看護計画 NANDA-Iに基づく記載例 領域6

【NANDA-I看護診断】領域6「自己知覚」の看護計画の記載例まとめ【コピペ可】

【最新版:2024-2026】

この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を公開しています。

今回は領域6「自己知覚」です。

看護計画の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!

トコル
トコル

看護計画の作成ルールに関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】)を参考にしてください!

【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】

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新人看護師
新人看護師

他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!

*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*特に看護目標の部分はあえて抽象的な内容を含めています。参考の上、患者にあった具体的な目標に修正することをお勧めします。

【NANDA-I看護診断】領域6「自己知覚」の看護記録(SOAP)の記載例まとめ【コピペ可】

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NANDA-I領域6「自己知覚」の看護診断名一覧

NANDA-I領域6「自己知覚」は、類①〜③に分けられます。

それぞれの看護診断名一覧は以下の通りです。

類① 自己概念
・自己概念促進準備状態
・パーソナルアイデンティティ混乱
・家族アイデンティティ混乱シンドローム
・家族アイデンティティ混乱シンドロームリスク状態
・人間の尊厳毀損リスク状態
・トランスジェンダー社会的アイデンティティ促進準備状態

類② 自尊感情
・自尊感情慢性的低下
・自尊感情慢性的低下リスク状態
・自尊感情状況的低下
・自尊感情状況的低下リスク状態
・健康自己効力感不足

類③ ボディイメージ
・ボディイメージ混乱

類①-自己概念促進準備状態

コード:00167

定義
自分についての見方や考え方のパターンが強化可能な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 自己概念促進準備状態
長期目標自己理解を深め、安定した自己概念を持ちながら日常生活に積極的に取り組める
短期目標自己の価値観や強みを認識し、自信を持って自己表現ができる
観察計画
(O-P)
患者の自己評価や自己認識に関する発言や態度を確認
自己概念に対する意識や関心がどの程度あるかを観察
自己肯定感の変化や自己価値感に関する兆候を確認
生活の中で自分の役割や価値について考える頻度を観察
ストレスや不安が自己概念に与える影響を確認
他者との関係や社会的役割が自己認識に与える影響の確認
日常生活における意欲や行動の変化の観察
家族や友人とのコミュニケーションの質や頻度の把握
自己成長や目標達成に対する意欲の確認
サポートを必要とする領域(心理的支援、社会的支援)の特定
援助計画
(T-P)
患者が自己の価値や強みに気づけるよう、ポジティブなフィードバックを提供
自己理解を深めるため、患者が自由に感情や思いを表現できる場を提供
自己概念を促進するため、患者に自信を持たせるような小さな目標を設定し、達成感を共有
自己認識を整理するための日記やリフレクションを促す
患者の価値観や役割を尊重し、自己表現をサポートする
家族や友人とのコミュニケーションを促進し、社会的サポートを強化
必要に応じて、心理カウンセラーやソーシャルワーカーと連携し、専門的支援を提供
ストレス軽減のため、リラクゼーション法やマインドフルネスを取り入れる
社会的役割や目標に対する患者の意識を強化するため、自己肯定感を高める活動を提案
患者の強みや個性に合わせたセルフケアプランやリハビリを提供
教育計画
(E-P)
自己概念の促進が心身の健康や日常生活に役立つことを説明
自分の価値や強みを認識し、自己肯定感を高めるための方法(目標設定、フィードバック)を指導
家族や介護者に対して、患者の自己概念を支援する適切なコミュニケーション方法を指導
ストレスが自己概念に与える影響を理解し、ストレス管理方法を指導
自己理解を深めるための自己リフレクションや日記の書き方を提案
ポジティブな自己認識を維持するために、日常生活の中で成功体験を積み重ねる方法を教える
他者との関係を通じて、自己概念が成長することの重要性を説明
患者が自己の目標や役割を見直し、前向きに取り組む姿勢を育てる方法を指導
社会的なサポートや支援グループの利用を提案し、自己成長をサポート
自己成長を目指して取り組むためのリソースや支援制度を紹介

