やコミュニティへの参加状況を確認し、参加の障害となっている要因を把握 孤立による身体的・心理的な影響(食欲不振、睡眠障害、疲労感など)を観察 交流を持とうとする意欲や、社会的つながりへの期待感を確認 家族や友人が提供している支援の質や量を確認し、サポートが十分かどうか評価 精神的な健康状態を観察し、孤立が精神的な負担となっていないか確認 コミュニケーションの障害や交流に対する不安感の有無を確認 |
援助計画 (T-P) | 家族や友人との面会や電話などのコミュニケーションを促進し、孤立感を軽減 社会活動や地域のコミュニティに参加する機会を提案し、孤立を予防 オンラインツールを活用して、遠隔でも家族や友人とつながれるように支援 社会的つながりを持てる趣味や活動を提案し、孤立感を軽減するための環境を整備 他者とのコミュニケーションが円滑に行えるように、コミュニケーションスキルの向上をサポート 孤立感が強い場合は、ソーシャルワーカーやカウンセラーと連携して心理的なサポートを提供 社会的なつながりを持ちやすくするため、リラクゼーション法やストレス管理技法を活用 家族や友人との関係を強化するため、家族支援プログラムを提案し、家族との交流を増やす 日常的に少しずつ他者と交流する場を設け、徐々に社会的なつながりを増やしていく 孤立の原因となる環境的・心理的要因を把握し、それに応じた対策を計画・実施 |
教育計画 (E-P) | 社会的孤立が健康や精神的安定に与える影響について説明し、社会的つながりの重要性を理解させる 家族や友人との定期的な交流の方法を指導し、孤立感を軽減するための計画を立てる オンラインコミュニケーションの使用方法を指導し、遠隔でのつながりを維持する手段を提供 社会活動や趣味のグループに参加することで得られるメリット(気分転換、ストレス軽減など)を説明 孤立感を感じた際の対処法(リラクゼーション、瞑想、深呼吸など)を指導し、精神的なサポートを提供 家族や友人に対して、孤立を防ぐための適切なコミュニケーション方法や頻度を指導 社会的つながりを築くためのセルフケアや活動プランの作成方法を教え、実践を促す 孤立感が強い場合は、早期にソーシャルワーカーやカウンセラーに相談する重要性を説明 少人数での交流や趣味を持つことの効果を説明し、孤立感を軽減する方法を提案 家族や友人にも孤立の影響を理解してもらい、協力して社会的つながりを維持するための支援を促す |
NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画記載例のまとめ
当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を多数まとめています。
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引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2020-2023.医学書院.