看護計画 NANDA-Iに基づく記載例 領域4

【NANDA-I看護診断】領域4「活動/休息」の看護計画の記載例まとめ【コピペ可】

【最新版:2024-2026】

この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を公開しています。

今回は領域4「活動/休息」です。

看護計画の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!

トコル
トコル

看護計画の作成ルールに関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】)を参考にしてください!

【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】

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新人看護師
新人看護師

他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!

*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*特に看護目標の部分はあえて抽象的な内容を含めています。参考の上、患者にあった具体的な目標に修正することをお勧めします。

【NANDA-I看護診断】領域4「活動/休息」の看護記録(SOAP)の記載例まとめ【コピペ可】

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NANDA-I領域4「活動/休息」の一覧

NANDA-I領域4「活動/休息」は、類①〜⑤に分けられます。

それぞれの診断名一覧は以下の通りです。

類① 睡眠/休息
・睡眠パターン不良
・睡眠パターン不良リスク状態
・睡眠パターン促進準備状態
・睡眠衛生行動不良
・睡眠衛生行動不良リスク状態

類② 活動/運動
・身体可動性障害
・身体可動性障害リスク状態
・床上可動性障害
・車椅子可動性障害
・坐位機能障害
・立位機能障害
・移乗機能障害
・歩行機能障害

類③ エネルギー平衡
・活動耐性低下
・活動耐性低下リスク状態
・倦怠感負担過剰
・術後回復障害
・術後回復障害リスク状態

類④ 心血管/肺反応
・心血管機能障害リスク状態
・血圧バランス異常リスク状態
・心拍出量減少リスク状態
・脳組織灌流不良リスク状態
・末梢組織灌流不良
・末梢組織灌流不良リスク状態
・呼吸パターン不良
・自発換気障害
・小児人工換気離脱反応障害
・成人人工換気離脱反応障害

類⑤ セルフケア
・セルフケア能力低下シンドローム
・セルフケア能力低下シンドロームリスク状態
・セルフケア能力促進準備状態
・入浴自立性低下
・更衣自立性低下
・摂食自立性低下
・整容自立性低下
・排泄自立性低下
・口腔衛生行動不良
・口腔衛生行動不良リスク状態

類①-睡眠パターン不良

コード:00337

定義
自然で周期的な意識の停止を体験することが困難で、機能に悪影響が及んでいる状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 睡眠パターン不良
長期目標睡眠の質と量が安定し、日中の生活に支障なく過ごすことができる
短期目標毎晩4時間以上、連続した睡眠がとれるようになる
観察計画
(O-P)
就寝時間・起床時間のパターンの確認
入眠までにかかる時間(入眠潜時)
中途覚醒・早朝覚醒の有無と回数
昼間の眠気・集中力低下・意欲の有無
睡眠に関する訴え(不眠、悪夢、疲労感など)
睡眠環境(照明、騒音、寝具、室温など)
カフェイン・アルコール・薬剤の使用状況
身体的・精神的苦痛の有無(痛み、不安、抑うつなど)
睡眠に影響を与える疾患の有無(呼吸器、心疾患など)
睡眠薬や安定剤の使用歴と効果・副作用
援助計画
(T-P)
決まった時間に就寝・起床できるよう生活リズムを調整
睡眠前のリラクゼーション(深呼吸、軽いマッサージ)の支援
就寝前の排泄や整容ケアの実施で快眠環境を整える
睡眠に適した室温・照明・音環境を整備
カフェインや刺激物の摂取制限を援助(夕方以降)
不安やストレスへの傾聴と精神的サポート
身体的苦痛がある場合はその軽減(体位調整、鎮痛補助など)
夜間の不要な介入や照明点灯の最小化
睡眠記録の作成支援(時間・質・目覚めた回数など)
必要時、医師と連携して薬剤調整を支援
教育計画
(E-P)
睡眠の重要性と健康への影響を説明
良質な睡眠を得るための習慣(睡眠衛生)を指導
日中の適度な運動が夜間の睡眠を促すことを説明
就寝前のスマートフォン・テレビの使用制限を指導
入眠儀式(読書、音楽、決まった行動など)の効果を説明
睡眠薬は依存の可能性があることを説明し、医師の指示を守る重要性を伝える
昼寝は短時間(20~30分以内)にとどめることを推奨
睡眠に関する悩みを1人で抱え込まず相談するよう説明
睡眠とストレスの関係について説明
睡眠障害が長引く場合は医療機関を受診するよう勧める

類①-睡眠パターン不良リスク状態

コード:00407

定義
自然で周期的な意識の停止を体験することが困難になりやすく、機能に悪影響が及びやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 睡眠パターン不良リスク状態
長期目標安定した睡眠リズムを維持し、日常生活を支障なく送ることができる
短期目標就寝・起床時間を一定に保ち、1日1回は睡眠を意識した行動(照明調整・就寝前の準備など)がとれる
観察計画
(O-P)
現在の就寝・起床時間、日中の眠気の有無
睡眠に影響する生活習慣(カフェイン、喫煙、飲酒など)
睡眠環境(照明、音、温度、寝具など)の整備状況
不安・ストレスの有無と程度(入眠妨害因子)
身体的苦痛(痛み、呼吸困難、頻尿など)の有無
睡眠薬や向精神薬などの服用状況と影響
睡眠に関連する疾患の既往(不眠症、睡眠時無呼吸症候群など)
入眠儀式や個人的な習慣の有無
昼寝や活動量(運動・日中の刺激)の状況
ベッドでの過ごし方(読書、TV視聴、スマホ操作など)
援助計画
(T-P)
睡眠と覚醒のリズムを整えるよう生活調整を支援
睡眠に適した環境(静か、暗い、快適な温度)の整備を援助
日中の適度な活動(歩行・リハビリなど)を支援
就寝前のリラックス(足浴・音楽・深呼吸など)を導入
カフェイン・アルコール摂取の制限支援(夕方以降)
寝る前の水分摂取調整(夜間頻尿予防)
就寝前の電子機器の使用制限を促す
入眠に影響する身体的不快(かゆみ・痛み)の緩和を支援
眠れない時の焦りや不安への心理的支援
睡眠記録(睡眠日誌)の導入を支援し、傾向把握に活用
教育計画
(E-P)
睡眠の質と健康への関係をわかりやすく説明
睡眠衛生の基本(一定の就寝時間、明暗の調整など)を指導
良い睡眠を促す生活習慣(朝日を浴びる、日中の活動)を説明
就寝前のルーティンの重要性(入浴、読書、音楽など)を説明
睡眠薬の正しい使い方と依存リスクを説明
電子機器が睡眠に与える影響を説明し、使用制限を指導
昼寝は15~30分にとどめるよう説明
「眠らなければならない」という焦りが逆効果になることを説明
心身の緊張を和らげるセルフケア法(呼吸法・瞑想など)を指導
睡眠障害が継続する場合には専門受診の必要性を伝える

類①-睡眠パターン促進準備状態

コード:00417

定義
自然で周期的な意識の停止パターンが、強化可能な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 睡眠パターン促進準備状態
長期目標睡眠環境を整え、夜間に7時間以上の質の良い睡眠がとれる
短期目標就寝前にリラックスでき、30分以内に入眠できる
観察計画
(O-P)
就寝前のリラックス状況の確認(緊張、不安、ストレスの有無)
睡眠に対する意欲や態度の観察
寝室の環境(照明、温度、騒音)の確認
睡眠に影響を与える可能性のある薬の使用状況
カフェインやアルコールの摂取状況
就寝前の行動パターン(テレビ視聴やスマホ使用)の観察
日中の活動量や運動量の把握
寝具や寝姿勢の快適さの確認
睡眠中の呼吸パターンやいびきの有無
日中の眠気や集中力低下の有無
援助計画
(T-P)
リラックスした就寝前の環境を整える(照明を落とし、音を低減)
就寝前の軽いストレッチやリラクゼーション方法の提供
温かい飲み物(ノンカフェイン)やハーブティーの提供
寝具の調整(快適な枕、マットレスの選択)を支援
就寝前に温かい入浴を促し、リラックス効果を高める
夜間の覚醒リスクを減らすため、トイレに行きやすい環境を整備
睡眠の質を高めるために、定期的な体位変換の援助
カフェインやアルコールの摂取を就寝前に控えるよう調整
必要に応じて睡眠促進のためのアロマテラピーを導入
日中に適度な運動を取り入れ、自然な疲労感を引き出す
教育計画
(E-P)
就寝前のリラックス方法(深呼吸、瞑想)の指導
カフェインやアルコールが睡眠に与える影響について説明
就寝前にテレビやスマートフォンを使用しないよう助言
規則的な睡眠時間を維持する重要性を説明
睡眠に適した寝具や枕の選び方を指導
就寝前の過剰な刺激(激しい運動や心配事)を避けるよう説明
睡眠環境を整えるための方法(遮光カーテン、耳栓など)の指導
睡眠に必要なリラックスした生活リズムの作り方を説明
睡眠日誌をつけて、自分に合った睡眠習慣を見つけるサポート
睡眠の質が健康に与える影響について説明し、モチベーションを高める

類①-睡眠衛生行動不良

コード:00323

定義
睡眠の開始や維持、または質の良い睡眠をもたらす習慣や儀式を継続して行うことが困難な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 睡眠衛生行動不良
長期目標良好な睡眠衛生行動を習慣化し、質の高い睡眠が確保できる
短期目標毎日決まった時間に就寝・起床することができる
観察計画
(O-P)
就寝・起床時間のばらつき
就寝前の行動(スマートフォン操作、カフェイン・アルコール摂取など)
睡眠環境の状態(室温、照明、騒音、寝具など)
睡眠時間の長さと質(中途覚醒・入眠困難など)
日中の眠気、疲労感、集中力の低下の有無
昼寝の有無と長さ
日中の活動量(運動、外出など)
睡眠に関する本人の認識・意識・関心の程度
睡眠薬や安定剤など薬剤の使用状況
睡眠に影響を与えるストレスや心理的因子の有無
援助計画
(T-P)
就寝・起床時間を一定に保つ生活リズムの調整を援助
就寝前のリラックスできる活動(読書、入浴など)を取り入れる支援
寝室の環境(明るさ、音、温度、寝具)の調整支援
カフェイン・アルコールの摂取制限(特に夕方以降)を援助
日中の適度な運動習慣(軽いストレッチ・散歩など)を提案
昼寝の制限(15~30分以内)を助言
電子機器(スマートフォン、テレビ)の使用時間制限の実施支援
睡眠に関する記録(日誌など)を促し、習慣を可視化
睡眠の質を妨げる要因(ストレス、生活環境)の把握と調整支援
睡眠補助薬使用中は医師との連携で最小限に管理
教育計画
(E-P)
睡眠衛生とは何か、その意義を説明
寝る前に避けるべき行動(スマホ、カフェイン、激しい運動など)を説明
良い睡眠のための環境づくりのポイントを説明
眠くなってからベッドに入ることの大切さを説明
睡眠のリズムを整えるために朝の光を浴びることを説明
昼寝の取り方(時間帯・時間の長さ)の工夫を説明
睡眠薬の使用は医師の指示に基づくことの重要性を説明
睡眠記録のつけ方と振り返り方法を説明
「寝なければ」という焦りが逆効果になることを伝える
睡眠に関する悩みは専門職に相談してよいことを説明