類①-パーソナルアイデンティティ混乱

コード:00494

定義
結合され完全な自己認識を、維持することができない状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 パーソナルアイデンティティ混乱
長期目標自分自身の価値観や役割、アイデンティティを明確にし、安定した自己認識を持てる
短期目標自分の役割や価値観について考え、自己認識を整理できる
観察計画
(O-P)
患者の自己認識や自己評価に関する発言や態度を観察
自己認識やアイデンティティに対する混乱や不安の有無を確認
役割や価値観について患者が持つ葛藤や迷いの観察
患者が直面している生活や社会的役割の変化を確認
他者からの影響(家族や友人、社会の期待)が自己同一性に与えている影響を観察
日常生活や社会的関係における混乱や不安の有無を確認
患者が自分の目標や将来に対して感じている不安や希望の確認
感情の不安定さや精神的ストレスの有無を観察
自己同一性に関する過去の経験やトラウマの有無を確認
支援を必要とする領域(社会的支援、心理的支援など)の特定
援助計画
(T-P)
患者が自己認識を整理できるよう、安心して感情を表現できる場を提供する
患者の価値観や信念、役割を尊重し、自己表現を促すサポートを行う
患者の生活環境や社会的役割に合わせた現実的な目標を一緒に設定する
自己同一性に関する悩みや不安について、適切に聞き取り、共感的に対応する
必要に応じて、心理カウンセラーやソーシャルワーカーと連携し、専門的な支援を提供する
患者がアイデンティティを再構築できるよう、自己肯定感を高める活動を提案する
患者の人生経験や強みを活かしたセルフケア活動をサポート
家族や友人との交流を促進し、社会的サポートを強化する
自己認識の混乱を感じた際に、焦らず対応できるようリラクゼーション技術を教える
将来に対する不安を軽減し、希望を持てるような言葉かけや目標設定を行う
教育計画
(E-P)
自己同一性の混乱が正常な感情であり、整理していくことができると説明する
自己認識を深めるためのリフレクションや日記を書く方法を提案する
アイデンティティに対する葛藤が生じた際に、自己肯定感を保つ方法を指導する
自己認識を整理するための支援ツール(カウンセリング、グループセッション)を紹介
家族や友人との対話を通じて、自分の価値観や役割を再確認する方法を説明
自分の強みや過去の成功体験を振り返り、自己肯定感を高める手法を説明
長期的な視野で自己同一性の再構築を目指し、焦らず進める重要性を説明
価値観や信念を尊重することが自己同一性の確立につながることを指導
社会的役割や人生の目標を再評価し、自己成長の機会として捉えるように説明
精神的な負担を軽減するために、適切な支援を早めに求めることの重要性を指導

類①-家族アイデンティティ混乱シンドローム

コード:00495

定義
家族に対する統合された完全な認識を、作り出し維持することが困難な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 家族アイデンティティ混乱シンドローム
長期目標家族全体での役割や価値観を明確にし、安定した家族関係を維持できる
短期目標家族の個々の役割や価値観を整理し、協力して問題解決に取り組める
観察計画
(O-P)
家族間でのコミュニケーションの質や頻度を観察
家族内での役割分担が明確か、混乱が見られるかの確認
家族メンバーが互いにどのような期待やプレッシャーを感じているかを把握
家族間の価値観や信念の相違点が原因で対立や混乱が生じていないか観察
家族の一体感や結束感が低下していないかの確認
個々の家族メンバーがアイデンティティに対して不安や混乱を感じている兆候の確認
家族内のストレスや不安感が家庭生活に与える影響を観察
家族全体での問題解決能力や協力体制の有無を確認
外部からの影響(社会的圧力や期待)が家族に与える影響を把握
家族が直面している具体的な問題や課題(経済的問題、健康問題など)の確認
援助計画
(T-P)
家族が互いに感情や考えを共有できるよう、コミュニケーションを促進するサポートを提供
家族メンバー全員の役割を明確化し、無理なく役割分担ができるように支援
家族内での対話の機会を増やし、価値観や信念の違いを理解し合える環境を整える
家族が協力して問題解決に取り組むための具体的なアプローチを提案
必要に応じて、家族カウンセリングを導入し、家族間の関係を修復する支援を行う
家族全体で定期的に状況を確認し、問題が解決に向かっているかを評価
家族メンバーがそれぞれの役割を受け入れ、互いにサポートし合えるように指導
家庭内のストレスを軽減するため、リラクゼーション法やストレス管理法を提案
家族の外部からの影響に対処するため、支援体制を整え、社会的リソースを提供
家族全体で一体感を持ち、共通の目標に向かって協力できる環境を整えるためのサポートを提供
教育計画
(E-P)
家族間の役割分担や価値観の重要性について説明し、混乱を防ぐための具体的な方法を指導
家族メンバーが互いの役割や価値観を尊重し合うことの重要性を説明
家族内での対話や協力を促進するためのコミュニケーションスキルを指導
家族が抱える問題や課題に対処するためのストレス管理や対処法を指導
家族全員が協力し合いながら問題解決に取り組む方法(問題解決型の話し合いなど)を教える
家族カウンセリングや専門的なサポートの利用が必要な場合、その重要性を説明
家族メンバーが互いに支え合うことで、家族全体の結束を強める方法を説明
家族の価値観や目標を共有し、一体感を持って生活できるようにする方法を指導
家族メンバーが個々の役割に対してプレッシャーを感じすぎないよう、バランスを取る方法を説明
家族全体で健康的な生活を送り、ストレスの少ない環境を作るための具体的な提案を提供

