看護計画 NANDA-Iに基づく記載例 領域12

【NANDA-I看護診断】領域12「安楽」の看護計画の記載例まとめ【コピペ可】

【最新版:2024-2026】

この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を公開しています。

今回は領域12「安楽」です。

看護計画の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!

トコル
トコル

看護計画の作成ルールに関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】)を参考にしてください!

【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】

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新人看護師
新人看護師

他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!

*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*特に看護目標の部分はあえて抽象的な内容を含めています。参考の上、患者にあった具体的な目標に修正することをお勧めします。

【NANDA-I看護診断】領域12「安楽」の看護記録(SOAP)の記載例まとめ【コピペ可】

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NANDA-I領域12「安楽」の看護診断名一覧

NANDA-I領域12「安楽」は、類①〜③に分けられます。

それぞれの診断名一覧は以下の通りです。

類① 身体的安楽
・身体的安楽障害
・身体的安楽促進準備状態
・終末期安楽障害シンドローム
・急性疼痛
・慢性疼痛シンドローム
・慢性疼痛
・分娩陣痛

類② 環境的安楽
本類には現在該当する看護診断なし

類③ 社会的安楽
・社会的安楽促進準備状態
・社会的関係性不足
・社会的支援ネットワーク不足
・孤独感過剰
・孤独感過剰リスク状態

類④ 精神的安楽
・精神的安楽障害
・精神的安楽促進準備状態

類①-身体的安楽障害

コード:00380

定義
安らぎ、充足感、肉体のウェルビーイングの欠如を感じる状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
身体的安楽障害
長期目標身体的安楽を維持し、苦痛や不快感なく生活できる
短期目標身体的苦痛や不快感を軽減し、安楽な状態に回復する
観察計画
(O-P)
患者の身体的苦痛や不快感の程度を観察し、痛みや違和感のある部位を特定
バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、体温)を確認し、不快感や痛みに伴う身体の変化を評価
患者の皮膚状態(発赤、乾燥、発疹、褥瘡など)を確認し、圧迫や摩擦による不快感がないか評価
患者の姿勢や体位を観察し、圧迫や痛みを引き起こしていないか確認
不快感や痛みを引き起こす可能性がある要因(寝具、衣服、体位、環境)を観察
患者の食事摂取状況を観察し、消化不良や胃腸障害による不快感がないか確認
排泄状況(排尿、排便)を観察し、排泄に伴う不快感や苦痛がないか確認
患者が感じている痛みや不快感の主観的な評価を行い、痛みのスケールや視覚アナログスケール(VAS)を使用
環境要因(騒音、照明、室温)を観察し、安楽を妨げる要因がないか確認
患者の睡眠状況を観察し、不快感による睡眠障害がないか確認
援助計画
(T-P)
患者の姿勢を定期的に調整し、圧迫や摩擦による不快感を軽減
痛みがある場合は、鎮痛薬を医師の指示に基づいて投与し、疼痛管理を行う
患者がリラックスできる環境を整えるため、室温や照明、騒音を適切に調整
患者の皮膚の清潔を保ち、乾燥や発疹、圧迫による痛みや不快感を予防
体位変換を適切に行い、圧迫による苦痛や褥瘡を予防
患者の食事内容や食事形態を調整し、消化不良や胃腸障害による不快感を軽減
排泄介助を行い、排尿・排便に伴う不快感や苦痛を軽減
マッサージやリラクゼーション技法を使用して、筋肉の緊張をほぐし、安楽を促進
患者に適切な寝具や衣服を提供し、圧迫や摩擦が軽減されるよう調整
不快感や痛みを軽減するため、必要に応じて冷湿布や温罨法などの非薬物療法を使用
教育計画
(E-P)
痛みや不快感の原因と対処法について患者や家族に説明し、自己管理を促す
正しい体位変換の方法や、体圧分散を行うことの重要性を説明し、安楽な姿勢を保つ方法を指導
鎮痛薬やその他の治療方法について説明し、効果的な疼痛管理のための服薬指導を行う
適切な環境調整の方法(室温管理、照明調整、騒音軽減)を指導し、安楽な生活環境を整える
食事管理の重要性を説明し、消化不良や胃腸障害を予防するための食事内容や水分摂取を指導
排泄介助が必要な場合、排泄時の体位やケア方法を説明し、不快感を軽減する方法を指導
リラクゼーション法(深呼吸、瞑想など)を教え、患者が自分で安楽を得られる方法を指導
不快感が強い場合は、適切なタイミングで看護師や医師に報告するよう指導
皮膚のケア方法を説明し、乾燥や摩擦を予防するための適切なスキンケア方法を指導
患者と家族に安楽の重要性を理解してもらい、積極的にケアに参加できるよう促す