類①-睡眠衛生行動不良リスク状態

コード:00408

定義
睡眠の開始や維持、または質の良い睡眠をもたらす習慣や儀式を継続して行うことが困難になりやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 睡眠衛生行動不良リスク状態
長期目標規則的な生活と適切な睡眠衛生行動を継続し、良質な睡眠が維持できる
短期目標1日1回、睡眠の質を高めるための行動(決まった就寝時間、環境調整など)を実行することができる
観察計画
(O-P)
就寝・起床時間のばらつきの有無
就寝前の行動(スマホ使用、カフェイン・アルコール摂取など)
睡眠環境(室温、照明、音、寝具など)の状態
日中の活動量や運動の有無
昼寝の有無とその長さ
睡眠に対する本人の意識・価値観・関心
睡眠に関する訴え(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒など)の有無
睡眠に影響を与える心理的要因(不安、ストレス)の有無
睡眠薬・向精神薬・カフェインなどの使用状況
睡眠に関する既往歴や家族背景
援助計画
(T-P)
起床・就寝時間を一定に保つよう生活リズムの調整を援助
寝室の環境(明るさ・音・温度)の整備を支援
カフェイン・アルコールの摂取制限(特に午後以降)の指導と支援
睡眠前の刺激的な活動(スマホ・ゲームなど)の制限を援助
日中の適度な活動や軽運動(ウォーキングなど)の導入支援
睡眠に向けたリラックス行動(音楽・読書・入浴など)の実践支援
昼寝を適切に制限(15~30分以内)できるよう助言
睡眠日誌の記録を促し、行動パターンを可視化
睡眠に関する誤解(長く寝れば良い、薬がないと眠れない等)への対応
睡眠障害予防の観点から、早期の行動修正を支援
教育計画
(E-P)
睡眠衛生とは何か、その重要性について説明
睡眠の質を高める生活習慣(食事、運動、入浴など)を説明
就寝前に避けるべき行動(スマホ、カフェインなど)を指導
睡眠環境を整える方法(静かな部屋、適温、暗さなど)を説明
睡眠の量より「質」が大切であることを説明
昼寝が長すぎると夜の睡眠に影響することを説明
睡眠のリズムを整えるには「朝の光を浴びる」ことが効果的であると指導
ストレスや不安が睡眠に与える影響を説明し、対処法を案内
睡眠薬やサプリメントの使用は医師の指示に従う必要があると説明
睡眠に関する問題があれば、早期に相談することの重要性を説明

類②-身体可動性障害

コード:00085

定義
胴体あるいは一つ以上の四肢の意図的な自力運動に限界がある状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 身体可動性障害
長期目標日常生活に必要な身体動作を自立して行える
短期目標1週間以内に看護師の介助を受けて、無理なくベッドから車椅子への移乗ができる
観察計画
(O-P)
現在の可動範囲や筋力の評価
動作時の痛みの有無と程度の観察
身体動作に対する意欲や不安の有無
関節可動域(拘縮の有無)の確認
日常生活動作(ADL)の評価(食事、排泄、入浴などの自立度)
補助具や介助を必要とする動作の有無
体位変換や移動時の安全性の確認(転倒リスクの評価)
移動時のバイタルサインの変化(心拍数、呼吸、血圧)
長時間同じ姿勢でいることによる褥瘡や浮腫の有無
使用している薬剤の副作用(筋力低下や眠気)の有無
援助計画
(T-P)
体位変換や移乗時に適切な介助を提供
身体に負担の少ないポジショニングをサポート
関節可動域訓練(ROM運動)を実施し、拘縮予防を図る
歩行補助具や車椅子の使用を促し、安全な移動を支援
痛みを伴う動作には鎮痛剤の使用を調整(医師と相談)
必要に応じて、理学療法士と連携してリハビリテーションを実施
転倒防止のため、ベッド周囲の環境整備と安全確保を行う
適度な運動やストレッチを行い、筋力維持を促進
長時間同じ姿勢を避け、定期的に体位変換を行う
必要時、補助具の調整や適切な使用法を教える
教育計画
(E-P)
身体可動性障害に伴うリスクと予防策について説明
無理なく動作を行うための介助依頼の重要性を指導
家族や介護者に対し、適切な体位変換や移乗方法を説明
関節の柔軟性を維持するための簡単なストレッチや運動を指導
移動中に転倒や滑りやすい場所を避けることの重要性を説明
身体可動性障害が続いた場合の筋力低下や拘縮のリスクを説明
安全な補助具や移動器具の使用方法を教える
自分のペースで動作を行い、疲労や痛みがあるときは無理をしないよう指導
痛みや不快感が強い場合、医師や看護師に報告することの重要性を説明
日常生活において、動作の工夫や負担を軽減する方法を提案

類②-身体可動性障害リスク状態

コード:00324

定義
胴体あるいは一つ以上の四肢の意図的な自力運動に限界が起きやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 身体可動性障害リスク状態
長期目標筋力・関節可動域・バランスを維持し、日常生活動作を自立して行える状態を保つ
短期目標1日1回以上、安全に体を動かす行動(起き上がり、立位保持、歩行など)を実施することができる
観察計画
(O-P)
関節可動域(ROM)の評価
筋力の程度(MMTなど)
疼痛の有無と部位(動作時・安静時)
バランス能力(立位保持、歩行時ふらつきの有無)
既往歴(脳血管疾患、整形外科的疾患など)
起立・移動・歩行能力の程度(ADLレベル)
補助具の使用状況と適合性(杖、歩行器など)
転倒歴や転倒に対する不安の有無
認知機能や判断力の低下の有無
意欲や活動に対する姿勢(活動への不安、無関心など)
援助計画
(T-P)
体位変換・離床の定時実施(2~3時間毎など)
関節可動域訓練(ROM訓練)を日課として援助
ベッド上・椅子上での運動の実施支援(足踏み、握力体操など)
離床・移動時の見守りまたは介助
補助具の適切な使用支援と確認
転倒予防のための環境調整(床の清掃、手すり設置など)
疼痛緩和のためのケア(罨法、安楽な体位保持など)
リハビリスタッフとの連携による運動プログラムの調整
体調や疲労感に応じた運動量の調整支援
患者の活動への不安や恐怖感への心理的支援
教育計画
(E-P)
身体可動性を維持することの重要性を説明
筋力低下・関節拘縮が起きる過程と予防法を説明
毎日の運動や離床が予防に効果的であることを説明
補助具の正しい使い方を指導
転倒や怪我を防ぐための注意点を説明
疲れすぎない範囲で継続する運動習慣の大切さを説明
自宅環境での安全な動作や家具配置の工夫を説明
痛みがある場合は無理をしないよう説明し、医療者へ報告するよう指導
「動かない方が安全」という誤解を解き、適度な活動の重要性を伝える
家族にも協力を求め、転倒防止と活動支援の方法を説明

類②-床上可動性障害

コード:00091

定義
床上でのある体位から別の体位への自力動作に限界がある状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 床上可動性障害
長期目標ベッド上での体位変換や移動が自立して行える
短期目標2日以内に看護師の介助を受けながら、安楽な体位変換ができる
観察計画
(O-P)
現在の体位変換能力の評価(自力での移動の可否)
筋力や関節可動域の確認
バイタルサイン(心拍数、血圧、呼吸状態)の変化
皮膚状態(褥瘡の有無、浮腫の有無)の観察
移動時の痛みの有無や程度
移動や体位変換に対する意欲や不安の有無
ベッド周囲の安全確認(転倒リスクや障害物の有無)
補助具や移動器具の使用状況の確認
排泄パターンと排泄に伴う体位変換の必要性
不適切な体位による呼吸状態の悪化や痰の貯留の有無
援助計画
(T-P)
定期的な体位変換を2時間ごとに行い、褥瘡予防を図る
自力での体位変換を促進し、可能な範囲での移動を支援
必要に応じて、体位変換クッションやポジショニング用具を使用
体位変換時に、患者の負担が少ないよう適切な介助を行う
患者の筋力や可動域に応じたリハビリや関節運動を促進
移動や体位変換の際に、痛みがある場合は鎮痛剤の使用を調整
食事や排泄の際、無理のない範囲でベッド上の姿勢を調整
ベッドサイドでの安全な動作や移動方法をサポート
転倒や滑落を防ぐため、ベッド柵の使用や環境整備を徹底
医師や理学療法士と連携し、ベッド上での運動プログラムを実施
教育計画
(E-P)
自力での体位変換の重要性とリスクについて説明
皮膚の圧迫を避けるため、体位変換の頻度を維持する方法を指導
ベッド上で行える簡単なストレッチや運動の方法を指導
補助具や体位変換用具の使用方法を説明し、安全に使用できるよう指導
長時間同じ姿勢でいることのリスク(褥瘡、筋萎縮など)を説明
体位変換時に痛みが生じる場合の対処法(リラックス法や呼吸法)を教える
ベッド上での適切な姿勢(頭部や足元の高さ調整)を指導
看護師の介助を受けながら、体位変換や移動を安心して行う方法を説明
活動範囲が制限されていることが精神的な健康に与える影響を説明し、ストレス管理方法を教える
家族や介護者に対して、ベッド上での安全な介助方法を説明

類②-車椅子可動性障害

コード:00089

定義
環境内での車椅子の自力操作に限界がある状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 車椅子可動性障害
長期目標車椅子を使用して自立して移動できる
短期目標3日以内に車椅子を用いた移動を看護師の介助のもとで安全に行える
観察計画
(O-P)
車椅子の操作能力の評価(前進、後退、方向転換など)
車椅子移動時の筋力や体力の確認
車椅子からベッドやトイレなどへの移乗状況の観察
移動時のバイタルサイン(心拍数、呼吸、血圧)の変化
車椅子操作に対する意欲や心理的な不安の有無
移動中の痛みや疲労の有無
使用している車椅子の調整や使用状況の確認
車椅子操作中の安全性や転倒リスクの評価
周囲の環境(段差や障害物など)の確認
長時間同じ姿勢でいることによる褥瘡や浮腫の有無
援助計画
(T-P)
車椅子の基本操作方法を介助しながら教える
車椅子からベッドやトイレへの移乗を介助
必要に応じて、車椅子のクッションやフットレストの調整を行う
長時間の車椅子使用による負担を軽減するため、定期的な体位変換を促す
車椅子使用時の転倒や事故を防ぐため、安全な操作方法をサポート
段差や障害物を避けるため、移動経路の確認と整備を行う
移動中の疲労や痛みが強い場合、無理せず休憩を取るように指導
リハビリテーションスタッフと連携して、車椅子使用時の筋力トレーニングを支援
必要時、電動車椅子や移動補助具の使用を検討し、医師と相談
長時間使用による褥瘡を予防するための皮膚ケアとポジショニングを実施
教育計画
(E-P)
車椅子の安全な操作方法と注意点を説明
車椅子からベッドやトイレへの安全な移乗方法を指導
車椅子使用時の長時間同じ姿勢を避けるため、定期的に体位変換を行う重要性を説明
車椅子のクッションやフットレストの調整方法を指導
周囲の環境(段差や狭い通路)の確認方法と対処法を説明
車椅子使用時の転倒リスクや事故防止について説明
車椅子移動中に疲労や痛みを感じた場合の対応方法を指導
車椅子使用による筋力や体力の低下を防ぐための簡単なエクササイズ方法を教える
長時間の車椅子使用による褥瘡や皮膚トラブルの予防策(体位変換、クッションの使用)を説明
家族や介護者に対して、車椅子介助時の注意点や安全な方法を説明

