この記事では、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を公開しています。
今回は領域3「排泄と交換」です。
看護計画の書き方が分からない…と悩んでいる看護実習生、新人の方々はぜひ参考にしてみてください!
看護計画の作成ルールに関しては、コチラの記事(【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】)を参考にしてください!
【完全保存版】看護計画の作成ルールと記載例まとめ【NANDA- I】
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他の領域の記載例を知りたい!という人は、この記事最後にまとめているので見てみてね!
*ご紹介しているのはあくまでも記載例ですので、実際は担当する患者にあわせて修正してご使用ください。
*特に看護目標の部分はあえて抽象的な内容を含めています。参考の上、患者にあった具体的な目標に修正することをお勧めします。
【NANDA-I看護診断】領域3「排泄と交換」の看護記録(SOAP)の記載例まとめ【コピペ可】
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NANDA-I領域3「排泄と交換」の一覧
NANDA-I領域3「排泄と交換」は、類①〜④に分けられます。
それぞれの診断名一覧は以下の通りです。
- 類① 排尿機能
- ・機能障害性尿失禁
・排尿障害
・混合性尿失禁
・腹圧性尿失禁
・切迫性尿失禁
・切迫性尿失禁リスク状態
・尿閉
・尿閉リスク状態
- 類② 消化管機能
- ・便秘
・便秘リスク状態
・知覚的便秘
・慢性機能性便秘
・慢性機能性便秘リスク状態
・排便抑制障害
・下痢
・消化管運動機能障害
・消化管運動機能障害リスク状態
- 類③ 外皮機能
- 本類には現在該当する看護診断なし
- 類④ 呼吸機能
- ・ガス交換障害
類①-機能障害性尿失禁
コード:00297
- 定義
- 泌尿器系の病変や問題との関連性がなく、意図しない尿もれが起こる状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 機能障害性尿失禁 |
長期目標 | 尿失禁を予防または軽減し、日常生活の質が向上する |
短期目標 | 2週間以内に、適切な排尿パターンが確立され、失禁の頻度が減少する 1か月以内に、自己排尿のコントロールが改善し、尿失禁のリスクが軽減する |
観察計画 (O-P) | 尿失禁の頻度、量、タイミングを記録し、排尿パターンを把握 排尿の前兆(切迫感、排尿前の焦りなど)があるか確認 失禁に関連する要因(移動の困難さ、衣類の脱着が遅い、トイレまでの距離など)を観察 水分摂取量や摂取タイミングを記録し、過剰な摂取がないか確認 尿路感染症の兆候(頻尿、痛み、発熱など)があるか定期的に観察 排尿に影響を与える既存の身体的または精神的な障害(関節炎、認知症、神経障害など)を確認 使用している薬物(利尿剤や降圧剤など)が排尿に影響を与えていないか確認 皮膚状態を観察し、失禁による湿疹や皮膚炎がないか確認 患者の移動能力やトイレへのアクセスが適切に行われているか観察 トイレに行けない時の心理的ストレスの有無を確認し、失禁の原因を理解する |
援助計画 (T-P) | 排尿日記を使用し、排尿のタイミングや量を把握しやすくする トイレにアクセスしやすい環境を整備し、移動や衣服の着脱がスムーズに行えるよう支援 排尿を促進するため、定期的なトイレ誘導を行い、排尿のリズムをつける 排尿の前兆を把握し、失禁を予防するための早期対応を支援 介助が必要な場合、トイレまでの移動や衣服の着脱を迅速に行うためのサポートを提供 身体機能の向上のために、下肢の筋力トレーニングやバランス訓練を行い、トイレへの移動をサポート 患者に合わせた尿失禁対策(失禁パッドや尿取りパッドなど)を提供し、日常生活の快適さを保つ 水分管理を行い、過剰な水分摂取やカフェイン、アルコールの制限を促す 排尿の前兆がない場合や頻繁な失禁が続く場合は、医師と連携し、薬物療法や排尿訓練の調整を行う 皮膚の清潔を保ち、失禁による皮膚障害を予防するため、適切なスキンケアを実施 |
教育計画 (E-P) | 排尿リズムの重要性を説明し、定期的なトイレ誘導の必要性を理解してもらう 排尿の前兆や兆候に気づいたら早めにトイレに行くことを奨励し、失禁を防ぐための対応を教える トイレへのアクセスを改善するため、家族や介護者に環境整備(手すり設置、トイレまでの経路の改善)を指導 水分摂取量の適切な管理と、飲み過ぎやカフェイン、アルコールの摂取制限について説明 身体機能の向上(歩行訓練や筋力トレーニング)が失禁予防に効果的であることを説明し、実践方法を指導 適切な尿失禁ケア用品(パッドやおむつ)の使用方法を説明し、快適に過ごす方法を教える 排尿日記の活用方法を説明し、失禁パターンを把握しやすくする自己管理方法を指導 失禁による皮膚トラブルを防ぐための清潔保持やスキンケアの方法を説明 精神的なストレスが失禁に影響することがあるため、ストレス管理やリラクゼーション方法を提案 家族や介護者に対し、適切なサポートと介助の仕方を説明し、トイレに行きやすい環境を整えるための協力を促す |
類①-排尿障害
コード:00016
- 定義
- 尿を排泄する機能の障害
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 排尿障害 |
長期目標 | 患者が適切な排尿機能を回復し、排尿に伴う苦痛や合併症を予防できる |
短期目標 | 1週間以内に、排尿困難や残尿感が軽減する 2週間以内に、正常な排尿リズムが確立し、残尿や尿意切迫感が軽減する |
観察計画 (O-P) | 排尿の頻度、量、タイミングを記録し、正常な排尿パターンと比較 排尿時の痛み(排尿困難、排尿後の痛み、排尿中の灼熱感など)の有無を確認 尿の性状(色、におい、混濁、血尿の有無)を観察し、異常がないか確認 残尿感や尿意が切迫しているか、または排尿が始まるまでの時間を観察 尿道周辺の違和感や不快感、会陰部の圧痛がないか確認 水分摂取量や飲水パターンを観察し、排尿量とのバランスを評価 皮膚や粘膜の状態を確認し、尿失禁による皮膚炎や湿疹の兆候がないか確認 尿路感染症の兆候(発熱、頻尿、膀胱刺激症状など)があるかを定期的に確認 尿カテーテルが使用されている場合、挿入部の感染症兆候や尿流の適切さを確認 排尿障害が精神的または社会的な影響を与えていないか、心理的な状態を観察 |
援助計画 (T-P) | 排尿パターンを整えるために、定期的にトイレへ誘導し、排尿リズムの確立を支援 排尿を促進するために、排尿時にリラックスできる環境を整え、ストレスを軽減 残尿感がある場合、排尿後に軽い腹圧をかけたり、座り直したりする方法を指導 必要に応じて、膀胱の超音波検査で残尿を確認し、膀胱の排尿機能を評価 尿道カテーテルが挿入されている場合、適切なカテーテル管理を行い、感染や閉塞を予防 排尿障害の原因が神経的要因や手術後の合併症である場合、理学療法士や専門医と連携してリハビリ計画を実施 便秘や腹圧のかかる食事を避けるよう指導し、排尿困難を悪化させる要因を排除 尿道や膀胱の不快感がある場合、痛み止めや抗菌薬などを医師と相談して処方 水分摂取量の調整が必要な場合、適切な量を提案し、過剰摂取や不足を防ぐ 患者の排尿に対する不安やストレスを軽減するために、リラックス法や心理的支援を提供 |