類①-身体的安楽促進準備状態

コード:00378

定義
安らぎ、充足感、肉体のウェルビーイングのパターンが強化可能な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 身体的安楽促進準備状態
長期目標身体的安楽を維持し、快適な状態で日常生活を送ることができる
短期目標身体的安楽を促進するための対策を取り、快適な状態を体験できる
観察計画
(O-P)
患者が快適さを感じる状況を観察し、身体的安楽を促進できる要因を把握
バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、体温)を確認し、身体的安楽を妨げる可能性のある身体的変化がないか評価
患者の皮膚状態(乾燥、発疹、圧迫による赤み)を観察し、身体的安楽を保つために必要なケアを確認
患者の体位や姿勢を確認し、安楽な姿勢であるかを評価
患者が不快感を訴える要因(痛み、違和感、疲労など)を観察
患者の食事摂取状況を確認し、消化不良や胃腸の不快感がないか観察
排泄状況(排尿、排便)を観察し、安楽を妨げる要因がないか確認
患者の睡眠パターンを観察し、安楽な睡眠環境が整っているか評価
環境要因(室温、湿度、照明、騒音)を確認し、安楽を促進できる環境が整っているか評価
患者が自身の安楽についてどのように感じているか、主観的な評価を確認
援助計画
(T-P)
患者が快適に過ごせる姿勢を定期的に調整し、身体的安楽を保つ
痛みがある場合は、適切な疼痛管理を行い、鎮痛薬の使用を検討
患者がリラックスできる環境を整えるため、室温、湿度、照明、騒音を調整
皮膚の清潔と保湿を保ち、皮膚トラブルが発生しないようにケアを実施
安楽な体位を保てるよう、適切な体位変換を行い、圧迫や摩擦を予防
消化を助け、胃腸の安楽を促進するために、適切な食事内容と水分補給を行う
排泄介助を行い、排泄に伴う不快感や苦痛を軽減する
睡眠を促進するため、静かな環境を提供し、適切な寝具を使用して安楽な睡眠をサポート
マッサージやリラクゼーション技法を使用し、身体の緊張を緩和し、安楽を促進
必要に応じて、温罨法や冷湿布などの非薬物的なケアを行い、身体の安楽をサポート
教育計画
(E-P)
身体的安楽を保つための方法(正しい体位、圧迫予防、適切な体位変換など)を患者や家族に説明し、日常的に実践できるように指導
鎮痛薬やその他の治療について説明し、適切なタイミングで薬を使用する重要性を指導
環境要因(室温、照明、音)を調整して快適な空間を作る方法を説明し、患者や家族が実践できるように支援
適切な食事内容や水分摂取が身体的安楽を促進することを説明し、消化不良や胃腸の不快感を予防する方法を指導
排泄時のケアや不快感を軽減する方法を説明し、患者が快適に排泄できるようにサポート
睡眠環境を整えるための方法(照明や音の調整、寝具の選び方)を指導し、安楽な睡眠を促す
リラクゼーション法(深呼吸、瞑想など)を教え、患者が自分で身体的安楽を得られるようにする
患者に皮膚のケア方法を教え、皮膚のトラブルを予防するためのスキンケア方法を指導
安楽を保つために、痛みや不快感がある場合は、適切なタイミングで看護師に報告するよう指導
患者と家族に身体的安楽の重要性を理解してもらい、安楽を促進するためのケアに積極的に参加してもらう

類①-終末期安楽障害シンドローム

コード:00342

定義
死のプロセスが差し迫っていることで、身体面、心理面、社会面、スピリチュアル面の症状が進行している状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 終末期安楽障害シンドローム
長期目標終末期において、身体的苦痛や心理的苦悩が最小限となり、本人の尊厳を保ちながら安楽に過ごすことができる
短期目標1日1回以上、「苦痛が軽減した」「落ち着いて過ごせた」などの主観的安楽が得られる時間がある
観察計画
(O-P)
身体的苦痛の有無と程度(NRS、VASなどで評価)
呼吸困難、倦怠感、悪心、便秘、不眠などの症状の有無と変化
不安、抑うつ、怒り、死への恐怖などの精神的反応
表情、しぐさ、言動からの苦痛のサイン
宗教的・スピリチュアルな訴えや不安の有無
家族との関係性と終末期への理解
本人の意思表示の有無(事前指示、ACP など)
看取りに対する希望や価値観(場所、誰といたいかなど)
生活リズム(睡眠・食事・活動)の変化
医師・多職種との連携状況とケアの一貫性
援助計画
(T-P)
疼痛コントロール(医師の指示による鎮痛薬使用)
不快症状の緩和ケア(口腔ケア、体位調整、清拭、吸引など)
安楽な体位保持の援助(褥瘡予防含む)
呼吸困難時の酸素療法、冷風、リラクゼーションの実施
疲労・不安軽減のための環境調整(照明、音、香りなど)
意思表示が困難な場合の非言語的サインへの対応
家族との時間確保・面会調整の支援
必要に応じた臨床心理士、チャプレン等のスピリチュアルケアの導入
看護師による静かな関わり、触れ合い、傾聴の実施
モルヒネなど緩和ケア薬剤の適切な使用と副作用の観察
教育計画
(E-P)
終末期の身体的・精神的変化とそれへの対応を説明
苦痛の訴えは遠慮せず伝えてよいことを本人と家族に説明
緩和ケアの目的(延命ではなく安楽の提供)をわかりやすく説明
医療処置の選択肢や制限について家族と共有し、本人の意思を尊重することの重要性を説明
死の迎え方に「正解」はなく、本人らしさを大切にする姿勢を説明
看取り時の対応(症状変化、呼吸の変化など)を家族に事前に説明
家族自身の疲労・不安・悲しみにも配慮し、相談先を紹介
希望があれば宗教的儀式・風習の支援を説明
医療者との信頼関係の大切さと情報共有の手段を説明
死後のケア(エンゼルケア、グリーフケア)についても必要に応じて説明