類②-坐位機能障害

コード:00363

定義
殿部と大腿部で上半身を直立に支える安静位を自力で意図的にとる、または保つ能力に限界がある状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 坐位機能障害
長期目標安定した姿勢で座位を保持でき、日常生活に必要な活動を自立して行える
短期目標1週間以内に看護師の介助を受けながら、無理なく30分間の座位を保持できる
観察計画
(O-P)
座位保持中のバイタルサイン(心拍数、血圧、呼吸状態)の観察
座位保持時の筋力や体幹バランスの評価
座位中の疲労感や痛みの有無の確認
座位姿勢の安定性(ふらつきや体位崩れの有無)
座位姿勢の時間(どれくらいの時間保持できるか)の観察
関節可動域の確認(拘縮の有無)
座位中の心理状態(不安や不快感)の確認
褥瘡のリスクや皮膚状態の観察(特に座位保持時間が長い場合)
座位保持に必要な補助具の使用状況の確認(クッションや背もたれなど)
座位姿勢から立ち上がりや移動への移行の能力評価
援助計画
(T-P)
必要に応じて、座位保持用のクッションや背もたれを調整し、姿勢をサポート
定期的な体位変換やリポジショニングを実施し、疲労や圧迫を軽減
座位保持中のバランス訓練や体幹強化を支援
看護師の介助により、適切な姿勢で座位を保持できるよう支援
座位保持時の痛みや不快感がある場合、姿勢の再調整を行う
長時間座位を保持する必要がある場合、褥瘡予防のための体位変換を実施
座位から立位や移動に移行する際の補助や介助を提供
日々の座位保持時間を徐々に延長し、負担のない範囲で座位時間を増やす
必要時、理学療法士と連携し、座位姿勢の維持と改善のためのリハビリを行う
座位保持中に疲労を感じた際、適宜休息を取らせ、リラックスできる体位を提供
教育計画
(E-P)
正しい座位姿勢の保持方法を説明し、姿勢が崩れた場合の対処法を指導
座位保持中に疲労や痛みを感じたときの休息や体位変換の重要性を説明
クッションや背もたれの使い方を指導し、安定した姿勢を保つ方法を説明
長時間同じ姿勢を避け、体位変換を行う必要性について指導
座位保持が困難な場合は、無理せず看護師や介護者に助けを求めることを説明
褥瘡や皮膚のトラブルを防ぐための定期的な体位変換の重要性を説明
座位から立位や移動にスムーズに移行するための動作の工夫を説明
座位保持中にリラックスできる姿勢や呼吸法を教え、負担を軽減する方法を指導
筋力や体幹バランスを強化するための簡単なエクササイズを提案
家族や介護者に対して、安全で快適な座位保持をサポートする方法を説明

類②-立位機能障害

コード:00364

定義
足から頭まで直立の姿勢を自力で意図的にとる、または保つ能力に限界がある状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 立位機能障害
長期目標安全かつ安定した立位を自立して保持できる
短期目標3日以内に看護師の介助を受けながら、1分間立位を保持できる
観察計画
(O-P)
立位保持時のバイタルサイン(心拍数、血圧、呼吸状態)の確認
立位中のバランスや安定性の評価
立位時のめまいやふらつきの有無
立位保持時の筋力や持久力の確認
立位に伴う痛みや不快感の有無
立位姿勢から座位や歩行への移行状況の観察
補助具(歩行器や杖など)の使用状況や必要性の確認
立位保持時間の確認(どれだけの時間保持できるか)
精神的な不安や恐怖感の有無
立位姿勢中に生じる筋緊張や関節の動きの観察
援助計画
(T-P)
立位保持時に必要な介助やサポートを提供
立位保持をサポートするため、歩行器や杖などの補助具を使用
立位保持のためのバランス訓練や筋力強化訓練を実施
立位時にふらつきや転倒リスクを防ぐため、周囲の環境を整備
必要に応じて、適切な体位変換やリポジショニングを実施
立位保持の時間を徐々に延ばし、無理のない範囲で目標を設定
立位中の痛みや不快感があれば、適宜休息や姿勢の調整を行う
立位から座位や歩行への移行をスムーズに行えるよう支援
立位に伴う筋力低下を防ぐため、日常的な運動やストレッチを促進
必要時、理学療法士と連携して、立位保持や歩行訓練を実施
教育計画
(E-P)
安全な立位保持の方法と立位時のバランス維持の重要性を説明
立位保持時に補助具を適切に使用する方法を指導
立位中にめまいやふらつきがある場合、無理せずすぐに座るよう説明
立位姿勢から座位や歩行への移行を安全に行う方法を説明
立位保持の時間を徐々に増やしていく重要性を説明し、無理をしないよう助言
立位保持中に痛みや不快感が生じた場合の対処法を教える
転倒防止のため、立位保持時や移動時の注意点を説明
筋力維持や体幹強化のための簡単な運動やストレッチを指導
立位時の呼吸法やリラクゼーション方法を教え、安定した姿勢を保つ方法を説明
家族や介護者に対して、立位保持時の安全なサポート方法を説明

類②-移乗機能障害

コード:00367

定義
隣接する面から面への自力移動に限界がある状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 移乗機能障害
長期目標自立して安全にベッドや車椅子などへの移乗ができる
短期目標1週間以内に看護師の介助を受けて、安全にベッドから車椅子への移乗ができる
観察計画
(O-P)
現在の移乗能力の評価(自力での移乗可否、必要な介助レベル)
移乗時の筋力や関節可動域の確認
移乗中のバイタルサイン(心拍数、血圧、呼吸)の変化
移乗時の痛みや疲労感の有無
移乗に対する心理的な不安や恐怖感の有無
移乗に使用する補助具(スライディングボード、リフトなど)の使用状況
移乗時の転倒や怪我のリスクの有無
日常生活動作(ADL)における移乗頻度や状況の確認
移乗後の姿勢や安全性の確認
移乗能力に影響を与える薬剤の使用状況や副作用の観察
援助計画
(T-P)
移乗時に適切な介助を行い、安全を確保する
ベッドや車椅子などの移乗対象物の高さや位置を調整し、移乗しやすくする
必要に応じてスライディングボードやリフトを使用して安全な移乗をサポート
関節可動域訓練や筋力強化訓練を実施し、移乗能力を向上させる
移乗中にバランスを崩さないように体幹の安定性をサポート
痛みがある場合は、鎮痛剤の使用を調整(医師と相談)
移乗時に必要な動作(体位変換、足の位置調整など)をサポート
移乗後の姿勢やポジショニングを整え、安全に安定した状態を保つ
リハビリテーションスタッフと連携して移乗訓練を実施
転倒や事故を防ぐため、移乗中の環境を整備し、安全を確保する
教育計画
(E-P)
安全な移乗方法(ベッドから車椅子など)を説明し、実際に練習させる
移乗時に補助具(スライディングボードやリフト)の使用方法を指導
移乗時に必要な動作やステップを教え、繰り返し練習する
移乗中に不安や恐怖を感じた場合、すぐに看護師に助けを求めるよう説明
移乗に伴うリスク(転倒や怪我)について説明し、予防策を指導
移乗の際に無理をしないよう、介助を依頼する重要性を説明
家族や介護者に対して、安全な移乗の介助方法を説明
筋力や柔軟性を維持するための簡単な運動やストレッチを教える
移乗能力の向上に向けた段階的なリハビリ計画を説明
長時間の移動や移乗後に疲労を感じた際、無理をせず休むよう助言

類②-歩行機能障害

コード:00365

定義
環境内での徒歩による自力移動能力に限界がある状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 歩行機能障害
長期目標自立して安全に歩行できる
短期目標3日以内に看護師の介助を受けて、安全に10メートル歩行できる
観察計画
(O-P)
歩行時のバランスや安定性の確認
歩行中のバイタルサイン(心拍数、血圧、呼吸状態)の変化
歩行時の筋力や関節可動域の評価
歩行中の痛みや疲労感の有無
補助具(杖、歩行器など)の使用状況の確認
歩行中のふらつきや転倒リスクの有無
歩行時の足の動きや歩幅、歩行スピードの確認
歩行に対する心理的な不安や恐怖感の有無
日常生活動作(ADL)における歩行頻度や状況の確認
歩行中にめまいや立ちくらみの有無
援助計画
(T-P)
看護師の介助のもと、歩行をサポートし、安全を確保
歩行補助具(杖、歩行器など)の適切な使用を支援
歩行に伴う筋力強化やバランス訓練を実施
歩行中に痛みや疲労感がある場合は、適切な休憩を促す
必要に応じて、歩行時に安定した靴を選択し、転倒リスクを軽減
歩行時の体位や足の動きがスムーズになるよう介助
リハビリスタッフと連携し、歩行訓練を実施
転倒予防のため、歩行中の周囲環境を整備(障害物の除去、滑り止めなど)
歩行が難しい場合、電動車椅子や他の移動手段を検討
歩行訓練後、体力に応じて徐々に距離を延ばしていくプランを立てる
教育計画
(E-P)
安全な歩行方法と補助具の使い方を指導
歩行時に転倒リスクを避けるため、周囲の環境整備の重要性を説明
歩行中に痛みや疲労を感じた場合の対処法(適切な休憩)を指導
転倒や滑りやすい場所を避ける歩行の注意点を教える
無理なく歩行を続けるため、体力に合わせた段階的な歩行プランを説明
歩行訓練におけるバランスや筋力強化の重要性を説明
補助具の定期的な点検や調整の必要性について説明
不安や恐怖を感じる場合、無理せず介助を求める重要性を指導
家族や介護者に対して、安全な歩行介助の方法を説明
歩行後のストレッチやクールダウンの重要性を説明し、疲労を軽減する方法を指導

類③-活動耐性低下

コード:00298

定義
必要な、あるいは望ましい日常生活をやり遂げる持久力が不足している状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 活動耐性低下
長期目標日常生活に必要な活動を無理なく行える
短期目標軽度の活動を10分間休まずに継続できる
観察計画
(O-P)
活動後のバイタルサイン(心拍数、血圧、呼吸状態)の確認
活動中や活動後の疲労感や倦怠感の程度
活動中の呼吸困難や息切れの有無
活動に伴うめまいやふらつきの有無
活動中の表情や言動(苦痛のサイン)の観察
活動後の筋肉痛や関節痛の有無
日常的に行っている活動の内容や頻度の把握
活動に対する意欲やモチベーションの確認
日常生活での活動量や動作範囲の確認
過去の活動耐性に影響を与えた疾患や病歴の把握
援助計画
(T-P)
疲労が軽減するよう、活動と休息のバランスを調整
活動中のサポート(必要時の介助や補助具の使用)
活動前のウォームアップや軽いストレッチを指導
日中の軽い運動や歩行を促し、徐々に活動量を増やす
体位変換やベッドからの移乗を援助
必要に応じて、車椅子や歩行補助具の使用を支援
活動後のリラックス方法(深呼吸、軽いマッサージ)の提供
エネルギー消費の少ない活動方法の工夫を提案
日々の活動を段階的に増やし、負担がかからないように調整
疲労や痛みが強い場合は、活動を中止して医師に報告
教育計画
(E-P)
疲労が蓄積しないように、活動と休息のバランスを取る方法を説明
活動後の疲労感や痛みを軽減するストレッチやクールダウンの重要性を説明
日常生活で無理をしないよう、適切な活動量を守る重要性を指導
活動中に息切れやめまいを感じた場合の対処法を説明
活動耐性を向上させるための段階的な運動計画の立て方を指導
疲労感や倦怠感を自己管理する方法を説明
エネルギーを効率的に使用するための活動の工夫を提案
活動耐性低下が心身に及ぼす影響について説明
自宅で行える軽い運動や活動を提案し、実施方法を説明
活動に伴う痛みや疲労が持続する場合は、早めに医師に相談するよう勧める

類③-活動耐性低下リスク状態

コード:00299

定義
必要な、あるいは望ましい日常生活をやり遂げる持久力が不足しやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 活動耐性低下リスク状態
長期目標活動耐性低下を防ぎ、日常生活で無理なく身体を動かせる状態を維持する
短期目標1週間以内に活動中に疲労感や息切れが生じないように適切な休息を取り入れることができる
観察計画
(O-P)
バイタルサイン(心拍数、血圧、呼吸状態)の定期的な観察
日常活動後の疲労感や倦怠感の程度を確認
息切れや呼吸困難の有無
活動中のめまいやふらつきの有無
活動意欲やモチベーションの変化
筋力や持久力の低下の兆候を確認
活動に対する心理的な不安や恐怖の有無
食欲不振や栄養状態の観察(活動耐性に影響を与える可能性あり)
睡眠状態や疲労回復の度合いを確認
使用している薬が活動耐性に影響を与えているかの観察(副作用など)
援助計画
(T-P)
活動と休息のバランスを調整し、無理のないスケジュールを作成
必要時、活動中の介助や補助具の使用を促す
軽度な運動やストレッチを定期的に行うことで筋力維持を支援
活動中に疲労感を感じた場合、すぐに休息を取るように援助
活動中の体位変換や体の負担軽減を図るサポートを提供
移動や日常活動の際、リスクを回避するための介助を行う
食事や水分摂取を促し、体力維持を図る
必要に応じて理学療法士と協力し、運動プログラムを調整
長時間同じ姿勢を避け、適度に体を動かすことを指導
体力に応じた活動範囲を設定し、負担がかからないよう調整
教育計画
(E-P)
活動耐性低下を防ぐために、日々の活動量と休息のバランスが重要であることを説明
体力に応じた無理のない活動を続けることの大切さを指導
活動中に疲労感や息切れを感じた際の対処法を教える
適切な栄養と水分摂取が活動耐性に与える影響について説明
日常的に軽い運動やストレッチを取り入れることで、筋力低下を予防する方法を指導
睡眠と休息が活動耐性に与える影響を説明し、規則的な睡眠を勧める
活動中の姿勢や動作を工夫して負担を減らす方法を提案
疲労が蓄積しないよう、こまめに休息を取る重要性を説明
活動中にめまいや息切れが生じた場合、無理せず休むことの重要性を指導
活動に対する不安やストレスを軽減するリラクゼーション方法を教える