類①-家族アイデンティティ混乱シンドロームリスク状態

コード:00284

定義
家族に対する統合された完全な認識を、作り出し維持することが困難になりやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 家族アイデンティティ混乱シンドロームリスク状態
長期目標家族全員が互いの役割や価値観を理解し、調和のとれた家族関係を築ける
短期目標家族間でのコミュニケーションを改善し、各メンバーの役割を明確にして混乱を防ぐ
観察計画
(O-P)
家族間のコミュニケーションが円滑に行われているかを観察
家族メンバーそれぞれの役割や責任が明確かどうかの確認
家族内で価値観や信念の違いが対立や不和を引き起こしていないかを観察
家族が直面している課題(経済的・健康問題など)の影響を確認
家族の中でストレスや不安感が高まっていないかを確認
家族が外部からの期待や圧力に対してどのように対応しているかを観察
家族の一体感や協力体制が保たれているかを確認
家族メンバーがそれぞれの役割に対して不安や混乱を抱えていないか確認
家族内での問題解決能力や意思決定のプロセスを観察
家庭内のストレスや緊張が生活の質に悪影響を与えていないか確認
援助計画
(T-P)
家族メンバーが互いの意見や感情を共有できるよう、対話の機会を設ける
家族内での役割を明確にし、過度な負担がかからないように役割分担を調整する
家族間の価値観や目標の違いを理解し合うため、家族全員で話し合う機会を提供
家族内で発生するストレスや不安を軽減するため、リラクゼーション法やセルフケアを導入
問題解決の際、家族全員が協力して意思決定を行うための方法を提案
家族カウンセリングを導入し、家族の一体感や結束を強化するための支援を提供
外部からの期待や圧力に対して、家族がどのように対応すべきかを一緒に考える
家族メンバーが自己の役割に対して自信を持ち、安心して役割を果たせるよう支援
家族全員が協力して生活の質を向上させるための具体的な行動計画を作成
家族全体で共通の目標を設定し、協力し合って達成できるよう支援
教育計画
(E-P)
家族メンバーそれぞれの役割と責任を明確にし、混乱を避けるための方法を説明
家族間のコミュニケーションを改善し、互いの価値観や考えを理解することの重要性を指導
家族内での対話を促進するため、問題解決型の話し合いの方法を教える
家族の中で生じるストレスを軽減するためのストレス管理法やリラクゼーション法を指導
家族メンバーが協力して問題を解決し、調和を保ちながら生活するための方法を説明
家族カウンセリングや外部支援の利用を勧め、家族全体のサポートを強化する重要性を説明
外部からの期待や社会的圧力に対処する方法を家族に教える
家族メンバーが自分の役割に対して自信を持ち、安心して生活できるための自己管理法を指導
家族全体で一体感を持ち、共通の目標に向かって協力する重要性を説明
家族の価値観や目標を共有し、バランスの取れた家族生活を送るための教育を提供