類①-急性疼痛

コード:00132

定義
実際のまたは潜在的な組織損傷、それに類似する状態に関連した、続いても3ヶ月未満の、不快な感覚と情動的な体験

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 急性疼痛
長期目標疼痛が軽減され、快適に日常生活を送ることができる
短期目標疼痛の強度が早期に軽減し、リラックスできる状態を維持できる
観察計画
(O-P)
疼痛の部位、強度、持続時間、性質(鋭い、鈍い、刺すような痛みなど)を観察し、痛みの特徴を把握
患者の表情や行動(顔をしかめる、体をこわばらせるなど)から、疼痛のサインを観察
バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、疼痛による身体的変化を確認
疼痛が悪化する要因(体動、姿勢、特定の動作など)を特定し、回避できるようにする
疼痛に関連する他の症状(発熱、発赤、腫れなど)を観察し、炎症や感染の有無を確認
患者の疼痛スケール(NRS: Numerical Rating Scale、VAS: Visual Analog Scaleなど)を使用し、主観的な痛みの程度を定量化
疼痛の緩和後の患者の反応を観察し、疼痛管理の効果を評価
患者の安静時と活動時の疼痛を比較し、活動が痛みに与える影響を評価
患者の睡眠状況を観察し、疼痛が睡眠に影響を与えていないか確認
患者の精神的ストレスや不安が疼痛を増強していないか観察
援助計画
(T-P)
医師の指示に基づき、適切な鎮痛薬(NSAIDs、アセトアミノフェン、オピオイドなど)を投与し、疼痛を軽減
痛みがある部位を保護するため、患部の安静を保ち、必要に応じて固定具を使用
温罨法や冷罨法を使用し、炎症や筋緊張による疼痛を緩和
疼痛が軽減する姿勢や体位を調整し、体動による痛みを最小限に抑える
リラクゼーション法(深呼吸、瞑想、音楽療法など)を指導し、疼痛による精神的緊張を緩和
患者に適切な活動制限を指導し、過度な体動や負担を回避
痛みが強い時には、安静を保ち、患者の快適さを維持するために支援
必要に応じて、局所麻酔や神経ブロックなど、侵襲的な疼痛管理法を医師と連携して実施
患者が痛みをうまくコントロールできるよう、疼痛の兆候が現れた際の早期対処法を指導
疼痛のトリガーとなる要因(ストレス、特定の動作、食事内容など)を特定し、それらを避ける方法を患者と共に考える
教育計画
(E-P)
患者や家族に疼痛の原因やメカニズムについて説明し、適切な対処法を理解させる
鎮痛薬の使用方法、効果、注意点について説明し、適切なタイミングでの服用を促す
温罨法や冷罨法の適切な使用方法を説明し、自宅でも疼痛管理ができるよう指導
疼痛を軽減するための姿勢や体位について説明し、日常生活で痛みを軽減する工夫を指導
疼痛を引き起こす可能性のある動作や活動を避けるための方法を説明し、無理をしないよう助言
疼痛が心理的なストレスや不安に関連する場合、リラクゼーション法やストレス管理の方法を指導
疼痛管理のために定期的に疼痛スケールを使い、痛みを自己評価し、適切な対処を行う方法を教える
痛みが強くなる場合や、鎮痛薬が効果を示さない場合には、すぐに医療機関に連絡する必要性を説明
疼痛が生活の質に与える影響について話し合い、適切な活動や休息を取り入れた生活の工夫を指導
患者や家族に疼痛の予防策や日常的な疼痛管理の方法を説明し、家庭でのセルフケアを支援

類①-慢性疼痛シンドローム

コード:00255

定義
反復性または持続性の疼痛が3ヶ月以上続き、日常の機能やウェルビーイングに深刻な影響を及ぼしている状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 慢性疼痛シンドローム
長期目標慢性疼痛が管理され、生活の質が向上し、日常生活を快適に送ることができる
短期目標疼痛の強度を軽減し、生活への影響を最小限に抑える
観察計画
(O-P)
慢性疼痛の部位、強度、持続時間、性質(鈍痛、焼けるような痛み、刺すような痛みなど)を観察し、疼痛のパターンを把握
疼痛の主観的な評価を定期的に行い、NRS(Numerical Rating Scale)やVAS(Visual Analog Scale)を使用して痛みのレベルを測定
患者のバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、疼痛による身体的変化を評価
疼痛が悪化する要因(ストレス、疲労、気候変動など)を観察し、患者の日常生活への影響を評価
疼痛に関連する他の症状(不眠、抑うつ、疲労、筋緊張など)を観察し、全体的な健康状態を評価
睡眠パターンを観察し、疼痛による睡眠障害や睡眠の質への影響を確認
薬物治療の効果や副作用(鎮痛薬、抗うつ薬、抗けいれん薬など)を観察し、患者の疼痛管理の状態を評価
疼痛による日常活動(歩行、家事、仕事、趣味など)への影響を観察し、活動範囲を評価
患者の精神的なストレスや不安が疼痛を増強していないか確認し、心理的状態を評価
社会的孤立感や家族との関係が疼痛に影響を与えていないか観察
援助計画
(T-P)
医師の指示に基づき、疼痛管理に有効な薬剤(鎮痛薬、抗うつ薬、抗けいれん薬など)を適切に投与し、疼痛を軽減
温罨法や冷罨法、物理療法(電気刺激、温熱療法、マッサージなど)を使用し、疼痛を緩和
日常生活における無理のない運動やストレッチを指導し、疼痛を軽減しつつ筋力や柔軟性を維持
リラクゼーション法(深呼吸、瞑想、筋弛緩法など)を指導し、疼痛に伴う精神的な緊張やストレスを緩和
日常生活で疼痛を最小限にするための活動制限や生活の工夫を提案し、無理のない活動を促進
患者の睡眠環境を整え、疼痛による睡眠障害を軽減するため、静かで快適な環境を提供
必要に応じて、疼痛専門医や理学療法士と連携し、包括的な疼痛管理計画を立てる
患者が疼痛と共に生活できるよう、精神的・社会的サポートを提供し、孤立感や抑うつ感を軽減
活動後の疼痛増加を防ぐため、適度な休息と運動をバランスよく取り入れた生活パターンを推奨
長期間の疼痛が心理的に影響を与える可能性があるため、必要に応じて心理カウンセリングを行い、精神的なサポートを提供
教育計画
(E-P)
慢性疼痛シンドロームの原因やメカニズムについて患者と家族に説明し、適切な対処方法を理解させる
鎮痛薬や他の治療法(抗うつ薬、抗けいれん薬など)の使用方法、効果、注意点を説明し、薬物療法の継続を促す
リラクゼーション法やセルフケア技法(深呼吸、筋弛緩法、ストレッチなど)を指導し、患者自身で疼痛を軽減する方法を学ぶ
疼痛が日常生活に及ぼす影響を最小限にするため、姿勢や体位、動作の改善方法を指導
患者の活動制限や運動制限に応じた適切な運動方法を指導し、筋力低下を防ぐためのエクササイズを提案
疼痛が心理的に与える影響について説明し、ストレス管理や心理カウンセリングの重要性を強調
家族にも疼痛管理の重要性を説明し、家族がサポートできる方法を指導し、協力体制を強化
患者が日常生活で疼痛をコントロールするためのスケジュールを作成し、無理のない活動計画を立てる
睡眠障害が疼痛を悪化させる可能性があるため、良質な睡眠を確保する方法(睡眠習慣の見直し、環境整備)を指導
患者が疼痛を積極的に管理し、自主的にケアを行うための方法を教え、自己効力感を高めるサポートを行う