類③-倦怠感負担過剰

コード:00477

定義
圧倒的で長引く消耗感があり、通常の身体的・精神的な作業能力が低下した状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 倦怠感負担過剰
長期目標倦怠感が軽減し、日常生活を自立して行える
短期目標1週間以内に休息を取り入れながら、軽度の活動を無理なく行える
観察計画
(O-P)
倦怠感の程度(VASスケールなどを使用)
倦怠感が発生する時間帯や状況の把握
日中の活動量や疲労の蓄積具合を確認
睡眠の質やパターン(睡眠不足や不眠の有無)の観察
食欲や食事摂取量の変化の確認
倦怠感に伴う心理的なストレスや不安の有無
バイタルサイン(血圧、心拍数、体温)の変化を観察
薬剤使用の有無や副作用の確認(疲労や倦怠感を引き起こす可能性がある薬)
日常生活動作(ADL)の遂行能力を評価
水分摂取量や脱水症状の有無
援助計画
(T-P)
倦怠感を軽減するため、活動と休息のバランスを調整
十分な睡眠がとれるように、リラックスした環境を整える
軽度の活動(散歩やストレッチ)を無理のない範囲で促進
倦怠感に応じて、必要な活動の優先順位を決めて調整
栄養バランスの取れた食事を提供し、エネルギー補給を支援
水分補給を促し、脱水による疲労を予防
必要に応じて、看護師が介助しながら適切な休息を促す
倦怠感が強い場合は、活動を中止し休息をとるように指導
リラクゼーション法(深呼吸や瞑想)を取り入れ、リフレッシュを支援
医師と連携し、倦怠感の原因となる薬剤の調整や変更を検討
教育計画
(E-P)
倦怠感を軽減するための適切な休息と活動のバランスについて指導
十分な睡眠が倦怠感に与える影響を説明し、睡眠環境を整える方法を教える
栄養バランスの良い食事が体力回復に重要であることを説明
軽い運動やストレッチが倦怠感を和らげる効果があることを説明
倦怠感を感じた際に無理せず休息を取ることの重要性を指導
日常生活の中で疲労を感じるタイミングを把握し、対策を立てる方法を教える
水分補給の重要性について説明し、適切な水分摂取を促す
倦怠感に対する心理的なストレスや不安を軽減するリラクゼーション法を指導
倦怠感が長期間続く場合は、医師に相談するよう促す
家族や介護者に対して、倦怠感に配慮したサポート方法を説明

類③-術後回復障害

コード:00465

定義
周術期の生理的または心理的変化によって、術前の機能的健康状態への到達や向上に必要な療養期間が長引いている状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 術後回復障害
長期目標術後の回復を促進し、日常生活に早期に復帰できる
短期目標術後の回復を阻害する要因を減らし、回復を促すケアを確立できる
観察計画
(O-P)
バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸、体温)を定期的に観察し、異常の早期発見を図る
手術部位の状態(発赤、腫れ、熱感、痛み、滲出液)を確認し、感染兆候がないか観察
患者の痛みの程度を評価し、痛みが回復を遅らせていないか確認
排尿や排便の状況を観察し、腸の動きや膀胱機能の回復状態を確認
食欲や栄養摂取状況を観察し、栄養不足が回復に影響していないか確認
手術後の活動レベルを観察し、患者の動きや日常生活動作が適切に回復しているか確認
患者の疲労感や倦怠感の有無を観察し、過度な疲労がないか確認
傷口の治癒状況を確認し、治癒が遅れていないか観察
出血や内出血の兆候を確認し、手術部位からの出血がないか観察
患者の精神状態(不安、うつなど)を観察し、心理的要因が回復に影響を与えていないか確認
援助計画
(T-P)
バイタルサインに異常が見られた場合、迅速に対応し、必要に応じて医師に報告
手術部位の感染予防のため、創部の適切なケアを実施し、清潔を保つ
患者の痛みを管理し、痛みが回復を妨げないように適切な鎮痛薬を投与
排尿や排便を促進するため、水分摂取や軽い運動を推奨し、排泄がスムーズに行えるようサポート
栄養状態を改善するため、バランスの取れた高タンパク・高カロリー食を提供
患者に対して無理のない範囲での早期離床と活動を促し、筋力低下を予防
疲労感が強い場合は、適切な休息を取るよう促し、睡眠環境を整える
傷口の回復を促進するため、適切なドレッシング材を使用し、必要に応じて傷の保護を行う
出血や内出血が認められた場合、速やかに圧迫止血や追加の処置を行う
患者の心理状態をサポートし、必要に応じてカウンセリングやリラクゼーション法を導入する
教育計画
(E-P)
術後の回復に必要なセルフケアの方法(体位変換、排泄促進、栄養摂取)を指導
手術部位の清潔保持と適切な創傷管理の方法を家族や患者に説明し、感染予防の重要性を強調
痛みが強い場合は、痛みを我慢せず適切に鎮痛薬を使用するよう指導
栄養摂取の重要性を説明し、バランスの取れた食事を推奨
適切な運動や活動を推奨し、早期の離床や日常生活動作の再開が回復に役立つことを説明
術後の疲労感や倦怠感がある場合、適切な休息の重要性を指導
傷口の異常(発赤、痛みの悪化、膿など)が見られた場合、速やかに報告するよう指導
出血の兆候が見られた場合、速やかに医療機関に連絡するよう説明
精神的なサポートの必要性について家族に説明し、患者を支える環境を整えることの重要性を強調
患者の回復を遅らせる要因がないよう、日常生活でのケアやサポートの実践を家族に依頼

類③-術後回復障害リスク状態

コード:00464

定義
周術期の生理的または心理的変化によって、術前の機能的健康状態への到達や向上に必要な療養期間が長引きやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 術後回復障害リスク状態
長期目標術後の回復を遅らせる要因を防ぎ、早期に日常生活へ復帰できる
短期目標術後回復遅延のリスクを軽減し、回復を促進するケアを行う
観察計画
(O-P)
バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸、体温)を定期的に確認し、回復遅延の兆候がないか観察
手術部位の状態(発赤、腫れ、熱感、痛み、滲出液)を観察し、感染や炎症の兆候がないか確認
患者の痛みの程度を評価し、痛みが回復に影響を与えていないか確認
排尿や排便の状況を観察し、腸の動きや膀胱機能の回復状況を確認
食欲や栄養摂取量を観察し、栄養不足が回復遅延の原因となっていないか確認
手術後の活動レベルを観察し、患者の動作や歩行が適切に回復しているか確認
血液検査(白血球数、CRPなど)で感染や炎症のリスクを評価
疲労感や倦怠感が強くないか確認し、回復を遅らせる疲労の影響を評価
出血や内出血の兆候を観察し、血液量の変化を確認
精神的な不安やストレスが回復に影響を与えていないか、患者の心理状態を確認
援助計画
(T-P)
手術後の痛みを適切に管理し、鎮痛薬の投与を行い、患者の痛みを軽減
手術部位の清潔保持を徹底し、感染予防のために創傷ケアを適切に行う
栄養状態を改善するため、高タンパク・高カロリー食を提供し、栄養不足を補う
早期の離床と適度な運動を促進し、回復を遅らせないようサポート
術後の排便・排尿を促進するために、適切な水分摂取や腸の動きを促す食事を提供
疲労を軽減するために、適切な休息と睡眠環境を整える
精神的なサポートを行い、不安やストレスを軽減するためにカウンセリングやリラクゼーションを導入
出血のリスクがある場合は、出血予防のため、定期的に体位変換や圧迫を行う
体温が上昇している場合は、発熱管理を行い、適切な体温調節をサポート
患者の家族に回復を促すためのサポート方法(体位変換、歩行補助など)を教え、協力を依頼
教育計画
(E-P)
術後の回復を遅らせる要因(感染、栄養不足、運動不足など)について説明し、早期発見の重要性を強調
痛みが回復を遅らせないよう、鎮痛薬の適切な使用方法とタイミングを指導
感染予防のため、手術部位の清潔保持とドレッシング交換の方法を家族に説明し、感染の兆候があれば報告するよう指導
栄養摂取の重要性を説明し、回復を促進するためにバランスの取れた食事を推奨
適切な運動と早期の離床が回復を促進することを説明し、活動を促す方法を指導
術後の疲労感や倦怠感がある場合、適切な休息の重要性を説明し、睡眠環境を整えることを勧める
血圧や体温の変動に注意を払い、異常があれば速やかに報告するよう家族に説明
精神的なストレスが回復を遅らせるリスクがあるため、リラクゼーション方法やサポート体制を家族と共有
出血リスクのある患者には、圧迫止血や出血予防の方法を説明し、異常があれば報告するよう指導
術後の早期回復に向け、日常生活のケアやサポート方法を家族に指導し、家庭での協力体制を整える

類④-心血管機能障害リスク状態

コード:00311

定義
物質の運搬、体内の恒常性、組織の代謝老廃物の除去、臓器機能に関わる正常なプロセスが変化しやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 心血管機能障害リスク状態
長期目標心血管機能障害を予防し、安定した循環動態を維持できる
短期目標1週間以内に心血管機能障害のリスク要因を把握し、適切な予防策を実施できる
観察計画
(O-P)
バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温)の定期的なモニタリング
心電図モニタリングを行い、不整脈や異常波形の有無を確認
動悸や胸痛の有無、心血管症状の出現状況の観察
呼吸困難や息切れの有無を確認
四肢の浮腫や末梢循環不全(皮膚冷感、チアノーゼなど)の確認
尿量や体重の増減の観察(体液貯留の兆候の確認)
日常活動中の疲労感や倦怠感の有無の確認
患者の生活習慣(喫煙、飲酒、食事、運動習慣)を把握
血液検査による心血管リスク因子(コレステロール値、血糖値など)の確認
ストレスや不安の程度を観察し、心血管機能への影響を把握
援助計画
(T-P)
バイタルサインの変化に応じて早期介入を行い、異常が見られた場合は医師に報告
塩分や脂肪を控えた食事管理を推奨し、心血管に負担をかけない食事を提供
適切な運動(ウォーキングや軽い運動)を推奨し、心血管の健康維持をサポート
ストレス軽減のため、リラクゼーションや深呼吸法を導入
体重管理を支援し、肥満や過剰な体重増加を予防
禁煙や節酒の指導を行い、生活習慣の改善を促す
血圧や血糖値の管理を行い、心血管疾患のリスクを軽減
必要に応じて、心血管系の薬剤(降圧薬、抗血栓薬)の服薬管理を実施
転倒予防や急激な体位変換を避けるよう、動作をゆっくりと行うよう指導
適度な休息を促し、過度な心血管への負担を防ぐ
教育計画
(E-P)
心血管機能障害のリスク要因(高血圧、糖尿病、喫煙、肥満など)について説明
バランスの取れた食事が心血管機能に与える影響について教育し、具体的な食事例を提案
心血管機能を保つために、無理のない範囲での定期的な運動の重要性を指導
血圧や心拍数を自己管理する方法を教え、定期的なモニタリングの重要性を説明
ストレス管理が心血管機能に与える影響を説明し、リラクゼーション法を指導
禁煙や節酒の重要性について説明し、サポート方法を提案
体重管理と肥満が心血管リスクに与える影響について説明
心血管機能に悪影響を及ぼす要因(過度な塩分摂取、アルコール摂取)の回避を指導
不安やストレスを感じた際、すぐに医療者に相談する重要性を説明
家族や介護者に、心血管機能障害の兆候(息切れ、胸痛、浮腫など)と対応方法を説明