教育計画 (E-P) | 排尿パターンを記録し、正常な排尿間隔と量を維持することの重要性を説明 十分な水分摂取が膀胱や尿道の健康に必要であることを強調し、適切な水分摂取量を指導 排尿困難や残尿感の対処法(腹圧のかけ方や姿勢の調整)を説明し、セルフケアの方法を教える 排尿を促進するためのリラックス法(深呼吸、温かいタオルを下腹部に当てるなど)を指導 排尿時に痛みがある場合、医療機関に相談することの重要性を説明し、早期対応を促す 尿路感染症の予防(適切な排尿、清潔な環境保持、水分補給)のためのケア方法を説明 食事のバランスや便秘を防ぐための食事内容について説明し、腹圧を避ける方法を指導 尿道カテーテルを使用している場合、その管理方法や感染予防策を指導 排尿障害が長期化する場合、家族や介護者へのサポートの提供や、専門医への相談を奨励 排尿に対する不安やストレスがある場合、心理的なサポートや専門家との相談を提案 |
類①-混合性尿失禁
コード:00310
- 定義
- 意図しない尿もれが、強く切迫した尿意と一緒に、あるいはその後に続いて、そしてまた腹腔内圧を上昇させる活動で起こる状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 混合性尿失禁 |
長期目標 | 尿失禁の頻度や量を減少させ、日常生活の質が向上する |
短期目標 | 2週間以内に、尿失禁のトリガーとなる行動や状況を特定し、管理できるようになる 1か月以内に、適切な排尿習慣が確立し、尿失禁の頻度が軽減する |
観察計画 (O-P) | 尿失禁の頻度、量、タイミングを記録し、どのような状況で失禁が発生するか把握 失禁の種類(切迫性、腹圧性など)の特徴を観察し、それぞれの発生状況を評価 水分摂取量や飲水タイミングを観察し、過剰摂取や不適切な水分摂取がないか確認 排尿パターン(頻尿、夜間尿、残尿感など)を観察し、失禁との関連性を評価 失禁時の身体的な要因(咳、くしゃみ、運動など)を観察し、失禁のトリガーを確認 膀胱や尿道の不快感、尿意の急迫感があるか確認し、患者の自覚症状を把握 尿路感染症の兆候(発熱、頻尿、排尿時の痛みなど)を観察し、合併症のリスクを確認 排尿時に腹圧をかけていないか、または排尿が不完全でないか確認 皮膚の状態(失禁による湿疹や皮膚炎)を観察し、必要なスキンケアの介入を検討 患者が尿失禁に対して抱いている不安や心理的ストレスの程度を評価 |
援助計画 (T-P) | 尿失禁を予防するため、定期的にトイレに誘導し、排尿リズムの確立を支援 排尿を促進するため、リラックスできる環境を整え、排尿時のストレスを軽減 排尿日記を使用し、排尿のタイミングや失禁状況を把握し、トリガーを特定する 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)を指導し、骨盤底筋の強化による失禁軽減を支援 切迫性尿失禁の症状がある場合、膀胱訓練を導入し、尿意をコントロールできるようにサポート 腹圧性尿失禁の場合、急激な腹圧がかからないよう、呼吸法や体位の調整を提案 利尿薬やその他の薬物療法が尿失禁に影響している場合、医師と連携して治療プランを調整 水分摂取量の適切な管理を行い、過剰な水分摂取やカフェイン、アルコールの制限を促す 尿取りパッドや吸水パンツなど、適切な失禁ケア用品を提供し、日常生活の快適さを保つ スキンケアを徹底し、尿失禁による皮膚トラブル(かぶれや湿疹)の予防を行う |
教育計画 (E-P) | 混合性尿失禁の原因や仕組みを説明し、排尿習慣や生活習慣の改善が重要であることを理解してもらう 定期的な排尿スケジュールを立て、トイレに行くタイミングを予測しやすくする方法を指導 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)の重要性を説明し、日常生活に取り入れる具体的な方法を指導 切迫性尿失禁の対策として、膀胱訓練を指導し、尿意を長くコントロールする方法を教える 腹圧性尿失禁を軽減するため、腹圧をかけない呼吸法や姿勢の工夫を説明 水分摂取の管理方法(適切な量、タイミング、飲み物の選び方)を指導し、尿失禁予防を支援 失禁パッドや吸水パンツの正しい使用方法を説明し、衛生的かつ快適なケアを促す 尿路感染症の予防のため、日常的な清潔保持や適切な水分摂取の重要性を説明 失禁による皮膚トラブルを防ぐためのスキンケア方法(洗浄、保湿、換気)を教え、早期対処を指導 家族や介護者に対して、失禁ケアやトイレ誘導の重要性を説明し、適切な支援体制を構築 |
類①-腹圧性尿失禁
コード:00017
- 定義
- 意図しない尿もれが、腹腔内圧を上昇させる活動で起こる状態。尿意切迫感との関連性はない
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 腹圧性尿失禁 |
長期目標 | 腹圧性尿失禁の頻度と量を軽減し、日常生活における排尿のコントロールを改善する |
短期目標 | 2週間以内に、腹圧性尿失禁の引き金となる行動や状況を特定し、管理できるようになる 1か月以内に、排尿に関連する筋力強化や生活習慣改善により、尿失禁の頻度が減少する |
観察計画 (O-P) | 尿失禁の頻度、量、トリガー(咳、くしゃみ、運動、笑いなど)を記録し、失禁パターンを把握 水分摂取量や摂取タイミングを観察し、尿失禁に関連する生活習慣を評価 排尿時に痛みや不快感がないか確認し、膀胱や尿道の異常を観察 尿の色や性状を観察し、感染症や他の合併症の兆候がないか確認 骨盤底筋の筋力の程度を評価し、筋力低下が失禁に関与しているかを確認 失禁による皮膚の湿疹や炎症の有無を観察し、皮膚状態をモニタリング 排尿に関連するストレスや不安感の有無を確認し、心理的な負担を評価 身体活動の強度や内容を観察し、失禁を引き起こす動作を特定 便秘の有無を確認し、腹圧の原因となる消化器の問題がないか評価 使用している薬物(利尿薬など)が失禁に影響していないか確認 |
援助計画 (T-P) | 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)を指導し、筋力を強化することで尿失禁を軽減 失禁の引き金となる動作(咳、くしゃみ、運動時)を避けるため、適切な体位や動作のコントロール方法を指導 排尿リズムを整えるため、定期的にトイレに誘導し、失禁を予防する排尿習慣を支援 水分摂取を過剰に制限することなく、適切な水分管理を行うようにサポート 咳やくしゃみが誘因となる場合、これらの際に骨盤底筋を意識的に締めることを指導 尿失禁が発生する場面に応じて、尿取りパッドや吸水パンツの適切な使用を推奨 便秘がある場合、消化を助ける食事や適度な運動を推奨し、腹圧の軽減を図る 皮膚トラブルの予防のため、失禁後の適切な清拭とスキンケアを指導し、皮膚を清潔に保つ 身体活動を行う際に無理のない運動量を提案し、腹圧がかかりにくい動作を奨励 精神的な負担がある場合、リラクゼーション法や心理的サポートを提供し、失禁に対する不安を軽減 |
教育計画 (E-P) | 腹圧性尿失禁のメカニズムを説明し、骨盤底筋の強化が失禁予防に効果的であることを理解してもらう 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)の具体的な方法と頻度を指導し、日常生活に取り入れる方法を提案 咳やくしゃみをする際、意識的に骨盤底筋を締めることで失禁を予防する方法を説明 水分を適切に摂取し、過剰摂取や制限しすぎないようバランスの取れた水分管理の重要性を説明 便秘が腹圧性尿失禁を悪化させる可能性があることを説明し、食物繊維の摂取や適度な運動を奨励 運動時に腹圧がかかる場合、体位の工夫や適切な呼吸法を用いて失禁を予防する方法を指導 失禁パッドや吸水パンツの正しい使用方法を説明し、快適で衛生的に使用できるよう支援 失禁が日常生活に与える心理的な影響を軽減するため、リラックス法やストレス管理法を提案 皮膚トラブルを防ぐためのスキンケア方法(失禁後の清拭や保湿)を教え、失禁による皮膚トラブルを予防 家族や介護者に対し、排尿のサポートや心理的な支援の重要性を説明し、協力体制を整える |