類①-人間の尊厳毀損リスク状態

コード:00488

定義
敬意と名誉の喪失を認識しやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 人間の尊厳毀損リスク状態
長期目標尊厳を持って自立した生活を送り、自己価値感を保てるようになる
短期目標自己尊重感を維持し、自己表現や意思決定ができる
観察計画
(O-P)
自己評価や自己価値感の低下の有無を確認
自尊心や尊厳が損なわれる可能性のある状況(依存状態、過剰な介助など)の観察
患者の発言や行動における無力感や恥辱感の兆候を確認
医療スタッフや家族とのコミュニケーションにおいて、意見が尊重されているか確認
意思決定の場での患者の参加状況を確認
患者のプライバシーが適切に保護されているかの観察
治療やケアに対する患者の理解度と納得度の確認
他者からの介助や支援に対する患者の感情や反応を観察
患者の社会的孤立や孤独感の有無を確認
尊厳を毀損する可能性のある環境や状況(過剰な依存、無視、失礼な対応)の特定
援助計画
(T-P)
患者の意見や希望を尊重し、意思決定の場に積極的に参加させる
ケアを行う際、必ず患者に説明をし、納得を得てから実施する
患者が自分でできることは、できる限り自立して行えるように支援する
プライバシーを保護し、患者の尊厳が損なわれないように配慮する
介助が必要な際は、できる限り患者の意思を確認しながら支援する
患者の感情や意見を聞く時間を設け、共感的なコミュニケーションを行う
身体的・精神的負担を軽減し、安心して治療に取り組めるような環境を整える
社会的つながりを維持するため、家族や友人との交流を促進する
患者が自己肯定感を持てるよう、小さな成功体験を積み重ねる機会を提供する
尊厳を毀損しないケアを提供するため、医療スタッフへの教育や訓練を実施する
教育計画
(E-P)
患者に対し、自身の意思や感情を尊重する重要性を説明
ケアや治療において、疑問や不安があれば遠慮なく質問するよう指導
プライバシーを守るための方法(病室での配慮、個人情報の扱いなど)を説明
家族や介護者に、患者の尊厳を尊重する適切な接し方を指導
自立を促すためのセルフケアや自己管理の方法を説明
患者が自分のケアに対して積極的に参加することの重要性を指導
社会的な支援制度やリソースを紹介し、孤立感を減らす方法を説明
自己肯定感を高めるためのポジティブなフィードバックや達成感を提供する方法を指導
生活の中で尊厳が守られるよう、家族と連携して支援体制を構築する方法を説明
医療スタッフや家族に対して、患者の尊厳を守るための適切なコミュニケーションの取り方を指導

類①-トランスジェンダー社会的アイデンティティ促進準備状態

コード:00341

定義
社会文化的な集団への帰属意識を促すため、身体的特徴の変更を含む性自認の形成パターンが強化可能な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 トランスジェンダー社会的アイデンティティ促進準備状態
長期目標自らの性自認に基づく社会的アイデンティティを肯定し、尊厳と安心感をもって日常生活を送ることができる
短期目標1日1回、自身の性自認に基づいた自己表現や対人関係づくりを意識した行動がとれる
観察計画
(O-P)
本人の性自認および希望する性表現(名前、服装、話し方など)の確認
性的マイノリティであることへの不安やストレスの有無
社会的アイデンティティに関する希望(職場・学校・家庭での呼称など)
周囲との関係性(支援的・非支援的な人物の有無)
心理的安定性(抑うつ、不安、自己否定感など)の有無
医療・福祉サービスにおける理解・経験の有無
自己表現に対する行動レベル(発言、服装の変更など)
身体的性別との不一致に伴う困難(更衣・排泄・身体違和感など)
過去の差別経験やトラウマの有無
トランスジェンダー当事者としての支援ニーズ(ホルモン療法、戸籍変更など)
援助計画
(T-P)
本人の性自認に即した呼称・対応を尊重し、一貫したケアを提供
プライバシー保護と安心して話せる環境の整備
性自認に基づく外見や表現(服装・髪型など)の選択を支援
トイレや更衣など、生活環境面での配慮を調整
不安や緊張時に寄り添う言動を意識したコミュニケーションを実施
心理的ケアが必要な場合は専門職(カウンセラー等)との連携を図る
医療的処置(ホルモン療法・手術等)に関する情報整理・提供支援
日常生活での性別不一致による困難への対処方法を共に考える
支援団体や地域リソースとのつなぎ(LGBTQ+支援機関など)
家族・職場・学校などへの支援体制構築を調整
教育計画
(E-P)
トランスジェンダーに関する医療的・社会的支援制度について説明
性自認と身体的性の違い、ジェンダー多様性についての理解を促す
医療現場での自己申告・希望表明の方法を説明(カミングアウトのタイミングなど)
ストレスマネジメント方法や自己肯定感を高める方法を共有
安全に表現する方法(服装・SNS利用・発言の場)を指導
差別や偏見に直面した際の対処方法や相談先を案内
ホルモン療法や外科的介入に関する基本的知識を提供
家族・友人などへのカミングアウトに向けた準備・言葉選びを支援
トランスジェンダー当事者としての権利(医療・教育・労働等)を説明
他者との関係づくりにおいて、自分の安心を優先することの大切さを伝える