類①-慢性疼痛

コード:00133

定義
実際のまたは潜在的な組織損傷、それに類似する状態に関連した、続いても3ヶ月以上続く、不快な感覚と情動的な体験

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 慢性疼痛
長期目標慢性疼痛が軽減され、日常生活を快適に送ることができる
短期目標疼痛をコントロールし、生活の質が向上できる
観察計画
(O-P)
疼痛の部位、強度、持続時間、性質(鈍痛、刺すような痛みなど)を観察し、痛みのパターンを把握
患者の疼痛スケール(NRS、VASなど)を使用し、主観的な痛みの程度を定量化
患者のバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を観察し、疼痛による身体的変化を確認
疼痛に関連する他の症状(筋緊張、しびれ、不眠など)を観察し、身体の不快感を把握
患者の睡眠状況を観察し、疼痛が睡眠にどのような影響を与えているか確認
疼痛による日常生活や活動への影響(歩行、家事、仕事など)を観察し、生活機能への影響を評価
疼痛の悪化要因(特定の動作、気候、ストレスなど)を観察し、疼痛管理の指針とする
疼痛管理に使用されている薬物(鎮痛薬、抗うつ薬、抗けいれん薬など)の効果と副作用を観察
精神的ストレスや不安が疼痛に与える影響を観察し、心理的要因の評価を行う
患者が疼痛についてどのように感じているか、自己評価を定期的に確認し、痛みの変化を把握
援助計画
(T-P)
医師の指示に従い、疼痛管理に有効な薬剤(鎮痛薬、抗うつ薬、抗けいれん薬など)を適切に投与
疼痛の緩和に役立つ姿勢や体位を調整し、疼痛が軽減される環境を提供
温罨法や冷罨法、物理療法(マッサージ、温熱療法、電気刺激療法など)を使用し、疼痛を緩和
リラクゼーション法(深呼吸、瞑想、筋弛緩法など)を指導し、疼痛に伴う精神的緊張を緩和
日常生活や活動の中で無理のない範囲での運動やストレッチを指導し、筋肉の柔軟性と活動性を保つ
疼痛が睡眠に影響を与える場合、睡眠環境を整え、睡眠の質を向上させるサポートを行う
精神的なサポートを提供し、疼痛によるストレスや不安を軽減するための心理ケアを実施
疼痛管理のために患者に適した活動レベルを設定し、無理のない生活パターンを確立する
必要に応じて疼痛専門医や理学療法士と連携し、包括的な疼痛管理プランを作成
定期的に患者と疼痛の状態を話し合い、疼痛管理の効果を評価し、必要に応じて計画を調整
教育計画
(E-P)
慢性疼痛の原因やメカニズムについて患者や家族に説明し、痛みの理解を促す
鎮痛薬やその他の治療法の使用方法、効果、注意点を説明し、薬物療法の継続的な実施を指導
疼痛を和らげるためのリラクゼーション法やセルフケア方法(深呼吸、筋弛緩法、ストレッチなど)を指導
日常生活における疼痛の予防と軽減のための姿勢や体位、活動の仕方について説明
疼痛管理に役立つ運動や軽いエクササイズの方法を指導し、無理のない範囲で活動するよう促す
患者が感じている疼痛のレベルや、疼痛管理の効果を自己評価できるよう疼痛スケールの使用を指導
精神的ストレスや不安が疼痛に影響を与える可能性があることを説明し、ストレス管理の重要性を強調
睡眠障害が疼痛に影響する可能性があるため、睡眠環境の整備や睡眠の質を高める方法を指導
家族にも疼痛管理の方法やサポートの仕方を教え、協力体制を構築して慢性疼痛の管理を支援
患者が疼痛に対して受け身にならず、積極的に疼痛管理に取り組むように励まし、自主的なケアを支援