類①-切迫性尿失禁
コード:00019
- 定義
- 意図しない尿もれが、強く切迫した尿意と一緒に、あるいはその後に続いて起こる状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 切迫性尿失禁 |
長期目標 | 切迫性尿失禁の頻度や症状を軽減し、排尿のコントロールを改善する |
短期目標 | 2週間以内に、失禁を引き起こす要因や状況を特定し、管理できるようになる 1か月以内に、膀胱訓練を取り入れ、排尿のコントロールが向上する |
観察計画 (O-P) | 尿失禁の頻度、量、タイミングを記録し、失禁のパターンや誘因を把握 水分摂取量や摂取タイミングを観察し、尿意と失禁の関連を評価 排尿時に痛みや不快感がないか確認し、膀胱や尿道の異常を観察 尿の色や性状を観察し、感染症や他の合併症の兆候がないか確認 膀胱の収縮による切迫感や急な尿意が頻繁に起こっていないか確認 排尿後に残尿感があるか、尿が完全に排出されているか観察 尿路感染症の兆候(発熱、排尿時の痛み、頻尿など)がないか確認 失禁による皮膚の湿疹や炎症の有無を観察し、皮膚状態をモニタリング 排尿に関してストレスや不安がないか、心理的な負担を評価 使用している薬物(利尿剤、降圧薬など)が失禁に影響を与えていないか確認 |
援助計画 (T-P) | 膀胱訓練を実施し、排尿間隔を延ばすことで膀胱容量を増加させ、尿意をコントロール 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)を指導し、骨盤底筋の強化による尿失禁の軽減を支援 トイレへの定期的な誘導を行い、尿意をコントロールしやすい排尿習慣を支援 リラックス法を取り入れ、膀胱の緊張を緩和し、急な尿意を抑える方法を指導 失禁のトリガーとなる行動(咳、急な動作、運動など)を避けるため、適切な体位や動作を指導 切迫性尿失禁の予防策として、尿取りパッドや吸水パンツの使用を提案し、快適な生活をサポート 水分管理を行い、過剰な水分摂取を避けつつ、適切な水分補給を指導 カフェインやアルコールの摂取を制限し、膀胱刺激を避ける食事や飲み物の選択を指導 尿失禁が発生する状況に応じた対策を提案し、日常生活での失禁予防をサポート 皮膚トラブルの予防のため、失禁後の適切な清拭とスキンケアを指導し、皮膚を清潔に保つ |
教育計画 (E-P) | 切迫性尿失禁のメカニズムを説明し、膀胱訓練や骨盤底筋トレーニングの重要性を理解してもらう 膀胱訓練の具体的な方法と排尿間隔の延ばし方を指導し、尿意をコントロールする方法を教える 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)の実施方法を説明し、日常的に取り入れるよう奨励 尿意を感じたときにすぐにトイレに行かず、リラックスして尿意をコントロールする方法を指導 水分摂取の管理方法(適切な量、タイミング、飲み物の選び方)を指導し、尿失禁予防を支援 刺激の強い飲み物(カフェインやアルコール)が膀胱に与える影響を説明し、摂取を制限するよう指導 失禁パッドや吸水パンツの正しい使用方法を説明し、日常生活での快適さと衛生を保つ方法を提案 尿路感染症の予防策として、適切な水分補給と清潔保持の重要性を説明 失禁による皮膚トラブルを防ぐためのスキンケア方法(清拭、保湿、換気)を教え、早期対処を促す 家族や介護者に対し、排尿のサポートや心理的な支援の重要性を説明し、協力体制を整える |
類①-切迫性尿失禁リスク状態
コード:00022
- 定義
- 強く切迫した尿意を感じた直後に、意図しない排尿が起こりやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 切迫性尿失禁リスク状態 |
長期目標 | 切迫性尿失禁の発症を予防し、排尿のコントロールを維持する |
短期目標 | 2週間以内に、排尿習慣を改善し、尿意の急迫感を予防できるようになる 1か月以内に、膀胱機能の管理方法を身につけ、切迫性尿失禁のリスクが軽減できる |
観察計画 (O-P) | 排尿の頻度、タイミング、量を記録し、排尿パターンを把握 尿意の急迫感が頻発していないか確認し、膀胱の状態を観察 尿失禁を引き起こす要因(急激な動作、カフェイン摂取、ストレスなど)の有無を確認 尿の性状(色、におい、混濁、血尿の有無)を観察し、異常がないか確認 水分摂取量や摂取タイミングを観察し、排尿リズムとの関連性を評価 失禁のリスクを高める排尿時の痛みや不快感がないか確認 尿路感染症の兆候(頻尿、排尿時の痛み、発熱など)の有無を観察 皮膚の状態を確認し、失禁に伴う湿疹や炎症が発生していないかを確認 患者が失禁に対する不安やストレスを抱えていないか、心理的な状態を観察 使用している薬物(利尿薬や降圧薬など)の有無を確認し、尿意に影響を与えていないか確認 |
援助計画 (T-P) | 定期的なトイレ誘導を行い、排尿リズムを整えて尿意をコントロールできるよう支援 膀胱訓練を実施し、尿意をコントロールするための排尿間隔の延長をサポート 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)を指導し、骨盤底筋の強化を図る リラックス法や深呼吸を用いて、膀胱の緊張を緩和し、急な尿意を抑える方法を指導 水分摂取量を適切に調整し、過剰摂取を避けながら適度な水分管理をサポート 尿意を引き起こすカフェインやアルコールの摂取を制限し、膀胱への刺激を減らす 失禁リスクが高い場合は、尿取りパッドなどを使用し、失禁の予防と衛生を保つ トイレへのアクセスをスムーズにするため、環境を整備し、動線を確保する 皮膚トラブルの予防のため、適切な清拭やスキンケアを実施し、皮膚を清潔に保つ 精神的なサポートを提供し、尿意に対する不安や緊張を軽減するための心理的ケアを行う |
教育計画 (E-P) | 切迫性尿失禁のリスク要因やメカニズムを説明し、予防の重要性を理解してもらう 膀胱訓練の具体的な方法を指導し、排尿間隔を延ばすことで膀胱容量を増やす方法を教える 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)の実施方法を説明し、日常生活に取り入れる方法を提案 尿意が強まった際にすぐにトイレに行かず、リラックスして尿意をコントロールする方法を指導 水分摂取の適切な管理(量、タイミング、飲み物の選び方)を説明し、過剰摂取や不十分な摂取を避けるよう指導 カフェインやアルコールの摂取が膀胱に与える影響を説明し、摂取を制限するよう指導 失禁が起こる可能性がある場合、尿取りパッドの使用方法を説明し、衛生的かつ快適な生活を保つ方法を提案 失禁に伴う皮膚トラブルを予防するためのスキンケア方法(清拭、保湿、換気)を教え、早期対応を促す 家族や介護者に対し、排尿のサポートや心理的な支援の重要性を説明し、協力体制を整える 失禁が発生した場合、早期に医療機関に相談するよう説明し、必要に応じた治療や対策を受けることを促す |
類①-尿閉
コード:00023
- 定義
- 膀胱を完全に空にできない状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 尿閉 |
長期目標 | 尿が適切に排出され、膀胱機能が正常に回復する |
短期目標 | 1週間以内に、残尿量が減少し、自然排尿が可能になる 2週間以内に、排尿困難や膀胱の不快感が軽減し、膀胱の圧迫感がなくなる |