類②-自尊感情慢性的低下

コード:00483

定義
自己価値、自己受容、自己尊重、能力、自分に対する態度についての否定的な認識が、長期間にわたり続いている状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 自尊感情慢性的低下
長期目標自己肯定感を持ち、自分自身に自信を持って日常生活を送れる
短期目標自己評価を少しでも向上させ、日常生活で小さな成功体験を感じられる
観察計画
(O-P)
自己否定的な発言や行動の頻度を観察
感情の変化や気分の落ち込みの確認
自己評価の変化や自己認識の状態の観察
日常生活やセルフケアにおける意欲や行動の変化を確認
他者との関わりやコミュニケーションにおける不安や回避傾向の観察
自尊感情低下による身体的・精神的ストレスの確認
成功体験や達成感を感じたときの反応を観察
生活環境や家族との関係が自尊感情に与えている影響の把握
支援の必要性や社会的な孤立感の有無を確認
自尊感情の低下が進行しているか、安定しているかの定期的な評価
援助計画
(T-P)
患者が感じた小さな成功や達成を一緒に認め、自己肯定感を高めるサポートを行う
自信を取り戻すための具体的な目標を設定し、段階的に達成できるよう支援
日常の中でポジティブなフィードバックを提供し、患者が自分を肯定できるよう支援
自尊感情の低下が起こった背景を丁寧に聞き取り、共感的な態度で対応する
患者が自分自身の価値に気づけるよう、自己表現や趣味活動をサポート
患者の感情を適切に表現できるよう、安心できる対話の機会を提供
必要に応じて心理カウンセラーやソーシャルワーカーと連携し、専門的なサポートを提供
家族や友人との交流を促進し、社会的なサポートを強化する
ストレスや不安を軽減するために、リラクゼーションやマインドフルネスを導入する
身体的活動や軽い運動を促し、心身の活力を取り戻すサポートを行う
教育計画
(E-P)
自己肯定感を高めるための方法(目標設定、達成感の共有、自己リフレクション)を指導
日常生活の中で小さな成功を感じることが自己肯定感向上につながることを説明
家族や友人に対して、患者の自己肯定感を尊重し、支援するための適切な接し方を指導
ストレスや自己否定感を軽減するためのリラクゼーション法を説明
自分の価値や強みを再認識し、自信を持つための方法を提案
日常生活において、無理をせず自分のペースで取り組むことの重要性を説明
ポジティブなフィードバックを受け取ることで、自己評価を高めることができると説明
自己評価を改善するために、日記やリフレクションを使い、感情を整理する方法を指導
長期的な目標に向けて、自己成長のステップを理解し、前向きに進めるよう指導
家族との連携を通じて、患者が自己肯定感を育てるためのサポート体制を整える方法を説明