類①-分娩陣痛

コード:00256

定義
分娩と出産に関連し、快から不快まで変化する、感覚と情動的な体験

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 分娩陣痛
長期目標分娩陣痛を適切に管理し、母子共に安全な分娩ができる
短期目標陣痛の強度を軽減し、分娩中に安楽を得られるよう方法を確立する
観察計画
(O-P)
陣痛の頻度、持続時間、強度を観察し、分娩の進行状況を把握
陣痛が始まった時間や間隔を記録し、分娩の段階を評価
バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を定期的に確認し、母体の状態を観察
胎児心拍数をモニタリングし、胎児の状態を把握
母親の表情や行動(呼吸の乱れ、痛みに伴う緊張など)を観察し、疼痛レベルを評価
分娩に伴う他の身体的症状(出血、破水など)を観察し、適切な対応ができるようにする
母親が感じている痛みの主観的な強さを評価し、疼痛スケールを使用して記録
母親の姿勢や体位が陣痛にどのように影響を与えているか観察し、安楽な姿勢を調整
母親の呼吸状態を観察し、過換気症候群などの兆候がないか確認
精神的な不安や緊張のレベルを観察し、心理的サポートの必要性を評価
援助計画
(T-P)
陣痛を和らげるため、呼吸法(ラマーズ法など)を指導し、母親がリラックスできるようサポート
分娩中の姿勢を調整し、痛みが軽減される体位(側臥位、座位など)を維持
温罨法やマッサージを用いて、筋肉の緊張を緩和し、疼痛を軽減
必要に応じて、医師と連携し、鎮痛薬や麻酔(硬膜外麻酔など)の使用を検討
陣痛が進行している場合、母親に安楽な体位を取りながら、適度な運動を促し、分娩の進行をサポート
母親の水分補給を促進し、脱水を予防するために、適切な水分補給や軽食を提供
母親に安心感を与えるため、出産の進行状況や次に起こることについて説明を行う
精神的な緊張や不安を和らげるために、リラクゼーション法や音楽療法などの非薬物療法を導入
分娩の進行状況に応じて、母親と家族に現在の状態を説明し、適切なケアを行うよう準備
母親の呼吸が乱れたり、過換気症候群の兆候がある場合は、呼吸を整えるために深呼吸や呼吸法を再指導
教育計画
(E-P)
分娩の進行に伴う陣痛のメカニズムを母親に説明し、陣痛が正常な過程であることを理解させる
呼吸法やリラクゼーション法(ラマーズ法、筋弛緩法など)を指導し、陣痛の管理方法を教える
陣痛の合間に安楽を得るための適切な姿勢や体位について指導し、実際に試してもらう
鎮痛薬や麻酔の使用について説明し、母親が安心して選択できるように情報提供
家族にも出産の進行状況を説明し、適切なサポートができるように協力を促す
出産に対する不安や恐怖を軽減するために、分娩プロセスの各段階を事前に説明し、心の準備を促す
母親に水分補給や軽食の重要性を説明し、適切な栄養と水分を摂取できるように促す
分娩中に使用できる疼痛緩和法(マッサージ、温罨法、音楽療法など)の実践方法を教え、自己管理できるように指導
陣痛が進行している間の休息やエネルギーの使い方について指導し、分娩に向けて体力を維持する方法を教える
母親や家族に分娩の進行や出産時の予期される変化を説明し、安心感を与える

類②-本類には現在該当する看護診断なし

類③-社会的安楽促進準備状態

コード:00376

定義
安らぎ、充足感、人間関係のウェルビーイングのパターンが強化可能な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 社会的安楽促進準備状態
長期目標社会的なつながりを強化し、社会的安楽を維持できる
短期目標社会的な交流やサポートを受けられる環境を整え、社会的安楽を促進できる
観察計画
(O-P)
患者が感じている社会的サポートのニーズや期待を観察し、社会的安楽の促進に必要な要因を把握
患者の社会的つながり(家族、友人、職場、地域社会)について確認し、交流状況を評価
患者が交流を希望している相手や活動の種類を観察し、適切な社会的サポートを提供できるか確認
患者の社会的安楽のレベルを確認し、主観的な満足感や安楽度を評価
患者の言動から、社会的なつながりへの意欲や意識を観察し、社会的安楽への準備状態を確認
患者が感じている孤立感や不安感を観察し、社会的サポートの必要性を評価
患者の家族や友人が、どの程度の頻度で支援を提供しているかを観察し、患者の希望に沿った支援が行われているか確認
患者が参加している社会的活動やコミュニティ(趣味、ボランティア、オンライン交流など)の有無を観察
患者のコミュニケーション能力を評価し、社会的安楽を促進するための改善点がないか確認
患者が他者との交流を通じて、精神的安定や安心感を得られているかどうかを確認
援助計画
(T-P)
患者が希望する社会的サポートを把握し、家族や友人との交流を促進する機会を提供
患者が孤立しないように、家族や友人、ソーシャルワーカーと連携し、定期的な面会やコミュニケーションの場を整える
オンラインツールを利用し、遠隔でも社会的なつながりを維持できる環境を整備
患者が安心して参加できるグループ活動や趣味の集まりを提案し、社会的安楽を促進
患者が社会的サポートを受けやすい環境を整え、適切な支援を提供するための調整を行う
必要に応じて、ソーシャルワーカーやカウンセラーを紹介し、心理的サポートと社会的支援を強化
患者の希望に沿った社会的活動や関わりを提案し、無理なく社会的安楽を得られるように支援
家族や友人とのコミュニケーションの機会を増やすため、訪問スケジュールを調整
他者との関係性が向上するよう、リラクゼーション法やストレス管理法を活用して交流の質を高める
患者が感じる社会的な孤立感や不安感を軽減するため、定期的なフィードバックを行い、環境を改善
教育計画
(E-P)
社会的安楽が心身の健康に与える影響について患者や家族に説明し、社会的なつながりの重要性を理解させる
家族や友人とのコミュニケーションの方法や頻度を調整し、定期的な交流の計画を立てる方法を教える
オンラインコミュニケーションツールの使用方法を指導し、社会的なつながりを維持する手段を提供
社会的活動への参加が心理的・身体的安楽に与える影響を説明し、積極的な参加を促す
ストレスや不安を感じた際の対処法(深呼吸、瞑想、リラクゼーション法)を指導し、社会的安楽の維持を支援
患者にとって最適な社会的支援体制の構築方法を教え、家族や支援者と連携して環境を整える
患者が孤立感を感じた際には、早めに相談できるように、ソーシャルワーカーや看護師の連絡手段を指導
患者が無理なく他者との交流を行えるように、段階的に社会的活動に参加する方法を教える
家族にも患者の社会的安楽の重要性を理解してもらい、定期的なサポートや訪問を促す
患者が自ら社会的安楽を得られるよう、積極的にコミュニケーションを取る姿勢を支援し、環境を整える