類④-血圧バランス異常リスク状態

コード:00362

定義
動脈壁にかかる血流の圧力が、望ましいレベル以上、または以下に繰り返し変動しやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 血圧バランス異常リスク状態
長期目標安定した血圧を維持し、日常生活における合併症を予防できる
短期目標1週間以内に血圧の変動を予防するための適切な対策を講じることができる
観察計画
(O-P)
血圧の定期的な測定と変動の観察(高血圧や低血圧の有無)
バイタルサイン(心拍数、呼吸数、体温)のモニタリング
血圧変動に伴う症状(めまい、頭痛、動悸、息切れ)の有無の確認
起立性低血圧の有無を評価し、立ち上がり時の血圧変化を観察
脱水や電解質異常があるかを確認(尿量や皮膚状態を観察)
患者の生活習慣(食事、運動、睡眠、喫煙、飲酒など)の把握
精神的なストレスや不安の有無を観察し、血圧に与える影響を評価
服薬状況の確認(降圧薬や他の薬剤による影響)
体重や浮腫の有無を確認し、体液バランスを評価
心電図モニタリングによる不整脈の有無の確認
援助計画
(T-P)
バイタルサインの変動に応じて早期に介入し、血圧が安定するようサポート
塩分を控えた食事を提供し、血圧の安定を図る
起立性低血圧を予防するため、ゆっくりとした体位変換を行い、急激な動作を避ける
水分補給を促進し、脱水による低血圧を予防
必要に応じて医師と連携し、降圧薬や利尿薬などの服薬管理を調整
ストレス軽減のため、リラクゼーション法や呼吸法を導入
適度な運動(軽いウォーキングなど)を推奨し、血圧の安定をサポート
体重管理を支援し、肥満や過体重による血圧変動を防ぐ
寝る前の過度なカフェインやアルコール摂取を避けるように助言
体位変換時や歩行時に転倒を予防するため、環境整備を行う
教育計画
(E-P)
血圧を安定させるための生活習慣(低塩食、適度な運動、ストレス管理)の重要性を説明
定期的な血圧測定の方法を教え、異常があった場合の対処法を指導
血圧を安定させるため、塩分やカフェイン摂取の制限について説明
水分補給の重要性を説明し、適切な水分摂取量を指導
起立性低血圧予防のため、急な体位変換を避け、立ち上がる際にゆっくり行動するよう説明
血圧変動に影響を与えるストレスや不安の管理方法を指導
降圧薬や他の薬剤の服薬アドヒアランスの重要性を説明し、正しい服薬方法を指導
体重管理の重要性を説明し、適切な体重維持の方法を教える
日常生活での活動と休息のバランスを保つことで、血圧の急激な変動を防ぐ方法を説明
家族や介護者に、血圧不安定時の兆候と対応方法を説明し、協力体制を整える

類④-心拍出量減少リスク状態

コード:00240

定義
心血管疾患や肺疾患や外傷のある人で、心臓から送り出される血液量が、代謝要求量に対して不十分になりやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 心拍出量減少リスク状態
長期目標心拍出量が安定し、合併症を予防しながら日常生活を安全に過ごせる
短期目標24時間以内にバイタルサインが安定し、心拍出量減少の兆候が現れない
観察計画
(O-P)
バイタルサイン(心拍数、血圧、呼吸数、体温)の定期的な観察
心拍出量低下の兆候(息切れ、動悸、めまい、疲労感)の有無の確認
尿量の減少や浮腫の有無を確認し、体液バランスを把握
皮膚の冷感やチアノーゼ、末梢循環不全の徴候を観察
四肢の浮腫や体重増加の有無(体液貯留の兆候)を確認
呼吸困難や胸痛の有無の観察
酸素飽和度(SpO2)の測定
心電図モニタリングで不整脈や異常波形の確認
精神的な不安やストレスが循環に与える影響を観察
日常生活動作時の疲労や呼吸困難感の有無を観察
援助計画
(T-P)
バイタルサインの変動があれば、早期に医師へ報告し、治療を調整
安静を保つため、日常生活動作の制限と活動量の管理を行う
心拍出量を安定させるために、酸素療法を必要に応じて実施
心臓への負担を軽減するため、安楽な体位(ファウラー位、セミファウラー位)を提供
心電図モニタリングを実施し、不整脈や異常の早期発見をサポート
体液バランスを維持するため、水分管理や適切な排尿を促進
医師と連携して、必要に応じて強心薬や利尿薬の投与を調整
四肢の浮腫や体重増加が見られた場合、脚を高くして静脈還流を促進
食事内容を管理し、塩分や水分の制限を指導
精神的な不安やストレスを軽減するため、リラクゼーション法を実施
教育計画
(E-P)
心拍出量減少のリスク因子(高血圧、不整脈、過度な運動)の説明と回避策を指導
適切な水分摂取量やバランスを保つ方法について説明
心拍数や血圧の急な変動時の対処法を教える
息切れや動悸を感じたときは、すぐに安静を取るよう指導
塩分や水分制限の必要性を説明し、具体的な食事管理の方法を教える
適切な活動量を保ちつつ、無理のない範囲で日常生活を送る方法を説明
体重が増加した場合や浮腫が見られた場合、医師に相談する重要性を強調
胸痛や呼吸困難があった場合、早急に対応する重要性を説明
心拍出量に影響を与える不安やストレス管理の方法を教える
家族や介護者に、心拍出量減少の兆候に対する観察と早期対応の方法を説明

類④-脳組織灌流不良リスク状態

コード:00201

定義
脳への血液循環が減少しやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 脳組織灌流不良リスク状態
長期目標脳組織への十分な血流を維持し、脳機能の低下や合併症を予防できる
短期目標24時間以内に脳組織灌流のリスク要因を管理し、バイタルサインが安定する
観察計画
(O-P)
バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温)の定期的モニタリング
神経学的な兆候(意識レベル、反応、瞳孔反射)の観察
頭痛、めまい、混乱、視覚障害など、脳血流低下の兆候の確認
言語障害(ろれつが回らない、発語の困難)の有無を確認
四肢の麻痺やしびれの有無、運動機能の評価
呼吸状態の観察(浅く速い呼吸、呼吸困難の有無)
尿量の減少や浮腫の有無を確認し、全身の血流状態を評価
酸素飽和度(SpO2)をモニタリング
心電図の変化や不整脈の有無を確認
精神状態や不安感の変化を観察し、脳の機能低下を早期に発見
援助計画
(T-P)
血圧や心拍数が安定するように、安静を促し、安楽な体位(ファウラー位など)を提供
酸素療法を実施し、脳への酸素供給を確保
心電図モニタリングを行い、不整脈や虚血性変化を早期に発見
血圧の急激な変動を避けるため、ゆっくりとした体位変換を実施
脳血流を安定させるため、必要に応じて降圧薬や血液循環改善薬の投与を調整
ストレスや不安を軽減するため、リラックス法や深呼吸法を取り入れる
日常活動を制限し、無理のない範囲で患者をサポート
水分管理を行い、脱水や過剰な水分摂取を防ぐ
頭痛やめまいが現れた場合は、すぐに医師に報告し、処置を調整
医師と連携し、脳灌流を改善するための薬物治療や診断(CTやMRIなど)を検討
教育計画
(E-P)
非効果的脳組織灌流のリスク要因(高血圧、動脈硬化、糖尿病など)について説明
脳血流低下による症状(頭痛、めまい、言語障害、麻痺など)の早期発見の重要性を説明
バイタルサインを定期的にモニタリングし、異常があれば早期に報告する重要性を指導
血圧や血糖値の管理が脳灌流に与える影響について説明し、自己管理の方法を教える
酸素療法の目的と酸素機器の使用方法を説明
脳の血流を安定させるため、過度な活動を避け、安静を保つ方法を説明
ストレス管理の重要性を説明し、リラクゼーション法や呼吸法を実践させる
服薬アドヒアランス(降圧薬や抗凝固薬など)の重要性を説明し、適切な服薬方法を指導
水分管理の重要性を説明し、脱水や過剰摂取を避ける方法を指導
家族や介護者に対し、脳灌流低下の兆候に対する早期対応の重要性を説明し、協力体制を整える

類④-末梢組織灌流不良

コード:00204

定義
四肢への血液循環が低下した状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 末梢組織灌流不良
長期目標末梢組織への血流が適切に維持され、組織障害や合併症が予防できる
短期目標1週間以内に末梢組織灌流が改善し、末梢循環不全の兆候が軽減する
観察計画
(O-P)
バイタルサイン(血圧、心拍数、体温、呼吸数)の定期的な観察
四肢の皮膚状態(冷感、蒼白、チアノーゼ、発赤など)の確認
末梢の浮腫やしびれ、痛みの有無を観察
末梢の脈拍(足背動脈、橈骨動脈など)の強さやリズムを確認
毛細血管再充満時間(CRT)の確認(2秒以上で灌流不良の兆候)
動作や活動中の痛みや不快感、疲労感の有無を観察
患部の体温の変化(冷感、温感の違い)を確認
尿量や排尿パターンの変化を確認し、腎血流の低下を評価
疼痛やしびれ、麻痺の有無を確認
末梢循環改善を目的とした治療やケアに対する反応を評価
援助計画
(T-P)
患肢を心臓より高く保つポジショニングを行い、静脈還流を促進
血液循環を改善するため、末梢を温める(温罨法や毛布の使用)
軽度の運動やリハビリを促進し、血流を改善する(歩行訓練、関節運動)
弾性ストッキングや弾性包帯を使用して、血液の循環を促進
マッサージや軽いストレッチを実施し、末梢の血流を改善
患肢のポジショニングを調整し、圧迫や血流障害を防止
必要に応じて、医師と連携し、血管拡張薬や抗凝固薬の使用を調整
水分補給を促進し、血液粘度の低下と血流促進を図る
末梢神経障害や血流障害がある場合、疼痛管理を行い、疼痛緩和を支援
転倒や外傷を防ぐため、環境を整備し、日常生活動作中の安全を確保
教育計画
(E-P)
末梢組織への血流低下のリスク因子(高血圧、糖尿病、喫煙、動脈硬化など)について説明
患肢を心臓より高く保つポジショニングの重要性と実践方法を指導
末梢循環を改善するための運動や関節運動の重要性を説明し、無理のない範囲で実施する方法を指導
血流改善のために弾性ストッキングや弾性包帯の正しい使用方法を教える
温罨法や体温管理の重要性を説明し、末梢を温める方法を指導
水分補給が血流促進に与える影響を説明し、適切な水分摂取を促す
血管に悪影響を与える生活習慣(喫煙、過剰な塩分摂取など)の改善方法を説明
末梢組織灌流が不良になった場合の症状(冷感、しびれ、色調変化)を早期に認識し、医師に報告する重要性を説明
服薬アドヒアランスの重要性を説明し、血流改善薬や抗凝固薬の正しい服薬方法を指導
家族や介護者に対して、末梢組織灌流の重要性と日常生活でのサポート方法を説明