類②-自尊感情慢性的低下リスク状態

コード:00480

定義
自己価値、自己受容、自己尊重、能力、自分に対する態度についての否定的な認識が、長期間にわたり続きやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 自尊感情慢性的低下リスク状態
長期目標自己肯定感を維持し、自分の価値や役割を理解して前向きに生活できる
短期目標日常生活の中で自信を持ち、小さな達成感を感じられる
観察計画
(O-P)
自己否定的な発言や行動が増加する兆候の観察
感情の変動や落ち込みの兆候の確認
自己評価の低下や自己認識の変化を確認
日常生活やセルフケアに対する意欲の低下の観察
他者との交流を避ける傾向や社会的孤立の兆候を確認
生活環境や家庭内の状況が自尊感情に与えている影響の把握
自尊感情低下による精神的・身体的なストレス反応の確認
支援の必要性が増しているか、社会的サポートの有無を確認
自己評価を改善するための取り組みに対する反応を観察
自尊感情の変化やリスクの進行状況を定期的に評価
援助計画
(T-P)
患者の小さな成功や達成を積極的に認め、自己肯定感を高めるサポートを行う
自信を持たせるために段階的な目標を設定し、達成できるように支援する
自尊感情を低下させる原因を特定し、対処法を共に考える
ポジティブなフィードバックを与え、患者が自分の価値を再確認できるようサポート
患者が自分の感情や思いを表現できる機会を提供し、安心して話せる環境を整える
ストレスや自己否定感を軽減するために、リラクゼーションやリフレクションを導入
家族や友人との交流を促進し、社会的なサポートネットワークを強化する
必要に応じて、心理カウンセリングやソーシャルワークなどの専門的支援を導入
患者が自己成長を実感できるよう、セルフケアや趣味活動をサポート
適度な身体活動を促し、心身のリフレッシュを図る
教育計画
(E-P)
自己肯定感を維持するための方法(目標設定、達成感の共有、自己リフレクション)を指導
家族や介護者に、患者の自己肯定感を高めるための接し方やサポート方法を指導
ポジティブなフィードバックを通じて、自己評価を高める重要性を説明
ストレスや感情の変動に対処するためのリラクゼーションやストレス管理法を説明
自己認識を改善するために、患者に自分の強みや価値を再認識させる方法を指導
患者が自信を持って行動できるよう、小さな成功を積み重ねることの重要性を説明
日常生活での小さな目標を設定し、達成感を感じられるような方法を提案
自尊感情が低下した際の対処法やサポートを求める重要性を説明
社会的支援やサポートグループの利用を促進し、孤立感を減らす方法を説明
患者の成長をサポートするため、長期的な視点で自己肯定感を育てることの重要性を伝える

類②-自尊感情状況的低下

コード:00481

定義
現在の状況により、自己価値、自己受容、自己尊重、能力、自分に対する態度についての認識が、肯定的から否定的に変化した状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 自尊感情状況的低下
長期目標自己肯定感を取り戻し、自己価値を認めて前向きな生活を送ることができる
短期目標一時的な自己否定を乗り越え、日常生活で少しでも自己肯定感を感じられる
観察計画
(O-P)
自己否定的な発言や行動の有無を観察
最近の出来事や環境変化が自尊感情に与えている影響を確認
患者の感情の変動や不安、落ち込みの程度を観察
日常生活でのセルフケアや活動に対する意欲の変化を確認
他者との関係や社会的な交流の変化を観察
自尊感情の一時的な低下が生活全般に与える影響の確認
ストレスや不安が患者の自己認識にどのように影響しているかの把握
支援が必要な領域や孤立感の有無を確認
自己評価や感情が変化するきっかけとなった具体的な状況を特定
自己否定感が持続していないか、定期的に確認
援助計画
(T-P)
患者の感情を受け止め、状況的な自己否定を和らげるために共感的に対応
患者が自己肯定感を取り戻せるよう、小さな成功体験を一緒に共有する
最近の出来事に対する感情や考えを整理するために、対話の時間を設ける
具体的な目標を設定し、達成感を得ることで自尊感情を回復させるサポートを行う
ポジティブなフィードバックを提供し、患者の自己評価を高める
家族や友人とのコミュニケーションを促進し、社会的サポートを強化する
必要に応じて、心理カウンセリングやセラピーを導入し、心のケアを提供する
自尊感情の一時的な低下を引き起こした状況に対する具体的な対処法を一緒に考える
ストレス管理やリラクゼーション法を取り入れて、感情の安定をサポートする
患者が自信を持って行動できるよう、段階的な支援を行い、自尊感情の回復を促す
教育計画
(E-P)
自尊感情の一時的な低下は正常な反応であり、回復が可能であることを説明
自己肯定感を高めるための日常の工夫(目標設定、成功体験の積み重ね)を指導
家族や友人に対して、患者を支えるための適切な接し方や声かけを指導
感情の変化に対処するためのリラクゼーション法やマインドフルネスを説明
ポジティブな自己認識を保つために、患者が自分の強みや成果を振り返ることを提案
自己否定感が生じた際に、焦らず冷静に対処できる方法を指導
自己成長を実感できる機会を増やし、自己肯定感を回復させるための行動を提案
家族と患者が協力して、前向きな目標を共有し、一緒に達成していく方法を説明
自尊感情が低下した原因や状況を理解し、今後の対処法や回復方法を指導
日常生活でのポジティブな体験やサポートを通じて、患者が自信を取り戻せるように支援