類③-社会的関係性不足

コード:00383

定義
与えられた状況の中で、自分の居場所がなく、大切にされていない、力を与えられていないと感じる状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 社会的関係性不足
長期目標社会的つながりを持ち、孤立せずに安心して日常生活を送れる
短期目標社会的サポートを得て、孤立を軽減し、交流の機会を増やす
観察計画
(O-P)
社会的孤立の原因(家族との関係、社会的サポートの欠如など)を確認
孤立感の程度や、その影響による心理的ストレスや不安のレベルを観察
家族や友人、地域社会との関係性や交流の頻度を確認
孤立による行動や感情の変化(活動低下、無気力、抑うつ)を観察
社会的活動やコミュニティへの参加状況を確認し、参加の障害となっている要因を把握
孤立による身体的・心理的な影響(食欲不振、睡眠障害、疲労感など)を観察
交流を持とうとする意欲や、社会的つながりへの期待感を確認
家族や友人が提供している支援の質や量を確認し、サポートが十分かどうか評価
精神的な健康状態を観察し、孤立が精神的な負担となっていないか確認
コミュニケーションの障害や交流に対する不安感の有無を確認
援助計画
(T-P)
家族や友人との面会や電話などのコミュニケーションを促進し、孤立感を軽減
社会活動や地域のコミュニティに参加する機会を提案し、孤立を予防
オンラインツールを活用して、遠隔でも家族や友人とつながれるように支援
社会的つながりを持てる趣味や活動を提案し、孤立感を軽減するための環境を整備
他者とのコミュニケーションが円滑に行えるように、コミュニケーションスキルの向上をサポート
孤立感が強い場合は、ソーシャルワーカーやカウンセラーと連携して心理的なサポートを提供
社会的なつながりを持ちやすくするため、リラクゼーション法やストレス管理技法を活用
家族や友人との関係を強化するため、家族支援プログラムを提案し、家族との交流を増やす
日常的に少しずつ他者と交流する場を設け、徐々に社会的なつながりを増やしていく
孤立の原因となる環境的・心理的要因を把握し、それに応じた対策を計画・実施
教育計画
(E-P)
社会的孤立が健康や精神的安定に与える影響について説明し、社会的つながりの重要性を理解させる
家族や友人との定期的な交流の方法を指導し、孤立感を軽減するための計画を立てる
オンラインコミュニケーションの使用方法を指導し、遠隔でのつながりを維持する手段を提供
社会活動や趣味のグループに参加することで得られるメリット(気分転換、ストレス軽減など)を説明
孤立感を感じた際の対処法(リラクゼーション、瞑想、深呼吸など)を指導し、精神的なサポートを提供
家族や友人に対して、孤立を防ぐための適切なコミュニケーション方法や頻度を指導
社会的つながりを築くためのセルフケアや活動プランの作成方法を教え、実践を促す
孤立感が強い場合は、早期にソーシャルワーカーやカウンセラーに相談する重要性を説明
少人数での交流や趣味を持つことの効果を説明し、孤立感を軽減する方法を提案
家族や友人にも孤立の影響を理解してもらい、協力して社会的つながりを維持するための支援を促す

類③-社会的支援ネットワーク不足

コード:00358

定義
対人および組織間の交流が、健康上のニーズを満たすには不十分だと感じられる状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 社会的支援ネットワーク不足
長期目標必要な社会的支援を適切に活用し、安心して療養生活を送ることができる
短期目標1週間以内に、社会資源や相談先を1つ以上理解し、必要時に支援を求めようとする意思を示すことができる
観察計画
(O-P)
家族・友人・近隣住民との交流状況
日常生活での支援の有無(買い物、通院、食事、服薬管理など)
本人の孤独感や不安の訴えの有無
地域とのつながり(自治会、サロン、ボランティアなど)の有無
社会資源(介護保険、福祉サービス、相談窓口など)に対する理解
精神的支援を受けられる相手(話し相手、信頼できる人)の有無
本人の性格傾向(引きこもり傾向、対人不安など)
経済状況や生活保護など制度利用の有無
通院状況・医療機関との関係性
地域包括支援センターやケアマネジャーとのつながりの有無
援助計画
(T-P)
本人の希望に応じた支援者の選定や紹介を支援(ケアマネ、民生委員など)
地域の支援制度・サービス(訪問介護、配食、移送サービス等)の案内
不安や孤独感の軽減のため、定期的な声かけや関わりを継続
医療・介護スタッフ間での支援状況の情報共有を実施
必要時、地域包括支援センターや福祉機関と連携
支援者が不在の場合は代替支援体制の構築を図る
本人の生活力(服薬、栄養、清潔など)のアセスメントと補助
電話・訪問・通所など多様な接点を用いて接触を図る
本人の生活に合ったペースで支援導入を進める
本人の強みやできていることを認めて自立を促進
教育計画
(E-P)
「支援を受けることは悪いことではない」という認識を伝える
利用可能な地域資源(相談窓口、サービス内容)について説明
家族・友人などへの連絡や相談の仕方を具体的に指導
一人で抱え込まずに頼ることの大切さを説明
体調悪化時や困ったときの連絡先リストを作成・提供
社会的孤立が健康に及ぼす影響(フレイル、うつ、認知症など)を説明
医療・福祉機関の役割や支援内容をわかりやすく説明
支援サービス利用時の流れや費用について説明
日常生活を安全に送るために「助けを求める力」が必要であることを伝える
本人の希望に沿った支援のあり方を尊重する姿勢を共有