観察計画 (O-P) | 排尿の頻度、量、残尿感、排尿困難の有無を記録し、尿閉の進行状況を把握 膀胱の膨満感や不快感の有無を確認し、膀胱の圧迫や膨張を観察 膀胱の超音波検査で残尿量を定期的に確認し、尿の貯留状況を把握 尿意があるのに排尿できない、または排尿量が極端に少ないかを確認 尿の色や性状(濃さ、混濁、血尿など)を観察し、尿路感染症の兆候を確認 患者が排尿に伴う痛みや不快感を訴えていないか確認し、排尿時の症状を把握 尿路感染症や腎不全の兆候(発熱、背部痛、尿量減少など)を観察 排尿時の努力や腹圧をかける動作があるか確認し、自然排尿の難易度を評価 カテーテルが使用されている場合、挿入部位の感染や尿の流れを確認し、閉塞を予防 水分摂取量を記録し、排尿量とのバランスを確認して尿閉の原因を評価 |
援助計画 (T-P) | 必要に応じてカテーテルを挿入し、膀胱の圧迫感を軽減し、尿の排出を促す 排尿を促進するために、患者を温かい環境に置き、リラックスできる状況を整える 水分摂取を促し、膀胱の自然な機能を回復させるための適切な水分管理を行う 排尿しやすい体位を提案し、排尿を促進する姿勢をサポート 尿意があるが排尿が困難な場合、下腹部に軽く温湿布を当てて膀胱を刺激し、排尿を促す 排尿困難が続く場合は、医師と連携して膀胱洗浄やカテーテルの再評価を行う 膀胱が過度に膨満している場合、尿の緊急排出を支援し、腎機能への影響を最小限に抑える カテーテル挿入中の患者に対して、定期的なカテーテルの管理と清潔保持を行い、感染予防をサポート 排尿後の腹部超音波で残尿を確認し、排尿が完全に行われているか評価 尿閉が改善された後も、日常的な水分摂取や排尿リズムを整え、尿閉の再発を予防 |
教育計画 (E-P) | 尿閉の原因と膀胱機能に対する影響を説明し、患者に理解を促す 水分摂取の重要性を説明し、適切な水分摂取量とタイミングを指導 排尿を促進する体位や姿勢(座位や前屈位など)を説明し、患者が快適に排尿できる方法を指導 カテーテル挿入が必要な場合、その目的や挿入中のケア方法(清潔保持、感染予防)を指導 自然排尿が困難な場合、リラックスして排尿を促す方法(温湿布や深呼吸など)を教える 尿閉の兆候(膀胱膨満感、下腹部の痛み、残尿感など)を早期に発見し、適切な対応を取るよう指導 カテーテル使用後、感染予防のための適切なケア方法を説明し、清潔な環境を保つ重要性を強調 排尿が困難な状況が続く場合、早期に医療機関に相談することの重要性を説明 排尿トラブルによる精神的なストレスを軽減するため、必要なサポート体制を家族と共に整える 退院後も、排尿の観察と水分摂取の管理を続け、尿閉の再発を防ぐためのフォローアップを推奨 |
類①-尿閉リスク状態
コード:00322
- 定義
- 膀胱を完全に空にすることが困難になりやすい状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 尿閉リスク状態 |
長期目標 | 尿閉の発症を予防し、排尿機能を正常に維持する |
短期目標 | 1週間以内に、適切な水分摂取や排尿習慣を確立し、尿閉のリスクを軽減する 2週間以内に、尿意や排尿機能が正常に保たれ、尿閉を予防できる状態を維持する |
観察計画 (O-P) | 排尿の頻度、量、タイミングを記録し、正常な排尿パターンを把握 膀胱の膨満感や尿意の有無を定期的に確認 残尿感や排尿困難の有無を観察し、排尿機能の変化を早期に発見 尿の色や性状(濃さ、混濁、血尿の有無)を観察し、異常がないか確認 水分摂取量と排尿量のバランスを観察し、適切な排尿が行われているか評価 カテーテル使用時は、尿の流れや感染症の兆候(発熱、膀胱不快感、尿道周辺の赤み)を確認 尿路感染症の兆候(頻尿、排尿時の痛み、発熱)を早期に発見 腎臓機能に異常がないか、尿量や全身状態を観察 薬物(利尿薬や鎮痛薬)の使用が排尿機能に影響を与えていないか確認 患者の心理的ストレスや不安が排尿に影響していないか評価 |
援助計画 (T-P) | 定期的なトイレ誘導を行い、排尿リズムを整えて尿閉を予防 水分摂取を促し、適切な水分バランスを保つことで膀胱機能をサポート 排尿を促すため、排尿しやすい体位(前屈位や座位)を指導 必要に応じて膀胱を温める温湿布を使用し、排尿を促進 尿意があるのに排尿が困難な場合、深呼吸やリラックス法を用いて排尿を促す 尿路感染症の予防のため、適切な水分補給とトイレへの誘導を行う 排尿時に腹圧をかけないように指導し、自然な排尿を促す カテーテル使用時は、適切なケアと清潔保持を行い、感染予防に努める 尿閉が疑われる場合、超音波で残尿量を確認し、必要に応じて医師と連携して適切な治療を実施 便秘がある場合、適度な運動や食事管理を提案し、腹圧による尿閉のリスクを軽減 |
教育計画 (E-P) | 尿閉のリスク因子(前立腺肥大、神経疾患、手術後の影響など)を説明し、予防の重要性を強調 十分な水分補給が尿路の健康維持に必要であることを説明し、適切な摂取量とタイミングを指導 排尿しやすい体位や姿勢を指導し、トイレでリラックスする方法を説明 尿閉の兆候(膀胱の膨満感、下腹部の痛み、残尿感)を早期に発見し、適切な対応を取るよう説明 カテーテル挿入時の感染予防策や適切なケア方法(清潔保持、尿流管理)を指導 排尿が困難な場合、温湿布やリラックス法を用いて排尿を促進する方法を教える 尿路感染症の予防のため、日常的な清潔保持や適切な水分摂取の重要性を説明 便秘の予防が排尿機能に良い影響を与えることを説明し、食物繊維の摂取や水分補給の重要性を指導 排尿に対する不安やストレスが尿閉につながることを説明し、リラックス法を提案 尿閉の症状が出た場合、早期に医療機関を受診する重要性を強調し、適切なケアを受けるよう説明 |
類②-便秘
コード:00011
- 定義
- 便の排出が低頻度または困難な状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 便秘 |
長期目標 | 正常な排便パターンが回復し、快適な排便が維持できる |
短期目標 | 1週間以内に、排便回数が増え、便秘の症状を軽減できる 2週間以内に、正常な排便習慣が確立し、便秘の再発を予防できる |
観察計画 (O-P) | 排便の頻度、量、性状(硬さ、色)を記録し、便秘の進行状況を把握 腹部の膨満感や腹痛の有無を確認し、便秘による不快感を観察 排便時の努力感や排便にかかる時間を確認 水分摂取量と食事内容を観察し、便秘の原因となる食生活を評価 使用している薬物(鎮痛薬、抗コリン薬、鉄剤など)が便秘を引き起こしていないか確認 腸音を聴診し、腸管蠕動が低下していないか評価 排便時の習慣やトイレへのアクセス状況を確認し、便秘のリスク要因を把握 便秘によるストレスや不安がないか、心理的な影響を観察 下痢や軟便のエピソードがないか確認し、過度な下剤使用の有無を確認 便秘による皮膚トラブル(痔や裂肛など)が発生していないか観察 |
援助計画 (T-P) | 水分摂取を増やし、1日1.5~2リットルの水分補給を目指すよう指導 食物繊維を豊富に含む食事(野菜、果物、全粒穀物など)を摂取するよう提案 毎日の排便習慣を確立し、決まった時間にトイレに行く習慣を作るよう指導 便秘が続く場合、適度な運動(ウォーキングなど)を推奨し、腸の蠕動を促進 排便時に無理に力を入れず、自然に排便できるような姿勢を指導 必要に応じて、医師の指示のもとで緩下剤や浣腸を使用し、便秘を解消 腸内の蠕動運動を促進するため、腹部マッサージを指導し、患者自身が実施できるようにする 便秘が薬物治療に関連している場合、医師と相談して薬物療法を見直す 腹部の膨満感や不快感がある場合、温湿布などを用いてリラックスできる環境を提供 長期的な便秘が続く場合、大腸検査やその他の診断的検査を提案し、基礎疾患の有無を評価 |