類②-自尊感情状況的低下リスク状態

コード:00482

定義
現在の状況により、自己価値、自己受容、自己尊重、能力、自分に対する態度についての認識が、肯定的から否定的に変化しやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 自尊感情状況的低下リスク状態
長期目標一時的な状況の変化に影響されず、安定した自己肯定感を維持できる
短期目標現在の状況に対する自己評価を適切に保ち、自己否定感を抱くことなく生活できる
観察計画
(O-P)
最近の環境変化やストレス要因が自尊感情に与える影響の確認
自己否定的な発言や態度が見られるかの観察
患者の感情の変動や気分の落ち込みの兆候の確認
日常生活やセルフケアに対する意欲や行動の変化の把握
他者とのコミュニケーションや社会的な関わりに変化がないかの観察
自己評価や自己認識に対する変化の兆候の確認
ストレスや不安が自己認識に与える影響を把握
最近の出来事が精神的にどのような影響を与えているかの確認
患者が社会的に孤立しているか、支援が十分に得られているかの確認
自尊感情低下のリスクが高まっていないか、定期的に評価
援助計画
(T-P)
患者が自己否定感を感じる前に、感情を表現できるよう対話の機会を設ける
小さな成功体験を積み重ね、患者が自己肯定感を維持できるようにサポート
最近の出来事に対する感情や反応を整理するため、話をじっくりと聞く
目標を設定し、段階的に達成感を得られるように支援する
ポジティブなフィードバックを与え、患者が自分の価値を認識できるようにサポート
社会的サポートを強化し、孤立を防ぐために家族や友人との交流を促す
ストレスや不安を軽減するためのリラクゼーション法やマインドフルネスを導入
必要に応じて、心理カウンセリングや専門的な支援を提供する
日常の中でポジティブな自己認識を維持するための活動を促進する
ストレスや困難な状況に適応できるよう、段階的なサポートを行う
教育計画
(E-P)
自尊感情の低下が一時的なものである場合、焦らず適切に対応する重要性を説明
日常生活での小さな成功体験が自己肯定感を高めることを指導
家族や友人に、患者の自己肯定感を支えるための適切な接し方を指導
ストレスや感情の変動に対処するリラクゼーション法やマインドフルネスを説明
自己認識を向上させるために、患者が自分の強みや価値を再確認する方法を提案
患者が感情的に不安定になったとき、適切に対応する方法を指導
社会的な支援ネットワークやサポートグループを活用する方法を提案
自尊感情低下のリスクを防ぐため、日常生活でのポジティブな体験を積み重ねる方法を説明
目標達成を通じて自己評価を高め、長期的に安定した自己肯定感を維持する方法を指導
家族や患者自身に、自尊感情が低下しそうな際に早めに対処することの重要性を説明