類③-孤独感過剰

コード:00475

定義
交友関係の欠如や他者から離れていることで、どうしようもなく悲しい気持ち、落胆、不快感のある状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 孤独感過剰
長期目標他者とのつながりを感じながら生活でき、孤独感による精神的苦痛が軽減される
短期目標1日1回、自分の気持ちを言葉や行動で表現することができる
観察計画
(O-P)
発言や表情からみられる孤独感や寂しさの訴え
一人で過ごす時間の長さや行動パターン
家族・友人・知人との交流頻度
現在の生活環境(居住形態、地域とのつながり)
生活歴や人間関係の変化(配偶者の死別、離職など)
感情の変動(抑うつ、不安、無気力など)
睡眠、食欲、日常生活への影響の有無
支援者(医療者、地域、ボランティアなど)との関係性
以前に楽しんでいた趣味や活動の有無と現状
孤独をどう感じているかに関する主観的訴え(「誰もいない」「理解されない」など)
援助計画
(T-P)
孤独感を否定せず、傾聴的態度で関わる
一日の生活リズムを整えるよう援助(睡眠、食事、活動など)
本人の関心や趣味を活かせる活動の導入を支援
小さな交流(看護師との会話、電話、手紙など)を日課に取り入れる
地域や病棟での交流の場(レクリエーション、談話室利用など)へ参加を促す
ペット、植物、音楽などの癒しを取り入れる提案
必要時、臨床心理士やカウンセラーとの連携を図る
家族との連絡手段(電話、訪問など)の確保・調整
本人の気持ちや考えを書き出す活動(記録、絵日記など)の支援
孤独感が強い時間帯(夕方〜夜間)の見守りを強化
教育計画
(E-P)
孤独感は誰にでも起こりうる自然な感情であることを説明
感情を表現することは心の健康に良い影響があると伝える
つながりを感じる手段(電話、手紙、SNS、地域活動など)を紹介
「話すこと」の効果と、話せる相手の存在の大切さを説明
自分の気持ちを言葉にする方法を具体的に提案(例:日記、絵、簡単な会話)
外出や交流のきっかけがなくなっていることが孤独感に影響することを説明
趣味や活動を通じた間接的な交流(園芸、音楽、創作など)の効果を説明
地域資源(交流サロン、福祉センターなど)の活用法を案内
家族にも本人との関わりの大切さを伝え、連絡を勧める
心がつらくなったときの相談窓口(医療者、支援機関など)を紹介

類③-孤独感過剰リスク状態

コード:00335

定義
交友関係の欠如や他者から離れていることで、どうしようもなく悲しい気持ち、落胆、不快感の起きやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 孤独感過剰リスク状態
長期目標孤独感を感じず、社会的つながりを持ちながら安心して生活できる
短期目標社会的サポートや交流を通じて、孤独感を予防し、安心感を得られる
観察計画
(O-P)
孤独感を感じる可能性がある要因(家族との距離、社会的支援の欠如など)を確認
交流頻度や社会的サポートの有無を確認し、孤独感のリスクを評価
表情や行動から、孤独感や社会的な孤立の兆候を観察
家族や友人との関係性や交流状況を確認し、社会的なつながりが十分かどうか評価
精神的ストレスや不安の程度を観察し、孤独感のリスクを高める要因がないか確認
過去の孤独感や社会的孤立の経験を確認し、再発のリスクを評価
社会活動や趣味、興味のあることへの参加意欲や頻度を観察
患者のコミュニケーションスキルや意欲を評価し、交流の障害となっている要因を確認
家族や友人が適切なサポートを提供しているか、支援体制を評価
孤独感による身体的・心理的影響(睡眠障害、食欲不振など)を観察
援助計画
(T-P)
家族や友人との定期的な面会や交流の機会を増やし、孤独感を予防
オンラインツールや電話を活用し、遠隔でも社会的なつながりを保つための手段を提供
孤独感のリスクを軽減するため、社会活動や趣味のグループに参加する機会を提案
コミュニケーションに不安がある場合、段階的に他者との交流を増やすための支援を行う
必要に応じて、ソーシャルワーカーやカウンセラーと連携し、精神的なサポートを提供
社会的つながりを強化するため、グループ活動やボランティアの参加を促進
リラクゼーション法やストレス管理の技法を活用し、孤独感による不安やストレスを軽減
家族や友人とのコミュニケーションを円滑にするため、サポートの方法を提案
他者との交流が円滑に行えるように、リハビリやコミュニケーションスキル向上のサポートを提供
患者が孤立しないように、訪問スケジュールや社会活動の機会を調整
教育計画
(E-P)
孤独感のリスクと社会的つながりの重要性を説明し、社会的サポートの活用を促す
家族や友人と定期的に交流を持つことの重要性を説明し、孤立を防ぐための具体的な方法を指導
オンラインツールの使用方法や、遠隔でのコミュニケーション手段を指導
趣味や興味のあることに積極的に取り組むよう促し、社会的つながりを強化する方法を提案
孤独感を感じた場合の対処法(リラクゼーション法、深呼吸、瞑想など)を指導
家族に対して、患者へのサポートの重要性を説明し、適切な関わり方を指導
孤独感や不安感が高まった場合、早期に看護師やカウンセラーに相談するように指導
少人数のグループや個別の活動から始めて、徐々に社会的なつながりを広げる方法を提案
家族や友人との交流が生活の質にどのように影響するかを説明し、積極的なサポートを促す
自分自身で孤独感を予防するためのセルフケア方法を教え、社会的な安楽を得られるように支援