類④-末梢組織灌流不良リスク状態

コード:00228

定義
四肢への血液循環が低下しやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 末梢組織灌流不良リスク状態
長期目標末梢組織への適切な血流を維持し、組織障害や合併症を予防する
短期目標1週間以内に末梢組織灌流低下のリスク要因を管理し、予防策を実施できる
観察計画
(O-P)
四肢の皮膚状態(蒼白、チアノーゼ、冷感、発赤)の観察
末梢の脈拍(橈骨動脈、足背動脈など)の強さとリズムの確認
毛細血管再充満時間(CRT)の測定(2秒以上で灌流不良の兆候)
末梢の浮腫、しびれ、痛みの有無を確認
動作や活動中の疲労感や疼痛の有無を観察
バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、体温)の定期的モニタリング
患肢の温感や冷感の有無を確認し、体温変化を評価
皮膚の色調変化(蒼白、発赤、青紫色)や皮膚トラブルの有無を確認
尿量の変化や水分摂取量の確認(脱水や循環不全の兆候)
心電図モニタリングによる循環不全の早期発見
援助計画
(T-P)
患肢を心臓より高く保ち、静脈還流を促進するポジショニングを実施
定期的に体位変換を行い、局所的な圧迫を予防
末梢の循環を改善するため、軽度の運動やリハビリを促進
体を温める(温罨法や毛布の使用)ことで末梢の血流を改善
血液循環を促すため、弾性ストッキングや包帯を適切に使用
皮膚トラブルや外傷のリスクを軽減するため、皮膚の保護を行う
血流改善を目的としたマッサージや軽いストレッチを実施
必要に応じて、医師と連携し、血管拡張薬や抗凝固薬の使用を調整
水分補給を促し、血液粘度の低下と血流の改善を図る
患者が動作を行う際には無理をさせず、適切な休息を提供
教育計画
(E-P)
末梢組織灌流のリスク要因(高血圧、糖尿病、喫煙、動脈硬化など)について説明
末梢循環を維持するための体位(心臓より高く保つ)や体位変換の重要性を指導
血流を促進する軽度の運動(足首の回転運動やストレッチなど)を日常的に行うよう指導
温罨法や適切な保温による末梢組織灌流改善の方法を説明
弾性ストッキングや弾性包帯の正しい使用方法と重要性を指導
末梢循環不全の兆候(冷感、しびれ、チアノーゼ)の早期発見と報告の重要性を説明
水分摂取の重要性を説明し、適切な水分補給方法を教える
皮膚を清潔に保ち、皮膚損傷や感染を予防する方法を指導
末梢組織灌流に影響を与える生活習慣(喫煙、過度な塩分摂取、長時間の座位)の改善を促す
家族や介護者に対し、末梢組織灌流リスクの早期発見と対応の重要性を説明し、協力を得る

類④-呼吸パターン不良

コード:00032

定義
吸気や呼気による適切な換気の維持が困難な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 呼吸パターン不良
長期目標安定した呼吸パターンが確立され、日常生活に支障なく呼吸ができる
短期目標1日以内に安静時に呼吸困難感が軽減し、効果的な呼吸ができる
観察計画
(O-P)
呼吸数、呼吸の深さ、リズムの観察
努力呼吸や胸郭の動き(胸式呼吸や腹式呼吸)の確認
息切れや呼吸困難感の有無とその程度の確認
酸素飽和度(SpO2)の測定
呼吸音の確認(喘鳴や湿性ラ音など)
体位に伴う呼吸状態の変化を観察(座位や仰臥位での違い)
活動時や安静時の呼吸困難の有無を確認
不安や緊張が呼吸に与える影響を観察
バイタルサイン(血圧、心拍数、体温)の変化の確認
呼吸補助筋の使用や口すぼめ呼吸の有無を確認
援助計画
(T-P)
効果的な呼吸法(腹式呼吸や口すぼめ呼吸)を指導
安楽な体位(ファウラー位やセミファウラー位)を提供し、呼吸を楽にする
必要に応じて酸素療法を実施し、酸素飽和度を維持
喀痰がある場合は、吸引や体位ドレナージで喀痰排出を促進
呼吸困難時は患者の不安を軽減するため、ゆっくりと声かけを行う
呼吸を促すためのネブライザー治療や吸入療法の実施
活動中に呼吸が困難な場合、適切な休息を促し、無理な動作を避ける
水分摂取を促し、粘稠な痰の排出を容易にする
呼吸困難時の胸部圧迫や不安感を軽減するために、リラックス法を指導
必要に応じて、医師と連携し、呼吸機能改善のための薬剤治療を調整
教育計画
(E-P)
効果的な呼吸法(腹式呼吸、口すぼめ呼吸)の重要性を説明し、実践方法を指導
呼吸困難を感じたときの対処法を説明し、落ち着いて呼吸できる方法を教える
自宅でも呼吸を楽にするための体位(セミファウラー位など)を説明
活動時の呼吸困難を避けるため、無理のないペースで動作を行うよう助言
十分な水分摂取が呼吸状態に与える影響を説明し、適切な水分補給を促す
呼吸困難が悪化する兆候や異常を早期に認識し、適切な対応を取る方法を指導
医師から処方された吸入薬やネブライザーの正しい使用方法を説明
環境因子(ほこりや煙など)が呼吸に与える影響について説明し、避ける方法を指導
ストレスや不安が呼吸パターンに悪影響を及ぼすことを説明し、リラクゼーション法を教える
呼吸機能を改善するための適度な運動の重要性を説明し、無理のない範囲での活動を勧める

類④-自発換気障害

コード:00033

定義
生命維持に必要な自力呼吸の開始や維持ができない状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 自発換気障害
長期目標自発呼吸が安定し、日常生活においても無理なく呼吸を維持できる
短期目標24時間以内に安静時に効果的な自発呼吸が可能になり、酸素飽和度が改善する
観察計画
(O-P)
呼吸数、深さ、リズムを定期的に観察
酸素飽和度(SpO2)のモニタリング
努力呼吸や胸郭の動き(使用される呼吸補助筋の有無)の確認
呼吸困難感(呼吸苦、息切れ)の有無とその程度の評価
呼吸音(喘鳴、湿性ラ音など)の確認
呼吸困難に伴う不安や恐怖感の観察
体位変換による呼吸の変化の確認(ファウラー位、座位での呼吸状態の観察)
バイタルサイン(心拍数、血圧、体温)の確認
胸痛や圧迫感の有無を観察
喀痰の状態や量、色を確認し、気道の開通状態を評価
援助計画
(T-P)
安楽な体位(ファウラー位やセミファウラー位)を提供し、呼吸を楽にする
酸素療法を実施し、酸素飽和度を改善・維持する
効果的な呼吸法(腹式呼吸や口すぼめ呼吸)を指導
呼吸困難時には患者にゆっくりとした声かけを行い、リラックスを促す
必要に応じて、喀痰の排出を促進するための吸引やネブライザー治療を実施
水分摂取を促進し、痰の粘稠度を軽減して気道の通りをよくする
呼吸状態の変化に応じて、定期的に体位変換を行い、呼吸の負担を軽減
呼吸をサポートするため、呼吸補助器具(CPAP、BiPAPなど)の使用を検討
呼吸を楽にするため、過度な活動や無理な運動を避け、適切な休息を提供
必要に応じて、医師と連携し、呼吸を改善するための薬物療法を調整
教育計画
(E-P)
効果的な呼吸法(腹式呼吸、口すぼめ呼吸)の実践方法を指導し、日常的に行うよう説明
酸素療法の目的と自宅での酸素機器の使用方法を説明
呼吸が楽になる体位や体位変換の重要性を説明
水分摂取が気道の通りを良くし、呼吸を楽にすることを説明
呼吸困難が悪化した場合、早期に医師に連絡する重要性を説明
適度な活動と休息のバランスを保つことで、呼吸に負担をかけない方法を指導
環境因子(ほこり、煙、花粉など)が呼吸に与える影響を説明し、避ける方法を指導
ストレスや不安が呼吸に与える影響について説明し、リラクゼーション法を教える
呼吸補助器具(CPAP、BiPAPなど)の使用方法や目的を説明し、正しい使用を促す
家族や介護者に、呼吸状態の悪化時の対応方法や緊急連絡のタイミングを説明

類④-小児人工換気離脱反応障害

コード:00431

定義
人工換気を24時間以上必要な18歳以下の子どもが、自発換気にうまく移行できない状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 小児人工換気離脱反応障害
長期目標人工換気から安全に離脱し、自発呼吸を維持できるようになる
短期目標72時間以内に自発呼吸の安定を確認し、人工換気の依存を徐々に減少できる
観察計画
(O-P)
呼吸数、呼吸リズム、呼吸の深さを定期的に観察
酸素飽和度(SpO2)をモニタリングし、自発呼吸中の酸素状態を評価
バイタルサイン(血圧、心拍数、体温)の変化を観察
人工換気からの離脱時に出現する呼吸困難感や努力呼吸の有無を確認
二酸化炭素濃度(EtCO2)のモニタリングによる換気効率の評価
呼吸補助筋の使用や胸郭の動きを確認し、呼吸の労力を評価
離脱試行中の意識レベルの変化を観察し、酸素不足による精神状態の変化を確認
血液ガス分析(動脈血ガス)の結果を確認し、酸素化や二酸化炭素の蓄積を評価
痰の排出能力や気道クリアランスの状態を評価
離脱時の疲労感や不安感の有無を観察し、心理的負担を確認
援助計画
(T-P)
人工換気の設定を調整し、段階的にサポートを減らして離脱を支援
離脱中に安楽な体位(ファウラー位、セミファウラー位)を提供し、呼吸を楽にする
必要に応じて酸素療法を継続し、自発呼吸をサポート
呼吸リハビリテーションを実施し、呼吸筋の強化と耐久性の向上を図る
人工換気離脱試行中に定期的に休息を入れ、呼吸筋の疲労を防止
呼吸補助具(ネブライザー、吸入器など)を使用し、気道の浄化と呼吸の効率を改善
不安や緊張を軽減するため、声かけやリラックス法を実施
痰の排出を促進するための水分補給や体位ドレナージをサポート
離脱時のストレス軽減のため、家族のサポートや心理的ケアを提供
必要に応じて医師と連携し、薬剤(気管支拡張薬、鎮静剤)の調整を行う
教育計画
(E-P)
人工換気からの離脱プロセスと目標について説明し、段階的な進行を理解させる
正しい呼吸法(腹式呼吸や深呼吸)を教え、自発呼吸の質を向上させる
呼吸筋を鍛えるための呼吸リハビリの重要性を説明し、実践方法を指導
酸素療法の目的と酸素機器の適切な使用方法を説明
離脱中に不安や息苦しさを感じた場合、早期に看護師や医師に報告するよう促す
痰の効果的な排出方法(体位ドレナージやネブライザー使用)の指導
離脱時の疲労感やストレスを管理するためのリラクゼーション法を説明
家族に対して、人工換気離脱のサポート方法と患者の精神的ケアについて説明
離脱後の呼吸状態の自己観察方法を教え、異常時の対応を指導
服薬アドヒアランスの重要性を説明し、処方薬の正しい使用方法を指導