類②-健康自己効力感不足

コード:00338

定義
健康状態を促進、維持、回復する自分の能力に、十分な確信が持てない状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 健康自己効力感不足
長期目標健康行動に対する自己の有効性を実感し、自信をもって健康管理を継続できるようになる
短期目標1日1回、自分の健康のためにできることを1つ選び、実行しようとする意欲を示すことができる
観察計画
(O-P)
健康行動に対する認識や態度(例:運動、食事、服薬)
これまでの健康行動の成功・失敗経験の有無
行動変容に対する不安・迷いや否定的発言の有無
自己評価(自信の有無、自己肯定感)
健康行動を妨げている要因(身体的・心理的・社会的)
健康に関する知識の程度と理解度
他者(家族、医療者など)からの支援状況
生活リズムや健康状態(バイタル、体重、食事、睡眠など)
健康に関する意欲や目標の有無
情報の受け取り方(説明への反応、質問の有無など)
援助計画
(T-P)
達成可能な小さな健康目標を一緒に設定・共有
健康行動を実施できた時に肯定的なフィードバックを行う
具体的な行動計画(例:毎日10分散歩)の作成を支援
日常生活の中でできる健康行動の工夫を提案
できたことを記録・可視化する方法の導入(健康ノートなど)
不安や否定的感情に寄り添い、自己表現の機会を設ける
健康行動を一緒に実践する(同行・共感的態度)
周囲の協力体制(家族・介護者)を活用した環境づくり
医師・管理栄養士・リハビリスタッフ等との多職種連携
継続の難しさに対して、途中での調整や休憩を許容する支援
教育計画
(E-P)
健康自己効力感とは何かをわかりやすく説明
健康行動がもたらすメリットを本人に即して説明(例:疲れにくくなる)
小さな成功の積み重ねが自己効力感につながることを説明
失敗しても続ける価値があることを伝え、「完璧」を求めない考え方を共有
行動を変えるときの段階的なプロセスを説明(準備→実行→維持)
成功体験を振り返る機会を設ける
「できない理由」ではなく「できる工夫」を一緒に考える視点を提供
自分に合った健康行動の選び方を指導
信頼できる情報源の紹介(医療者・冊子・地域資源など)
健康に関することはいつでも相談できるという安心感を伝える

類③-ボディイメージ混乱

コード:00497

定義
身体的自己に対して、心の中に否定的なイメージがある状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 ボディイメージ混乱
長期目標自分の身体に対する肯定的なイメージを持ち、自信を持って日常生活を送れる
短期目標自分の身体に対する不安や不満が軽減し、前向きな感情を持てる
観察計画
(O-P)
患者の身体に対する否定的な発言や態度の有無を確認
患者が抱いている身体的な不安や不満の内容を観察
身体イメージの変化が日常生活に与える影響の確認
自己評価や自己肯定感の変化を観察
身体に対する患者の感情や考えの変動を確認
他者との関わりにおいて、身体イメージが影響しているかの確認
身体的な変化や疾患に伴うストレスの程度を観察
鏡や他者との比較が患者に与える影響を確認
身体的変化が原因で社会的な孤立や引きこもりの傾向がないか確認
自己認識が身体的な変化とどう一致しているかの観察
援助計画
(T-P)
患者が抱える身体イメージの不安や不満を丁寧に聞き取り、共感的に対応する
ポジティブな身体イメージを持てるよう、小さな成功体験や肯定的なフィードバックを提供
自己肯定感を高めるため、身体の変化に順応するためのリハビリや運動をサポート
身体的変化に対する適切な対処法やセルフケア方法を指導
患者が自分の身体に自信を持てるよう、日常生活での成功体験を共有
家族や介護者に、患者の身体イメージを尊重するコミュニケーション方法を指導
必要に応じて、心理カウンセリングやボディイメージ専門の支援を導入
他者との比較を避け、患者自身の身体の良い部分に目を向けるように促す
患者が自分のペースで身体的な変化に順応できるよう、リラクゼーションやストレス管理を支援
美容や外見に関する実際的なアドバイスを提供し、自己イメージの改善を図る
教育計画
(E-P)
ボディイメージが精神的健康に与える影響について説明し、適切な対応策を教える
身体に対する肯定的な自己認識を育てるためのリラクゼーション法やセルフケアの方法を指導
家族に、患者の身体イメージに配慮した支援や接し方を指導
他者との比較を避け、自己の身体の良さを見つけるための方法を説明
患者が身体的な変化に順応するため、適切な情報やサポートを提供
ポジティブな自己認識を保つために、外見以外の価値に目を向ける方法を教える
自分の身体に対する感情が否定的になった際に、前向きに考え直す方法を指導
社会的サポートやリソース(カウンセリングやセルフヘルプグループ)の活用を説明
身体的な変化に伴うストレスを軽減するため、適切な運動やリハビリを指導
長期的な目標として、身体イメージの変化に対して肯定的に向き合う姿勢を育てる

NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画記載例のまとめ

当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を多数まとめています。

ぜひ、日々の業務のご活用ください!

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引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2024-2026.医学書院.

-看護計画, NANDA-Iに基づく記載例, 領域6