教育計画 (E-P) | 十分な水分摂取と食物繊維の摂取が排便を促進することを説明し、日常的に意識して摂取するよう指導 毎日同じ時間にトイレに行くなど、規則的な排便習慣を身につけることの重要性を説明 食物繊維を多く含む食品(玄米、リンゴ、ほうれん草など)の選び方や調理方法を提案 適度な運動が腸の蠕動を促進することを説明し、日常生活に運動を取り入れる方法を教える 排便時に力まないようにし、リラックスした状態で排便を行う方法を指導 下剤の過度な使用は腸の働きを低下させる可能性があるため、適切な使用法について指導 腸内環境を整えるためのプロバイオティクスやプレバイオティクスの摂取を奨励し、腸内フローラの改善を支援 便秘による皮膚トラブル(痔など)の予防のため、適切な排便方法と清潔保持の重要性を説明 便秘の原因が薬物療法や疾患によるものの場合、その原因に応じた対応法を説明し、医師との連携を促す 便秘によるストレスや不安があれば、リラックス法や心理的サポートの利用を提案 |
類②-便秘リスク状態
コード:00015
- 定義
- 便の排出が低頻度または困難になりやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 便秘リスク状態 |
長期目標 | 便秘を予防し、正常な排便パターンを維持する |
短期目標 | 1週間以内に、排便リズムが整い、便秘のリスクを軽減できる 2週間以内に、適切な水分摂取や食物繊維の摂取により便秘を予防する |
観察計画 (O-P) | 排便の頻度、量、性状(硬さ、色)を記録し、便秘の兆候を早期に発見 腹部の膨満感や腹痛の有無を確認し、便秘のリスクが高まっていないか観察 排便時の努力感や便秘の兆候が見られた場合の症状を把握 水分摂取量や食事内容(食物繊維の摂取状況)を確認し、便秘リスクを評価 使用している薬物(鎮痛薬、抗コリン薬、鉄剤など)が便秘に影響していないか確認 腸音を聴診し、腸蠕動の低下がないかを定期的に確認 排便パターンの変化や異常がないか確認し、患者の日常生活に影響が出ていないかを評価 排便に対する患者の不安やストレスを観察し、心理的影響を評価 排便習慣が乱れていないか(トイレに行けない環境や生活習慣の変化など)を確認 便秘による皮膚トラブル(痔や裂肛など)が発生していないか観察 |
援助計画 (T-P) | 水分摂取を増やし、1日1.5〜2リットルの水分補給を目指すよう指導 食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、全粒穀物など)を摂取する食事プランを提供 毎日の排便習慣を確立し、定期的にトイレに行く習慣を作るよう支援 便秘リスクの軽減のため、適度な運動(ウォーキングなど)を推奨し、腸蠕動を促進 排便時にリラックスできる環境を整え、排便がしやすい姿勢(前傾姿勢など)を指導 便秘を予防するため、腹部マッサージを定期的に行い、腸の働きを促す方法を教える 薬物が便秘の原因である場合は、医師と連携し薬物の調整を行う 食事中のカフェインやアルコールを控えるよう指導し、便秘を予防 排便リズムが乱れた場合、早めに医師と相談し、便秘の兆候を予防 排便時のトラブル(痔や裂肛など)が発生した場合、速やかに適切な治療を行い、症状を緩和 |
教育計画 (E-P) | 水分摂取と食物繊維の摂取が便秘予防に役立つことを説明し、日常的な摂取を促す 規則的な排便習慣を確立することの重要性を説明し、便意を感じたら我慢せずに排便するよう指導 食物繊維を多く含む食品(玄米、リンゴ、ほうれん草など)の選び方や調理法を提案 適度な運動が腸の蠕動運動を促進し、便秘予防に効果的であることを説明し、具体的な運動方法を提案 排便時の姿勢や呼吸法を説明し、リラックスして排便できるように指導 便秘の兆候(腹部膨満、硬便、排便困難など)を早期に発見し、便秘が進行する前に対応するように指導 便秘予防のため、下剤の過度な使用を避け、自然な排便を促進する方法を説明 排便の際に無理に力まないよう指導し、便秘による痔や裂肛を予防する方法を教える 薬物治療が便秘の原因となる可能性がある場合、そのリスクを説明し、適切な対策を行うよう指導 精神的なストレスや不安が便秘に影響を与えることを説明し、リラックス法やストレス管理の方法を提案 |
類②-知覚的便秘
コード:00012
- 定義
- 便の排出が低頻度または困難だという自己診断と、確実に毎日排便するための方法の乱用が組み合わさった状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 知覚的便秘 |
長期目標 | 正常な排便パターンを理解し、便秘を過度に意識せずに排便ができる |
短期目標 | 1週間以内に、排便パターンを適切に理解し、便秘に対する過剰な不安を軽減できる 2週間以内に、正常な排便リズムを身につけ、排便に対する不安を解消できる |
観察計画 (O-P) | 患者の排便回数、量、性状(硬さ、色)を記録し、正常な排便パターンを把握 排便時の努力感や排便困難の有無を観察し、実際に便秘が発生しているか確認 腹部の膨満感や腹痛の訴えがあるか確認し、便秘による不快感がないか観察 患者が排便に対して抱いている不安やストレスの程度を評価 水分摂取量や食事内容(食物繊維の摂取状況)を確認し、排便状況との関連を評価 過剰な下剤使用や排便習慣の過度なコントロールが行われていないか確認 患者の排便習慣(排便の時間、頻度、トイレへのアクセス状況)を観察 腸音を聴診し、腸蠕動が正常であるか評価 排便に対して不安を感じる原因が生活環境や心理的ストレスに関連していないか評価 患者が便秘と感じる理由を聞き取り、客観的な排便パターンと比較 |
援助計画 (T-P) | 患者に排便リズムが人それぞれ異なることを説明し、正常な排便パターンについて理解を深める 患者の排便に対する過剰な不安を軽減するため、実際の便秘症状の有無を評価し、排便に対する現実的な認識を持てるよう支援 排便習慣を確立するため、毎日同じ時間にトイレに行く習慣を提案し、自然な排便を促す 適度な運動を奨励し、腸の蠕動を促進して自然な排便をサポート 水分摂取と食物繊維の豊富な食事を推奨し、便秘予防に効果的な栄養バランスを整える 排便時に無理に力を入れないよう指導し、リラックスして自然に排便できる環境を整える 腹部マッサージを指導し、腸の蠕動を促す手助けを行う 過度な下剤使用を避けるため、下剤や浣腸の使用を控え、自然な排便を促進する方法を提案 排便時にストレスを感じる場合、リラクゼーション法(深呼吸や瞑想など)を指導し、排便に伴う心理的な負担を軽減 患者が排便に対して感じている不安や誤解を解消するために、専門的なサポートを提供し、現実的な排便習慣の確立を支援 |
教育計画 (E-P) | 正常な排便の頻度やパターンは個人差があることを説明し、自分のペースで排便することの大切さを教える 十分な水分摂取と食物繊維の摂取が自然な排便を促進することを説明し、日常生活での実践を促す 排便リズムを整えるため、毎日同じ時間にトイレに行く習慣を持つことの重要性を指導 過度に便秘を心配せず、ストレスを軽減するためのリラクゼーション法(深呼吸、瞑想など)を指導 下剤や浣腸に頼らず、自然な排便を促すための方法(食事、運動、リラックス法)を教える 排便に対する過度な不安や誤解を解消するため、専門家と相談することの重要性を説明 適度な運動が腸蠕動を促進し、排便をサポートすることを説明し、日常生活に取り入れる具体的な方法を提案 排便時に力まないよう、便意が自然に訪れるのを待つことの大切さを指導 便秘に対する認識を正し、排便に対する過度な意識や心配を持たないようサポート 日常生活での排便に関する疑問や不安があれば、専門家や医療スタッフに相談するよう勧める |
類②-慢性機能性便秘
コード:00235
- 定義
- 排便回数の減少または排便困難が、1年のうち少なくとも3ヶ月以上続く状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 慢性機能性便秘 |
長期目標 | 便秘が改善され、患者が快適な排便習慣を維持できるようになる |
短期目標 | 1週間以内に、排便回数が増え、便秘による不快感を軽減できる 2週間以内に、適切な排便リズムが確立され、便秘の症状を緩和できる |