類④-成人人工換気離脱反応障害

コード:00430

定義
人工換気を24時間以上必要とした18歳を超える大人が、自発換気にうまく移行できない状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 成人人工換気離脱反応障害
長期目標安全かつ効果的に人工換気から離脱し、自発呼吸を維持できるようになる
短期目標48時間以内に自発呼吸の安定を確認し、人工換気から部分的または完全に離脱できる
観察計画
(O-P)
呼吸数、呼吸パターン、呼吸の深さを定期的に観察
酸素飽和度(SpO2)を継続的にモニタリングし、適切な酸素供給を確認
血液ガス分析(動脈血ガス:PaO2、PaCO2)で酸素化と二酸化炭素の蓄積を評価
バイタルサイン(心拍数、血圧、体温、呼吸数)の変動を観察
人工換気からの離脱中に呼吸困難感、努力呼吸、呼吸補助筋の使用の有無を確認
離脱試行中の意識レベルの変化を観察し、酸素供給不足による意識障害の有無を確認
人工換気離脱中の疲労や倦怠感の有無、患者の表情や動作を観察
心電図モニタリングにより、離脱時の不整脈や虚血の兆候を確認
気道の清浄度と痰の排出能力を評価し、気道クリアランスを確保
離脱に伴う不安やストレスの兆候を観察し、精神状態の変化を確認
援助計画
(T-P)
人工換気のサポートを段階的に減少させ、離脱試行を行う際の計画を立案
離脱時に安楽な体位(ファウラー位、セミファウラー位)を提供し、呼吸を楽にする
酸素療法を必要に応じて実施し、酸素飽和度を維持
呼吸リハビリテーションを実施し、呼吸筋を強化し、自発呼吸を促進
離脱試行時には、適度な休息を設け、呼吸筋疲労を防ぐ
気道管理を徹底し、痰の排出を促進するために体位ドレナージや吸引を行う
離脱時の不安を軽減するために、心理的サポートを提供し、安心感を与える声かけを行う
離脱中に呼吸困難が出現した場合は、即座に人工換気を再開し、状態を安定させる
家族のサポートや心理的ケアを強化し、患者がリラックスできる環境を提供
必要に応じて医師と連携し、気管支拡張薬や鎮静薬の使用を調整
教育計画
(E-P)
人工換気からの離脱プロセスについて説明し、段階的な進行を理解させる
呼吸法(腹式呼吸、深呼吸)の重要性を説明し、自発呼吸を促進する方法を指導
離脱試行中に呼吸困難や不安を感じた際の対処法を教え、看護師に速やかに報告するよう指導
酸素療法の目的や家庭での酸素機器の使用方法を説明
呼吸筋を鍛えるための呼吸リハビリの重要性を説明し、実践方法を指導
離脱中に疲労を感じた場合、無理をせず休息を取ることの重要性を説明
気道の清浄度を保つための痰の排出方法(吸引や体位ドレナージ)の指導
精神的ストレスが呼吸に与える影響を説明し、リラクゼーション法を指導
家族に対し、人工換気離脱中の患者サポート方法と、精神的ケアの重要性を説明
服薬アドヒアランスの重要性を説明し、処方された薬物の正しい服用方法を指導

類⑤-セルフケア能力低下シンドローム

コード:00331

定義
複数の日常生活動作を自立して行う能力が衰えた状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 セルフケア能力低下シンドローム
長期目標セルフケア能力を維持・向上させ、可能な範囲で日常生活動作を自立して行うことができる
短期目標1日1回以上、援助を受けながらセルフケア動作(更衣、整容、移動など)に主体的に取り組むことができる
観察計画
(O-P)
ADL各項目(食事、排泄、整容、移動、入浴、更衣)の自立度
セルフケアへの意欲・認識の有無
身体機能の状態(筋力、関節可動域、バランス)
認知機能の程度(理解力、判断力、記憶力)
使用中の補助具(杖、装具、補聴器など)の有無と適合性
疼痛の有無と影響する動作内容
疾患や治療によるセルフケアへの制限の有無
疲労・倦怠感の有無と日内変動
セルフケアに対する心理的要因(不安、無気力、羞恥心など)
家族・介護者による支援状況と環境要因
援助計画
(T-P)
できる範囲でのセルフケア動作を見守りながら支援
必要に応じた部分介助を実施し、自立を促す
毎日のセルフケア動作をルーティン化する援助
疲労に応じて休憩をはさみながら段階的に動作を支援
補助具や福祉用具の活用支援と調整
スキンケアや清潔ケアを通じた身体意識の維持支援
更衣・整容のための動作練習を具体的に援助
セルフケア成功時のポジティブなフィードバックの提供
看護・リハビリスタッフとの連携による目標設定の調整
安全な環境調整(動線、転倒防止など)を実施
教育計画
(E-P)
セルフケア能力を保つことの重要性と効果を説明
小さな動作でも自分で行うことの意義を説明し、動機づける
疾患や加齢に伴う変化と、その中でできることを明確化
セルフケアが回復につながることをわかりやすく説明
家族へも「過介助」を避け、自立支援型の関わりを指導
補助具・環境整備の必要性と活用方法を説明
日々の目標設定と達成の喜びを共有することの重要性を説明
疲労や痛みとのつきあい方を指導(無理をしない工夫)
セルフケアへの拒否感や羞恥心を受容し、相談を勧める
介護保険・地域支援などの制度やサービス活用を案内

類⑤-セルフケア能力低下シンドロームリスク状態

コード:00332

定義
複数の日常生活動作を自立して行う能力が衰えやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 セルフケア能力低下シンドロームリスク状態
長期目標セルフケア能力を維持し、可能な範囲で日常生活を自立して行うことができる
短期目標1日1回以上、自立したセルフケア行動(更衣・整容・食事・移動など)に主体的に取り組むことができる
観察計画
(O-P)
各セルフケア行動(ADL)の現在の自立度(食事・排泄・更衣・入浴・移動など)
筋力、関節可動域(ROM)、バランス能力などの身体機能
疼痛やしびれの有無とその影響
疾患や治療による身体的制限(例:術後安静、装具使用など)
認知機能(理解力、記憶、判断力)の評価
日中の活動量と疲労の程度
生活意欲やセルフケアに対する意識
使用している補助具の有無と適合状況
家族・介護者による支援の有無とその内容
住環境・病室内の安全性(移動、トイレ、ベッド周囲など)
援助計画
(T-P)
セルフケア行動をできる限り本人に行ってもらうよう支援
必要に応じて部分的介助を行い、自立を促進
身体状況に合わせた運動・リハビリを支援(関節可動域訓練、筋力強化など)
セルフケア動作の反復練習を日課として導入
疼痛や不快感への対応(安楽な体位保持、痛みへのケア)
疲労軽減のためのセルフケアスケジュール調整
補助具(杖、滑り止めマット、移乗ボードなど)の導入・使用指導
ベッド周囲やトイレへの動線の安全確認・環境整備
安心して行動できるような声かけや励ましを実施
医師・リハビリ・ケアマネジャーとの連携による包括的支援
教育計画
(E-P)
セルフケアの継続が心身機能の維持に直結することを説明
「できることは自分で行う」ことの意義をわかりやすく説明
過介助が自立を妨げることを本人および家族に説明
疾患による制限があっても可能な範囲で活動することの重要性を説明
疲労を感じたときの休憩の取り方やペース配分を指導
安全な動作やセルフケア動作の方法を具体的に指導(実演含む)
環境調整のポイント(段差、手すり、滑り止めなど)を説明
痛みや不安などを無理に我慢せず申告するよう説明
家族に対して、自立支援型の関わりと励ましの方法を指導
地域資源や制度(介護保険、福祉用具レンタルなど)の活用について説明

類⑤-セルフケア能力促進準備状態

コード:00442

定義
日常生活動作を自立して行う能力のパターンが強化可能な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 セルフケア能力促進準備状態
長期目標自立した日常生活を送るために必要なセルフケアを適切に実施できる
短期目標自分のセルフケアに対して積極的に取り組むことができる
観察計画
(O-P)
セルフケアに対する意欲やモチベーションの確認
現在のセルフケア能力の評価(更衣、排泄、摂食、清潔保持など)
身体的な能力(筋力、可動域、バランス)の確認
精神状態(意欲、集中力、ストレス)の観察
セルフケアの進捗状況の記録
患者の生活習慣や日常生活活動(ADL)の確認
疲労や痛みの有無を確認し、セルフケアへの影響を評価
他者からのサポートの有無や必要性の確認
セルフケアに関連する認知機能の状態の観察
環境的な要因(家族サポート、生活環境)の評価
援助計画
(T-P)
セルフケアを促進するための動作を部分的にサポート
セルフケアに取り組みやすい環境整備(自助具の提案や環境の調整)
セルフケアが困難な場合、必要に応じて介助を提供
小さな成功体験を積み重ねるために段階的な目標を設定
モチベーションを維持するための声かけや励ましを行う
リハビリテーションやトレーニングの実施をサポート
進捗に応じて、セルフケアを実践する時間や頻度を調整
疲労が溜まらないように、セルフケアのタイミングを調整
自分でできることを優先的に実施するよう促す
家族や周囲のサポートを適切に利用するよう援助
教育計画
(E-P)
セルフケアの重要性と、それが生活の質に与える影響を説明
セルフケアの進歩が健康維持に役立つことを強調
自己管理能力を高めるためのセルフケア技術を指導
必要に応じた自助具の使用方法を説明
小さな成果を積み重ねることでセルフケアの自信を高める方法を説明
日々のセルフケアをルーチン化し、習慣として定着させる指導
セルフケアに関して困難や不安を感じた場合、相談するように指導
家族にもセルフケアをサポートする方法を説明
セルフケアの進捗状況を定期的に確認し、自己評価する方法を説明
セルフケアを継続するための動機づけや達成感の重要性を説明

類⑤-入浴自立性低下

コード:00326

定義
自力で身体を清潔にする能力が衰えた状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 入浴自立性低下
長期目標安全に自立して入浴できる
短期目標1週間以内に必要なサポートを受けながら、部分的に自分で入浴ができる
観察計画
(O-P)
呼吸数、呼吸パターン、呼吸の深さを定期的に観察
酸素飽和度(SpO2)を継続的にモニタリングし、適切な酸素供給を確認
血液ガス分析(動脈血ガス:PaO2、PaCO2)で酸素化と二酸化炭素の蓄積を評価
バイタルサイン(心拍数、血圧、体温、呼吸数)の変動を観察
人工換気からの離脱中に呼吸困難感、努力呼吸、呼吸補助筋の使用の有無を確認
離脱試行中の意識レベルの変化を観察し、酸素供給不足による意識障害の有無を確認
人工換気離脱中の疲労や倦怠感の有無、患者の表情や動作を観察
心電図モニタリングにより、離脱時の不整脈や虚血の兆候を確認
気道の清浄度と痰の排出能力を評価し、気道クリアランスを確保
離脱に伴う不安やストレスの兆候を観察し、精神状態の変化を確認
援助計画
(T-P)
人工換気のサポートを段階的に減少させ、離脱試行を行う際の計画を立案
離脱時に安楽な体位(ファウラー位、セミファウラー位)を提供し、呼吸を楽にする
酸素療法を必要に応じて実施し、酸素飽和度を維持
呼吸リハビリテーションを実施し、呼吸筋を強化し、自発呼吸を促進
離脱試行時には、適度な休息を設け、呼吸筋疲労を防ぐ
気道管理を徹底し、痰の排出を促進するために体位ドレナージや吸引を行う
離脱時の不安を軽減するために、心理的サポートを提供し、安心感を与える声かけを行う
離脱中に呼吸困難が出現した場合は、即座に人工換気を再開し、状態を安定させる
家族のサポートや心理的ケアを強化し、患者がリラックスできる環境を提供
必要に応じて医師と連携し、気管支拡張薬や鎮静薬の使用を調整
教育計画
(E-P)
人工換気からの離脱プロセスについて説明し、段階的な進行を理解させる
呼吸法(腹式呼吸、深呼吸)の重要性を説明し、自発呼吸を促進する方法を指導
離脱試行中に呼吸困難や不安を感じた際の対処法を教え、看護師に速やかに報告するよう指導
酸素療法の目的や家庭での酸素機器の使用方法を説明
呼吸筋を鍛えるための呼吸リハビリの重要性を説明し、実践方法を指導
離脱中に疲労を感じた場合、無理をせず休息を取ることの重要性を説明
気道の清浄度を保つための痰の排出方法(吸引や体位ドレナージ)の指導
精神的ストレスが呼吸に与える影響を説明し、リラクゼーション法を指導
家族に対し、人工換気離脱中の患者サポート方法と、精神的ケアの重要性を説明
服薬アドヒアランスの重要性を説明し、処方された薬物の正しい服用方法を指導