類④-精神的安楽障害

コード:00379

定義
安らぎ、充足感、心のウェルビーイングの欠如を感じる状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 精神的安楽障害
長期目標自己の感情を受け入れ、落ち着いて日常生活を送ることができる
短期目標1日1回、自分の感情を言葉や行動で表現することができる
観察計画
(O-P)
表情、態度、会話の内容から見られる感情状態(不安、悲しみ、怒りなど)
睡眠や食欲の状態
日内の気分変動の有無とその要因
不安や恐怖の訴えとその程度
孤独感や疎外感の有無
家族や他者との関係性と支援状況
信頼できる人の有無(話し相手、相談先)
活動意欲・意志の有無
自責や絶望的な発言の有無
医療・福祉スタッフへの信頼感
援助計画
(T-P)
傾聴的態度で話を受け止め、感情の表出を支援
精神的負担を軽減するために、安心できる環境を整える
毎日同じスタッフが関わるなど、信頼関係を築く関わりを継続
適度な活動(散歩、音楽、軽運動など)を提案し、実施を支援
疲労・不快・不眠があれば緩和ケアを行う
気分が落ち込む時間帯に合わせた声かけや付き添いを行う
心理職(カウンセラー・臨床心理士)との連携を図る
必要に応じて医師の指示による薬剤管理を実施
リラクゼーション(深呼吸、アロマなど)を取り入れ、安楽を促す
家族と連絡・面会を調整し、精神的支えを強化する
教育計画
(E-P)
感情の波は自然なものであり、自分を責める必要はないことを説明
気分が沈んだときは、誰かに話す・書き出すことが助けになると伝える
「できること」に注目し、自己評価を高める工夫を説明
自分のペースを大切にしてよいことを伝える
不眠や疲労が精神状態に影響を与えることを説明し、休養の大切さを伝える
リラクゼーションの具体的な方法(音楽、呼吸法、温罨法など)を指導
感情を否定せず受け入れる姿勢が精神的安定につながることを説明
医療者との関係は「安心して弱音を吐ける関係」であることを伝える
相談できる支援機関やカウンセリングの活用を勧める
精神的に苦しいときは、早めに助けを求めることの大切さを説明

類④-精神的安楽促進準備状態

コード:00377

定義
安らぎ、充足感、心のウェルビーイングのパターンが強化可能な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 精神的安楽促進準備状態
長期目標自分に合ったストレス対処法や感情調整の方法を実践し、安定した精神状態を維持できる
短期目標1日1回、自身の気持ちに目を向け、それを落ち着いて表現または対処しようとする行動をとることができる
観察計画
(O-P)
気分や感情の波の有無(不安・緊張・悲しみなど)
本人の訴えるストレスや気がかりなことの内容
睡眠・食欲・活動量など生活リズムの変化
リラクゼーションや安楽を得るための行動(趣味、深呼吸など)の有無
他者との関係性(話す相手、信頼関係など)
現在使用しているストレス対処法(例:日記、散歩など)
自己評価や自己肯定感の程度
感情表現の傾向(抑圧・怒り・落ち込みなど)
ストレス要因の把握と対応状況
カウンセリングや支援制度に対する関心や利用意向
援助計画
(T-P)
本人の気持ちや悩みを傾聴し、共感的な関わりを継続
リラクゼーション法(深呼吸、音楽、温罨法など)の導入を援助
小さな成功体験や気持ちの変化を肯定的にフィードバック
本人のペースを尊重した気分転換の提案(趣味、散歩など)
一人になれる・落ち着ける空間の確保と環境調整
感情を書き出す日記やメモの習慣づけ支援
ストレス軽減のための生活リズム調整(睡眠・食事・活動)を支援
本人が大切にしている価値観や信条に基づいたケアの実施
支援が必要な場合に心理職との連携を調整
家族や信頼できる人との関係づくりを支援
教育計画
(E-P)
精神的安楽は「自分の感情に気づき、受け入れること」から始まることを説明
不安やストレスに対処する基本的な方法(深呼吸、休養、対話)を説明
ストレスと身体反応(頭痛、緊張、疲労など)の関係を説明
自分に合ったリラックス法を見つけることの重要性を説明
感情の言語化が心の整理につながることを説明
他者とのつながりや相談の大切さを説明(「一人で抱え込まない」)
感情を否定せず受け止める姿勢の意義を説明
日常的に取り入れやすい気分転換の方法を複数提案
精神的な支えになり得る地域資源(サロン、カウンセリング等)を紹介
支援を受けながら、自分のリズムで心の安定を目指せばよいことを伝える

NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画記載例のまとめ

当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を多数まとめています。

ぜひ、日々の業務のご活用ください!

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引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2024-2026.医学書院.

-看護計画, NANDA-Iに基づく記載例, 領域12