観察計画 (O-P) | 排便回数、便の性状(硬さ、色、形状)、量を記録し、便秘の程度を把握 腹部の膨満感や腹痛の有無を確認し、便秘による不快感や疼痛がないか観察 排便時の努力感や排便困難の有無を確認し、便秘の影響を評価 患者の水分摂取量や食事内容を記録し、便秘に影響する要因を評価 使用している薬(鎮痛薬、抗コリン薬、鉄剤など)が便秘を悪化させていないか確認 便秘による生活の質への影響(食欲不振、活動量の低下など)を観察 排便習慣や排便に対する患者の意識を把握し、便秘の心理的要因を評価 腸音を聴診し、腸蠕動が正常かどうかを確認 便秘に伴う排便時の肛門周囲の痛みや痔の発症がないか観察 排便に対する不安やストレスの有無を確認し、心理的な影響を把握 |
援助計画 (T-P) | 水分摂取を増やし、1日1.5~2リットルの水分補給を目指すよう指導 食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、全粒穀物など)を積極的に摂取するよう提案 毎日同じ時間にトイレに行く排便習慣を確立し、自然な排便リズムを促進 適度な運動(ウォーキングなど)を推奨し、腸蠕動を促進するサポートを行う 排便を促すために腹部マッサージを実施し、腸の蠕動を刺激 必要に応じて緩下剤や腸管刺激薬の使用を医師と相談し、便秘を改善 排便時に無理に力を入れず、リラックスして自然に排便できる姿勢を指導 排便時の努力や硬便による肛門周囲のトラブル(痔など)を予防するため、便の柔軟化を図る 排便がスムーズに行えるように、温かい飲み物を摂取するなどの生活習慣改善を提案 長期間にわたる便秘が続く場合、大腸検査やその他の診断的検査を提案し、基礎疾患の有無を評価 |
教育計画 (E-P) | 十分な水分摂取と食物繊維の摂取が便秘予防に有効であることを説明し、適切な摂取を促す 排便習慣の確立が便秘予防に重要であることを説明し、毎日同じ時間にトイレに行くよう指導 食物繊維を豊富に含む食品(玄米、豆類、果物、野菜など)の選び方や調理法を提案 適度な運動が腸蠕動を促進し、便秘改善に役立つことを説明し、日常生活に取り入れるよう提案 排便時に無理に力まないようにし、リラックスして自然に排便を行うことの重要性を指導 便秘に対する過度な不安を軽減するため、便秘が改善可能なものであることを説明し、サポート体制を強化 下剤や浣腸の適切な使用方法を指導し、過度な使用を避けるよう説明 長期間便秘が続く場合は、医師との連携を促し、便秘改善のための適切な治療を受けることを提案 排便の際に痔や裂肛などのトラブルを防ぐため、便の硬さをコントロールする方法を教える 便秘が長引く場合、大腸の検査を行い、慢性便秘の根本的な原因を確認する重要性を説明 |
類②-慢性機能性便秘リスク状態
コード:00236
- 定義
- 排便回数の減少または排便困難が、1年のうち少なくとも3ヶ月近く続きやすく、健康を損なう恐れのある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 慢性機能性便秘リスク状態 |
長期目標 | 便秘の発症を予防し、正常な排便パターンを維持する |
短期目標 | 1週間以内に、適切な食事、運動、排便習慣を身につけ、便秘のリスクを軽減できる 2週間以内に、排便が円滑に行われ、便秘のリスクが減少する |
観察計画 (O-P) | 排便の頻度、便の性状(硬さ、色、量)を記録し、便秘の早期兆候を確認 腹部の膨満感や腹痛の有無を確認し、便秘による不快感がないか観察 排便時の努力感や排便困難の兆候がないか確認 患者の水分摂取量や食事内容(特に食物繊維の摂取状況)を観察 適度な運動が行われているか、日常活動のレベルを観察 使用中の薬(鎮痛薬、抗コリン薬、鉄剤など)が便秘のリスクを高めていないか確認 便秘による生活の質(QOL)への影響を観察し、心理的ストレスを評価 腸音を聴診し、腸蠕動の低下や異常を早期に発見 排便習慣の変化がないか確認し、排便パターンが乱れていないかを評価 患者が便秘に対する不安やストレスを抱いていないか確認 |
援助計画 (T-P) | 十分な水分摂取を促し、1日1.5~2リットルの水分を摂取するよう支援 食物繊維を多く含む食事(野菜、果物、全粒穀物など)を摂取するよう提案し、便通を促進 毎日の規則的な排便習慣を確立し、トイレに行くタイミングを一定にするよう指導 腸の蠕動運動を促進するため、適度な運動(ウォーキングなど)を日常的に取り入れるよう奨励 排便を促進するために、排便時の姿勢やリラックスできる体位を指導 腸の働きを促進するため、腹部マッサージを指導し、患者が自己管理できるようサポート 必要に応じて、便秘予防のための緩下剤や繊維サプリメントを医師と相談し、適切に使用 食事のバランスを整え、過度のカフェインや脂肪の摂取を控え、便秘を予防する 便秘リスクのある薬物の調整が可能であれば、医師と連携し、必要に応じて変更を提案 排便困難やストレスの軽減のため、リラクゼーション法を指導し、心理的なサポートを提供 |
教育計画 (E-P) | 十分な水分摂取と食物繊維の摂取が便秘予防に有効であることを説明し、具体的な食品の選び方を指導 毎日決まった時間にトイレに行く習慣を身につけることが、排便リズムを整えるために重要であることを説明 食物繊維を多く含む食品(玄米、豆類、果物、野菜など)の選び方や調理法を提案 適度な運動が腸の蠕動運動を促進し、便秘を予防することを説明し、具体的な運動プランを提案 排便時にリラックスして力まないようにすることで、自然な排便を促進できることを指導 過度な下剤や浣腸の使用は、腸の機能低下を招く可能性があるため、適切な使用法について指導 便秘による不安やストレスがある場合は、医療機関に相談するよう説明し、早期の対処が重要であることを強調 便秘予防のための生活習慣改善が長期的な健康維持に繋がることを説明し、日常生活で実践できる方法を提案 便秘が長引く場合、大腸の検査など早期の医療介入が重要であることを説明 排便トラブルや便秘の症状が改善されない場合は、定期的に医療機関を受診するよう指導 |
類②-排便抑制障害
コード:00319
- 定義
- 便を留めておくこと、直腸内の便を感知すること、排便に都合が悪い時には緊張を緩めて便を蓄えておくことができない状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 排便抑制障害 |
長期目標 | 排便を適切にコントロールできるようになり、正常な排便習慣が確立できる |
短期目標 | 1週間以内に、排便への不安が軽減され、適切な排便リズムを確立できる 2週間以内に、排便のコントロールが改善され、排便を我慢しない習慣が身につく |
観察計画 (O-P) | 排便の頻度、便の性状(硬さ、色、量)を記録し、排便パターンを把握 排便の回避や遅延の原因(心理的要因、生活習慣など)を確認 腹部の膨満感や腹痛があるか確認し、排便抑制による身体的症状を観察 水分摂取量や食事内容(特に食物繊維の摂取量)を記録し、便秘の原因を評価 排便時の努力感や困難の有無を確認し、排便障害の程度を把握 患者が排便に対して感じている不安やストレスを観察し、心理的な要因を評価 排便習慣(時間、頻度、トイレへのアクセス状況)が適切に行われているか確認 使用中の薬(鎮痛薬、抗コリン薬など)が排便に影響を与えていないか確認 排便が長期間行われていない場合、硬便や便秘による合併症(痔、裂肛など)が発生していないか確認 腸音を聴診し、腸の蠕動運動が正常に行われているか観察 |