類⑤-更衣自立性低下

コード:00327

定義
自力で衣服を着脱する能力が衰えた状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 更衣自立性低下
長期目標自分で更衣ができるようになる
短期目標介助を受けながら、上衣の着脱ができる
観察計画
(O-P)
更衣時の動作能力の観察
上肢・下肢の可動域の確認
疲労や痛みの有無
患者の更衣に対する意欲の把握
手指の細かい動作の観察
着衣の選択や組み合わせの判断力
更衣中の呼吸状態の確認
日々の更衣動作の進捗記録
他のセルフケア(食事・排泄)の状態
精神状態の変動(落ち込みや不安)
援助計画
(T-P)
必要に応じた更衣の部分的な介助
動作を促すための声かけや指導
着やすい衣類の提案・選定
上肢・下肢の可動域に合わせた体位変換補助
手指リハビリの実施(つまむ・ボタンを留める練習)
長時間の更衣を避けるため、タイミングを工夫する
更衣動作を簡単にするための環境整備(椅子、鏡の設置など)
疲労を軽減するため、衣類をあらかじめ準備
必要な場合、家族への更衣介助の方法指導
運動機能をサポートするためのリハビリテーションの導入
教育計画
(E-P)
更衣の重要性と意義を説明
できる限り自分で動作を行うことの利点を説明
疲労や痛みがある場合は無理をしないように指導
着脱のしやすい衣服の選び方を指導
手指リハビリの重要性を説明し、自宅でも実践できるように指導
環境を整えることで更衣がスムーズにできることを説明
家族へも適切な介助方法を説明
自分で更衣ができた際に達成感を得られることを伝える
更衣において不安があれば、すぐに看護師に相談するよう指導
一日の更衣スケジュールを家族とともに計画しておくように指導

類⑤-摂食自立性低下

コード:00328

定義
自力で食事をする能力が衰えた状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 摂食自立性低下
長期目標自分で食事を安全に摂取できる
短期目標介助を受けつつ、食事の半分以上を自分で摂取できる
観察計画
(O-P)
食事時の手や口の動作能力の観察
上肢の筋力や可動域の確認
摂食中の疲労の程度や痛みの有無
嚥下能力(むせ込みや飲み込みの様子)の観察
食欲や食事に対する意欲の把握
食事量や残食の状況の確認
口腔内の健康状態(乾燥、歯の問題など)
食事時の姿勢と体位の観察
食事に要する時間の記録
食事時の精神状態や集中力の確認
援助計画
(T-P)
必要に応じて摂食を部分的に介助
嚥下しやすいように、食事形態(刻み食やペースト食)を調整
安全な体位で食事を摂るため、体位の調整を実施
自助具(持ちやすいスプーン、フォーク)の提案と使用補助
食事前後の口腔ケアを実施
食事中に必要な声かけを行い、ペースを調整
食事環境の整備(静かな場所、リラックスできる雰囲気)
食べやすい大きさに切ったり、取りやすくするなど食事内容の調整
食事中の水分摂取の促進と嚥下状況の観察
食事時間を適切に調整し、疲労を軽減
教育計画
(E-P)
誤嚥を防ぐための食事姿勢やペースについて指導
嚥下リハビリの重要性と実施方法を説明
食事形態の調整方法(刻み食、ソフト食など)の説明
栄養バランスの取れた食事の重要性とメニューの提案
家族への安全な食事介助の方法を説明
口腔ケアの重要性を家族へ説明し、実施を促す
食事を楽しむことの意義と精神的なサポートについて指導
摂食中にむせ込みや異常があった場合の対応方法を説明
日々の摂食動作の進捗を家族と共有し、支援を継続
安全な体位と食事ペースを維持するための工夫を指導

類⑤-整容自立性低下

コード:00330

定義
自力で身だしなみを維持する能力が衰えた状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 整容自立性低下
長期目標整容行為を可能な範囲で自立して行うことができ、清潔で整った外見を保てる
短期目標1日1回、洗顔や整髪などの整容行為を援助を受けながら自分で行おうとする姿勢を示す
観察計画
(O-P)
整容行為(洗顔・整髪・歯磨き・ひげ剃り・爪切りなど)の自立度
整容に対する意欲・関心の有無
手指の巧緻性・筋力・可動域の状態
視力・聴力・認知機能の程度
整容道具の使用状況(電動歯ブラシ、電気カミソリなど)
疼痛やしびれの有無(整容に支障がある部位)
うつ状態・無気力・羞恥心などの心理的要因
衛生状態(口腔、皮膚、爪など)
毎日の生活リズムや整容を行うタイミング
家族や介助者の関わりの有無と支援内容
援助計画
(T-P)
整容に必要な物品を手の届く場所に準備・配置
整容動作を一緒に行いながら動作手順を支援
必要に応じて部分介助を行い、自立を促進
整容行為を日課として習慣化できるよう支援
電動歯ブラシや自助具などの活用支援
疼痛や疲労がある場合の調整(体位・時間の分散など)
安全な環境整備(洗面台の高さ、椅子の使用など)
整容後の達成感を共有し、成功体験を積ませる
家族への整容援助方法の助言と協力依頼
心理的支援(羞恥心や無気力に寄り添った対応)
教育計画
(E-P)
整容行為が健康・清潔維持だけでなく尊厳を保つために重要であることを説明
自分でできる部分は可能な限り実施することの意義を伝える
整容が気分転換・自尊心の維持に役立つことを説明
整容の時間を楽しめるような工夫(好きな香り、音楽など)を提案
衛生用品や道具の選び方・使い方を説明
整容の手順を分かりやすく指導し、手順書などを用意
整容を他者に依存しすぎないよう「部分的自立」の意識を持てるよう説明
家族へも「清潔=尊厳の保持」であることを説明
気になる体臭・口臭・見た目などに関するセルフチェック方法を説明
無理のないペースで整容を習慣づける工夫を伝える

類⑤-排泄自立性低下

コード:00329

定義
自力で排泄に伴う動作を行う能力が衰えた状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 排泄自立性低下
長期目標自分で安全に排泄を行うことができる
短期目標介助を受けながら、トイレで排泄を行うことができる
観察計画
(O-P)
排泄時の動作能力の観察
排尿・排便のパターンと回数の記録
排泄に関する意欲や不安の把握
失禁の有無とその頻度の観察
尿量や便の性状の確認
下肢の筋力や可動域の確認
排泄に伴う疲労や痛みの有無
水分摂取量と排尿との関連の把握
トイレまでの移動能力の確認
排泄時の表情や言動の観察
援助計画
(T-P)
トイレまでの移動介助を行う
必要に応じて排泄時の介助を実施
排泄しやすい衣服の選定と調整
排泄時の体位調整をサポート
排泄時間を決め、規則的にトイレに誘導
便秘予防のための腹部マッサージの実施
尿意や便意がある時の適切な対応方法を説明し実施
清潔な環境を維持し、トイレ環境を整備
排泄後の清拭や手洗いの介助
排泄に関する羞恥心や不安を軽減するための声かけ
教育計画
(E-P)
排泄リズムを整える重要性を説明
便秘や下痢の予防に関する食事指導
水分摂取量を増やし、適切な排尿を促す指導
家族へのトイレ誘導方法の指導
排泄に伴う身体の負担を軽減するための工夫を説明
排泄時の安全な体位についての指導
排泄後の清潔保持の重要性を説明
排泄に対する不安やストレスの軽減方法を家族と共に指導
失禁の際の対処法と適切なケア方法を説明
トイレへの移動が困難な場合、ポータブルトイレや自助具の使用方法を指導

類⑤-口腔衛生行動不良

コード:00375

定義
口腔の健康維持に必要な方法や習慣の継続が困難な状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 口腔衛生行動不良
長期目標適切な口腔ケアを日常的に実施し、清潔で健康な口腔内を維持できる
短期目標1日1回以上、自分でまたは介助を受けて口腔清掃を実施できる
観察計画
(O-P)
歯磨きやうがいの実施状況(回数・方法・時間帯)
口腔内の状態(歯垢・舌苔・口臭・歯肉炎・義歯の清潔度など)
口腔清掃に対する理解・意識・意欲
自力での清掃動作の可否(巧緻動作・握力など)
疼痛・口腔乾燥・出血などの有無
誤嚥やむせ込みの有無(特に高齢者)
服薬状況(抗菌薬・抗コリン薬など唾液分泌へ影響する薬剤)
口腔ケア用品の使用状況(歯ブラシ、義歯ブラシ、保湿剤など)
認知機能や理解力の状態
家族や介助者の口腔ケアへの関わりの有無
援助計画
(T-P)
口腔清掃の実施を日課に組み込む支援
本人に合った歯ブラシや補助具(スポンジブラシ、保湿ジェルなど)の選定
義歯の取り外しと清掃を支援
必要に応じて部分介助または全介助での清掃実施
口腔内の異常(痛み・乾燥・出血)のケアを実施
歯科衛生士と連携したケア計画の立案と実施
食後や就寝前など、タイミングを定めて口腔清掃を促す
舌清掃や保湿ケア(口腔ジェル・うがいなど)の導入支援
本人の疲労・拒否が強い場合は短時間での分割ケアを実施
家族への清掃介助方法の指導と実践サポート
教育計画
(E-P)
口腔ケアの目的(感染予防・誤嚥予防・生活の質維持)を説明
適切な清掃方法(歯磨きの回数・角度・時間)を指導
舌苔除去の方法と必要性を説明
義歯の手入れ・保管方法を具体的に説明
口腔乾燥への対応策(保湿ジェル・うがい・水分摂取)を説明
食後・就寝前の清掃が重要であることを説明
口臭・歯周病・虫歯などのリスクについて説明
本人ができる範囲でセルフケアを継続する意義を伝える
家族・介助者へもケアの必要性と方法を丁寧に説明
歯科受診や口腔ケア専門職への相談の重要性を説明

類⑤-口腔衛生行動不良リスク状態

コード:00414

定義
口腔の健康維持に必要な方法や習慣の継続が困難になりやすい状態

看護計画の記載例

看護診断
(看護問題)
#1 口腔衛生行動不良リスク状態
長期目標適切な口腔衛生行動を継続し、健康な口腔内を維持できる
短期目標1日1回、自らまたは介助を受けて口腔清掃を実施しようとする意識を示すことができる
観察計画
(O-P)
歯磨き・うがいなどの実施頻度と方法の確認
口腔内の清潔状態(歯垢、舌苔、口臭、義歯の状態など)
口腔ケアに対する理解や関心の有無
口腔内トラブルの有無(痛み、乾燥、出血、違和感など)
ADLや手の巧緻性(自力での口腔ケア可能性)
認知機能の状態(理解力、記憶力、指示への反応など)
口腔衛生に影響する疾患・治療(脳血管障害、抗がん剤使用など)
食事内容・水分摂取状況
服薬の影響(口腔乾燥を引き起こす薬剤の有無)
家族・介助者の支援状況(清掃介助や声かけの有無)
援助計画
(T-P)
口腔ケアを毎日の習慣として定着するよう援助
自力での清掃が困難な場合は部分的または全介助を実施
舌ブラシやスポンジブラシ、保湿剤など適切な補助具の導入支援
義歯の取り外しと清掃を援助
歯磨きやうがいを行いやすい時間・タイミングで促す
口腔内の異常がある場合は早期に処置・医師へ報告
疲労や拒否がある場合は短時間に分けて実施支援
歯科衛生士との連携による個別対応の導入
トラブル予防のための保湿ケアの実施(ジェル、洗口液など)
家族や介助者にケアの方法を伝達し、協力を得る
教育計画
(E-P)
口腔衛生の重要性(感染・誤嚥性肺炎・全身状態への影響)を説明
口腔ケアを継続することが生活の質に直結することを伝える
正しいブラッシング方法・補助用具の使い方を指導
保湿ケアの必要性とその方法を説明(特に高齢者・口渇のある方)
1日2回の口腔ケアの習慣化を目標として説明
疲労時や介助が必要な場合も、実施を継続する方法を説明
口腔ケア用品の選び方(やわらかめのブラシ、ジェルタイプなど)を紹介
口臭や見た目への影響も含めて、本人の意識向上を促す
家族・介助者へも口腔ケアの意義と介助のポイントを説明
定期的な歯科受診や専門的ケアの必要性を説明

NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画記載例のまとめ

当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を多数まとめています。

ぜひ、日々の業務のご活用ください!

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引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2024-2026.医学書院.

-看護計画, NANDA-Iに基づく記載例, 領域4