援助計画 (T-P) | 規則的な排便リズムを確立するため、毎日決まった時間にトイレに行く習慣を提案 排便を我慢しないよう促し、便意を感じた際にすぐにトイレに行ける環境を整備 水分摂取を増やし、1日1.5~2リットルの水分補給を推奨し、便を柔らかくするサポートを提供 食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、全粒穀物など)を摂取し、便通を促進 患者が排便に対して不安やストレスを感じている場合、リラックス法や深呼吸を取り入れ、緊張を緩和 排便が困難な場合、腹部マッサージを行い、腸の蠕動運動を促進する手助けをする 必要に応じて緩下剤や繊維サプリメントを医師と相談し、排便を促進 トイレに行きやすい服装や環境を整え、患者が快適に排便できる状況を提供 下剤や浣腸の過度な使用を避けるよう指導し、自然な排便を促進する 排便が抑制されている原因(羞恥心、トイレのアクセス制限など)がある場合、適切な対処法を提案 |
教育計画 (E-P) | 排便を我慢しないことの重要性を説明し、便意を感じたらすぐにトイレに行くことを促す 十分な水分摂取と食物繊維の摂取が便通を促進することを説明し、日常的な実践を推奨 毎日同じ時間にトイレに行くことで規則的な排便リズムが確立されることを説明 排便時にリラックスして力まないようにすることの重要性を説明し、自然な排便を促す方法を指導 便秘の予防と排便抑制の改善には、下剤の使用を最小限にすることが重要であることを説明 排便を我慢することが身体に与える悪影響(便秘、痔、腸の負担)について説明し、予防法を教える 排便に対して羞恥心や不安を感じている場合、心理的サポートやカウンセリングを提案 排便を促すために、腹部マッサージや温かい飲み物を摂取するなどの生活習慣改善を提案 トイレに行きにくい環境(職場、学校など)での対策を説明し、排便を抑制しない方法を指導 排便に関する疑問や不安がある場合、医療スタッフや専門家に相談するよう推奨 |
類②-下痢
コード:00013
- 定義
- 1回あたり3回以上の、軟便または液状便の排出
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 下痢 |
長期目標 | 下痢が解消され、正常な腸機能が回復し、健康状態を維持できる |
短期目標 | 1週間以内に、下痢の頻度が減少し、便の性状が正常に戻る 2週間以内に、脱水や電解質異常が予防され、全身状態が安定する |
観察計画 (O-P) | 排便の頻度、量、性状(緩さ、色、出血の有無)を記録し、下痢の進行状況を確認 患者の体重を定期的に測定し、急激な減少がないか確認 脱水症状(口渇、皮膚の乾燥、皮膚弾力低下、頻脈、低血圧など)がないか確認 水分摂取量と排尿量を観察し、水分バランスを評価 血清電解質(ナトリウム、カリウムなど)の値を確認し、電解質異常の兆候を観察 下痢に伴う腹痛、腹部不快感、膨満感の有無を確認 食事の内容や食事摂取量、消化状態を観察し、下痢との関連を評価 患者の精神的ストレスや不安感を観察し、下痢の悪化要因を把握 体温を定期的に測定し、感染や炎症による発熱がないか確認 便の性状や臭いに異常があれば、感染症や消化器疾患の可能性を検討し、医師に報告 |
援助計画 (T-P) | 脱水を予防するため、経口補水液や水分を少量頻回に摂取するよう促し、必要に応じて点滴を実施 食事内容を調整し、脂肪分や繊維の多い食品を控え、消化の良い食品(お粥、スープ、バナナなど)を提供 腸内の刺激を避けるため、カフェイン、アルコール、刺激物(辛い食べ物など)を避ける指導を行う 下痢が続く場合、整腸剤や下痢止め薬を医師と相談し、適切に使用する 皮膚の清潔を保ち、肛門周囲の皮膚トラブル(湿疹やかぶれ)を予防するため、適切なスキンケアを実施 腹部の不快感や痛みを緩和するため、腹部を温める温湿布やリラックス法を提案 感染性の下痢が疑われる場合、接触感染予防のための適切な手洗いや隔離を実施 栄養補給が困難な場合、経口栄養が困難であれば医師と相談し、必要に応じて経静脈栄養を検討 長期的な下痢が続く場合、腸の検査を提案し、慢性疾患(炎症性腸疾患や過敏性腸症候群など)の有無を確認 患者の不安やストレスを軽減するため、リラクゼーション法やカウンセリングを取り入れ、精神的サポートを提供 |
教育計画 (E-P) | 十分な水分補給が重要であることを説明し、下痢による脱水を予防するために経口補水液の摂取を指導 食事内容の調整が下痢の改善に役立つことを説明し、消化の良い食品や下痢を悪化させる食品について指導 下痢の原因となるストレスや不安を軽減するためのリラックス法(深呼吸、瞑想など)を指導 下痢による皮膚のトラブルを予防するため、適切なスキンケア方法を説明 感染性の下痢が疑われる場合、手洗いや消毒の重要性を説明し、家族や介護者に適切な予防策を教える 下痢が長期化する場合は、医師に早めに相談することの重要性を説明し、合併症予防を強調 食品衛生管理(新鮮な食品の摂取、調理法の注意)を指導し、食中毒の予防を促す 下痢を引き起こす可能性がある薬物(抗生物質など)やサプリメントの使用に注意するよう説明 排便の記録を続け、症状が悪化した場合や便の異常があれば速やかに医師に報告するよう指導 下痢が改善した後も、腸内環境を整えるために、プロバイオティクスや発酵食品の摂取を提案 |
類②-消化管運動機能障害
コード:00196
- 定義
- 消化管の蠕動運動の亢進、減弱、無効、または欠如が起きている状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 消化管運動機能障害 |
長期目標 | 消化管の運動機能が改善され、消化や排便が正常に行われる |
短期目標 | 1週間以内に、消化不良や腹部膨満感を軽減できる 2週間以内に、正常な消化管運動が回復し、快適な消化と排便ができるようになる |
観察計画 (O-P) | 排便の頻度、便の性状(硬さ、色、量)を記録し、消化管運動機能の状態を把握 腹部膨満感、腹痛、吐き気、嘔吐の有無を確認し、消化管の異常を早期に発見 食事内容や摂取量を観察し、消化不良の原因となっていないか評価 患者の体重を定期的に測定し、急激な増減がないか確認 腸音を聴診し、蠕動運動の有無や強さを確認 患者が消化に対して感じている不安やストレスの有無を観察 水分摂取量を記録し、便秘や下痢など消化管運動異常に伴う症状を観察 嘔吐がある場合、吐物の量や性状(血液混入の有無など)を確認し、消化管内の異常を評価 消化管運動機能に影響を与える薬物(鎮痛薬、抗コリン薬など)の使用状況を確認 排便時に痛みや不快感がある場合、肛門や直腸の状態を確認し、肛門周囲のトラブルを観察 |
援助計画 (T-P) | 食事は少量頻回にし、消化しやすい食品(スープ、柔らかい食材など)を提供 消化を促進するため、食後はできるだけ横にならず、軽い活動を推奨 腸蠕動運動を促進するため、適度な運動(ウォーキングなど)を奨励 腹部膨満感や腹痛がある場合、温湿布やリラックス法を取り入れ、症状を緩和 必要に応じて、整腸剤や消化促進薬を医師と相談し、薬物療法を実施 水分摂取を促し、腸の蠕動運動をサポートし、便秘の予防を行う 消化管運動機能に影響を与える薬物の調整を医師と相談し、必要に応じて変更を提案 消化管運動機能障害に伴う下痢がある場合、電解質補給や経口補水液を使用し、脱水を予防 食事をゆっくりと摂取し、噛む回数を増やすよう指導し、消化の負担を軽減 排便リズムが乱れている場合、規則的な排便習慣を確立し、便秘や下痢を防ぐ |
教育計画 (E-P) | 十分な水分摂取とバランスの取れた食事が消化管運動に重要であることを説明し、実践を促す 少量頻回の食事が消化管に負担をかけにくいことを説明し、消化しやすい食品の選び方を指導 食事後すぐに横にならないようにし、軽い運動を取り入れることが消化を促進することを説明 適度な運動が消化管の蠕動運動を促進し、消化管機能の正常化に役立つことを説明し、日常生活に取り入れるよう提案 排便がスムーズに行えるよう、毎日同じ時間にトイレに行く習慣を作ることの重要性を説明 薬物治療の副作用として消化管運動機能障害が生じる可能性があるため、医師に相談する重要性を説明 下痢や便秘が続く場合、食事内容の見直しや医師の診察を受ける必要があることを説明 食べ物の咀嚼が消化を助けることを説明し、食事中にゆっくり食べるよう指導 消化管の健康を維持するために、プロバイオティクスや発酵食品を取り入れることを推奨 消化管運動機能が低下している場合、長期的な管理が必要であることを説明し、定期的なフォローアップの重要性を強調 |
類②-消化管運動機能障害リスク状態
コード:00197
- 定義
- 消化管の蠕動運動の亢進、減弱、無効、または欠如が起こりやすく、健康を損なう恐れがある状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 消化管運動機能障害リスク状態 |
長期目標 | 消化管運動機能障害の発症を予防し、消化管の正常な機能を維持する |
短期目標 | 1週間以内に、消化管運動機能障害のリスク要因を軽減できる 2週間以内に、消化管運動が正常に保たれ、便秘や消化不良のリスクが減少する |
観察計画 (O-P) | 排便の頻度、便の性状(硬さ、色、量)を記録し、消化管運動機能の状態を観察 腹部膨満感や腹痛の有無を確認し、消化管機能の異常を早期に発見 食事の内容や摂取量、食事摂取時間を記録し、消化管に負担がかかっていないか評価 水分摂取量を記録し、便秘や消化不良を予防するための水分バランスを確認 体重の増減を定期的に確認し、消化不良による栄養状態の変化を把握 腸音を聴診し、蠕動運動の低下や異常を早期に発見 消化管運動機能に影響を与える薬物(鎮痛薬、抗コリン薬など)が使用されていないか確認 嘔気や嘔吐の有無を確認し、消化管の運動機能の低下による影響を観察 精神的ストレスや不安が消化管運動に影響を与えていないか確認 食後の消化不良や排便の遅延がないか、症状を記録し評価 |
援助計画 (T-P) | 十分な水分摂取を促し、1日1.5~2リットルの水分を補給し、便秘を予防 食事を少量頻回に調整し、消化しやすい食品(柔らかい食材、低脂肪食など)を提供 規則正しい排便習慣を確立するため、毎日同じ時間にトイレに行くよう指導 腸蠕動を促進するため、適度な運動(ウォーキングや軽いストレッチ)を日常生活に取り入れるよう支援 食後すぐに横にならず、軽く動くことで消化を促進する習慣を指導 腹部の膨満感や不快感がある場合、腹部マッサージや温湿布を活用して消化管の運動を促進 消化管に負担をかける薬物の使用が必要な場合、医師と連携して調整を行う ストレスが消化管機能に悪影響を及ぼしている場合、リラクゼーション法(深呼吸や瞑想)を取り入れて緊張を緩和 排便が促進されるよう、プロバイオティクスを含む食品(ヨーグルトや発酵食品など)の摂取を提案 長期間の便秘や下痢を予防するため、消化管運動の異常が続く場合は、早めに医師に相談し、診断を受けるよう促す |
教育計画 (E-P) | 十分な水分摂取が消化管の健康維持に重要であることを説明し、適切な水分摂取方法を指導 消化しやすい食事を摂ることで消化管の負担を軽減できることを説明し、適切な食事内容を提案 毎日決まった時間にトイレに行くことで規則的な排便習慣を維持することの重要性を説明 適度な運動が腸蠕動を促進し、便秘予防に効果的であることを説明し、日常生活に取り入れる方法を提案 食後すぐに横になることが消化に悪影響を与える可能性があることを説明し、食後の適度な活動を推奨 薬物療法による副作用として消化管運動機能が低下するリスクがある場合、そのリスクを説明し、医師に相談するよう促す 腸内環境を整えるための食事管理(プロバイオティクスの摂取、食物繊維の摂取)について指導 消化管運動機能の低下による便秘や消化不良の兆候が見られた場合、早めに医療機関を受診する重要性を強調 ストレスが消化管に与える影響について説明し、ストレス管理の方法(リラクゼーション法、瞑想など)を指導 消化管運動機能障害のリスクを減らすため、長期的な生活習慣改善の必要性とその重要性を説明し、実践できるサポートを提供 |
類③-本類には現在該当する看護診断なし
類④-ガス交換障害
コード:00030
- 定義
- 酸素化と二酸化炭素排出の両方またはいずれかの一方が、過剰または不足した状態
看護計画の記載例
看護診断 (看護問題) | #1 ガス交換障害 |
長期目標 | 酸素化と二酸化炭素の排出が正常に行われ、呼吸機能を改善できる |
短期目標 | 1週間以内に、SpO2(酸素飽和度)が安定し、呼吸困難感を軽減できる 2週間以内に、血液ガスの異常が解消され、正常な呼吸機能まで回復できる |
観察計画 (O-P) | SpO2(酸素飽和度)を定期的に測定し、酸素化の状態を確認 呼吸数、深さ、リズム、努力呼吸(使用筋群の確認)を観察し、呼吸機能を評価 血液ガス分析(動脈血ガス、PaO2、PaCO2)の結果を確認し、酸素と二酸化炭素の交換状態を把握 チアノーゼ(口唇、指先)の有無を確認し、酸素不足の兆候を早期に発見 肺音(ラ音、喘鳴、湿性音)を聴診し、肺の状態を評価 患者の意識レベル(覚醒度、混乱、意識混濁など)を観察し、低酸素や高二酸化炭素血症の兆候を確認 患者の活動中の呼吸困難感や胸痛の有無を確認し、日常生活への影響を把握 咳嗽や喀痰の有無、性状(量、色、粘度)を観察し、呼吸機能や感染症の兆候を確認 体位変換が呼吸機能に与える影響(座位での呼吸の改善など)を観察 胸部X線やCTスキャンの結果を確認し、肺の病変や異常の有無を評価 |
援助計画 (T-P) | 酸素療法を適切な流量で実施し、SpO2が安定するように管理 体位を調整し、呼吸しやすい体位(ファウラー位や半座位)を保持し、肺の換気を促進 患者が深呼吸を促せるよう、呼吸リハビリ(深呼吸、呼吸補助法)を指導し、呼吸筋の強化を支援 口すぼめ呼吸を指導し、呼吸効率を高め、二酸化炭素の排出を促進 必要に応じて、気管支拡張薬やステロイドなどの薬物療法を医師と連携し、呼吸機能の改善を図る 痰の排出を促進するため、十分な水分補給を推奨し、適宜吸引を実施 必要に応じて、胸部理学療法(体位排痰法、叩打法)を行い、気道クリアランスを促進 活動中の酸素消費量を抑えるため、休息と活動のバランスを取り、無理のない活動量を計画 呼吸困難時には冷静に対応し、患者が安心できるよう心理的なサポートを提供 感染予防のため、手洗いや呼吸器ケアを徹底し、適切な環境を維持 |
教育計画 (E-P) | 酸素療法の重要性と正しい使用方法を説明し、適切な管理を促す 体位調整や深呼吸が呼吸を楽にすることを説明し、呼吸しやすい姿勢を維持する方法を指導 口すぼめ呼吸が呼吸困難を軽減し、二酸化炭素の排出を助けることを説明し、日常的に実践するよう指導 水分摂取が痰の排出を助けることを説明し、十分な水分補給を促す 呼吸リハビリの重要性を説明し、家庭で継続できる深呼吸や呼吸筋トレーニングの方法を指導 呼吸困難が悪化した場合や、異常な症状(胸痛、意識混濁など)が現れた場合は、早急に医療機関を受診するよう指導 適切な休息と活動のバランスが呼吸機能の維持に重要であることを説明し、無理のない生活計画を立てる 喀痰の色や量の変化に注意し、感染の兆候があれば早めに報告するよう指導 感染予防のため、手洗いや適切な呼吸器ケアを日常的に行う重要性を説明 家族や介護者に対して、患者の呼吸状態を見守り、適切に対応する方法を指導し、サポート体制を強化 |
NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画記載例のまとめ
当サイトでは、今回ご紹介した領域の他にも、NANDA-Iの看護診断に基づく看護計画の記載例を多数まとめています。
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引用・参考文献
T. ヘザー・ハードマン 編,上鶴 重美 訳:NANDA-I看護診断 定義と分類 2020-2023.医学書院.